2008年2月定例県議会一般質問
・一般質問
・答弁
・再質問
・再々質問
一、県政運営と予算編成について
宮川えみ子です。日本共産党を代表して質問をいたします。
昨年を振り返って思うのは、私たちが「ルールなき資本主義」と呼んできた異常な政治・経済路線がどの分野においても深刻な破綻に見舞われていることを痛感します。国民は肌でこのことを感じ、参議院選挙でその態度を示したのではないでしょうか。
質問の第一は、県政運営と予算編成についてです。
貧困と格差の拡大が進み、労働者、高齢者、障害者、農民、中小企業者等あらゆる層の暮らしと経済が「そこが抜けてしまった」かのような不安と危機に見舞われています。それに対し、大企業はバブル期の1.7倍に当たる33兆円の利益を上げ今年度も大幅に伸ばし続けています。政府が言い続けていた、大企業が良くなれば、めぐり巡って家計にも及ぶという経済成長のシナリオは完全に破たんしました。そして、輸出頼み、外需依存に大きく傾く脆弱な日本経済にしてしまい、投機資金による原油高、穀物高で中小企業や国民の暮らしを圧迫しています。大きな岐路に立っている日本経済の立て直しは、軸足を家計・地域経済に移行すべきであると考えます。
参議院選後、国会では、新テロ特措法は再提出で強引に通されましたが、戦後初めて自衛隊をインド洋から引き戻しましたし、長年の課題であった被災者生活再建支援法の改正や薬害肝炎の被災者救済法が全会一致で成立しました。地方交付税を減らし続けるという国の方向は変わりませんが、特別枠が入りました。国民の声が政治を動かす時代に入ったといえます。
1、 財源問題について
財源問題についてお伺いいたします。
- 08年度県予算は8千407億1900万円、前年度比105億円、1.2%の減です。大型事業を始める前、15年前の93年とほぼ同じ水準になりました。しかしこの時の予算と大きく違うのは、公債費比率が16.1%となっており、15年前の8.3%と比べると2倍で、社会保障や、職員人件費削減の圧縮予算になっています。県債残高は、1兆1951億円でこれも2倍になっています。このような厳しい財政状況にした要因は二つあると考えます。一つは、福島空港の滑走路の延長、未来博、トラハイ、小名浜東港人工島など不要不急の大型事業を大規模に行ってきたこと。もう一つは、国が大企業・大資産家の減税などを次々に行い、税金の無駄使いや軍事費の増額を進める一方、地方にしわ寄せし地方交付税を減ら続けてきた結果です。日本共産党は県政でこれらの不要不急の大型事業に一貫して反対してきましたが、一部はまだ進められています。国においても、基本的な方向は改まらず、地方交付税の大幅削減は続いております。
- 県財政を困難にした、大型事業と地方交付税の削減という、二つの要因に対しての見解をお伺いします。
- 公債費の負担を軽減し、財政再建は長期的スパンで実施すれば、余裕をもった予算編にすることができると考えますが、お伺いします。
- 社会保障推進協議会の方々と県との交渉がありましたが、県民要望に対して予算がない、予算がない、の回答でした。民生費は15年前と比べると、ほぼ2倍近くの400億円増えていますが、借金が増えている分の15分の一にしかすぎません。借金は6200億も増やしています。
民生費が増えたのは、介護保険や後期高齢者医療制度などが創設され、国が次々に、経費を地方に押し付けてきたことなどが原因です。県民一人一人の負担は一層重くなっています。義務的経費の伸びが財政硬直化を招くという発想は地方自治の本旨に反するものと考えます。
知事も安心安全、思いやりの県政と述べていますが、地方自治の本旨にのっとり、県の予算の中心を、医療・福祉・教育に据えるべきと考えますが知事の見解をお伺いします。
2、道路特定財源は一般財源化を求めるべきことについて
次に道路特定財源についてお伺いいたします。ガソリン税など巨額の税収を道路だけにつぎ込む「道路特定財源」と、本則税率を2倍に増税している「暫定税率」が、3月末までに期限を迎えます。政府はこれから10年間59兆円の中期計画をやるために必要と言いますが、国民にとって必要な道路予算を積み上げるのではなく、総額を使い切ると言うものです。通学路、歩道、バリアフリー化、防災などと言うのはわずか一割に過ぎず、目的地までたった5分の短縮のために作られようとしている高規格道路、一兆四千億をかけた日本一の赤字路線といわれる東京湾横断道路に並行して東京湾口(ぐち)道路をつくる計画であり、6本の長大橋も入っています。県は道路特定財源がなくなれば福島県の道路ができなくなるかのようなことを宣伝していますが、私どもは、特定財源でなく一般財源化のほうが、県民に必要な道路は進むと考えます。本県でも縦軸3本、横軸3本の広域連携軸と高規格道路などが生活道路より優先され、なかでも無駄な道路と指摘されているトラハイは総額1300億円で、そのうち県負担は55%で700億円以上も負担します。また、福島市にはこの道路特定財源で一台につき5千万・総額70億円をかけた地下駐車場が建設されました。これらの負担がなければどれほどの暮らしの道路が進んだことでしょう。生活道路も地方交付税も確保する観点から、道路特定財源はやめて一般財源化をすべきと思いますが、どのように考えますか、お伺いします
3、県民の暮らし、営業の状況についてです
次は県民の暮らし、営業の状況についてです。貧困と格差の広がり、若い人たちの働く条件が悪化しています。仕事がないので3時で終ってくれと言われ、時給700円の21歳の青年は、一月の給与が手取り7万円だと言っていました。働く県民の賃金は景気が回復してきている、とした昨年でも、(事業所規模5人以上)前年比4.7%も減っています。また、本県の基幹産業である農業の農家所得は下がり続けています。
