・一般質問
・答弁
・再質問
・再々質問
日本共産党の藤川しゅく子でございます。先の選挙で、初当選させていただきました。責任の重さを感じておりますが、「威張らず・おごらず・馴れ合わず」を標榜し活動した、故箱崎まさお元県議、4年前まで県民の立場で奮闘した、江田清元県議の政治姿勢を引き継ぎ、くらし最優先のこころで務めてまいります。
(1)はじめに、最近の情勢にかかわりお伺いします。
わが国の自由と民主主義にとって、重大問題が起きています。自衛隊情報保全隊による国民監視活動です。この問題は、監視の対象となった政党だけの問題ではなく、国民全体にかかわる問題です。
イラク派遣についての国会議員の発言や、新聞記者の取材活動、高校生の平和活動など、憲法に基づく正当な行動を、情報保全隊はこっそり監視し、写真つきの詳細資料としていました。情報収集は生活擁護運動にまでおよび、政府批判は一切許さないという権力組織の怖さを感じます。自衛隊の「政治的中立」と「文民統制」を大原則にしてきた、これまでの政府見解にも反することです。
●(自衛隊が国民を監視することは)同時に、憲法や自衛隊法にも反します。県民が日常的に監視されていたことになりますが、これに対し、知事の見解をお聞かせください。
次に、政治と金の問題です。「緑資源機構」の官製談合事件で同機構理事らが逮捕されています。
松岡前農林水産大臣が尊い命を絶たれたことは残念であり、ご冥福をお祈りいたします。しかし、官製談合事件の全容や政治資金問題は、国民に明らかにしなければなりません。松岡前大臣に、政治献金をおこなっていた「特森懇話会」という政治団体があります。今年の一月に急きょ解散していますが、「特森懇話会」は特定森林地域協議会という緑資源機構から受注している業者が作っていた政治団体であり、官製談合事件とのつながりが疑われています。
緑資源機構関連工事では、飯豊・桧枝岐線や米沢・下郷線の林道工事や郡山市の区画整理及び農道整備などの事業が行われ、県費が投入されています。
●知事は、参議院議員時代の平成16年(04年)政治資金収支報告書で「特森懇話会」から50万円の政治献金を受けています。疑惑が報じられている団体からの献金について、返還するつもりはないのでしょうか。知事の所見を、おうかがいします。
●また、緑資源機構関連の県内事業において、談合の事実が発覚した場合は県として、賠償を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
(2)次に、庶民増税とくらし・市町村応援策についてお伺いします。
県民生活は厳しい状況が続いています。10年前に年収200万円以下の世帯は10万世帯、5年前には14万世帯に増え、5世帯に一世帯が年収200万円以下です。その上、庶民増税が暮らしを直撃しています。
定率減税廃止と税源移譲の影響で、今月から多くの世帯で、住民税が増えましたが、政府は「税源移譲による所得税と住民税を合わせた負担はかわらない」と宣伝してきました。ところが、国会質問(6月13日)で「税源移譲だけでも最大97500円の増税になる世帯がある」ことを認めました。これら、増税になる人は数百万人になると予想されます。庶民増税の一部は個人県民税として、約250億円の県の増収になります。この増収分を県民生活に還元し、暮らし応援策・市町村応援策に使うべきだと思います。
そこで、いくつか提案をしながら、質問をいたします。
●県単事業の重度障がい者支援事業、心身障害者扶養共済事業、県が認定を行っている特定疾患治療研究事業・小児慢性特定疾患治療研究事業、これらの事業は税制改革により、負担増などの影響が出ます。たとえば、特定疾患治療研究事業においては無料から有料になる例が、多く見て190人程度と予想されます。これまで通りの負担で制度を利用できるようにすべきです。見解をお聞かせください。
税制改革により、県内では4万7808人の高齢者が非課税から課税となりました。これにより、これまで利用していた高齢福祉の制度、から除外されたり、負担増が起きる心配があります。十分な対策が必要です。
● 社会保障の、各負担軽減策等の周知が急がれます。70歳以上の医療費負担割合変更の2年経過措置など、周知徹底すべきですがいかがですか。
