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2006年9月県議会一般質問
2006/10/4
                  県議会議員 神山悦子
一般質問

答弁

再質問と答弁

再々質問と答弁

<談合問題について>

 日本共産党の神山悦子です。
 9月県議会前日の25日佐藤前知事の実弟逮捕、これを受けて27日佐藤前知事の辞任を表明しました。しかし、これで県政談合問題を終わりにしてはなりません。30日(土)には、県庁も東京地検特捜部の強制捜査を受け、「県政汚職事件」ともいうべき事態に発展しています。
 県の県北流域下水道工事をめぐる談合事件では、福島市の県内最大手「佐藤工業」の幹部が、地元建設業者による受注調整の結果を、元県土木部長・建設技術センターの坂本元理事長に伝え、それを県土木部に伝達していたとされていますが、これでは完全に官製談合ではありませんか。
 こうした官製談合のしくみがどうやって生み出されたのか、県自身の徹底解明なしに再発防止はできないし、県民は納得しないと思います。

 県の2億円以上の工事入札における業者の最終指名は、本庁指名委員会や入札資格審査委員会で行われます。いずれの委員会の会長も副知事であり、農林水産部長と土木部長はともにその構成員となっています。したがって、県の大型事業の発注でどの業者が受注するのかを知る立場にあります。業者選定の際に、前知事実弟、元土木部長、佐藤工業会長とで談合し調整していたとされていますが、あらかじめ決められた業者をこれらの委員会で指名したことが実際あったかどうか、本庁指名運営委員会の会長である副知事、農林水産部長、県土木部長それぞれにお尋ねします。

 また、建設技術センターのしくみが談合の温床になっていたことは大問題です。ただし、ここを廃止すれば済むという単純なものでもなく、市町村の工事の積算を民間にまかせればよいというものでもありません。建設技術センターのあり方で最大の問題は、家宅捜査を受けた江花元土木部長など、歴代の県土木部長がセンターの理事長となって天下りし、現職時以上に絶大な権力を振るっていたという仕組みに根本問題があります。
 この天下りの仕組みを断ち切る姿勢があるのかどうか、また、建設技術センターの担っている役割を今後どう担保しようと考えているのか、見解をうかがいます。
 あわせて、積算単価そのものが妥当なのかも問われています。「予定価格」のもとになっている「積算単価」を見直すべきと思いますが、どうお考えでしょうか。

 ところで、私たちが無駄な大型事業と指摘してきたトラハイ(あぶくま高原道路)についてですが、これも佐藤工業が業者を仕切っていた談合が指摘されたものです。1996〜2005年までの1億円以上を見ると98.57%という高落札率で、しかも100件のうち41件が随意契約でしたが、県はこれを異常だと思わなかったのでしょうか、知事職務代理者の見解をうかがいます。

 もうひとつは、いわゆる公共事業の「地産地消」の考え方自体について、これが問題ではありません。この点では自民党の代表質問と同じです。逮捕された佐藤工業などが、談合して県内業者を調整して受注し、高値落札で不当な利益を得ていたことが問題なのです。
 県内の地元業者を優先させて県の公共事業を発注し、地域経済の循環に役立てながら、談合や高値落札を許さない仕組みにどう変えていくのかをうかがいます。
 
 ところで、このトラハイは総事業費1,300億円もかけ、計画交通量は3,400台としていますが、現在一部供用された実態をみても、1日あたりの交通量は500〜600台程度。全線開通したとしても、飛躍的に何千台も交通量が増えるとは思えず、誰がみても過大な見積もりです。
 また、未来博に間に合わせるための突貫工事で、ずさんな工事があったとの報道もあります。県の財政が非常に厳しいというのに、トラハイを聖域扱いにしておく必要は全くありません。トラハイの中止を求めますが、県の見解をうかがいます。
 
 さらに、木戸ダムですが、これも前知事実弟の会社と業者との談合が指摘されています。
 もともと木戸ダムは、東電が広野火発の新増設の計画を打ち出し、県はそれを見込んで工業用水(日量3万トン)の6割を使用する計画でした。ところが、東電は電力需要が伸びないことから、99年増設一基を凍結すると表明しました。当然、この時、県は見直すべきだったと思いますが、これをしないまま今日に至り、ほぼ完成に近づいています。今後これが、水道料金の形で地元住民の負担が増えるだけのダム事業にならないよう、県の責任を明確にすべきと思いますが見解をうかがいます。