新年会で「景気が好い状況が続いているというが、全く実感がない。一部大手の大企業だけだ」と、料飲組合の会長さんが怒っていました。
今後、原油高騰、物価の値上げ、相次ぐ負担増や所得の低下などが進むと考えられますが、そこで、母子家庭、高齢者の中の、低所得者への支援策、また、非正規雇用者の中の低所得者への支援策をどのように考えていますか、お伺いします。
4、軒並みの使用料及び手数料の値上げを中止することについて
次に使用料及び手数料の値上げ問題についてお伺いします。県民の暮らしが困難になっている時に、使用料手数料を26件・1億670万円以上値上げする提案がされました。この金額は県民にジワリと重い負担になり、各方面に大きな影響をおよぼすと考えます。
- 特に、人材育成の観点から高校授業料などの各種授業料の値上げは問題ですがどのように考えますか。
- 県立医科大学の分娩介助料の大幅値上げは他病院などの分娩料の値上げにならないか心配されますが、どのように考えますか。少子化対策に反する施策と思いますがいかがですか。
- 使用料・手数料の値上げは、県民や市町村に与える影響を考慮し、中止を求めますがいかがですか、お伺いします。
5、福島空港について
- 次に福島空港についてお伺いします。福島空港建設には、滑走路を造っては壊しまた作るなどということで大きな批判を浴びながら、空港公園200億円も含め約800億円の費用をかけて作ってきました。建設は終わりましたが、管理費、利活用費などの持ち出し、費用負担は、年間5億円の赤字となって、おり、開業以来53億円も支出しています。今後、人口減少、高齢者も増え続けることを考えますと、維持運営は厳しさを増し続けると思います。長期総合計画ではH22年度の利用者目標を100万人としていますが、H18年度は目標の半分、53万人弱でした。今年度の利用者数の見込みと、今後の見とうしについて、お伺いします。
- 福島空港の管理や利活用等に要する経費が、県財政から見て大きな負担になっており、閉鎖も含めた在り方を検討すべきと思いますがお伺いします。
6、小名浜東港地区の人工島建設について
次に、小名浜東港地区の人工島建設問題についてお伺いいたします。小名浜東港・人工島建設の理由はその時その時により変わってきましたが、今の最大の理由は火力発電所に使われる石炭船の沖待ち問題をあげています。しかし、地球温暖化問題で二酸化炭素の大量発生源となっている石炭利用の削減なくしては、温暖化対策が達成できないということははっきりしています。原油や輸入石油製品税は一キロリットル2040円とされる一方、石炭が一トン当たり700円となっております。石炭が石油の三分の一程度の税に抑えられており、このことに対する批判が高まっています。
- 10年後は温暖化問題で石炭の使用量は相当の削減が求められ、石炭船の沖待ちは一時的なものというのが常識です。石炭貨物の取扱量は減少すると考えますが、どのように考えますか。
- 明確な建設理由のない人工島の建設は中止し、既存施設の改良に力を入れるべきと考えますがお伺いします。
二、医師不足と救急医療問題について
1、医師不足と救急医療問題について
医師不足と救急医療問題についてお伺いします。医師不足が県民の大きな不安になっております。日本共産党の地方議員団の厚労省交渉では国はつい1年前までは医師は偏在が問題であって、全国的に見れば足りていると言っていました。ところが、昨年の11月19日の交渉では突然手の平を返したように医者は不足している、福島県も不足していると言い出しました。もともと、日本の医師数は人口10万人当たり200人で、OECD加盟国の平均310人を大きく下回り30カ国中27位という立ち遅れです。それなのに医師抑制政策を閣議決定までして進めてきたのです。無責任な国の政策が日本の国民と県民に大きな不安を与えていることを厳しく指摘しなければなりません。
ようやく福島医大の定数を15人増やすことができましたが、医者として活動していただくまでには、10年はかかります。現在の深刻な状況を考えますと、あらゆる対策を講じなければなりません。
- 「第4次県保健医療計画・うつくしま保健医療福祉プラン21」では、目標年次のH22年までに人口10万人に対し医師を204.6人としていました。ところがH18年現在176.1人で目標からかなり離れています。医師数の目標達成の見おしは困難とみられますが、その理由をどのように考えていますか。
- 第5次の計画が検討されていますが、地域の医療体制の確保に責任を持つ県として、医師数の目標をどのように検討し、それに向けた医師確保対策をどう考えていますか。
- 医療環境の整備のために県立医科大学や市町村、医療関係機関等との連携を進めることで医師が働きやすい環境を作るとしていましたが、どのように進みましたか。
- 女性医師は増え続けています。今年度の医大への推薦者は女性の方が一人上回ったと聞いています。院内保育など女性医師の働きやすい環境づくりはどのように進んだのでしょうか。
- 子どもの医療相談では、核家族化や近所付き合いの希薄さなどで、子どもの病気の時の相談者がいないという若い人たちが多くなっています。電話相談の♯8000番はこうした子育ての不安にも答え、上手なお医者さんのかかり方も聞くことができます。この利用者が増えていけば、安心の子育てが進むと思いますし、休日や夜間の救急が減ることにもつながっていくと思います。利用状況は徐々に広がっていると言いますが、小児救急相談・♯8000番の利用状況と利用促進対策についてお伺いします。
2、いわき地域の医師不足と救急医療体制について
