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2007年2月県議会一般質問
07・3・6 県議 神山悦子
一般質問

答弁

再質問

再々質問


日本共産党の神山悦子です。

一、県民のくらしと新年度予算について

 小泉内閣の自民・公明政権の5年間で進められた弱者きりすての「構造改革」路線は、あらゆる分野に及んでいますが、特に、年金、介護、障害者支援などの社会保障の改悪と、老年者控除・定率減税の廃止などの庶民大増税で、02〜08年までの7年間で11兆円もの国民負担増がおしつけられ、「貧困と格差」は拡大するばかりです。一方、大企業はリストラや非正規雇用の拡大などで人件費を抑制し、そのうえ法人税の減税などで史上空前の儲けをあげているのです。景気が回復しているといいますが、儲かったのは大手企業だけであり、県民のくらしや県内の中小零細業者をみれば、そんな実感はまったくありません。
 まず、それらを示すいくつかの指標を求めたいと思いますが、年収200万円未満の世帯数の推移、及び過去5年間の生活保護受給者数、国保税の滞納世帯数、就学児の就学援助を受けている要保護・準要保護世帯数とその割合をそれぞれ示して下さい。
 県内の昨年1年間の自殺者は、前年比12人も増え過去最多の681人となりました。これは交通事故死の約5倍になります。働いても働いても一向に生活がよくならない働く貧困層、いわゆるワーキングプアについてNHKテレビが2回も特集を組みましたが、その番組で須賀川市在住の2人の男の子をかかえるシングルマザーの生活実態が放映されました。この母親は、02年の国会で、自民・公明・民主の3党によって母子家庭への児童扶養手当が削減されたことから、やむなく昼夜2つの仕事を掛け持ちし、親子3人の生活を支えています。これを見て本当に胸がつまりました。
 今、県政に求められているのは、こうした弱者切りすてと格差・貧困を広げている国の悪政から県民のいのちとくらしを守る防波堤となって、県民と市町村を応援することではないでしょうか。住民の医療・福祉を増進させるという地方自治の本旨に立って、広域地方自治体としての県役割を十分発揮するときだと思います。
 この観点から、佐藤新知事のもとで組まれた新年度予算をみると、医療・福祉・教育にかかわる指標はあいかわらず全国最下位クラスであるにもかかわらず、県民にとって不要不急のムダな大型事業は温存されたままです。
 県政談合の舞台ともなったあぶくま高原道路・トラハイには、今年度とほぼ同額の50億円の予算を計上し、小名浜人工島づくりにもほぼ昨年並みの4億円〜5億円の県費をつぎ込もうとしています。首都機能移転誘致は大幅に縮小したとはいえ約700万円を計上しています。これだけ、県の財政が厳しい中で、借金を増やし、県民とっては何のメリットもない事業は、思い切って中止すべきです。例えば、人工島づくりを中止すれば、事業費ベースで500億円、県費分で200億〜300億円の財源を浮かすことができるのです。この財源を、県民のくらしと市町村支援へ向けるべきです。この際、小名浜東港とあぶくま高原道路・トラハイを中止するよう求めますが、知事の見解をうかがいます。

二、談合・入札改善について

 昨年の前知事をめぐる県政汚職談合事件が発覚して早や半年がたちますが、この間、県が発注した県北流域下水道工事をめぐる公共工事の裁判と04年の県知事選挙をめぐる公職選挙法違反事件の裁判が相次いで行われています。しかし、この2つの裁判で「県政談合汚職事件」の全容が解明されたものではありません。それどころか、今年2月15日に行われた東急建設東北支店副支店長門脇被告の判決では、裁判長が「官製談合」をはっきり指摘し、あらためて県の姿勢が問われています。
 裁判長は、「県発注の工事は恒常的に談合が行われ、落札予定の業者(本命業者)の選定も入札価格の調整も業者間の話し合いで決めていた」と談合の実態を示し、「『天の声』がどこからどのように出たかは証拠上解明されていないが、県知事と密接に関係する人物や県庁幹部OBが絡んでいたことは疑いがなく、官製談合は明らか」(2/16付け「民友」判決要旨)と断定。しかも「発注者側の県土木部に強い影響力を持っていた」(2/23付け「民友」判決要旨)坂本元県土木部長を介在させた上で、業者間の調整をしていたことも明らかにされています。
 昨年11月議会で、わが党の長谷部議員が行った談合問題の質問で、知事が自ら解明に乗り出すよう求めたのに対し、知事は「事件としての判断は司法当局が行うものであり、事実関係は今後裁判の中で明らかになるものと考えています」と答弁しましたが、裁判があろうとなかろうと、県が自ら徹底解明すべきものではありませんか。まして、今回の裁判では、司法が県職OBが関わって「官製談合は明らか」としたわけですから、県の行政のトップである知事が、少なくとも裁判が行われた県北流域下水道工事に関わった県職員が誰で、組織的にどのような形で関わったのか、現時点まで関わっているものがいないかどうかなど、直ちに調査し県民に公表すべきと考えますが、見解を求めます。また、長年にわたり「官製談合」が繰り返され常態化していたと指摘されていますが、他の県発注公共工事についても調査し、県民に明らかにすべきと思いますが、どうお考えでしょうか。
 さらに、談合の事実が確定した場合には、県北流域下水道工事の関係業者に対し、損害賠償を求めるべきと思います、県の見解をうかがいます。
 一方、東急建設は、談合して県の公共事業を受注した見返りとして、合計1,000万円を知事選の選挙費用として前知事陣営に渡したとされました。元々は私たち県民の税金です。前知事の弟を始め、公選法違反で起訴され有罪となった8人、この中には前県議の1人も含まれ、県民からは本当に1人だけだったのかという声もあるのですが、これら8人から裏金を受け取ったとされる25人に対し、損害賠償を求めるべきと思いますが、県の見解を伺います。
 次に、入札制度の改善についてですが、中小分野へ大手業者の参入を厳格に防止するとともに、下請単価の切り下げや労務単価の切り下げとならないようにすべきですが、どう徹底を図る考えなのかうかがいます。
 また、県内市町村ですでに実施している小規模修繕工事登録制度と住宅リフォーム助成制度を県としてもつくり、中小零細建設業者へ受注機会を増やすことも必要とお思いますが、見解をうかがいます。