 佐藤県政の18年間は、プルサーマルなど原発問題への対応、乳幼児医療費の就学前までの無料化、小中全学年での30人学級の実施、郊外の大型店を規制する商業まちづくり条例制定など、全国に誇れる施策については評価するものの、佐藤県政の基本は対米公約を果たすための、国の公共事業の垂れ流しを下請けした「大型開発優先」が特徴でした。
 特に2期目半ば1995年(H7)から、空港3千メートル化、トラハイ、小名浜人工島など次々と着手し、これを2001年の未来博まで続けました。その一方で、医療・福祉・教育の充実を求める県民の願いは後景に追いやられ、「豊かさ指標」全国ランキングはいずれも最下位クラスでした。私たち共産党県議団は、ムダづかいをすすめる予算に反対し、一貫して大型開発よりも医療・福祉・教育の充実を求めてきました。

 オンブズマンの調査によれば、昨年度、福島県の「談合疑惑度」は全国17番目に高く、95%以上が6割、90%以上は8割もありました。全国一低い長野県との比較では、金額にして約40億円もの差です。結果として、この県民の血税が余分に投資されたことになります。
 まず、発注する県が「談合による不当・不正な入札は絶対に許さない」という姿勢を貫くことが重要だと思いますが、どうお考えでしょうか。
 総合評価制度の導入は、恣意的な思惑を入れられない仕組みにすることを含め、入札制度そのものについての改善を、第三者委員会、県民の意見、関係者の意見を踏まえて、ガラス張りの議論をすすめることを求めますが、県の見解をうかがいます。

 ところで、県民のくらしは、小泉政権の5年間で貧富の「格差」が広がり、働いても働いても年収200万円以下の“ワーキングプア”とよばれる貧困層が増えています。
 その小泉政権を継承したのが、安倍晋三内閣ですが、今後も福祉と医療のきりすて、庶民大増税が続けられ、消費税の大増税ももくろまれています。
 加えて、最も危惧するのは、憲法改悪と教育基本法の改悪です。県としては、地方きりすて、「格差」拡大の国の悪政から、県民のくらしと市町村をどう守っていくのかが、改めて問われています。

<教育行政について>
 今年8月、県学校教育審議会は、現行8学区を撤廃し「県立高校の学区一円化が適当である」との「中間報告」を答申しました。しかし、7月に行った保護者や生徒、教員へのアンケート調査では、意見が半々に分かれていたのです。
 「学区一円化」の理由として市町村合併や選択の自由などあげていますが、 「特色ある学校づくり」という美名のもとに、全県的に難関大学合格率の激しい競争がすすめられるのは必至です。そうなれば、親の経済力によって子どもの教育を受ける機会が左右されかねません。
 通学区域の県下一円化の実施に当たっては、様々な課題があると考えますが、県教委の見解をお尋ねします。
 また、通学区域の県下一円化を、実施すべきではないと考えますが、見解を求めます。
 一方、本県がすすめた30人学級を小中学校全学年に拡大したことは大いに評価しますが、この教員は全て常勤講師のため、学校現場は、講師の占める割合がますます高くなり、教員の多忙化に拍車がかかっています。せめて、何年か講師経験があれば、正教員として採用するなどして正教員を増やすべきですが、県教育委員会の見解をうかがいます。

<子育て支援について>
 次に、県の今年度の重点施策である「子育て支援」に関わってお尋ねします。
 まず、全国に衝撃を与えた泉崎村の「幼児虐待死事件」についてですが、私はこれまで何度も児童相談体制の不十分さを指摘し充実を求めてきたのに、この指摘が悲しい現実になったことは本当に残念でなりません。
 今回の事件では、いくつか未然に防ぐ機会があったのを見逃した上、昨年から村に対応を任せ、県の直接の関与をやめてしまったという対応のまずさに正直驚きました。
 まず、虐待問題は「積極的に介入する」のが基本と思いますが、県にこの認識があったのかどうかお尋ねします。
 また、「立ち入り調査」について法律の壁があったといっていますが、これも正しくありません。「子どもの命を守る」ことを何よりも優先すべきでなかったでしょうか。研修会等の充実、学校や警察など関係機関との連携強化についても見解をうかがいます。
 今度の事件を教訓にすれば、県中地区の郡山相談センターを独立させるとともに、児童相談所を県内7つの生活圏ごとに設置すべきと思いますが、考えをお尋ねします。
 加えて、老朽化で満杯状態となっている児童養護施設ですが、旧農業試験場跡地を利用するなどして、設置してはどうかと思いますが、見解を伺います。