次にいわき地域の医師不足対策についてお伺います。医師不足は、全国でも県内でも深刻な事態になっていますが、いわき市では医師不足が急速に進み、医療環境が悪化しています。H16年とH18年比で、医師の数を比較してみると、全国は2.8%増、福島県は1.8%増なのに、いわき市は逆に3.3%、21人も減っています減った分全部が勤務医です。
これらの医師不足は特に救急医療問題の深刻な事態となって表れています。県の調査では、H18年の1年間に救急隊が病院に紹介しても受け入れられなかったのは隣接双葉も合わせると、10回以上がすべていわき地域でした。救急車の平均搬送時間は、H15年31分からH18年34.4分と5分近く伸びています。また、2月19日にいわき市消防本部が発表した最新情報ではもっとひどくなっています。救急車の適正利用問題もあると言いますが、軽傷者を運ぶ率は全国平均よりいわき市は10%以上少なくなっています。街を歩くと、救急車が来ても行くところがない、脳溢血で倒れたのに救急車は40分も出発できなかった、という話があちこちから出されます。中にはいわき市に住むのが不安だという人もいます。
2月17日に開かれた、医師会主催の救急医療に関するシンポジュウムでは、ある中核医療を担う病院勤務医に対するアンケート調査で、夜勤で布団に入れるのは2〜3時間、睡眠は1時間程度で次の日は全員が通常勤務で手術もする。肉体的精神的につらい、ミスを犯すのではないかと気が気ではないと答えています。県内でも突出しているいわき地域の医師不足の要因と、その対策についてお伺いします。
三、農業問題について
1、食料自給率の向上と福島県の農業について
次は、食料自給率のアップと福島県の農業問題についてです。輸入餃子中毒事件で輸入食品の不安が高まっています。国際的な穀物相場の高騰は、国民生活に影響を及ぼしています。異常気象、発展途上国の食品需要の拡大、穀物等のバイオ燃料化など食料の自給率が39%の日本にとって死活にかかわる事態が進行しています。それにもかかわらず、日本は食料の輸入拡大を推進し日本の農業を衰退させています。そのなかで、コメの価格暴落は農家の意欲減退をいっそうひどくしています。コメの下落の大きな原因は、政府が、米の流通を市場に任せてしまったからです。2004年以降の政府の「コメ政策改革」の失政にあります。加えて政府備蓄米を超安値で主食米として放出して来たことにあります。しかし政府は、米価の下落は「コメの過剰にある」としてペナルティーを復活させ、減反の圧力を加えています。「コメの作りすぎはもったいない」という東北農政局が作ったポスターが貼られていますが、農民の心を侮辱するものだ、外米の輸入に血税を使っておきながら、と、怒りの声がよせられています。福島県は耕作放棄地日本一です。農業の衰退は、過疎化の大きな要因にもなっています。福島県の最大の基幹産業である農業の振興を求めて以下質問いたします。
- 我が国の食料自給率向上についてどのように考えますか。
- 福島県の食料自給率は現在80数%とのことですが、福島県の食料自給率向上についてどのように考えていますか。
- 国の品目横断政策は破たんしており、その手直しがされました。福島県の農業振興は価格保障が基本と思います。政府による減反・生産調整への協力を県は強力にすすめています。このことで売れるコメを必死で作っている人たちは困っています。生産調整を推進することにより米価は上昇するのでしょうか。
- また、このことが農業意欲の減退につながらないかと心配されています。生産調整は必要と考えますが、具体的施策が必要です。生産調整推進のための施策と、その継続の今後の見おしについてお伺いします。
2、稲ホールクロップサイレージについて
次に稲ホールクロップサイレージについてお伺いいたします。水田のままの転作が容易で、いざというときは米にもできるし、しかも飼料高騰の折、畜産農家からも期待されている事業です。県もこの事業に対して「がんばります」という農水部長の議会での答弁もありました。この事業を大きく進めていただきたいと思います。
- 来年度の取り組み面積と、支援策についてお伺いします。
- (取り組み面積は、現在120haでH22年までの目標が250haと、2倍にするだけです。)飼料自給率を高めるため、生産拡大に向けて、さらに目標を引き上げるべきと思いますがお尋ねします。
- 収穫調製機械をリースする制度を導入すべきと思いますが、お考えをお示しください。
3、コメの消費拡大について
次はコメの消費拡大についてです。コメは連作でも良いし、少ない耕地で多くの穀物として生産できる、栄養バランスもよくて、日本人の体質に合うという総合食品です。学校での米飯給食が進み、今の子ども達は確実に米好きになって来ているということです。
- 米の消費拡大を図るため、学校における米飯給食を一層推進すべきと思いますがお伺いします。
- ごはんの日をもっとPRして米の消費拡大を図るべきと思いますがお伺いします。
4、イノシシの被害対策について
次はイノシシの被害対策についてです。自然林の減少、中山間地域の耕作放棄地増加、集落人口の減少と高齢化など人間の活動低下が大きな要因です。芽の出た農作物や、お金になる山芋が食い荒らされる、など中山間地で高齢者が何とか田や畑を守り耕作している農業が深刻なイノシシの被害にあって、怒り・虚しさ・農業意欲の減退になっています。イノシシ対策は、地域の農業をどう守るかの問題と考えます。
鳥獣被害防止特別措置法が昨年12月14日成立し、農林水産大臣が基本方針を策定し、市町村が被害防止計画を策定することになりました。そして、国と県が地方交付税、財源の措置をするとのことですが、