三、企業誘致と雇用問題について

 次に、知事が新年度の重点政策として掲げた「企業誘致」についてですが、これまでの補助金5億円を一気に7倍の35億円に引き上げ、東北で1位、全国でも10位に入る多額の補助となります。しかし、全国では、こうした多額の補助金による企業誘致合戦が大問題になっているのです。
 例えば、県が参考にしたという三重県シャープ亀山工場は、三重県が90億円、亀山市が45億円、合計135億円を支出して02年4月に立地協定を結び、04年1月から操業を開始しました。同県は、当初1万2,000人の雇用創出があるとしていましたが、06年6月の時点で同工場の被雇用者数は5,700人、その75%以上は非正規雇用です。また、税収面でも増収になるとされましたが、同市は固定資産税が入った分、地方交付税を削減され不公布団体となりました。それどころか、通勤の交通渋滞解消として県と市が新道路建設に約30億円支出。工業用水も不足し、7億円の補正予算を組むなどかえって市の負担が増えたのです。
 国は、地方財政を見直すとして地方交付税の削減をしましたが、これによって県財政は「財政構造改革プログラム」の見通しよりも多くの不足額が生じ、07年度は140億円、実質179億円の不足となりました。同様に市町村もいっそう厳しい財政運営を強いられています。こんなときに、県が35億円もの多額の補助金を投入し企業を呼びこむことは、かえって県や市町村の支出を増やしかねません。また、雇用の面からみても非正規雇用が増えだけでは困ります。
 したがって、誘致企業に対しては、こうしたリスクを想定し、正規雇用者数の進行管理を県に報告させることや、途中で撤退する場合には補助金の返還を求めるなど、誘致する企業との契約条件にきちんと盛り込み、地域貢献の要件を求めるべきと思いますが、見解をお尋ねします。
 また、誘致した企業が地域の地場産業や地元企業とつながり、地域経済に貢献するようにすることは大切です。そのためには、まず県自身が県内の地場産業や県内中小企業の実態調査を行い、データベース化すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
 あわせて、青年の2人に1人は非正規雇用といわれていますが、県内の企業で働く青年の雇用実態について調査を行うよう求めますが、考えをお尋ねします。
 さらに、青年の正規就労の場を増やすためにも、県自身が医療・福祉・教育、農業分野などの分野に人員増を図り、計画を持って増やすことを求めますがいかがでしょうか。
 また、県内には、外国人労働者が少なくないようですが、中国やアジアから「研修生」という名目で低賃金の違法な形で働かせられていることが各地で問題になっています。先日も大越町でベトナム人の研修生に対し賃金が支払われないまま、ビザがきれていたため強制送還される事件が発生していますが、これは氷山の一角ではないでしょうか。県民の雇用環境にも影響を及ぼす問題でもあり、県として労基署などとも連携し、こうした実態調査を行なうべきと思いますが、見解をうかがいます。
 
四、子育て支援について

 次に、「子育て支援策」についてうかがいます。子育て世代が強く求めているのは知事も指摘しているように“経済的支援”です。新年度予算で、妊婦健診の無料化と保育料の軽減策を打ち出したことは大きな前進ですが、第3子目からと対象が制限されてしまったことは残念です。第1子から対象にすべきだと思いますが、この2つ支援について第1子から対象とした場合には、どれくらいの予算になると試算されるのか、それぞれの額をお示し下さい。
 また、経済的負担の軽減というのであれば、子どもの医療費助成の年齢を中学卒業までに拡大すべきです。大玉村では、今年10月から県内で初めて中学卒業まで拡大します。福島市、田村市、二本松市(入院のみ)、国見町、飯野町、川俣町、双葉町、広野町、楢葉町が小学校卒業までに拡大し無料にしています。中学卒業までの医療費無料化にするには、県の試算によれば最大で22億円程度あればできるようですが、積極的に検討し、市町村と子育て世代の経済的負担軽の期待に応えるべき時だと思いますが、県の考えをお尋ねします。

五、児童相談所体制について

 昨年の泉崎村での幼児虐待死事件を受けて、県の児童相談体制の見直しが行われ、ようやく私が1期目から一貫して求めてきた中央児童相談所郡山相談センターが、今年4月から(仮称)県中児童相談所として独立することになり大きな前進です。しかし、児童を緊急に保護するための「一時保護所」を設置しないままスタートさせるのでは、専門的な観点が抜け落ちているといわざるを得ません。改めて「一時保護所」を設置するよう求めますが、県の考えをうかがいます。また、昨年10月にまとめた検証委員会の提言によれば、児童相談所に求められる高度な専門性を発揮していくためには、虐待に対する研修の充実や、専従的な虐待対応専門職員の配置と職員の育成、あるいは虐待対応班の設置などが提案されています。これがないのは本県を含め全国に15県だけとの指摘でした。しかし、実行するには専門職員の増員が必要です。県はこれら虐待対応専門職員についてどう対応したのか、また、県内各児童相談所の今年度と来年度の児童福祉司と心理判定員の配置人数を示して下さい。