 昨年、県立大野病院の産婦人科医が逮捕されて以降、産婦人科医の確保が困難な状況となっていますが、助産師は、医師と同じように開業できる資格をもっており、妊婦の検診から出産の介助、さらに産後も母子健や母乳育児に対する継続したケアを行っています。産科医不足を補完するためにも、助産師の積極的な活用や院内助産所の設置を進めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 次に、「認定こども園」についてうかがいます。
幼稚園と保育所の機能を合わせもった「認定こども園」は、一見幼稚園と保育所のいいところを合体させたものだといいますが、果たしてそうでしょうか。
 「認定こども園」は03年の骨太方針(構造改革基本方針)で位置づけられ、いわば財界の要求による社会保障の財政負担の軽減と、もうけ優先の民間保育所参入がねらいです。
 県は来年4月からスタートさせるといいますが、入所は認定こども園との直接契約、自由な保育料設定ですから、認定こども園制度では、子どもの成長に重要な役割を果たすための質的な保障は望めなくなるのではないかと思います。県の考えをお尋ねします。
 また、認定者となる県が、公的責任をしっかり果たすためには、認定基準に十分な数の職員の配置及び調理室や園庭などの必置を盛り込むべきですし、認定こども園の保育料軽減のために県が支援すべきと思いますが、考えをうかがいます。

 次に、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育についてですが、小学校単位での設置、運営費補助基本額を増額し支援すること、設置運営基準を設け質の向上図ることを求めますが、どう検討されているでしょうか。

 さて、経済的な負担軽減は、子育て支援の重要な課題です。これまで私が何度か取り上げてきましたが、あらためて妊産婦健診の無料化の具体化と、乳幼児医療費助成無料化の年齢を中学校卒業までの拡大を求めます。県はどのように検討されているのかお尋ねします。

 また、母子家庭や父子家庭など「ひとり親家庭」への医療費助成事業について、県は、10月1日から生計を同一にする扶養義務者にまで所得制限を広げてしまいましたが、ひとり親家庭医療費助成事業の一部改正による影響額と対象人数をお尋ねします。また、これは元に戻すよう求めますが、考えをお尋ねします。

<障がい者の自立支援について>
 次に、今月10月から施行された障がい者自立支援法にかかわってお尋ねします。
 1割の利用料負担と食費や施設利用料などの自己負担導入は、「自立支援」どころか「自立阻害法」ともいわれるように、1割の負担増は耐え難いもので、障害児の放課後預かり事業も見直しされます。利用者負担の増大や事業所の報酬単価改定の混乱も見込まれる放課後児童ディサービスの見直しに対し、県はどう対応していくのかお尋ねします。

 県は、郡山光風学園の小中学生を県立聾学校寄宿舎へ入れるということですが、今年7月に猫蚤が発生して職員に被害が出た際に私も見てきましたが、非常に古い建物です。この際、県立聾学校寄宿舎の改修が必要と思いますが、どのように考えているのか、また、大笹生学園を始めとする老朽化している県立障がい児施設に、県はどう対応していくのかお尋ねします。
 障がい児施設入所児・者の1割の定率負担を導入せず、県独自に利用料を無料にすべきと思いますが、考えをお尋ねします。

 一方、県はこれまで「施設から地域へ移行」との方針をすすめていますが、地域生活移行促進プログラムによる受け皿の整備をどのように進めているのかうかがいます。

 「障害者自立支援法」による障がい者への影響の実態と、今後の対応策についてもお尋ねします。
 また、「手話通訳者」の養成と質の充実についてですが、手話通訳者の質の充実に向けて、県による認証制度や全国手話研修センターの統一試験の導入を図るべきと思いますが、見解をうかがいます。

 ところで、県が東分庁舎に設置した「難病相談・支援センター」ですが、ここの運営を患者団体に委ねることなど検討し、難病患者やその家族に具体的に役立つものにしていくべきと考えますが、県の考えをお尋ねします。