- 県内のイノシシの生息状況と、農作物の被害状況はどのようになっていますか。
- 農作物の被害の防止に向け、どのように取り組んでいくのかお伺いします。(禁猟区・休猟区、すぐ狩猟できる体制、人材確保、ネット策など)
四、環境・温暖化対策について
最後は環境・温暖化問題についてです。昨年のIPCC総会では、温暖化の影響は、極地での氷の溶融、海面の上昇、熱波の多発、干ばつと豪雨、多くの生物の絶滅の危険などすでに世界各国で深刻な形で表れていると報告されています。福島県内の気象台での60年のデーターを見ても、確かに真夏日の出現率・最高・最低気温日、大雨の頻度が増え続けています。
ところが、日本は、京都議定書で約束した温室効果ガスの1990年比6%の削減どころか、逆に6.4%も増えて先進国中最下位です。その最大の原因は排出量の8割を占めている企業・産業部門の対策を日本経団連の自主行動計画にまかせておいた結果です。今こそ、ヨーロッパなどですでに実行されている企業に社会的責任をはたさせるルールを作るべきです。
福島県の地球温暖化効果ガスの排出量は、05年の調査結果によると90年比で27.2%の増加となっており、異常な数値を示しています。県は、排出量増の要因をエネルギー転換部門では火発の稼働率アップ、民生家庭部門、民生業務部門も大きく増加したことだといいます。しかし、民生家庭部門、民生業務部門は火発の燃料を石炭に転換してきた結果、電気の消費の伸びはほとんど変わらないのに、排出係数が上がり大幅に増加してしまっているのです。
福島県が第一期約束期間(2008〜2012)の目標をやり上げるには、05年比で35%も削減しなければなりません。このことを考えると、県民運動を繰り広げ県民に努力をお願いすることは大変重要ですが、大口排出者である企業の省エネなしにはできません。質問ですが、
- 福島県の異常な排出量増に対しどのように考えているのでしょうか、県の目標値である基準年度から2012年度までに8%の削減をかかげていますが、その達成見通しと考え方をお示しください。
- 国に対して、環境税いわゆる炭素税の導入を求めることが重要と思いますがいかがですか。
- 電力会社に再生可能な新エネルギーの買い取りを積極的に進めるよう指導を強めるべきと思いますがいかがですか。
- 県民の努力を支援するために、2003年の県政世論調査にあったように、再生可能な新エネルギー導入の初期投資が大変という声にこたえ、助成を行うべきと考えますがお伺いします。
地球温暖化がクローズアップされている中で、原発が、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーという論議が再燃しておりますが、これは全体を見ない無謀なものです。原発は、地震列島日本において活断層を意図的に伏せて建設したり、古くなった原発の安全基準が確立されなかったり、トイレなきマンションといわれるように使用済み核燃料最終処分方法もないのです。原発そのものはクリーンなエネルギーどころか、いったん事故を起こせば取り返しのつかない環境汚染を引き起こすものです。
- 危険で不安定な原発に頼ることなく既存エネルギーの有効活用、再生可能な新エネルギーの導入促進などに全力を尽くすべきと思いますがいかがですか。
- 発生抑制と同時に、森林の整備による、二酸化炭素吸収拡大を進めるべきと考えますが、お伺いいたします。
答弁
一、県政運営と予算編成について
1 財源問題について
総務部長
大型事業につきましては、県の将来の発展を支える基盤となる施策であり公共事業評価委員会による事業評価も経た上で、毎年度の予算編成の過程で事業の重点化・効率化を図りながら適切な執行に努めてまいりました。
また、地方交付税につきましては、三位一体改革やそれに続く歳出・歳入一体改革において国の財政再建が優先され、これまでの県の行財政改革努力が無にされるほど大幅に削減されたことが、今日の厳しい財政状況となった大きな要因であると考えられますことから、地方交付税の復元について強く国に要望しているところであります。
次に公債費の負担軽減につきましては、これまでも負担の平準化を図る観点から、借換債の発行による償還期間の延長や、利子負担の軽減を図る観点から、国の制度を活用した繰上償還の実施、県債発行に際し資金調達の多様化を図るなど、より有利な条件の下での運用に努めてまいりました。
今後とも、資金調達及び償還方法における工夫を講じながら、できる限り長期に、かつ負担の少ない形で計画的な県債償還が行えるよう引き続き努力してまいりたいと考えております。
知事
平成20年度当初予算につきましては、大変厳しい財政環境の中での予算編成となりましたが、私は、このような厳しい状況にあっても、「活力ある福島県づくり」、「安全・安心な住み心地のよい福島県づくり」、「思いやりが息づく福島県づくり」の実現に結びつく施策について、積極的な展開を図ったところであります。
とくに、県民の誰もが安心して健やかに暮らせる社会づくりの基盤を整備するため、医師確保対策や救急医療対策、さらに障がい者対策や子育て支援対策などに力を入れたところであります。
さらには、引き続き、全国に先駆けた30人程度学級等を実施することはもとより、児童生徒1人1人の進路実現を図るため、学習習慣の確立や学力向上に取り組むとともに、県中児童相談所一時保護所の設置や大笹生養護学校の増改築を進め、次代を担う子供の健やかな成長のための教育環境等の整備を図ることといたしました。
こうした事業を積極的に推進することにより、県民1人1人が幸せを実感でき、県民誰もが安心して暮らせる活気に満ちた福島県づくりに全力で取り組んでまいる考えであります。