六、特別支援教育に関して

 障がい児教育についてお尋ねします。今年4月から学習障がい(LD)、注意欠陥・多動性障がい(ADHD)、高機能自閉症児などの軽度発達障がいの子どもへの支援をふくむ「特別支援教育」が本格化します。県は、これまで盲・ろう学校を県内に各一校に集約化してきましたが、これを見直すのであれば、小規模分散、地域密着型をめざすべきではないでしょうか。
 先日、私の地元にある県中地区の通学制「県立あぶくま養護学校」を視察させていただいて、教室不足が深刻になっていておどろきました。県中管内全域を対象にしていることや、ここ数年高等部の生徒が年々増加していることが1つの要因と思われますが、言語訓練や教育相談室まで教室として使われ、家庭科室も図書室も教室になり、それでも足りなくなって1つの教室をアコーディオンカーテンで間仕切りし授業をしています。これ以上の受け入れは限界というのが保護者や学校関係者の声です。なぜこんな状態になるまで放置していたのでしょうか。ここだけではありません、福島市にある「県立大笹生養護学校」も同様の状況です。これに加えて老朽化している養護学校も多く、耐震化と建て替えが必要です。また、講師や介助員はいても、養護学校教員として専門的な資質が必要な正教員が少ないことも課題です。
 養護学校の生徒増や教師の専門性の向上、また校舎の老朽化について、教育庁としてどのように受け止め、特別支援教育全体のあり方を今後どのように分析して改善を図ろうとしているのか、教育長の見解を伺います。
 また、豊かな教育環境を行っていくために必要な学校耐震化、正教員の増員、施設などの教育環境整備については、教育サイドだけにまかせておくのではなく、県全体として位置づけるべきと考えますが、見解をお示し下さい。

七、障がい者支援について

 昨年4月に施行された障害者自立支援法により、福祉サービスや自立支援医療(更正医療、育成医療、精神通院医療)に原則1割の「応益」負担が導入されましたが、障がい者が人間らしく生活するために必要な支援を「益」とみなすこと事態、憲法や福祉の理念に反するものです。しかも、障がいが重い人ほど負担が重くなるしくみは、サービスを利用したくても受けられない事態を引き起こしており、かえって自立を阻害するものだと障がい団体から強い批判があがっています。厚労省が、今年(07)4月から通所・在宅サービス、障がい児世帯全般の月額負担上限額の引下げ(2分の1から4分の1(収入・資産要件あり)、入所施設者の工賃控除の拡大(年間28万8,000円までなら応益負担と食費の負担なし、資産要件あり)など、わずか数ヶ月で手直しせざるをえなくなったこと自体、この自立支援法が重大な欠陥をもっていることを示しています。
 県は、この法律の元凶となっている「応益負担」の撤回を国に求めることを求めますが、見解をうかがいます。さらに県独自に行っている障がい者施設等への運営費助成については、削減すべきでないと思いますが、県の考えをお聞かせ下さい。また、原則1割負担については、実質負担の無料化もしくは低額化、あるいは応能負担となるよう県独自の軽減策を行うよう求めますが、見解を伺います。
 また、障がい者共同作業所については、昨年国が110万円の廃止を決め、それに続いてわが県も昨年2月県議会で県民に知らせないまま、突然県単の補助金の人数加算分の一部を削減したため、昨年6月県議会の開会日に障がい者団体が初めて500人規模の大集会を開き県へ撤回を求めたことは記憶に新しいところです。結局、こうした声に国も県も見直しせざるをえなくなり、復活しました。今後も新しい事業体系に移行ができない小規模作業所への補助金を継続し、拡充すべきと思いますが、新年度の補助金と今後の方向について県の考えをうかがいます。

八、国保税について

 市町村国保会計は、滞納世帯が毎年増え続け、昨年(06年)には全県平均で20%、にもなり、7万8,627世帯が滞納世帯です。国が、国庫負担を引き下げたことが大きいと思いますが、県は市町村国保事業の危機的な状況をどう認識されているのかうかがいます。
 また、事実上の保険証取り上げとなっている資格証明書の発行世帯も増え続け、昨年6月で6,073世帯となり、そのうち郡山市は2,481世帯もあります。これは、実質、県民の皆保険制度が崩れていること考えますが、県の認識をお尋ねします。
 こうした事態を受けて、福祉医療における窓口無料化に伴う療養給付費等負担金の削減調整・ペナルティーに対し、県が助成し市町村を支援すること。また、滞納者の申請減免を実効あるものにするよう求めますが、県の考えをうかがいます。