● また、税制改革による負担を軽減させるために、総務省が示した、07年に所得税が課税されない程度の所得に減った人を対象に、今年度分住民税を、税源移譲前の額に減額する経過措置を設けたことは知られておらず、市町村対応もまちまちです。この経過措置を周知徹底することや、既存の各種控除制度の周知も必要です。考えをお聞かせください。
さて、税制改革による増税の影響は、住民税が増えるにとどまらず、国民健康保険税を払えなくなるなど、県民生活に深刻な影響を与えています。本県の国保税の滞納世帯は、06年6月で7万8,627世帯、国保世帯の20.1%。全国平均の19,1%を上回っています。資格証明書発行世帯は6,073世帯、国保世帯の1,55%、全国平均が1,39%ですから、こちらも全国平均を上回っています。
●国民健康保険法では、資格証明書の発行について、災害・その他特別の事情を除くとしています。特別の事情とは、法施行令によると、財産の盗難や著しい損失、廃業・休業、病気や負傷、高齢者などとしており、機械的に資格証明書の発行をしないことを定めています。この条項が遵守されていないのではないでしょうか。県として、「特別の事情」の基準を明確に示し、市町村に徹底させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
払いきれない国保税の背景に、市町村国保への国庫負担削減があります。国は、乳幼児医療費助成制度などの現物給付を実施している市町村に対し、国保の療養給付費等負担金を減額しています。
● 国から削減された療養給付費等負担金の金額を県で負担し、市町村応援をしてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。
次に、暮らし応援策として、子どもの医療費助成制度の拡充は緊急課題です。いま、市町村で乳幼児医療費助成制度の対象年齢拡大が進んでいます。対象年齢を義務教育就学後まで、拡大を予定する市町村が16市町村にのぼっています。2月県議会において、対象年齢拡大を求める質問が他会派からも出されています。
私たち日本共産党は、署名運動を県民に呼び掛け、4万名を超す署名が寄せられ知事に提出しました。
●この声に答え、乳幼児医療費助成制度の対象年齢を義務教育終了まで拡大すべきです。見解をお聞かせください。
また、くらし応援と子供の生命を守る点で、生まれる前の対策も必要です。福島市では妊婦健診を15回無料としたところ、医師から「妊婦健診率が伸びた」との報告が寄せられています。妊娠中毒症や異常出産などが早期発見でき、母子ともに健康であることは、医療費縮減にもつながります。本県では、誕生後の子育て支援策は多岐にわたっていますが、生まれる前の支援策は不十分です。妊婦健診を全県で無料にした場合の費用は8億円との議会答弁が出ています。こうしたところに、税制改革の増収分を活用し県民のくらしを応援すべきではないでしょうか。
●妊婦健診無料化を進めるため、妊婦健診促進事業の対象を第一子とすべきと思いますが、いかがでしょうか。
(3)市町村応援について
さて、昨年6月の医療制度改革で、後期高齢者医療制度がきめられ、来年4月のスタートに向け、あわただしく準備が進められています。この制度の問題点は、後期高齢者の医療に対して、医療給付費が増えれば、保険料の値上げにつながるという仕組みを導入したこと。さらに、保険料滞納に、資格証明書の発行を義務付けており、後期高齢者から健康保険証を取り上げる情け容赦ない制度です。日本医師会は、今年2月「後期高齢者医療制度についての考え方」を発表、「70歳以上では、疾病の発症率、受療率、医療費(特に入院)が急速に高まり、保険原理は機能しにくい。保障原理で運営し、公費負担割合を9割に引き上げること」「保険料は応能負担」「一部負担金は一律にする」ことなどの見解をまとめています。
●国に対し、後期高齢者医療制度の国庫負担割合を増やすことを求めるべきですが、見解をお聞かせください。
●広域連合に、保険料の軽減・応能負担の割合を高めることや、資格証明書の発行をしないことを徹底し、それらを財政的に保障できるよう県が財政支援をすべきですがいかがでしょうか。