<高齢者問題について>
 最後に、高齢者問題についてですが、国保税・介護保険料の値上げなどで、年金暮らしの高齢者には雪だるま式の大変な負担増です。
 加えて、2008年4月からは75歳以上の高齢者の「後期高齢者医療保険制度」が創設され、あらたな保険料負担が生じます。県も「後期高齢者医療広域連合」に加わり、市町村を支援すべきと考えますが、県の見解をうかがいます。

以上、私の質問と致します。

答 弁

1、談合問題について
知事職務代理者(副知事)

 業者選定に係る談合問題につきましては、一切承知しておりませんでした。
 次に、あぶくま高原道路の工事契約につきましては、入札は所定の手続きに従い、執行された結果と考えております。
 また、随意契約につきましては、それぞれの工事について、地方自治法施行令により前工事の施工者と契約をしたものであります。

農林水産部長
 業者選定に係る談合問題につきましては、一切承知しておりませんでした。

土木部長
 業者選定に係る談合問題につきましては、一切承知しておりませんでした。
 次に、建設技術センターへのいわゆる「天下り」につきましては、センター自体の存在自体に疑問が投げかけられるという極めて厳しい状況にあることから、入札等制度改革部会や検証委員会における意見を踏まえ、その存廃を含め、原点から検討してまいります。
 次に、建設技術センターの役割につきましては、センターはこれまで、県内自治体の建設事業を補完・支援する役割を担ってきたところでありますが、今後、入札等制度改革部会や検証委員会において、センターの存廃を含めて必要な役割を検証し、県としての改革案を検討してまいる考えであります。
 次に、積算単価につきましては、労務単価は国と各都道府県等が合同で行う労務費調査において、賃金の支払い実態をとらえており、また、資材単価については、市場の取引価格を調査し、決定するなど適正な積算単価を設定しているものと考えております。
 次に、あぶくま高原道路につきましては、全線開通により、阿武隈地域と県南、北関東地域を結ぶ地域高規格道路としての整備効果が発揮されることから、引き続き全線開通に向けて取り組んでいくことが必要であると考えております。

総務部長
 入札制度の改革につきましては、公共事業と地産地消の考え方を含め、入札等制度改革部会及び検証委員会において、県民から信頼いただけるような改革案を検討してまいることとしております。
 次に、談合に対する県の姿勢についてでありますが、談合は決して許されるものではなく、入札における透明性や公正な競争の確保と不正行為の未然防止を図ることが重要であり、制度改革のみならず、職員の意識改革にも徹底して取り組んでいく考えであります。
 次に、入札制度につきましては、公正で透明性の高い制度としていくため、外部の意見に耳を傾けながら常に改善していく意識を持って取り組むことが必要であると考えております。

商工労働部長
 木戸ダムにおける利水計画につきましては、双葉地方水企業団が関係5町と協議の上策定し、国との協議を経て認可を受けているところであり、工業用水事業の運営につきましては、健全に経営されると考えております。

2、教育行政について
教育長

 通学地域の県下一円化につきましては、福島県学校教育審議会の中間報告において、県下一円とすることが適当であるとされ、併せて、解決すべき課題として「特色ある学校づくりの一層の推進」等が、挙げられております。
 県教育委員会といたしましては、12月に予定されている最終答申を受け、検討してまいりたいと考えております。
 次に、通学区域県下一円化の実施につきましては、交通機関の発達による生活圏の拡大や市町村合併の進展等を踏まえ中間報告において適当であるとされたものであり、県教育委員会といたしましては、最終答申を受け、生徒が自己の能力の伸長や進路希望の実現を図る上でふさわしい学校を選択することがより可能となるよう検討してまいりたいと考えております。
 講師経験者の優先的な正教員への採用につきましては、地方公務員法により「臨時的任用は正式採用に際して、いかなる優先権も与えるものではない」と定められておりますので、公平公正に採用候補者選考試験を実施し、厳正に適任者を選考しているところであります。

3、子育て支援について
保健福祉部長
1)児童虐待問題について

 虐待への認識につきましては、子どもの安全確保を最優先に、虐待の状況、危険性、家族や保護者の特性などを総合的に勘案・評価し、受容的なかかわり方、介入的なかかわり方、行政権限の行使や司法的介入などの手法を選択することとしております。
 子どものいのちを守ることにつきましては、最優先する必要があったと考えております。
研修会の充実等につきましては、職員の対応力を向上させるため、体系的・実践的な研修の充実を図るとともに、虐待ケースに適切に対応するため不可欠である学校や警察など関係機関との連携強化を図ってまいりたいと考えております。
 郡山相談センターにつきましては、平成14年度に中央児童相談所郡山分室を相談センターとして充実させ、郡山市や中央児童相談所等との連携を図りながら業務を遂行しているところであります。
 また、児童相談所につきましては、現在、3児童相談所、1センター、6相談室体制としているところでありますが、今回の事件を踏まえ、組織体制のあり方について検討を行い、体制の強化を図ってまいる考えであります。
 児童養護施設につきましては、今のところ、民間も県も新たな設置計画はありません。

