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2008年度予算と主な施策についての申し入れ(第二次)

2008年1月23日

福島県知事
 佐藤 雄平 様

日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子

2008年度予算と主な施策についての申し入れ(第二次)

【はじめに】

 臨時国会で、長年の課題だった被災者生活再建支援法の改正や薬害肝炎の被害者救済法が全会一致で成立しました。国民の利益に立つ政策の実現に、衆参の「ねじれ」は障害ではありません。国民が強く求める政策なら、与党でも野党でも賛成するのは当然で、同意しなければ批判は免れません。
 2008年度政府予算案は、「構造改革」路線を引き継ぐものであることは明らかです。高齢化に伴う社会保障の自然増分を毎年2200億円ずつ抑制する政策を継続し、さらに、消費税増税へ「橋渡し」をねらう予算案では、ますます貧困と格差が広がることになります。浪費をなくし、ゆきすぎた大企業・大資産家減税と5兆円規模に膨れ上がった軍事費という「2つの聖域」にメスを入れれば、消費税にたよらなくても、社会保障の財源はできます。
 道路特定財源の制度は50年以上も前につくられ、当時は5%程度だった道路舗装率は現在98%に達しており、ガソリン税などの税収を道路のためにしか使えない今の制度を改め、必要な道路にも福祉、教育、環境にも使える一般財源にすべきです。ガソリン税の暫定税率は道路づくりを加速するための税率であり廃止すべきです。いま環境問題が重要になっており、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税を、国民の同意を得て導入すべきです。
 県内の景気動向は、原油は高止まりし、ガソリンや灯油など石油製品の高騰に加え、物価全体が上昇の兆しを見せ、年明けから証券市場の大幅な下落に加えて雇用情勢の悪化、個人消費意欲の悪化など、先行きが不透明となっています。新年度県予算には、県立高校授業料はじめとして各種料金、手数料等の値上げが次々と予定されており、県民のくらしをさらに圧迫するものになりかねません。
 知事は、新年にあたって「地方の発展なくして日本の発展はない」「地方の自主性・自立性を高める」「昨年末に示された地方財政対策において、今年度と同程度の地方交付税が確保される見通し・・・次年度以降も継続されるかは不明」との所感を示し、新年の県政運営の8つの柱を示しました。
 この間の県政運営は、2001年に策定された新長期総合計画「うつくしま21」の基本目標「地球時代にはばたくネットワーク社会〜ともにつくる美しいふくしま〜」、「人間・人格・人権の尊重、自然との共生、個性的地域づくり」を基本にすすめられてきました。その具体化のために「人」「くらし」「産業」「環境」「基盤」の5つの分野で指標を示し、小・中学校の全学年で30人学級・30人程度学級の実現、乳幼児医療費無料化年齢を就学前までの引き上げ、野放しの大型店の出店にブレーキをかける「商業まちづくり条例」の制定、国のエネルギー政策を根本から問いかける福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」など全国にさきがける施策を展開してきました。
 新年度は長期総合計画「うつくしま21」の最終年度・2010年にむけ、その到達点の評価を明らかにし、さらに県民のくらし、安全・安心の向上に資する前進が求められます。
 県政には、地方自治体の本来の役割である「住民の安全と福祉の向上」を図り、広域自治体として「イコールパートナー」の市町村を励まし支援することが強く求められていますが、新年度当初予算編成にあたり、県民生活と地域経済の実態をふまえ、市町村と県民のくらし応援の施策を中心に、以下の具体的施策の実施を要望します。

【未来を担う人づくりの推進を】

1、教育行政について

 第5次福島県長期総合教育計画に基づく教育行政が推進されています。新年度においては、確かな学力をはぐくむために、高い学力を身につけた高校生の育成にとりくむとし、南会津地区e-ラーニングや通信教育など教育産業の導入を積極的にすすめ、高校の予備校化にますます拍車をかけるものとなっています。
 学校教育は、一人一人の豊かな発達を保障するものでなければならないのに、教育産業に依存する教育行政では、生徒の個人情報さえ守ることが困難であり、公教育の放棄につながりかねません。
 すべての児童・生徒の基礎学力をはぐくむためには、正教員を増員し現場の職員体制を充実させ、どの子にも行き届いた教育を実践できる条件整備が急がれます。安上がりの教育行政ではなく、本県の未来を担う人づくりにふさわしい予算措置を図るよう求めます。