●同時に、各市町村では制度開始にあたって電算システム改修・開発費用の負担増となります。これに対する補助について見解をお聞かせください。
次に、市町村応援策として、広域にわたる水道事業への県の役割発揮の課題があります。
県中地域水道用水供給企業団は「今出ダム」からの利水事業継続困難を決めました。人口減少や各自治体の厳しい財政状況を判断し、全会一致で、それを決めたとのことです。これにより、ダム建設計画の見直しも避けられない状況となりました。今後、各市町村はダム水以外の水道用水供給案を策定することとなります。私は、将来の市町村や住民負担を考えると、賢明な選択であったと思います。本来、複数市町村にわたる事業は、広域行政である県の仕事です。ところが水道事業は広域水道用水供給企業団方式をすすめ、市町村に多大な負担を強いています。県民の飲み水に対する県の役割が見えてきません。
●供給開始後の広域水道用水供給企業団に対する、財政支援を検討すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
(4)次に、子供と教育にかかわりお伺いします。
福島県学校教育審議会答申「ふくしまの未来を担う人づくりについて」が発表されました。答申は、地域に根ざした魅力ある教育づくりとして、県立高校の通学区を、県内どこの地域においても高校進学が確保されることなどを理由に、普通科通学区域の県下一円化が適当であるとしています。しかし、広大な県土を有する本県において通学区を一学区にすることは、この答申が期待する「地域に根ざした魅力ある教育」に相反するものではないでしょうか。生徒が都市部に集中することによる既設校の廃止や、通学費用・下宿費用など負担増、学校間格差が広がり子供たちは激しい競争にさらされます。多感な青年期に親元を離れ生活することが、こころの成長に与える影響も心配です。4月実施された地元新聞の、県議候補アンケートでも積極的推進意見は少なく、慎重論や反対意見が半数以上に上っていました。
●県立高等学校普通科の通学区全県一学区制は、実施すべきではないと考えますが、県教育委員会の考えをお聞かせください。
●泉崎村の児童虐待事件をきっかけに、関係者の努力により、県民の要望であった県中児童相談所が設置され、施策の前進をみているところですが、一時保護施設の早期設置を具体化すべきです。見解をお聞かせください。
ところで、日本青年会議所が作成した、「誇り」と題するDVDが、学校の教材として、全国の教育現場で使われようとしています。
このDVDは戦死した青年が現代に現れ、女子高校生を靖国神社に誘うというものです。
日本の侵略戦争を自衛の戦争だったとする内容でもあり、過去の戦争への反省とお詫びを述べた1995年の「村山談話」に反するものです。
●本県の教育現場においてこのDVDを使っての授業をおこなわないように徹底すべきと思いますが、見解をお示しください。
(5)最後に、原発にかかわってお伺いします。
双葉町議会において、先に凍結していた東京電力福島第一原子力発電所7・8号機の増設決議、凍結解除の決議案が可決されました。原発に依存する地域振興策をとってきたことがさらなる増設を望む状況を生んでいます。一方、政府と電力会社も温暖化対策を原発の新増設に頼ろうとしています。
しかし、原発は、技術的に未確立であり、耐震性を含めた安全性の問題、事故隠し・データねつ造が示す管理能力の欠如、放射性廃棄物の処理など、環境にとって大きな危険を抱えています。ひとたび事故が起きれば、双葉町だけの問題ではなく県全体の重大事です。
●安全性が確立されていない原発をこれ以上増設させないことをはっきりと示すべきです。見解をお聞かせください。
●原発に代わる地域振興策を立地町と相談して示すべきですが、いかがでしょうか。
以上お伺いし、私の質問といたします。
質問は多岐にわたりましたが、中でも、庶民増税から県民生活を守るあたたかい県政をいかにつくっていくかは県政の緊急課題だと思うところです。あたたかい答弁を求め、質問を終わります。
答弁
一、 最近の情勢について
知事
自衛隊が市民団体の活動等について情報収集を行っていたとする報道がなされ、様々な議論があることにつきましては、私も承知しております。
いずれにいたしましても、表現の自由などの基本的人権は憲法において保障されているものであると考えております。