九、高期高齢者医療制度について 

 昨年に政府・与党が強行した「医療改悪」は、高齢者・重症患者への新たな負担増と保険証が使えない医療の拡大、強引なリハビリ制限などとともに、高齢者に過酷な保険料取立てと、給付削減を迫ろうとしているのが「後期高齢者医療制度」です。2008年度からスタートするため、県内全ての市町村で構成する75歳以上の高齢者を対象とする「後期高齢者広域連合」が今年2月1日に発足しました。
 この制度の運営に住民の声を反映させることや、高齢者の実態にあった保険料設定や減免制度の創設が求められます。国保税と同じように滞納者には、資格証明書の発行が義務づけられるのは問題ですが、保険証「取り上げ」とならないよう、高齢者の保険料負担の軽減を行なうなどして、高齢者の命を守ることです。
 県は、市町村とイコールパートナーの立場でこの広域連合に積極的に関与し、財政支援を行うよう求めますが、考えをうかがいます。
 もうひとつは、市町村におけるこの制度の「システム開発費」負担の問題です。3千万円〜5千万円に及ぶ市町村もでていますが、市町村の予算規模や人口に関係なく一定の開発費が生じます。市町村には、国からの補助や交付税措置があるとはいえ、一定額しかありません。県は、システム開発費に助成を行うなどして市町村事務の経費節減に貢献すべきと思いますが、見解をうかがいます。

十、水道用水供給事業について

 次に、県内の上水道事業にかかわってお尋ねします。県内の市町村で水道料金が高いという声があがっています。家庭用10トン当たりで比較すると人口30万人〜50万人未満では、郡山市が全国第1位と高く、いわき市は第4位。人口10万人〜30万人未満では福島市が全国第1位、伊達市でも旧保原町で値上げが実施されるとこれも全国第1位となります。こんな高い水を飲まされることになったのは、これまで指摘してきたように、関係各市町村に水道用水事業の企業団方式を推進し、他県のように県営方式を取ってこなかったからです。県の相馬、好間工業用水道事業へは給水原価1116.円88銭、111円66銭に対し50円22銭、53円14銭と原価割れ販売を続け、毎年県の一般会計から繰り入れ、05年度決算では約9億円を繰り入れています。企業へは赤字の原価割れ販売、県民や市町村には高い水道料負担、これはどうみても逆さまです。
 県の責任で、安全で低料金の安定した飲み水を確保するために、市町村に多額の負担をもたらす企業団方式を改め、水道用水供給事業は県営とすべきと考えますが見解をお尋ねします。
 
十一、市町村からの土地無償提供について

 市町村から無償で借りている県有施設の用地については、私が議員になったばかりの99年6月本会議でとりあげ、それ以降は、原則買い入れか有償借り入れをすることになりましたが、過去のものについてはそのままです。あらためて過去のものについても買い入れか有償借り入れ等にすべきと思いますが、その件数と面積、この間の推移、今後の対応について県の考えをうかがいます。

十二、原発について

 02年に発覚した東電によるデータ改ざん隠蔽事件は、県民の信頼を大きく失墜させましたが、同時期に温排水の温度データを改ざんしていたことが発覚したことは大きな衝撃です。ところが、今回の調査のなかでさらに85年11月、定期検査中に出力を落とす過程で制御棒が作動し、緊急停止していたという原発の心臓部に関わる重大な事故といえるのに、その事実を改ざんしていたというのです。もはや東京電力には危険な原発を動かす資格などないと断じてもいいのではないでしょうか。こんな隠蔽体質の企業と県民は共存できません。まして、危険なプルサーマルの実施などとんでもないことです。
 あらためて、02年に県エネルギー政策検討会が「中間とりまとめ」として提起した姿勢を今後も堅持するのかお尋ねします。さらに、「原子力政策大綱」で示した国の原子力政策に基本的方針について、知事の見解をうかがいます。さらに、「プルサーマルは受け入れない」との知事のきっぱりとした意思を、内外に宣言するよう求めますが、見解をお尋ねします。

十三、教育行政について

 ところで、新年度に新たに執行体制を変更し、企画調整部に「文化スポーツ領域(仮称)」をおくとしています。これまで教育行政で所管していた芸術文化、生涯学習、スポーツ等の業務と、関係施設の県文化センター、海洋科学館(アクアマリン)を企画調整部に、図書館、美術館、博物館等については企画調整部と併任職員にしようとしています。しかし、芸術文化や生涯学習、スポーツを教育サイドから切り離せば、いま「構造改革」によってあらゆる部分の規制緩和で、市場の競争にさらされる危険があります。そうなれば、採算重視に傾きかねません。そもそも教育的な観点にささえられてきた芸術文化や生涯学習、スポーツは、市場原理になじまないものであり、質の高いものを誰もが等しくその機会を共有できるようにすべきものです。そのための担保をどのように考えているのか、教育長にお尋ねします。
 以上で、私の質問を終わります。


答弁

一、県民のくらしと新年度予算について

保健福祉部長
 生活保護受給者数と保護率につきましては、平成13年度は1万1709人、5.5‰、14年度は1万2617人、6.0‰、15年度は1万3531人、6.4‰、16年度は1万4259人、6.8‰、17年度は1万4697人、7.0‰となっております。
 国保税の滞納世帯数と国保世帯数に占める割合につきましては、それぞれ、6月1日現在で平成14年度は5万8128世帯、15.9%、15年度は6万4661世帯、17.1%、16年度は7万4404世帯、19.3%、17年度は7万748世帯、18.0%、18年度は7万8627世帯、20.0%、となっております。
 また、年収200万円未満の世帯数は、総務省が5年ごとに実施している就業構造基本調査報告書によれば、本県は平成9年調査で10万世帯、平成14年調査で14万3000世帯と推定されます。

教育長
 要保護及び準要保護児童生徒数と児童生徒総数に占める割合につきましては、平成13年度は9797人、4.6%、14年度は1万865人、5.2%、15年度は1万2206人、6.0%、16年度は1万3323人、6.7%、17年度は1万4208人、7.3%となっております。