2 道路特定財源はやめて一般財源化をすべきと思うが、県の考えを尋ねたい
土木部長
道路特定財源につきましては、道路整備の受益者である自動車利用者に課税し、その税収を道路整備の財源として充当するという、受益者負担の理念に基づいた公平性、合理性及び安定性を有する制度であり、その趣旨や本県における道路の整備状況などから、道路特定財源は堅持することが必要であると考えております。
3 県民の暮らし、営業の状況について
保健福祉部長
母子家庭及び高齢者への支援につきましては、母子寡婦福祉資金や生活福祉資金の貸し付け等の経済的支援、母子自立支援員や県高齢者総合相談センターによる相談支援を行うとともに、さらに母子家庭については、県母子家庭等就業・自立支援センターを通じた就業支援を行うなど、様々な支援を実施しているところであります。
商工労働部長
非正規雇用者への支援につきましては、次世代育成期業認証制度の活用などにより、正規雇用者との均衡ある処遇について企業の取り組みを促すとともに、中小企業労働相談所において労働条件等に関する相談を受け、適切な助言を行っております。
また、非正規雇用者の正規雇用化を図るため、正規雇用者を多く採用する企業の誘致を推進するとともに、県内主要企業に対する正規雇用化の要請や、就職サポートセンターにおける若年非正規雇用者に対するきめ細かな就職支援などを行っているところであります。
今後とも、国との連携を図りながら、非正規雇用者の支援に取り組んでまいる考えであります。
4 使用料及び手数料について
総務部長
県立高等学校授業料などの各種授業料につきましては、地方財政計画の基準単価や他県の状況等を踏まえ、受益者負担の原則や、県民負担の公平性の観点から改定するものであり、次代を担う人づくりのための教育環境整備等に必要な経費に充当してまいります。
次に、県立医科大学付属病院の分娩介助料につきましては、当該病院が、県内で唯一認定されている総合周産期母子医療センターとして、母体・胎児集中治療管理室等を備え、充実した設備とスタッフにより24時間体制で緊急患者を受け入れているなど、高度な周産期医療の機能を提供していることや、現在、最も医師不足の状況にある産婦人科医師の養成機関として、様々な医療環境を整備しなければならないという特殊事情などから、引き上げはやむを得ないものと判断したところであり、一般の産科病院などと連携を図りながら、こうした大学付属病院としての役割を果たすことが、安心して生み育てることができる環境づくりに寄与するものと考えております。
次に、使用料及び手数料につきましては、諸手続に要するコスト計算を行い、受益者負担の原則の観点などから、定期的に見直しを行っているものであり、県内及び県外における類似施設の料金体系の状況や他県の状況を踏まえて、適切に設定しております。
5 福島空港について
空港担当理事
福島空港の利用者数につきましては、国際チャーター便が好調に推移しているものの、名古屋便の休止やソウル便の減便等が影響し、2月末現在で約47万人と前年同期比で約1万5千人の減となっており、本年度は51万人程度になるものと考えております。
今後の見通しにつきましては、経済情勢や空港会社を取り巻く環境の変化等により、観光やビジネス需要の動向、便数・機材の大きさなど様々な要素が変動するため予測は難しいものの、回復基調に減速感が見られる経済動向や機材が小型化される傾向にあることなどから、しばらくは厳しい状況が続くものと考えております。
次に、福島空港は、人やもの、文化などの交流を促進するとともに、企業誘致や観光をはじめとした産業の振興など、将来にわたり活力ある県づくりを進める上で極めて重要なインフラであり、地域間交流や経済活動が拡大する中で、空港が果たす役割は今後ますます増大していくものと認識しております。
このため、安全のために必要な維持管理や路線の維持・拡大に向けた旅客及び貨物の利用促進対策を効率的・効果的に行っていくとともに、パイロット養成事業の受け入れなど新たなり活用についても積極的に取り組んでまいる考えであります。
6 小名浜港東港地区の人工島建設について
土木部長
小名浜港における石炭の取扱量につきましては、火力発電所をはじめとする背後企業において、重油などから石炭への燃料転換により、年々増加しており、今後も、発電施設の増設計画に伴う増加が見込まれております。
次に、小名浜港東港地区につきましては、船舶の大型化や石炭等鉱産品を中心に取扱貨物量の増加が見込まれ、既存ふ頭では対応が困難となるため、来年度、新規事業として実施する小名浜港東港地区多目的国際ターミナル事業と調整を図りながら計画的に整備を進めてまいる考えであります。
なお、既存施設につきましては、利用者の要望や意見を聴きながら野積み場の舗装や港内道路の補修など、今後とも、より安全で使いやすく、かつ効率的な荷役作業が行えるよう、適正な改良に努めてまいります。
二、医師不足と救急医療問題について
1 医師不足と救急医療問題について
保健福祉部長
医師数につきましては、第四次保健医療計画における平成二二年度の目標数の達成は難しいと考えております。
この要因として、平成16年度から必修化された医師臨床研修制度が大きく影響しているものと受け止めております。
(仮称)第5次福島県医療計画における医師数の目標につきましては、本県の過去の伸び率や県内への就業者数などを勘案し、全国平均を1つの指標として検討しております。