二、 緑資源機構関連について
知事
政治献金についてでありますが、当該献金は、私が所属していた政党に寄せられたものであり、政党活動のために活用し、法律にのっとり適切に処理されたものと認識しております。
農林水産部長
緑資源機構の県内事業につきましては、緑資源機構及び受注会社の各関係者と受注4社が独占禁止法違反として起訴されたことから、その裁判の結果等を踏まえて適正に対応してまいりたいと考えております。
三、 庶民増税と市町村支援策について
保健福祉部長
税制改革による影響につきましては、税制改革の内容が極めて広範囲に及び、すべての対象者に対する影響を正確に把握することは困難でありますが、今後、制度運用の実情を見て、深刻な影響がある場合には、国に対し、是正策を講じるよう必要な要望を行ってまいりたいと考えております。
次に、医療保険における経過措置につきましては、各医療保険者が、その被保険者に対して周知することとされておりますが、県におきましても、広報誌やホームページにおいて啓発しております。
今後とも、市町村や関係機関と連携を図りながら、その周知に努めてまいりたいと考えております。
総務部長
税源移譲時の年度間の所得変動に係る経過措置につきましては、平成18年度分の所得税は課税されていたものの、平成19年の所得税が課税されない程度しか所得を有しなくなった方について、個人住民税増額分を所得税で調整できないことから、平成19年度分の個人住民税を税源移譲前の額まで減額する措置を講じるものでありますが、該当する納税者の方々が来年7月の申告機会を逸しないよう、市町村と連携しながら、周知徹底を図ってまいります。
また、既存の各種控除制度につきましても、引き続き、県のホームページや広報誌などを積極的に活用し、わかりやすい広報に努めてまいる考えであります。
保健福祉部長
次に、資格証明書の発行につきましては、国民健康保険を安定的に運営していくために法律で規定された制度でありますが、県といたしましては、個々の事情に十分配慮した対応を行うよう助言を行っているところであり、各市町村において、法令の趣旨に沿って適切に判断していただいているものと考えております。
次に、療養給付費と負担金につきましては、医療機関窓口において乳幼児等の医療費に関して一部負担金を免除または軽減した場合に、法律に基づき減額されるものであります。
このため、県といたしましては、子育て施策等の重要性とともに国保財政運営の安定化を図る観点から国に対し、減額措置の廃止を引き続き強く要望してまいる考えであります。
次に、乳幼児医療費助成制度における対象年齢の拡大につきましては、実施主体である市町村がそれぞれの地域における実情に応じて判断し、実施しているものと認識しております。
県といたしましては、就学前まで助成する制度を設けておりますが、更なる医療費負担の軽減を全市町村で実施するには、十分な財源措置が必要であると考えております。
このため、医療保険制度において、給付割合及び対象年齢のさらなる拡充を行うとともに、自己負担については、国が助成を行う制度を創設するよう国に対し、各県等と連携しながら引き続き要望していく考えであります。
次に、妊婦健康診査促進事業につきましては、母子保健事業は、市町村の責任と判断で実施されておりますが、子育て支援の観点から出産に係る経済的負担感がより大きい多子世帯に対し県として支援を行うものであり、対象を第3子以降としたところであります。
次に、後期高齢者医療制度につきましては、独立した医療保険制度であり、その給付に要する費用は、被保険者の保険料のほか、医療保険者からの支援金及び公費により負担されることとなっております。
県といたしましては、将来にわたり、福島県後期高齢者医療広域連合において安定的な保険運営が図られ、高齢者の方々や地方に過度の負担が生じることのないよう、十分な財政措置を国に対し要望してまいる考えであります。
次に、保険料の在り方等につきましては、保険者である広域連合自らが、その議会の議論等を踏まえ、判断すべきものと考えております。
なお、法令の要件に合致する低所得者に対して保険料の軽減措置を講じる場合は、その減収分を県と市町村とが負担することとなっております。