2)助産師の活用について
 助産師の活用等につきましては、地域の実情をふまえ、妊娠経過に応じた医師と助産師の役割分担や連携のあり方などについて、検討してまいりたいと考えております。

3)認定子ども園について
 認定子ども園につきましては、認定される施設は、認可や指導監督を受けている幼稚園や保育所等であって、県の定める基準により、教育・保育双方の機能を十分発揮するものと考えております。
 認定基準につきましては、既存の幼稚園や保育所等が認定子ども園としても教育・保育機能を十分に提供できるように考えております。
 保育料につきましては、原則として、保護者が選択した教育・保育サービスに対する負担であることから、認定子ども園を理由とした保育料軽減のための支援は考えておりません。

4)放課後児童クラブについて
 放課後児童クラブの設置につきましては、来年度から実施される見込みである国の「放課後子どもプラン事業」の活用を図りながら、市町村と連携して放課後の子どもたちの安全で健やかな活動の場の確保に努めてまいる考えであります。
 運営費補助基本額につきましては、県では、国庫補助基準に満たない小規模な放課後児童クラブに対する支援を優先し、県単独補助事業により財政的な支援を行っているところであり、増額は困難であると考えております。
 設置運営基準につきましては、放課後児童クラブは放課後児童健全育成事業として児童福祉法に規定されていることから、国の責任において、基準を設けるべきと考えております。

5)妊産婦健診の無料化について
 妊産婦健診の無料化につきましては、基本的には、母子健康法上の実施主体である市町村が検討・判断すべきものと考えております。
 なお、国の少子化対策にも妊娠中の健診費用の自己負担軽減が盛り込まれていることから、その動向を見極めてまいりたいと考えております。

6)乳幼児医療費助成無料化の年齢引き上げについて
 乳幼児医療費無料化の年齢につきましては、全国に先駆けて平成13年度から対象年齢を入院・通院とも就学前まで拡大しており、これ以上の拡大は考えておりません。

7)ひとり親家庭医療費助成事業改正の影響について
 ひとり親家庭医療費助成事業改正の影響額につきましては、世帯により医療費はさまざまでありますが、平成17年度の1世帯あたり年間平均助成額は約2万6千円となっております。
 また、対象人数につきましては、児童扶養手当において扶養義務者が所得制限を超える世帯の割合による推計では、事業登録世帯の約6%、約1,100世帯と見込んでおります。
 元に戻すことにつきましては、今回の改正は、児童扶養手当制度との整合性とひとり親単独世帯との公平性を図るために、世帯の負担能力に応じた負担を求めるものであります。

4、障がい者の自立支援について
保健福祉部長
1)児童デイサービスの見直しについて

 児童デイサービスの見直しにつきましては、障害者自立支援法の施行と療育指導強化という国による制度改正の中で実施されたものであり、県といたしましては、今後、改正後の事業の効果や影響を見極めてまいりたいと考えております。

2)県立聾学校寄宿舎の改修について
 県立聾学校寄宿舎の改修につきましては、これまで増築、改修など適宜施設の改善を実施してまいりましたが、今後とも必要に応じて改修に努めてまいる考えであります。

3)県立障がい児施設について
 県立障がい児施設の老朽化への対応につきましては、老朽度合いや今後の施設の方向性などを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。

4)定率負担について
 障がい児施設における定率負担につきましては、障がい児の保護者にとって負担が増大し、児童への影響が懸念されることから、保護者の声を聴きながら国へ働き掛けていくとともに、県としての対応の必要性について検討してまいりたいと考えております。

5)地域生活移行について
 地域生活移行の受け皿につきましては、国庫補助事業と併せ、今年度から創設した県単独の施設整備事業の計画的な推進により、地域での生活の場や日中活動の場の充実を図っているところであります。