土木部長
 小名浜港東港地区につきましては、船舶の大型化や石炭等鉱産品を中心に取り扱い物量の増加が見込まれ、既存ふ頭では対応が困難となるため、今後とも計画的に整備を進めていく考えであります。
 また、あぶくま高原道路につきましては、全線開通により、阿武隈地域と県南、北関東地域が結ばれ、広域的な連携、交流が促進されることから、引き続き早期全線開通に向けて取り組んでいく考えであります。

二、談合・入札改善について

総務部長
 お答えいたします。
 県北流域下水道工事事件につきましては、事実関係は、司法の場において、明らかになるものと考えております。
 次に、他の県発注工事の調査についてでありますが、談合が二度とおきないような、透明性・競争性・公正性の高い新たな入札制度を早期に立ち上げ、県政に対する県民の一日も早い信頼回復に努めてまいることが重要であると考えております。
 次に、中小分野への大手業者の参入防止等につきましては、新たな条件付一般入札において、競争性に十分配慮しながら、県内業者の技術力等で施工可能なものは県内業者で対応することを原則とするとともに、地域の中小業者に配慮した新たな格付と入札可能範囲の設定を検討しております。
 また、品質の確保、下請け保護を図るため、最低制限価格の設定や一定の条件に該当する低入札の際には、価格調査の結果に応じて最低入札者以外の者を契約の相手方とするなどにより、極端な安値入札を防止する措置を講じることといたしております。
 次に、中小零細業者の受注機会につきましては、いわゆる小規模修繕工事登録制度等の導入は考えておりませんが、リフォーム工事に関しては、耐震性向上のためのものに来年度から助成するなどの対応を図っているところであります。

土木部長
 県北流域下水道工事の談合に関する損害賠償につきましては、関係者の刑の確定を受けて、その判決等の詳細を確認、検討した上で、契約に基づき請求してまいる考えであります。
 次に、公選法違反で有罪となった者等への損害賠償につきましては、考えておりません。

三、企業誘致と雇用問題について

商工労働部長
 お答えいたします。
 誘致企業につきましては、戦略的企業誘致補助制度が、土地購入費及び造成費を除く投下固定資産額が40億円以上で、新規地元正規雇用者が50人以上の新設又は増設する企業を補助対象としております。
 なお、本補助制度は支払期間を5年以内とし、企業の存続を前提に雇用の実態や投資額を確認した上で支払うこととしております。
 次に、県内中小企業の実態調査とデータベース化につきましては、県内中小企業の総合的な支援機関である県産業振興センターにおいて、地元企業の受注拡大を図るため、企業訪問活動を行いながら、受発注を希望する企業のガイドブックやデータベースを作成しております。
 次に、県内企業で働く青年の雇用実態の調査につきましては、毎年、民営事業所を対象に「労働条件等実態調査」を実施しております。
 また、「就業構造基本調査」など国が実施している各種労働統計調査の結果も活用しているところであります。
 次に、外国人労働者等の実態調査につきましては、外国人の雇入れ、離職時における雇用状況の報告を全企業に義務付けることなどを盛り込んだ雇用対策法の一部を改正する法案が今国会に提出されているところであり、研修・技能実習制度の見直しについても現在、国において検討されていることから、その推移を見守ってまいりたいと考えております。

総務部長
 職員の採用につきましては、行財政改革大綱等に基づく徹底した事務事業の見直しや業務の効率化などによる厳格な定員管理の下で、様々な行政課題に柔軟に対応するため、各部門への適正な人員配置に努めているところであり、その中で所要の職員を採用してまいる考えであります。

四、子育て支援について

保健福祉部長
 妊婦健診無料化等につきましては、妊婦健診を第1子から10回分を対象とした場合の県費の負担額は、おおよそ8億円、3歳未満児の保育料の軽減を第1子からとした場合は、おおよそ10億円が見込まれます。
 次に、医療費助成年齢の拡大につきましては、多額の財源を必要とすることから、県の支援は困難であると考えております。

五、児童相談所体制について

保健福祉部長
 (仮称)県中児童相談所の一時保護につきましては、当面は、中央児童相談所の一時保護所を中心に他の児童相談所の一時保護所等を活用してまいる考えでありますが、一時保護機能を含めた児童相談所制の充実について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、虐待対応専門職員につきましては、平成19年度から、各児童相談所に、児童虐待対応の中心となって処遇困難ケースへの対応や他の職員のサポートを行うとともに、市町村児童虐待防止ネットワークの設立・運営などを支援する児童虐待に関する専門職員を配置することとしたところであります。
 児童福祉司等の配置人数につきましては、心理判定員は、今年度、来年度とも14名で同数でありますが、児童福祉司については、今年度31名、来年度は33名を予定しております。

六、特別支援教育について

教育長
 養護学校等の生徒増や校舎の老朽化につきましては、生徒の実態や学校の状況を考えながら対応してきているところであります。
 今後、障がいのある児童生徒ができるだけ身近なところで特別支援を受けられるよう学校教育法が一部改正されたことや、盲・聾・養護学校の教員免許状が特別支援学校の教員免許状に改められたことなどを踏まえ、教師の専門性の向上をはかるとともに特別支援教育の在り方全体を検討してまいりたいと考えております。
 次に、豊かな教育環境を行っていくために必要な学校耐震化等につきましては、関係部局と協議し、必要な予算・教員の確保に努め、適切に対応しているものと考えております。