次に、コンピュータシステム改修・開発費用につきましては、広域連合と連携を図りながら市町村に対して、適切な改修、開発範囲となるよう個別具体的な助言を行うとともに、国に対しては、更なる財政支援を要望しているところであります。
次に、広域水道用水供給企業団に対する財政支援につきましては、企業団の経営努力では対応できない供給開始までの期間に限って、広域水道企業団施設整備事業促進補助等を行ってきたところでありますが、営業収益が得られる供給開始後につきましては、地方公営企業法による独立採算の原則により企業団の経営努力で対応すべきと考えております。
四、 子どもと教育のかかわりについて
教育長
県立高等学校普通科の通学区域につきましては、学校教育審議会の答申では県下一円とした場合に他の学区から進学してくる生徒の多い地域が生まれることが懸念の一つとされているものの、通学区域が県下一円である専門学科等の進学状況や県下一円化を図った他県への調査において極端な流入の例はなかったことなどから判断し、また、その他現在の通学区域の課題を踏まえ県下一円とすることが適当であるとされたところであります。
県教育委員会といたしましては、今後、生徒の進路希望の実現にとってよりよい制度となるよう十分に検討してまいりたいと考えております。
保健福祉部長
県中児童相談所の一時保護につきましては、中央児童相談所の一時保護所等を中心にほかの児童相談所の一時保護初等を活用して対応しておりますが、一時保護機能を含めた児童相談所体制の充実について、引き続き検討してまいる考えであります。
教育長
「誇り」と題するDVDについてでありますが、各学校における教材は、校長が選択することとなっており、学習の目標や内容に基づいて、適切に選択されているものと考えております。
県内の学校における状況については、注意を払ってまいりたいと考えております。
五、 原発について
企画調整部長
原子力発電所につきましては、先般の電気事業者のデータ改ざん問題等によって原子力発電に対する信頼が損なわれている状況にあり、今は何よりも事業者及び国における安全・安心の確保や信頼回復に向けた取り組みをしっかりと注視していくことが重要であると考えております。
次に、原子力発電所立地地域における地域振興策につきましては、これまでも「原子力発電所との共生と原子力発電所からの自立」という視点に立ち、関係市町村との連携の下、電源交付金も活用しながら、道路や文化・スポーツ施設、通信基盤、広域観光拠点の整備等を実施しております。
今後も、立地町等と十分協議しながら、電源地域の広域的かつ将来を見据えた振興策を講じてまいりたいと考えております。
再質問
再質問させていただきます。ご答弁ありがとうございました。
3点にわたって再質問させていただきます。まず1点目は、二の1です。知事の「特森懇話会」からの政治資金について、民主党第二支部の政党に対する政治資金だという答弁でありましたが、民主党第二支部の代表は佐藤雄平知事ご自身でありますので、これは政治家としての政治的道義的姿勢が問われる問題だと思います。再度見解をお聞かせ下さい。
2点目は、三の1、税制改革による負担増になる特定疾患治療研究事業、つまり難病のみなさんの制度についてのお答えですが、国の方にまかせるというような答弁でした。しかし、この制度は住民税非課税ですと治療費は無料です。しかし、課税世帯になりますと所得にあわせ6段階の自己負担がかかると、こういう制度であります。今回の税制改革は、収入が変わらないのに、非課税から課税になるということで所得のランクが変わってしまうという形であります。それが難病の治療の方にすごく理不尽な状況になってくると思います。結局、障がいを持っておられる方、重い病気に苦しむ方、そういう弱い立場の方にしわ寄せがいっているということであります。国が決めた税制改革であっても、目の前でその痛みを受けているのが県民でありますので、県政として、私は救わなければならないのではないかと思うところです。個々については県が関与できるわけですので、県の独自の判断をするべきだと思います。