医師の確保については、これまで実施してきた医学部学生に対する奨学資金の貸与や臨床研修におけるプログラムの充実などに加え、ドクターバンクの活用や自治体病院等へ派遣する常勤医師の確保に向けた活動などにより、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、医療環境の整備につきましては、まず、県立医科大学等との連携では、医師の増員、公的病院への非常勤医師の派遣、医科大学付属病院が行う24時間保育への補助を行いました。
また、女性医師の再就業支援のための研修の実施や医師臨床研修指導医の養成による臨床研修の充実など、医師の確保と働きやすい医療環境の整備に努めてまいりました。
次に、女性医師の働きやすい環境づくりにつきましては、院内保育所への運営費の助成に加え、今年度から出産や育児等を契機に休職あるいは離職し、その後再就業を希望する医師に対して必要な臨床研修等を行う「女性医師再就業支援事業」を実施するなど、女性医師が継続して働くことのできる就業環境の整備に努めてまいりました。
次に、小児救急電話相談事業いわゆる「#8000」につきましては、昨年7月28日に開始し、今年1月までの約6ヶ月間で利用件数は、776件であります。
今後も、県及び市町村のホームページや広報誌などによる広報活動はもとより、乳幼児検診や母子健康手帳交付時の機械を活用するとともに、医療機関や医師会など関係機関の協力も得て、県民への周知に努めてまいります。
2 いわき地域の医師不足の要因とその対策について
保健福祉部長
いわき地域の医師不足につきましては、県全体と同様に必修化された医師臨床研修制度が大きな要因ではないかと受け止めております。
県といたしましては、公的病院を対象とする医師派遣事業を実施するとともに、ドクターバンクの運用や自治体病院等へ派遣する常勤医師の確保に向けた活動などにより、市や医療機関が行う独自の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
三、農業問題について
1 食料自給率の向上と福島県の農業について
農林水産部長
わが国の食料自給率の向上につきましては、平成18年度のカロリーベースの食料自給率は39%と主要先進国中最低となっており、国は、「食料・農業・農村基本計画」において平成27年度に45%まで引き上げることを目標としております。
県といたしましては、国際的な食糧需要のひっ迫が懸念される中、食料自給率の向上は、社会の安定及び国民の安心と健康の維持を図る上で、極めて重要であると考えております。
本県の食料自給率の向上につきましては、生産と消費の両面からの取り組みが重要であると考えております。
このため、本県の特性を生かした園芸作物や自給率の低い大豆・麦等の生産振興を図るとともに、栄養バランスに優れた「日本型食生活」の普及定着や、地産地消、食育の推進による県産農産物の消費拡大などに取り組んでまいる考えであります。
次に、米の生産調整につきましては、米価は、市場での需給バランスなどにより変動するものであり、近年の米価下落は、米の消費量が年々減少している中で大幅な供給過剰が大きな要因となっております。
このため、需要に応じた生産量を維持するための生産調整を推進することにより、米価の安定が図られるものと考えております。
生産調整推進のための施策につきましては、転作作物の導入に対する産地づくり対策や耕畜連携水田活用対策等の国の支援策に加え、本県独自に、大豆、麦等の団地化への取り組みに対する支援や、園芸作物や飼料作物等への転換を支援する施策を推進しているところであり、今後とも、適切に対応してまいる考えであります。
2 稲ホールクロップサイレージについて
農林水産部長
稲ホールクロップサイレージの来年度の取り組み面積につきましては、150fを計画しており、その推進に当たっては耕畜連携水田活用対策、産地づくり対策等の活用や機械導入に対する補助に加え、新たに、専用品種の増殖に対する取り組みを支援するなどにより面積の拡大を図ってまいる考えであります。
次に、ホールクロップサイレージの生産目標につきましては、ふくしま水田農業改革実践プログラムにおいて、平成22年度目標を250fと定めたところであり、祖記の目標達成に向け推進しているところでありますが、今後の推移を見ながら、目標値について検討してまいります。
ホールクロップサイレージの収穫調整機械のリース制度につきましては、現在、県は、営農集団やJA等の機械導入に対し助成し、導入したJA等は農家への貸し出しや収穫調整を請け負うことなどで機械の効率的な利用を推進しているところでありますので、リース制度の導入については考えておりません。
3 米の消費拡大について
農林水産部長
学校における米飯給食につきましては、児童・生徒がごはんを中心とした日本型食生活の習慣を身につけることは、将来にわたり、米の消費拡大につながることから、導入拡大に要する経費の一部助成を行い、実施回数も着実に増加してきたところであります。
今後は、ごはん食の良さを実感できる地産地消モデル給食メニューの開発・普及を進める取り組みへの支援などを通じて、米の消費拡大の一層の推進を図ってまいる考えであります。
次に、「ごはんの日」による米の消費拡大につきましては、毎月8日を「ごはんの日」と定め、様々な広報媒体の活用や試食米の配布などにより、日本型食生活の良さを広く県民にPRしているところであります。
今後も、おいしい県産米を応援する飲食店等と連携するなどにより、「ごはんの日」の浸透に努め、県産米の消費拡大を図ってまいる考えであります。
4 イノシシの被害対策について
農林水産部長
本県におけるイノシシの生息状況につきましては、阿武隈高地が主な生息地となっておりますが、環境省の調査によれば、近年、生息域が拡大しており、有害鳥獣として捕獲された頭数から、生息数も増加傾向にあると考えております。