(1) 小・中学校の全学年において30人学級・30人程度学級を継続するとともに、高校に30人学級を拡大すること。
(2) 常勤・非常勤講師を減らし正教員をふやすこと、および、全ての県立学校にスクールカウンセラーを配置すること。
(3) 老朽化した県立学校施設の改修や耐震改修を積極的にすすめ、教室不足を解消すること。
(4) すべての小学校区に放課後児童クラブを整備するために、県の支援を強めること。
(5) 特別支援教育については、異なる障がいを持つ子供たちに対応できる専門性のある正教員確保が急がれる。また、児童・生徒増による養護学校の教室不足の対策が急がれるが、これらの対策を進めること。また、児童福祉施設「大笹生学園」と「郡山光風学園」の入所定員削減はやめること。
(6) 県立高校普通科全県一円化に道を開く、隣接学区からの入学枠拡大は行わないこと。
(7) 学校施設において原油高騰に伴う灯油代不足が発生しないよう、予算措置を図ること。
(8) 県立高校授業料の値上げは行わないこと。また、授業料免除等の要件に、生活保護基準の1.5倍程度の収入基準に広げること。

2、子育て支援策

 子供たちの元気な声が響く活気あふれる地域社会、安心して子どもを生み育てられる環境整備は重要な課題です。多子世帯の経済的負担軽減策がすすめられていますが、第1子からの支援とすることが、子供を産み育てる環境づくりとなります。

(1) 乳幼児医療費助成制度を中学校卒業まで拡大すること。
(2) 妊婦健康診査補助を第1子からとすること。
(3) 妊産婦医療費助成制度を県として創設すること。
(4) 乳児保育に対する国庫補助の廃止・縮小に反対し、県として国庫補助縮小分を助成すること。
(5) 学童保育にたいする補助金を引き上げ、県として家賃補助を行うこと。また、指導員が社会保険・労働保険に加入できるよう福利厚生費を補助すること。
(6) 母子家庭の就労について、県内の実態調査を実施すること。

【人間・人格・人権の尊重の県政の推進】

 福島県長期総合計画「うつくしま21」では、県づくりの理念として、「人間・人格・人権の尊重」を謳っています。この理念を実現するためには、すべての県民が生き生きと生活し、能力を充分に発揮できる環境づくりが重要です。

(1) 男女平等教育を推進すること。また、県の審議会委員の女性委員の比率および、県・市町村の女性管理職比率を引き上げること。
(2) 配偶者暴力相談支援センターの設置数を増やすこと。また、DV被害者、高齢者虐待への支援をきめこまかに行うこと。社会自立の支援として住宅入居の支援を図ること。
(3) 自殺対策として、各種相談事業の窓口一元化と相互連携体制の強化を図ること。いのちの電話を支援しながら自殺予防につとめること。
(4) 民間の福祉施設における虐待や劣悪な事例が早期発見できるよう、県の監査の改善をすること。


【安全で安心して生活できる県政を】

 企業のモラルが問われるあいつぐ食品の偽装事件の発覚、原油価格高騰による影響や、「構造改革」による増税と社会保障の連続改悪で貧困と格差が拡大し、県民は大きな不安をかかえています。
 県は、こうした県民に心を寄せて県民への負担増をやめ、国の悪政から県民のいのち・くらしを守る防波堤の役割を発揮し、全国に比べて遅れている医療・福祉の充実を図ること。
 また、地球温暖化、異常気象による自然災害から県民の生命・財産を守り、安心して生活できる県政をめざすことを求めます。

1、医療・福祉の充実について

 全国に比べて医師数が実数で631人少ない(04年度)本県ですが、県民全体の医療を守る立場で、民間病院を含めた医師の確保と定着を図り、県民の医療・福祉の充実を前進させることを求めます。

(1) 県立病院へドクターバンクの活用による医師の確保、特に女性医師の採用と勤務しやすい環境を整備すること。医大や県立病院や公的病院の勤務医が、安心して働き続けられるよう医師の賃金と労働環境の待遇改善を図ること。看護師などの医療スタッフについても同様である。
(2) 県民の命をたらいまわしすることがないよう、ドクターヘリの活用や、県内7つの生活圏域ごとの救急医療体制の構築を急ぐこと。
(3) 妊産婦・乳幼児の命と健康を守るために、産科・小児科医を増やし県内の周産期医療体制の充実を図ること。県立子ども病院の設置を検討すること。
(4) がん対策については、医大と県立病院との連携で、がん治療の専門医師の確保と緩和ケアの専門チームを養成すること。
(5) 後期高齢者医療制度は、高齢者に新たな差別を持ち込むものであるが、高齢者が安心して老後を送れるよう、広域連合に対し県独自の医療費軽減のために助成すること。
(6) 重度心身障がい者医療費助成制度については、後期高齢者医療制度がスタートすることに伴って、65歳以上の高齢者が後期高齢者医療制度への移行を希望しない場合は、県が窓口負担分全額を助成すること。あわせて、医療費の一部負担の導入を実施しないこと。
(7) 県が新たに策定する地域連携ケア構想、医療費適正化計画、介護計画については、高齢化が全国平均を上回る本県において、施設・在宅サービスの充実につながるよう関係者の意見を十分汲み上げて策定すること。
(8) 県障がい者工賃向上計画は、福祉的就労の視点がなければ障がい者に“働く”ことを強制しかねないものとなる。福祉の側面を基本に、作業の中身や仕事の発注についても地元企業との協力を求めるなど、障がい者が地域でいきいきと安心して暮らせるよう支援すること。
(9) 児童相談所と一時保護所は併設が基本である。一時しのぎの対応にとどめるのでなく、計画をもって整備すること。