もう1点は、三の5、市町村国保に対する支援策についてであります。市町村の国保、国から削減されておりますのが、療養給付費等の負担金です。この削減額は重度医療と乳幼児医療の窓口現物給付分、たいした金額ではありません。重度医療は全県あわせても4,800万円程度、乳幼児医療は7,250万円です。合計して1億2,000万円程度、それが市町村が国から削減されている分であります。他県においてはせめて国から削減された分だけでも、県の独自の支援策を行っているころもございますので、市町村の財政状況は厳しいです。財政調整基金を取り崩した自治体は8割にものぼっているということでありますので、これにつきましては県の役割、イコールパートナーとして発揮すべきだと思います。再度見解を求めます。
知事
政治活動は基本的に政党活動になっておりますので、政党にいただいた献金は政党活動のために活用したという認識でございます。
保健福祉部長
難病、いわゆる特定疾患治療研究事業、これの税制改革に伴う影響額に対して、県として対処すべきではないかという再質問でございますが、特定疾患の治療研究事業につきましてはご存じのとおり、国がつくりました難病患者に対する経済的な負担を軽減するためにつくられた制度設計でありまして、所得に応じて負担金をどの程度徴収するというのを統一的につくられております。県といたしましては、先ほど答弁申しましたとおり、特定疾患の患者さんが問えば医療費の更新にきた場合にどういった影響があったのかどうかそういったことを丁寧に確認しながら影響が大きいようであれば、制度設計である国に対して言うべきことを言うというスタンスに立ってまいりたいと考えております。
療養医療費と負担金の減額、要するに市町村の方で障がい児医療、あるいは乳幼児医療の現物給付をした場合に国保の国庫負担が縮減されている部分、それは県で補填すべきではないかというご質問でありますが、ご承知のとおり、国保につきましては財政秩序が設けられておりまして、国が本来負担すべき経費と県が負担すべきものとはこれは明確に分けられております。制度の中で国費が縮減された分を県費でもってそれを補填するということは制度的にそれは適当ではないと考えております。なお、先ほど申しましたとおり、いずれにいたしましても子育て支援の観点、あるいは障がい者の対策からそういったことはかなりの市町村で実施をされておりますので、引き続きそういったものに対する補填策につきましては国が制度的に対応するようあらためて要望していきたいと考えております。
再々質問
特定疾患療治療研究事業について、国の制度設計なので国に求めるという一点張りでありますが、私事で恐縮ですけれども、実は私の息子も難病の治療でこの制度のお世話になりました。難病の治療といいますのは、大変お金がかかります。この制度を大変心強く思った、そういう対象者の1人であります。ところが今回、国がすすめました税制改革で収入が変わらないのに税金が変わって税金のランクが変わるということで非課税の方が、課税になれば無料で治療が受けられたものが有料になります。ここのところの認定は、県が関与できるわずかなところであります。税制改革については確かに国が打ち出しました。税金を取るのも国ですし、窓口は市町村という形になっております。福祉の制度もそれぞれ市町村が窓口という形のものが多いですので、県政として何ができるのかということを考えた場合、直接関与できる部分はかなり少ないと私も思っております。その中で県単の障がい者支援事業でありますとか、それからこういった難病の関連のものについては、ある程度県が関連できる余地がある、そういう制度であります。障がい者や難病に関わる制度でありますので、これは命に関わりますのでこれまでどおりの負担で制度を利用できるようにすべきだと思います。再度見解をお願いします。
保健福祉部長
先ほど申しましたとおり、自己負担額につきましては、所得に応じましてAからGまでの7階層に分かれておりまして、たとえばAにつきましては生計中心者の市町村民税が非課税の場合、Bにつきましては生計中心者の前年の所得税が非課税の場合と、ただいま申しあげましたとおり明確に書いてありますのでこの適用にあたりましては、規定のとおり適用せざるを得ないと考えております。
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