また、農作物への被害については、浜通り地方及び中通りの東部を中心に、水稲やいも類を始め、トウモロコシや野菜類など広範な作物に認められ、平成18年では、被害面積で253f、被害額で8470万円となっております。
次に、イノシシによる農作物被害の防止につきましては、農業総合センターへの有害鳥獣被害対策の専任職員の配置や地方ごとの対策会議の設置により、被害防止対策の啓発や支援を行うとともに、繁殖地となるおそれのある休猟区の指定見直しを行ってまいりました。
今後は、地域において鳥獣被害対策に当たる指導員や有害鳥獣捕獲の担い手を育成するとともに防護柵の設置を支援するなどにより、イノシシによる農作物被害の防止に取り組んでまいる考えであります。
四、環境・温暖化対策について
1 本県の温室効果ガス排出量が大幅に増加していることをどう認識し、基準年度から2010年度までに8%削減をどのように達成するのか尋ねたい。
生活環境部長
温室効果ガスにつきましては、その排出量が増加していることから、地球温暖化対策のさらなる積極的な対応が求められており、県民、産業界、行政などあらゆる主体が一丸となって、取り組みを強化する必要があると考えております。
このため、京都議定書目標達成計画の見直しによる、産業部門の自主行動計画の強化などの国の追加対策と併せて、今般、策定した「地球温暖化防止の環境・エネルギー戦略」に基づき、削減目標の達成に向けた対策を集中的・戦略的に展開してまいる考えであります。
2 国に対して、環境税の導入を求めるべきと思うが、県の考えを尋ねたい。
生活環境部長
環境税につきましては、その効果や問題点について十分な調査・研究を行うとともに、地方公共団体が環境政策に果たす責任と役割を踏まえ、国民のコンセンサスを得ながら検討を進めるよう、全国知事会において要望しているところであります。
3 国に対し、電力会社に再生可能な新エネルギーの買い取りを積極的に進めるよう指導を求めるべきと思うが、考えを尋ねたい。
企画調整部長
電力会社における新エネルギーの買い取りにつきましては、平成15年度から、いわゆるRPS法が施行され、電気事業者は、その販売電力量に応じて新エネルギーにより発電した電気の利用が義務づけられております。
現在、その義務量は、平成22年度目標で122億キロワットアワー、総販売電力量の1.35%と設定され、さらに、平成26年度には160億キロワットアワーにまで引き上げられることが決まっております。
県といたしましては、地球温暖化防止の観点等から新エネルギーの電気買取量の更なる拡大を、全国知事会を通じるなど、引き続き国に横暴してまいりたいと考えております。
4 新エネルギー導入の初期投資が大変という声にこたえ、助成を行うべきと思うが、考えを尋ねたい。
企画調整部長
新エネルギー導入の初期投資への助成につきましては、太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などの新エネルギー導入事業を行う事業者等に対し、国や新エネルギー・産業技術総合開発機構による補助制度がありますほか、県におきましても、市町村が住民等に対して行う太陽光発電等の小規模な新エネルギー設備導入補助への助成など、国等の補助対象とされていないものに対する助成制度を設けております。
県といたしましては、今後も、国や市町村等と連携しながら支援に努めてまいりたいと考えております。
5 危険で不安定な原発に頼ることなく、自然エネルギーの導入促進や既存エネルギーの有効活用に全力を尽くすべきと思うが、考えを尋ねたい。
企画調整部長
自然エネルギーの導入促進等につきましては、地球温暖化対策やエネルギー源の多様化、地産地消型のエネルギーとしての地域貢献などの面で、ますますその意義が高まっております。
このため、県といたしましては、これまでも「率先導入」、「普及啓発」、「導入支援」を柱に各種施策に取り組んできており、さらに今般策定した「地球温暖化防止の環境・エネルギー戦略」においても、新エネルギーの普及拡大の加速化と環境・エネルギー産業の育成・支援を新たな視点として設定し、自然エネルギーをはじめとする新エネルギーの更なる導入促進に鋭意取り組むこととしたところであります。
6 森林整備による二酸化炭素吸収拡大を進める方向について尋ねたい。
農林水産部長
森林整備による二酸化炭素吸収拡大につきましては、平成15年に策定した「森林吸収源対策推進プラン」に基づき民有林の整備を推進してきたところであります。
今後は、これまでの取り組みを一層推進するため「プラン」の見直しを行い、国有林との連携を図りながら、森林環境基金事業を活用した間伐の推進など、引き続き森林の整備に努めてまいる考えであります。
再質問
県の予算を医療、福祉、教育に据えることについてですが、知事もいろいろとおっしゃっていただきまして、評価するところもたくさんあります。ただ、値上げの問題のところで、値上げをしてそのお金で人づくりする。分娩介助料を上げて医者づくりをするというふうに、非常にそういう点では、負担を県民に増やしているというふうに見えるわけでございます。やはり、前段申し上げましたように、大変に厳しい今の県民のくらしの状況を見れば、またそういうのが今年度加速するのではないかというふうなことを見れば、やはり、一部国からの影響も相当あるわけなんですが、国から受けた影響の一部を補うということだけでなくて、本格的に県民の負担軽減のためにがんばっていただきたいと思いますが、このことについてもう一度質問したいと思います。