6)障害者自立支援法の影響と対策について
 障害者自立支援法の影響につきましては、7月末における入所施設等から退所した割合は0.5%、また、通所施設等の利用を中止した割合は1.9%となっており、県といたしましては、引き続き、影響を把握するとともに、利用者の声もよく聴きながら、障がい者の立場に立った適切な制度となるよう国に対して働き掛けてまいりたいと考えております。

7)手話通訳者の質の向上について
 手話通訳者の質の充実につきましては、手話通訳者養成はこれまで同様、県事業として実施してまいります。
 なお、県の認証制度や統一試験の導入に関しては、関係団体と意見を交換してまいります。

8)難病支援相談センターについて
 「難病支援相談センター」につきましては、難病患者やその団体等、関係者の意見を伺いながら、今後とも利用しやすい相談・支援体制とするよう努めてまいりたいと考えております。

5、高齢者問題について
保健福祉部長

 後期高齢者医療広域連合につきましては、法律に基づき、県内すべての市町村の加入により市町村が設立するものとされております。
 県といたしましては、広域連合として県内初となるとともに、県全域を対象とした新たな医療制度の運営主体となることから、技術的な助言を行うなどその設立及び円滑な運営に向けて積極的に支援してまいる考えであります。

再質問・答弁

 知事職務代理者にお聞きいたしたいと思います。今年はちょうど木村県政汚職事件から30年です。こういう中で、またこんな事件が起きてしまった。
 しかも、この談合事件、よく見ますと、やっぱりその根本にはみなさんの、県民の税金を使ってやっていた、ということがあるわけですね。ここに目を向けて、本当に談合はおこさないという、こういう決意がはっきり分かるようにしなきゃいけないと思うんです。
 先ほど職務代理者が、その指名選定委員会の会長である立場で、一切承知していなかったといいますけれど、2億円以上は全部ここの指名委員会に係るわけですね。入札ランクもここで検討するということがありますから、知らないはずはない。この談合事件にかかわったトラハイや木戸ダム、県北流域下水道事業、こういうものも含めてかもしれませんが、2億円以上であれば、全部ここの委員会で決まるわけですね。その2億円以上の工事入札の際もどこに決めるかというところをやるのが指名委員会だと思いますが、まずその指名委員会が全部その企業にかかわっている2億円以上にかかわっている、というここをまず確認したいと思います。
 そしてもう報道では、土木部関係者に話があって、天下り先の技術センター、ここから情報が入って、どこが指名されるよというのが入っていた、というふうに今回の談合事件ではすでに報道もされています。ですから、私は知らないというのは、まったく矛盾した話だと思うんですけれども、その件ではあらためてお伺いしておきたいと思います。同様に土木部長や農林水産部長にも、その指名委員会にかかわった件で、あらためて県の公共事業で指名するという点でどんな状況だったのかお聞きしたいと思います。
 そういう意味で今度の事件は本当にいろんな問題を含んでいるわけですけれど、たとえば、もう1つ職務代理者に聞きたいんですが、随意契約の話がトラハイでありました。これは次の事業をやるためにともいいました。しかし、随意契約というのは、いろいろ事情がある場合ももちろんあるでしょう。
 しかし以前、長谷部県議が指摘しましたように、県警制服購入の時には落札率100%、03年と04年、それぞれ36回中23回もあったと、これが指名競争入札だったと、こういうことを含めて、いまオンブズマンなどで指摘されているわけですね。だからこういう高い落札率と随意契約も含めて本当に異常だと思わなかったのか。指名されたところが入ったかどうか別にしても、少なくともこういう疑問を抱かなかったのか。抱かなかったとすれば、それを言える雰囲気でなかったのか、と私は思うんですけれど。分かっていてもそういう言える雰囲気ではない、ここがもしあるとすれば、本当に組織的に非常に問題が私はあったと思います。これを踏まえて、まずそこを聞きたいのと、本当にこの指名委員会そのものの透明性というか、この辺の本当に不正のないような委員会にしていく点でもう一度お尋ねしたいと思います。
 それから、木戸ダムについてお尋ねしたいと思います。商工労働部長は、心配ないというふうに言われました。本当でしょうか。私は今度の木戸ダムが完成して治水がほとんど、上水道や工業用水も含めてなんですけれども、いつでもダムという工事は過大な見積もりの上に水道料金に必ずはねかえってくると思います。工業用水の方は、広野火発の1基分しか凍結していないので、そんな影響はないと言いますけれども、私、質問とりの中で、非常に感じたのは、それぞれの部がこの木戸ダムにかかわっているのに、それぞれの計画で積み上げたもので木戸ダムをつくる、県はどこも責任を負わないわけですね。国がやる仕事だから、企業団がやるからと。こういうことをやってきたことを、県の公共事業のあり方があらためて問われているのではないでしょうか。商工労働部の部長の立場でもあらためてこの事業、木戸ダムについて見直しの必要はないのかお聞きしたいと思います。