2、自然災害から県民のいのち・財産を守るために

(1) 地球温暖化、異常気象による自然災害の多発をふまえ、がけ崩れ、浸水対策などの予防・点検・調査、改修に必要な予算を確保すること。
(2) 災害弱者への対応について、市町村と連携して推進すること。
(3) 地震対策については、耐震診断費の補助にとどまらず、小中学校の耐震化、民間木造住宅の耐震化を支援すること。

3、原発の安全確保について

 東京電力のあいつぐトラブル隠しに加え、新潟の柏崎刈羽原発の被災の教訓を生かし、県民の立場に立った原発の安全・安心対策をすすめること。

(1) 昨年の新潟県中越沖地震発生をふまえ、東電による原発周辺の断層調査が行われているが、活断層の過小評価について反省がないままでは、県民の安全・安心は確保できない。県としての監視を強めること。
(2) 地震による津波対策をとるよう東電に求めること。
(3) 県内の30年以上経過した老朽原発の酷使を中止し、国に廃炉を求めること。危険なプルサーマル計画を受け入れず、原発の増設も認めないこと。
(4) 万一の過酷事故にそなえてヨウ素剤確保や、核燃料税の活用による住民の避難道路の整備を急ぐこと。
(5) 県民の安全より電力会社のコストを優先するような維持基準の導入、定期点検期間の延長を拒否すること。


【環境問題・地球温暖化対策の前進を】

 京都議定書での数値目標で、日本は1990年比で6%の削減目標になっているにもかかわらず逆に6.4%増えている深刻な事態になっています。
 福島県においては8%の削減目標が27.2%の増という異常な事態です。増の主要な要因が地震による原発の停止によっての火発の稼動増が原因との事ですが、そのことで解消されるものではありません。

(1) 二酸化炭素排出量の8割が企業・公共部門です。県自らの抑制策と同時に、国にエネルギー政策の転換を求め排出量を考慮した環境税の導入を求めること。
(2) 再生可能なエネルギーの開発支援を進め援助すること。
(3) 森林の整備など発生抑制と同時に吸収拡大を進める方向を大きく前進させること。
(4) 県の統一した組織を立ち上げ、県民の協力を求めながら削減目標値を明らかにし行動すること。


【創造性と活力ある産業の振興について】

 産業振興は人口増が目的ではなく、いかに住みよい福島県を作っていくかが土台になるべきです。全国の企業サービス競争により深くはまり込むことなく、長期総合計画の観点で県内地場産業の振興、内発的発展に軸足を置く政策を前進させることが求められます。

1、農業の振興について

(1) 県産品の生産販路を広げるために、その実情をよく把握し、県、JA、各種団体のネットワークを広げること。
(2) 稲ホールクロップサイレージなど水田を生かした穀物飼料づくりを支援し、転作作物の面積を増やし、生産調整に支援を強めること
(3) 米の価格保障制度を確立すること、ミニマムアクセス米の輸入をやめることを強く国に求めること。
(4) BSE全頭検査をこれまで通り継続し、食肉の安全対策を図ること。

2、地場産業等の内発的振興について

(1) 県内地場企業の実情・要望把握をすすめ、「産業協議会」の役割をより発揮すること。
(2) 過疎・中山間地域支援については、「自立のための支援」との枠をはめるのではなく、イコールパートナーの立場で、市町村事務事業の横の協力支援、県の縦の支援など県が市町村を応援する立場を貫くこと。

3、県民に真に必要な清潔、公正な公共事業を

(1) 公共事業については、最低制限価格の引き上げ、下請け単価の切り下げに対する監視を強めること。下請けや働く人に配慮して進めること。不要不急の大型事業を見直し、地震対策、維持管理費、歩道の整備など交通安全の観点で進めること。
(2) あぶくま高原道路の建設は中止・スローダウンすること。小名浜東港(人工島)建設は中止し現港の整備を促進すること。福島空港は閉鎖も含めて検討を開始すること。

以 上



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