2007年6月議会提出議案に関わる反対討論 |
2007年7月3日 宮川えみ子 |
日本共産党の宮川えみ子です。日本共産党県議団を代表して議案に対する意見を述させていただきます。
今議会は先の四月の改選後初の定例議会になりました。景気が良くなったという報道とは裏腹に県民生活がいっそう厳しさを増しており、それだけに県民の県政に対する期待と注目が高まっているなかでの議会でもありました。また、県政汚職問題の裁判も始まり国政での事務所費問題などと相まって税金の使い方に対して、県民の厳しい目もありました。
日本共産党県議団は、県民の暮らし応援、市町村と県民をはげます県政の実現を目指していますが、その立場から、定率減税の廃止と税源移譲によって多くの県民が増税に苦しんでいるとき、個人県民税として入るその一部を使って、高齢者・障害者・子どもたちなど弱者に対する支援を求めてきました。
環境問題では各会派から質問がありましたが、二酸化炭素排出量の8割を占めるのが企業・公共部門です。今、自治体の努力はもちろんですが、企業にも排出量を考慮した税制に変えるよう国に求めたり、自治体としても企業に働きかけたりすることが必要です。二酸化炭素排出量について、日本は京都議定書で2012年までに90年比6%削減を公約ましたが、逆に排出量は8%も増えているという危機的状況なのです。
今議会の議案は、国の法改正にかかわってのものも多くありましたが県民生活にしわ寄せをするものもありました。いろいろな方面で、少しづつ少しづつ後退させる姑息な方向が見えます。また、市町村を励ますという点においても問題がある議案もありました。
このような立場から以下の議案に反対の立場で討論いたします。
議案第3号、特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、選挙にかかわる方の手当の削減をするものです。
議案第4号、福島県職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例、議案第12号、福島県公営企業の業務に従事する職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例、議案第13号、福島県立病院事業の業務に従事する職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例の3件については、同じ内容なので一括して申しあげます。
この改正は、福島県職員・公営企業職員・病院職員の手当に関するもので、国の雇用保険への国庫負担の削減などの法改正に準じて出されたものです。これまで失業者の退職手当について、一般労働者で6か月、パートで12か月であった被保険者期間を両方とも12か月としたために、今までは、一般労働者では6か月の就労で受給できた受給資格が奪われることになります。
議案第5号、福島県職員恩給条例の一部を改正する条例については、いままで、遺族扶助料をもらっていた妻が死亡したときは、重度障害である場合18歳以上でも子供に支給されていました。今度の改定で恩給受給者本人が生存していたとき、重度の障害であったときのみ、と限定されてしまうもので、制度の後退です。
議案第14号、福島県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例に関するものについては、犯罪などのマネーロンダリング対策のために金融機関に対して、疑いのある取引について警察への届け出義務を課すものです。このこと自体を否定するものではありませんが、この法律は、あいまいな基準で疑わしい取引を罰則付きで強要していますので問題です。
議案第15号、県の行う建設事業等に対する市町村の負担については、地方財政法等で「市町村に負担を求めることができる」として毎年出されてきております。
負担の中では、過疎地の自治体に大きな負担を求めるものがあったり、いわき市のように急傾斜地崩壊防止対策事業の市負担分の一割を河川費寄付金として、さらに住民に求めているところもあります。そのため年金暮らしなどでそのお金が負担できず、危険なままで放置されているところもあります。全国的に見ても県事業に対する市町村負担は、減少してきております。厳しい市町村に負担を求めるべきでないと考えます。
以上の理由から知事提出議案、第3号、4号、5号、12号、13号、14号、15号の7件に反対を表明しまして討論を終わります。 |
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