知事職務代理者(副知事)
 こういうような形で、いわゆる「談合問題」がおきていたということに対しまして、私は残念ながら一切承知しておりませんでした。ただ、指名委員会というのは、議員ご指摘の通りでございます。だから、承知していないからいいというものでは決してありませんので、本会議でご答弁申し上げましたように、責任を重く痛感いたしております。したがいまして、私、真正面から受け止めまして、議員のご指摘にありますように、二度とこういうことがおきないようにしっかりとした形で一刻も早く信頼を回復するための最善の努力をしていくことが、私に課せられた使命だろうと思っております。そのために、一昨日設置いたしました入札等の検証のための制度部会、さらには来週早々にも第三者による検証委員会を立ち上げますので、そこの中で、いま、議員のご指摘のいろんな問題も含めて、「聖域」をなくしてですね、しっかりとした議論をしながらですね、一日も早く信頼の回復につながるように努力していかなければならないと思っております。
 それから2番目の随意契約の話でございますが、随契についても先ほどご答弁したとおりでございます。しかし、今の時点で見た場合に、はたして先ほどの答弁でよかったのかどうか。この随契の問題についてもしっかりと検証しなければならないと思っています。ただ、あまり乱暴な議論も難しいと思うんですが、落札率が高いからダメ、低ければいいというこれだけの議論ではいけないと思うんです。したがいまして、こまかい点、個別の点もよく検証いたしまして、そこに何が問題点があるのか、そういったものをしっかりとあぶり出して、改善すべきものがあれば、しっかりと改善していくと、こういうことが必要じゃないかと思います。いずれにいたしましても、一日も早く信頼回復ができるように最大限の努力をしてまいりたいと思います。

商工労働部長
 木戸ダムにおける工業用水道事業につきましては、事業主体が水道企業団であり、関係5町と連携の上、主体性を持って管理運営することが望ましく、県はその円滑な運営が図られるように支援していく立場にあると考えております。

農林水産部長
 業者選定にかかる談合につきましては、私は一切承知しておりませんでした。なお、今後も指名運営委員会等につきましては、副知事がただいま答弁申し上げたとおり、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

土木部長
 先ほどの指名の件でございますが、これにつきましては先ほど答弁いたしましたように一切承知しておりませんでした。今後、検証委員会等の意見を踏まえてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

