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2007年11月13日

福島県知事
 佐藤雄平 様

12月定例議会に関する要望書

日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子

はじめに

 9月半ば、安倍首相の突然の辞任を受けて福田内閣が発足しました。福田首相は、小泉政権以降の「構造改革」による地方切りすてと国民負担増に対する厳しい批判を受けて、高齢者や障がい者への負担増を一部手直しする方向を打ち出しました。しかし、福田内閣も基本的には「構造改革」路線を続けることに変わりがありません。
 こうした中で、12月補正予算概要が示されました。県中児童相談所の一時保護所の設置に向けて具体化するなど評価できる面はあるものの、その一方で県の財政難を理由にいっそうの切り込みが「聖域」なく実行されようとしています。これでは、県民サービスの質の低下と地域経済を冷え込ませることになりかねません。
 県は、国に対し財政赤字を理由に地方への財政削減を行わないよう強く要請するとともに、県自身がつくってきた借金のつけを県民、市町村、職員へ向けることのないよう、特に、以下の点をふまえるよう要望するものです。

1、公共事業は県民生活に密着したものに

 県内の景気動向は、生産活動が順調に推移し、雇用も改善基調を維持するなど回復傾向がみられるとはいえ、安定した地域経済の回復には至っていません。地域経済に波及効果を生む県の施策が必要です。

(ア)  福島市などで実施している「小規模修繕希望者登録制度」を県として創設し、県営住宅営繕や教育施設の修繕を地元の小規模業者が直接受注できるよう改善し、地域経済を温める対策とすること。
(イ)  生活密着型の公共事業にきりかえ、県民要望の高い県道の補修や維持管理をすすめること。

2、雇用問題について

 労働法制の規制緩和によって、県内に派遣や請負などの不安定雇用が広がっています。年収200万円以下の勤労者が5人に一人という過去に例をみない格差と貧困が広がっています。県民の暮らしを守る雇用行政は緊急課題です。

(ア)  若年労働者に広がりつつある住居を持たないネットカフェ難民などの実態調査を、県独自に実施すること。
(イ)  住居を持たない若年労働者に対し、家賃対応の融資制度を創設すること。

3、暴落した米価対策と農産物価格の下支えを

 米価格センターが今秋発表した落札価格は、昨年同期と比べ7.9%もの下落です。この背景には、政府が構造改革路線のもと米の需給・生産調整を放棄し、市場原理に任せてきたことにあります。小規模家族経営が中心の本県農業は、品目横断経営安定対策にも該当せず、大幅な減収となっています。その上、関税の全面撤廃が実施されれば、本県の基幹産業である農業は大きな打撃を受けます。
 大規模でも小規模でも続けたい人は大切な担い手として応援する施策が必要です。

(ア)  生産費に見合う米価とするよう、暴落した米価の上乗せ補償を県として行うこと。
(イ)  青果物価格安定化対策事業を充実すること。
(ウ)  輸入飼料高騰の折、安全な国産飼料の自給を図るためにも稲ホールクロップサイレージ(稲発酵租飼料)への助成を行うこと。

4、社会教育・福祉施設の民間移譲をおこなわないこと

 指定管理者制度は、自治体の財政構造改革のなかで経費縮減策として本県では05年度から導入されてきましたが、公共の福祉を支える社会教育・福祉施設にについては、経済効率最優先の考え方はなじみません。すでに、指定管理者に委譲した施設については、当初の設立目的に照らし、県の公的な役割を後退させることがないようにすべきです。

(ア)  身体障害者養護施設「福島県きびたき寮」、救護施設「福島県浪江ひまわり荘」、養護老人ホーム「福島県希望が丘ホーム」の民間移譲は、やめること。
(イ)  すでに指定管理者を導入し、財団が運営している少年自然の家や男女共生センターなどの社会教育施設については、県の関与を継続すること。

5、県立高校普通科学区一円化は実施しないこと

 学区一円化について県民の意見を聞く公聴会、その後実施された中・高校生とその父母、学校関係者へのアンケート結果においても、学区一円化を望む声は少数であり、むしろ慎重な取り扱いを求める意見が多く寄せられています。これらの意見を尊重し、県立高校普通科学区一円化はやめること。

6、緑資源機構の林道事業について

 談合事件を引き起こした緑資源機構が廃止され、県にその事業が継続される方向とのことですが、大規模林道工事であるこれらの事業は、自然環境を破壊しかねず、多額の県財政を投入することにもなることから、緑資源機構の林道事業は継承しないよう強く国に求めること。

7、FIS世界選手権大会における県の財政支援のありかたについて

 FIS世界選手権猪苗代大会組織委員会が大会実施を決定しましたが、運営経費については確実な裏付けがないままです。県民の税金の使い方として曖昧さは許されません。補助額は当初予算を上回らないよう対応すること。

8、宮城県山元町沖の座礁船撤去を早急に

 今年4月の座礁事故発生から半年が過ぎ、厳しい気象状況の冬を迎えようとしており、一日も早い船体撤去が求められます。座礁船船体撤去を、事業者及び国に働きかけること。

9、ブルセラ病疑患畜による製品回収の経済損失の補てんを

 牛ブルセラ病の疑いで乳製品を大量回収する事例が発生しました。家畜伝染病予防法の検査結果の連絡体制不備によるもので、今後の改善策も図られたところですが、落ち度のない乳業メーカーが製品回収により多大な損失を負っています。家畜伝染病発生の際、製造メーカーに対し県として損失額補てんを図ること。

10、人事委員会勧告について

 10月4日に出された県人事委員会勧告は、民間労働者との賃金格差を0.49%としてその引き上げを求めるほか、一時金や扶養手当についても国の人事院勧告を踏まえた勧告が出されました。9年ぶりの引き上げ勧告は評価できる内容です。
 県職員の給与は、市町村職員をはじめ、公務員準拠の民間職員給与に連動し、地域経済への波及効果を生むことから、今回の県人事委員会勧告にそった給与改定を速やかに実施するよう求めます。

以 上



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