それから、道路特定財源についてなんですが、28日の衆議院の総務委員会での質問で、「道路中期計画」で地方負担分が17兆円、地方単独分が12.9兆円、あわせて30兆円が地方負担になるというふうなことでした。質問ですが、これから10年間この膨大な費用負担を地方が払い続けることができるかどうか、お尋ねしたいと思います。
それから多くの道路予算は、高速道路、高規格道路を中心に固定化されてしまうことになりまして、生活道路や交通安全対策、交通渋滞対策などが遅れてしまうのではないかと思いますが、お伺いします。
医師不足の問題なんですが、女性医師の支援の問題ですが、部長から答弁がありましたが、どのくらいの方の助成を今年度考えているのか、その規模についてお伺いしたいと思います。
いわき市の医師不足問題は、現在も急に深刻になってきたんですが、共立病院などの医師が団塊の世代が多くて、一挙に辞める年代になってきているということも心配されていたわけなんです。いろいろと理由があると思いますが、臨床研修医の問題が大きな問題ではないかということなんですけれど、そういうことも含めて、今でとどまらないという、急激な悪化の状態を解決するために国に臨床研修医の問題も含めて積極的に働きかけていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
地球温暖化の問題なんですが、県民の協力とやる気を大きく引き出していただけなければ、なかなか難しい数字なわけですね。そういうことを考えますと、電力会社が適正に電気を買っていただけないとこれまた進まないわけですね。数字が1.35%ということなんですが、最新情報を見ますと産業界の自主規制という域から出ていないわけです。やはり、ここのところを強力に突破していただかないと、なかなか今後10年間が勝負時というところは、ほかの会派のみなさんも認識は同じようなんですけれど、そのことの転換なしには、難しいと思いますので、このことに対して国に働きかけていただきたいということについて、再度質問をしたいと思います。
知事
使用料、手数料のバランスの在り方については、常に念頭に置きつつ、今後とも県民生活の安全・安心の確保と福祉の向上、そして福島県の明日につながる教育水準の向上に全力で取り組んでまいる考えでございます。
生活環境部長
県民の運動だけではなかなか困難な面があるのではないか、8%削減に向けて再生可能な新エネルギーの取り組みもしていく必要があるのではないかというおただしでございますが、国の新たな追加対策、これらと併せて県の「戦略」に基づく対応を集中的、戦略的に展開しながら、必要なものについては、国に要望してまいりたいと考えております。
保健福祉部長
女性医師再就業支援事業につきましては、これまで1名の女性医師がこの事業を活用しております。
次に、いわき地域の医師不足に関連いたしまして、臨床研修制度の内容につきまして国に働きかけをすべきではないかというご質問でございますが、臨床研修制度につきましては平成16年度に制度が改正されて、ある程度年月がたっていますので、その内容につきまして、必要なものがあれば県としてひきつづき国に対して要請をしていきたい考えております。
土木部長
道路特定財源におきます国の「中期計画」の中で、地方の負担がまかなえるかという質問でございますが、逆に言えば、私どもは県民ニーズ、さまざまな地域づくりという中で、道路がまだまだ不十分な状況にあります。そういう意味でこの道路特定財源は、特定財源をしっかりと堅持することによって、確保することによって地方の道路整備が行えると考えております。
また、高規格道路について事業が固定されるのではないかというご質問でございますが、逆にこの道路特定財源につきましては、先ほど来申し上げました県民ニーズは安心・安全を含め、生活に密着したさまざまな生活環境整備、そういったことにもニーズが高まっております。また、県政の進展のために機関軸、そういった広域の道路ネットワークが必要でございます。そういった広い見地からいった場合に固定されることなく、さまざまなニーズに多様に応えていきたいと考えております。
再々質問
再々質問いたします。土木部長です。道路特定財源についてです。10年間で59兆円の税金を使い切るということにしていいのかどうか。なにごとも私たちの役割としては、やはり、先を見る目を養うということが大事だと思います。いろいろと今のような財政状況にしてきたという、そういうふうな中でもうちょっとこういう事態をよく見られれば、このような大変な状況になるというふうには思わないわけです。今、来年度の予算もどういうふうに組んでいいか分からないという、そういうふうな話が出されて、県民に対して「お金がない、お金がない」というような言い方をしていてですね、そしてこういうふうなことだけが進んでいくということでいいのかというのは県民みんなの声です。ほんとに対話をすると、この問題の矛盾は、出ているわけです。それで、私が質問したいのは、いままで、地方分権のためにひも付きでない財源、自由に使える財源というのを求めてきたわけなんですが、そこのことについてこの問題は矛盾しないかどうか、再度答弁を求めたいと思います。
土木部長
道路特定財源の使途につきましては、毎年度の当初事業の中で、道路整備にあてるほか、それだけでは不足な部分がございまして、一般財源を充当しながら、県民の多くのニーズに応えてきたところでございます。そういう意味でこの道路特定財源につきましては、しっかり堅持することで、使い切るということではなくて、われわれは多くの方にお応えするときには特定財源の堅持が大事であると認識しております。
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