再々質問・答弁

 職務代理者にもう一度お尋ねします。落札率について、高いから一概に悪いとは言えないとおっしゃいました。しかし、現在の段階では、予定価格の積算から含めてですね、こういう中で決められた予定価格というのがあって、それで落札するわけですよ。そして今度の談合事件にしても、あまりにも高いというのが全国のニュースになっているじゃないですか。そこはきちっとまず反省して、今後きちんと精査していくという、そういうあり方も含めて、予定価格のあり方も含めて、積算も含めてやっていかないと、私は県民のみなさんには理解されないと思いますが、もう一度お尋ねいたします。
 保健福祉部長にお尋ねいたします。ひとり親家庭の医療費助成制度ですが、これも2月の当初予算と同じように、いつの間にか小規模作業所の補助金カットと同じようにですね、対象者を狭めてしまった。母子家庭とか父子家庭の医療費助成というのは、私は本当に切実なものだと思うんですね。障がい者もそうですけれども、こういった社会的弱者といわれているところに、やっぱり手をさしのべる。お金がないからといって対象者が増えたから、結果として予算が増えたから、そういう言い分は、通用しないと思うんですけれども。どういう議論がこういうふうになったのか、あらためてお聞かせいただきたいと思います。
 それから後期高齢者医療制度、これはこれから市町村でつくるということですけれども、市町村だけにまかせてもいいのかという、私は本当に疑問だと思うんです。なぜなら、新しい高齢者の保険ですから、保険料を払うわけです。でも、払えない人が先ほど言ったようにいろんな年金の改悪や増税などで出てくる。国保税などは、払えない人は資格証明書を発行させられて、病院にかかれない事態になっていますが、同じようなことになってくるのではないかと思うんですね。ですから、県も一緒になって、ここに広域連合に加わって、そして高齢者の健康と医療を、命を守る、こういう立場に私は立つべきだと思うんです。もう一度、検討も含めてお聞きかせいただきたいと思います。
 そして、児童虐待の問題ですが、相談センターの問題は何回も言いましたけれども、しかし、中央児童相談所から泉崎まで80キロあった。これは絶対に今回の事件の教訓にしなければいけないと思うんですね。郡山市になぜなかったのか。そして、分室とかセンターは一時預かりがないんです。ここでは子どもが預かれないんです。中央児童相談所や会津やそして浜児童相談所、こういうところしか預かるところがないんですね。この仕組みを変えないかぎりは、こういう問題に機敏に対応できないんだと思います。
 連動して、なぜ郡山に児童養護施設がないのか。今どこもいつも養護施設が足りないくらいに満杯になっています。郡山児童相談センターを格上げすると同時に、同様の施設も郡山地域にあれば、本当に県の真ん中ですから、私は本当にこの問題を教訓にしたと言える状態になるんではないかと思いますので、ここもお聞かせいただきたいと思います。
 教育長にお尋ねいたします。学区一円化の問題。これは交通が発達したとかですね、そういうふうに言いますけれども、本当にそうでしょうか。私、進学率が高くなったり、ランク付けされて、都市部に子どもたちが移動してくるんではないかという危惧があるんです。つまり、都市部だと学習塾もある、下宿先もある。過疎がどんどんすすむんではないかと、私はますます追いやられていくのではないかと思いますので、この学区一円化は本当に慎重にして、答申が出たからすすめる、こういう立場でいいのかどうか、私は非常に疑問ですので、もう一度お尋ねします。
 あわせて、県立ろう学校の寄宿舎、これは今後の検討だと言いますけど、ようく見ていただいて、こういう状態で子どもたち、小・中学生までいいのかと。単なる改修ではすまない、建て替えくらい私は検討してもいいかと思うんです。その辺でも、もう一度あらためてお聞かせいただきたいと思います。

知事職務代理者(副知事)
 先ほどお話し伺いまして、まったく、私、神山議員と同じ考えを持っています。むしろ感動した次第でありまして。ただ、私の先ほどの答弁が十分でなかったことを反省しなければならないんですが、私が意図申し上げたと言うことは、単に落札率が高ければアウト、低ければいいと、そういう単純な発想ではないと思いますので、しっかり神山議員の発言にありましたこと心にふまえながら、しっかりと分析して、県民の信頼を得られるように努力していきたいと思います。

保健福祉部長
 ひとり親家庭の医療費の助成事業でございますが、これは母子家庭の支援制度である児童扶養手当制度と同様に、ひとり親家庭の親に加えて生計を同じくする扶養義務者の所得に対しても所得制限を設けさせていただいたものでございます。ひとり親だけで生活している家庭との整合性、それから児童扶養手当との整合性をとったと考えております。すでに40都道府県におきまして扶養義務者に対しても所得制限を設けております。
 続きまして、広域連合でございますが、これに関しましては法律上市町村がすべての市町村が加入する広域連合をもうけるものとする、と規定されておりまして、県が構成員になることは想定されていないと考えております。ただし、市町村や広域連合に対しては、助言・指導を行うことが県の責務でございますので、広域連合の運営につきまして、国とともに、今後一定の財政責任、それから立ち上げ期のいろんな支援、こういったものは積極的にしてまいる考えでございます。
 それから児童相談所の体制につきましては、先ほども申し上げましたように、今回の事件を契機として、その体制の強化について検討してまいりたいと考えております。
 児童養護施設につきましては、手をあげて運営していただける民間があれば、県としても支援をしたいと思っておりますが、残念ながら今のところそういうご希望が伝わってきておりません。そういう状況でございます。

教育長
 学区一円化のご質問についてでありますが、学校教育審議会での審議が現在続いておりますので、さまざまな観点から議論がなされると考えております。最終答申を待って検討してまいりたいと考えております。
 それから寄宿舎についてでありますが、先ほど申し上げましたように、必要に応じて改修してまいりたいと考えております。



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