七、障がい者支援についてについて

保健福祉部長
 障害者自立支援法における応益負担制度につきましては、所得段階に応じた負担上限額の設定等の様々な軽減策が講じられており、また、来年度から利用負担の更なる軽減措置も講じられることとなっているなど、障がい者の生活実態や負担能力への一段の配慮もなされたところであります。
 県といたしましては、障がい者の声を聴きつつ、これらの影響や効果を見極めてまいりたいと考えております。
 次に、県独自の障がい者施設等への運営費助成につきましては、その対象となる施設等が、障がい福祉の向上にそれぞれ果たす役割等を考慮し、国・県・市町村の役割分担も踏まえながら、その都度必要性を判断しつつ行ってきているものであります。
 障害者自立支援法による原則一割負担につきましては、障がい福祉サービスの利用料及び自立支援医療費に対して、各種減免制度や特例制度といった権限策がすでに設けられており、また、今回の円滑な施行のための特別対策により、来年度から利用者負担の更なる軽減措置が講じられることとなっていることから、県独自の軽減制度は考えておりません。
 次に、小規模作業所支援事業につきましては、障害者自立支援法の施行に伴い、地域活動支援センター支援事業とともに市町村事業と位置付けられ、その財源となる地方交付税措置も今年度からすでに市町村へ一元化されております。
 このため、これらの事業は市町村事業としてすべて移行させることが原則でありますが、これまでの経緯等も踏まえ、三年間の段階的緩和措置を講じてまいる考えであります。

八、国民健康保険税について

保健福祉部長
 市町村国保事業につきましては、被保険者の高齢化に伴う医療費の増加や保険税収入の伸び悩み等により財政運営は依然として厳しい状況にある中、各市町村保険者はその健全化に向け努力はしているものと認識しております。
 資格証明書につきましては、国民健康保険を安定的に運営していくために法律で規定された制度でありますが、各市町村保険者に対しては、機械的に発行するものではなく、滞納者の事情を十分配慮した対応を行うよう助言しているところであります。
 次に、療養給付費等負担金の減額調整につきましては、国において、医療費の増加を防ぎ、保険者間の公平を確保するため法律に基づき行われるものでありますが、県といたしましては、市町村が実施する窓口無料化の趣旨を踏まえ、減額調整の規定を廃止するよう国に対し、強く要望しているところであります。
 滞納世帯の申請減免につきましては、保険者である市町村がその条例に基づき個々の納税者の負担能力等を十分に勘案し、適切に実施されるよう助言しております。

九、後期高齢者医療制度について

保健福祉部長
 広域連合に対する関与等につきましては、県では、職員の派遣を行うとともに、後期高齢者の医療費給付費に対する定率負担を始め、低所得者の保険料軽減に際し生じる減収額の四分の三を補填するなど、相応の財政負担を行うこととしております。
 次に、市町村事務の経費節減につきましては、システム開発費に対し国庫補助及び交付税措置の財源対策が講じられることから、県といたしましては、広域連合と連携を図りながらシステム開発についての技術的な助言を行ってまいりたいと考えております。

十、水道用水供給事業について

保健福祉部長
 水道用水供給事業につきましては、市町村経営が原則である水道事業と十分な調整の下に、一体的に管理運営されるのが最もふさわしいと考えており、従来から、関係市町村で構成される企業団方式による事業を推進しているところであります。

十一、市町村からの土地無償提供について

総務部長
 県が市町村から無償借り入れしている県有施設用地につきましては、平成18年4月1日現在、123件、約149万6千uであり、平成13年度に比べ、31件、約6万6千u減少しております。
 新たに設置する県有施設の用地は、取得又は有償借り入れを原則としておりますが、過去においては、地元からの強い設置要望があり、用地貸し付けの申し出があった場合などは、関係市町村と十分協議を重ねて設置した経緯のあるものもありますので、これらの経緯を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。

十二、原発について

副知事
 お答えいたします。
 県エネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」は、国のエネルギー政策全般について検討し、主要な論点や疑問点をまとめてものであります。
 原子力政策につきましては、安全・安心の確保が何よりも重要であり、原子力発電所との共生を図りながら、今後とも、電源立地県として、国に対して言うべきことは申しあげてまいる考えであります。

知事
 神山議員のご質問にお答えいたします。
 原子力政策についてでありますが、全国有数の原発立地県である本県においては、県民の安全・安心を確保することが何よりも重要であり、そのためにも、安全規制を行う立場にある原子力安全・保安院を原子力発電を推進する経済産業省から分離するなど、客観性と信頼性を高めた安全規制体制の確立が必要であると認識しております。
 今後とも、安全・安心の確保を基本としながら、原子力政策につきましては、これまでの経緯を踏まえ、県議会、そして関係自治体を始め、広く県民の御意見をお聴きしながら、慎重に対応してまいりたいと考えております。
 次に、本県におけるプルサーマル計画につきましては、原子力発電所における法定検査データの改ざんや原子炉自動停止の隠ぺい等が相次いで判明し、県民の信頼が大きく損なわれているところであり、議論以前の問題であると考えております。

十三、教育行政について

教育長
 文化やスポーツにつきましては、くらしの潤いや生きがいをもたらすとともに豊かな感性や人間性をはぐくむなど、大きな役割を果たすものであることから、教育委員会と知事部局が一体となって、施策を総合的に展開しようとするものであり、文化・スポーツ施設につきましても教育的機能を維持しながら、県民が利用しやすい施設運営が図られるものと考えております。


