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03年度一般会計補正予算反対討論
2004・3・9   長谷部淳
 日本共産党の長谷部淳です。私は、最初に、議案第76号平成15年度一般会計補正予算(第4号)について意見を述べます。

 知事は、「常に一人ひとりの県民の立場に立つことを基本として県政に取り組む」ことを表明されています。この姿勢は当然であり、知事であれば、予算という政治の鏡に結果を出すことが重要だと思います。

 その点では、8か所の福祉施設整備の前倒しなどは、遅れている施設サービスを進める点でも、それぞれの地域で仕事と雇用を直接つくるうえでも評価できるものです。

 しかし問題なのは、経費削減などで、主要4基金のうち財政調整基金に60億円、減債基金に57億5,300万円を繰り戻すという、その削減の中身であります。

 たとえば知的障害者福祉費の減額1億1,800万円、高齢福祉総務費の減額4億3,469万円、そのなかでも高齢者等住宅改造資金融資事業は4億円の減額、やさしいまちづくり支援事業を含めた長寿社会対策費2億円の減額などは、県民一人ひとり、だれでもが住みやすい、「共生」の考え方を真に具現化しようとする姿勢に疑問符をつけざるを得ないのです。高齢者等住宅改造資金や、やさしいまちづくり支援事業については融資でなく助成制度にして実効あるものにするなど、施策のとりくみかたそのものに「共生」の理念を具体化する必要があると思います。

 一事が万事とは言わずとも、きびしい当初予算を組んだにもかかわらず、軒並みの減額では、減額を見込んで水増し計上し、基金作りのためのかくし財源にウエイトを置いた年度間の予算運営ではないのかと指摘せざるをえません。

 そして一方で、たとえば、当初予算3億円であった小名浜東港には3億6,000万円が追加計上されています。このうち県の借金が2億4,300万円です。このお金でなにをするかといえば、幅・長さ・高さがそれぞれ10数メートルのケーソン、この大きさは3階建ての6世帯アパート程度だそうですが、これを3個作り、2個を海にしずめてすえつけるというのです。県民の暮らしの実態から見て、今、これを海にしずめるために借金をするほどの緊急性があるのでしょうか。国が補助をつけてきたからといって、県の借金をなぜふやさなければならないのでしょうか。まして県自身が「大規模事業の見直し」の一環で進度調整している事業に当初よりも多額をつぎ込む姿勢はいびつなのではないでしょうか。不況克服にも、雇用拡大にもつながらないことが明らかなことに予算を積み増しすることを容認するわけにはいきません。

 また、切れ目ない公共事業発注を口実に、トラハイにもゼロ県債を設定していることも問題です。しかも今回の補正でも、トラハイの車両通行量が見込みより大幅に下回っているための赤字対策として、福島県道路公社への貸付金2,521万8,000円が計上されております。この4年間の累計で2億2,800万円にのぼります。もどる見込みも定かでないこの支出をこれからも続けるというのでしょうか。徹底して見直すべき公共事業の典型です。

 さらに、東北中央自動車道への負担金もまた不要不急の負担を県民に強いるものと指摘せざるをえません。

 私の身の回りには、会社をしめざるをえなかったり、リストラされたり、また仕事がなかなか見つからない若者もいます。

 現在の県民の暮らしのこうした実態からするならば、雇用対策、中小企業支援策、そして介護保険料や国保税の減免策など、家計を直接的に応援する施策、市町村を直接支援する施策をこそ緊急にとりくむべきです。

 また、全国知事会の梶原岐阜県知事が、国によるいわゆる「三位一体改革」を「三位バラバラ改悪だ」と指摘するように、三位一体改革が地方自治体と住民に負担を押しつけるだけの正体が明らかになってきています。住民自治の上に立つ地方自治の拡充につながる権限と財源の地方への移譲をこそ国へ求めなければなりません。その点で、議案第91号「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加及び一部変更について」であります。いつわりの三位一体改革のもと、市町村が予算を組むこと自体に悲鳴を上げているときに、市町村の負担軽減を基本とすべきであります。

 以上、議案第76号、第91号に反対を表明し、討論を終わります。



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