再質問

 保健福祉部長にまずおたずねします。中学校卒業までの医療費無料年齢の拡大については、「多額のお金を必要とするから考えていない」と答弁されていますけれども、これは県全体のことだと思います。保健福祉部だけでは足りないのかもしれませんが、しかし、子育て支援ということを知事も言っているんですよね。そういう点では経済的な支援を直接県民に示していくということが大事だと、私は思いますが、たとえば小学校6年生までやるとすれば、14億円だと聞いておりますが、そのお金は、先ほどの企業誘致35億円出すということからみたら、たいしたお金じゃないと、私は思います。その点ではもう一度、県の子育て支援に対する考え方、医療費無料化年齢の拡大についておたずねします。これは県も、市町村に対してもそういうことが求められていると思いますので県の姿勢が大事だと思います。
 後期高齢者医療制度、このシステム改善は技術的な支援だけではだめだと私は言ったんですよ。財政的な支援もなければ。国から来るのは一定のお金しかありません。なんで県がそこにお金を出さないのか。それからその制度自体にも、県が直接関わって、お金も出して今後の保険料高騰にならないようにするということが、私は大事だと思います。改めておたずねいたします。
 それから国保税についてはまったく残念ながら、部長の危機的な意識が感じられません。資格証明書を発行については一律的にしないという前進的な答弁もありましたが、会計が本当に大変になってきているという事態を鑑みれば、県が国保会計にお金を出すということが大事ではないですか。
 教育長におたずねいたします。養護学校の大変さは、教育長は実態をご覧になっていらっしゃいますか。本当に大変です。私、保護者のお母さんから言われました。「これがふつうの小学校、中学校で、こんなに教室が間仕切りされてやっているとしたら大変な問題になるでしょう。障がい児だから我慢させられているんですか」と。本当に切々とした訴えがありました。こういう事態を分かっているのに放っておいたこと自体、私はきびしい言い方ですが、怠慢だと思いますし、お金がないということですまされない問題だと思います。だからこそ県全体でこういう問題を考えるべきだと私は質問に入れたわけです。教育長の見解をもう一度おたずねいたします。
 それから知事にお尋ねいたします。原発問題で保安院の分離というのは、もうちょっと前から言っていらっしゃいますから、私も当然それはやっていただきたい。でもこういうトラブルとか何かがなければ、改めて原発の危険性を認識しないのでは困りますね。その点では、県自身も国に対しても東電に対してもその体質が改善されていないということをきびしく言って、それから老朽化した原発は廃炉も含めて検討するとか、いろいろ提言することがたくさんあると思うんです。ですから、私は問題なのは、「国の原子力政策大綱」ここの基本がですね、原子力推進とプルトニウム利用の推進、利用というのが基本になっているわけですから、ここをキチンと言わなければ、私は違うのではないか。その点ではもう一度おたずねいたしますが、もう一つはプルサーマルへの態度。先ほどの議論以前の問題だと言いましたけれども、プルサーマルはやらないと明言すべきだと思うんです。もう一度知事のお考えをお聞かせ下さい。
 土木部長にお尋ねいたします。答弁で東港、トラハイの問題がありましたけれども、私はこのお金があれば、先ほどの保健福祉部長やそれぞれの答弁が冷たくありました。この県の全体のお金の使い方なんですけれども、おたずねいたしたいと思います。本当にこの事業を進めていいのか、それから談合問題でも、事実が確定すれば求めるとは言いましたが、改めて談合問題についておたずねいたします。

知事
 神山議員の再質問にお答えいたします。原子力政策、これはもう国策と公益利用ですから、本当に安全・安心ということを最優先されなければなりません。そういうなかで、先日、本当に私も高等学校の卒業式が終わって、卒業式のインタビューかなというふうに思って出てきましたが、謝罪というようなことになっているわけで、私は、国民、県民の信頼、信用、これが第一であるということで考えておりますから、県民の安全・安心これ最優先、また繰り返すことになりますけれども、県議会でもそれぞれ議論されております。そしてまた、それぞれの地域のなかでの安全・安心、それから広くは県民の安全・安心を最優先にということを考えているところでございます。
 さらに、プルサーマルについては、もちろんでございますがこれは「議論以前の話」であるとの繰り返しの答弁になります。

保健福祉部長
 再質問にお答えいたします。中学校卒業時までの乳幼児医療の無料化でございますが、県は19年度に向けて子育て家庭への経済的支援を種々検討いたしましたが、その検討の結果、一番大変な多子世帯に対しまして、まず経済的な支援を行う、こういう決定をしたところでございます。先ほども申しましたように、県も市町村も多額の負担がついてまいりますので県の支援は困難であると考えているところでございます。
 次に、広域連合についての県の支援のおただしでございますが、先ほども申しましたように県は人も派遣しておりますし、それ相応の負担もさせていただいているという理解をしております。また、システム開発につきましても、市町村が適正な設計仕様、適正な見積もりをできるように技術的な助言をさせていただいております。
 それから、国保の資格証明書でございますが、これは先ほど申しあげましたように、市町村が適切に判断をして発行をしているものと理解をしております。

土木部長
 まず、ひとつ小名浜港東港地区ざいますが、船舶の大型化ということで、近年14、15、16、17、18ということで非常に船舶が大型化しております。特に石炭等の鉱産品を中心に大型化しているということ、さらにはふ頭に入りきれないというような、滞船の状況などもどんどん増加して出てきております。そういったことで既存ふ頭では対応が困難ということにだんだんなりますので計画的に整備を図っていきたいというところでございます。
 次に入札についてでございますが、県北流域下水道に関する損害賠償につきましては、現在関係者の公判なども進められているところでございますが、その刑の確定も受けて、判決等の詳細も検討した上で契約に基づき請求していくという考えでございます。

教育長
 再質問にお答えいたします。あぶくま養護学校の教室などの実態については、十分認識しております。状況といたしましては、本当にこの数年の間に該当の希望生徒さんが増えてまいりました。学校教育法の改正もあって特別支援教育ということで、盲・ろう・養護学校教育、あるいは通常の小中高等学校の教育の在り方もかわってきておりますので、全体を見通して、改めて検討してまいりたいと考えております。



再々質問

 再々質問をさせていただきます。総務部長におたずねいたします。先ほどの談合に関わってのことなんですが、「司法の場で」というお話がありました。しかし、私、先ほど申しましたように、司法の場にあるかないかは別としてですね、前の県の土木部長のOBが関わっていたという、そこから県庁にどう流れていたのか、これがなければ県は発注できないじゃないですか。そういうことが裁判でも明らかになりつつあるということで、私は県自身が徹底解明すべきだと思いますので改めて見解をお伺いいたします。
 商工労働部長におたずねいたします。企業誘致についてそんなに補助金を増やさなくてもしっかりとやっているところが泉崎のようにあるわけですし、県財政はそんなに豊かではないと、私が指摘したとおりです。そういう中でこれだけのお金を投入するということは、私はとうてい納得できませんが、そもそもの根拠をお示しいただけないでしょうか。 企業誘致についてなんですが、もう一つデータベース化、これをね、いろいろ企業統計はあるでしょう。しかし、全体として福島県内にどんな企業があるのか、鳥瞰図みたいに分かるようにすべきだと、私は思うんです。それを地元の企業を含めてどこにどういう企業があるのか、一目で分かるくらいのそういうものが必要。そのためには実態調査が必要だと私思うんです。市町村だけでなくて、県職員が自ら動くとか、青年の雇用についても実態調査、これはいろんな統計でなくて、事実で各企業やそういうところを歩いてですね、つかんで、こういう姿勢が必要ではないですか。こんなに大変なんですから。そのへんの認識があるのかどうかを含めて改めてお聞かせ下さい。
 知事におたずねいたします。先ほどの安全・安心ということが大前提だということは、私も当然だと思うんですね。しかしこの言葉ほどどうにでも使われるというか、安定したものがないというか、安全・安心というものは何で確保するのか。知事はどうお考えなんですか。この辺がもっと明確にならないと、私は、県は本当にがんばってやっているというふうには見えないと思いますね。そのへんは原発行政に関わる根幹の問題ですから、改めてお聞かせいただきたいと思います。
 教育長におたずねいたします。先ほど、今後どうするのかというのがよく見えないのですが、特別支援教育に関してこれだけ大変になっていることは認識していることは分かりましたけれど、具体的にどうするのか、どういうスケジュールでどういうふうに変えていくのかという、これが必要ではないですか。いつまでも子どもたちに我慢させているんですか。私はここはもっと具体的に県民に明らかにすべきだと思うんです。いかがでしょうか。

知事
 神山議員の再々質問に答えさせていただきますが、私は公益事業だからこそね、だから安全・安心と申しましたが、技術的な安全、それから社会的な安心、これが極めて大事であるということでございます。

総務部長
 再々質問に答えさせていただきます。法秩序の維持についての使命を帯び、そして責任と権限を有している人が関わって司法の場で究明がすすめられているわけでありますから、その場において明らかになっていくものと考えております。

商工労働部長
 再々質問に答えさせていただきます。なぜ5億から35億かということですけれども、企業誘致につきましては、地域の活性化、あるいは最終的には雇用の確保ということでありまして、地域間競争に打ち勝つという観点から思い切って7倍という形をとらせていただきました。
 それから中小企業、あるいは青年に対する雇用の実態のデータベース化でございますけれども、まず中小企業のデータベース化につきましては、議員、たぶんご案内かと思いますけれども、ガイドバックをつくってございますし、さらに戦略的に企業誘致をしたいという半導体あるいは輸送業関連の企業につきましては、あらたなラッピングをおこない、分類をしながら誰でも活用できるような形に今鋭意作成をしているところでございます。声援の雇用に関するデータベース化につきましては、先ほど答弁をさせていただきましたけれども、県としてもやってございますし、かなり詳しい国の調査が行われているということから、それを活用してまいりたいと考えております。

教育長
 再々質問にお答えいたします。学校教育法が一部改正されたことに伴いまして、このように変わっております。小中高等学校においては、軽度発達障がいの場合も含めて、障がいのある方に対して教育を行うものとするというふうに規定されました。さらに特別養護学校においては、自立をめざした教育に任ずるを施すという形で改められました。簡単に申しますと、特別養護学校とふつうの小中高等学校あわせて教育をしていこうという形で枠組みそのものが変えられました。従いまして、これからどのようにすれば障がいをお持ちの軽度発達障がいの方も含めて受け入れて、教育させていただくことができるのかということをあらためて検討して、どうあればいいのかということを早急に検討しなければという、こういう状態に立っているわけであります。
 どのようにしてということでありますが、当然のことながら、その中身は小中高等学校の、たとえば空き教室などをどんなふうに活用すればいいのかということも視野に入れて検討する必要が出てくるかと思います。以上です。


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