2月定例議会一般質問
・一般質問
・答弁
・再質問
・再々質問
1、米兵による少女暴行事件について
日本共産党の藤川しゅく子です。2月定例会にあたり一般質問をいたします。
沖縄で米兵による少女暴行事件が、またもや引き起こされました。人権が侵害される卑劣な犯罪が繰り返されることに怒りを感じます。かつて、米海兵隊員として沖縄に駐留していた元兵士の証言を聞いたことがありますが「海兵隊に入るとまず教えられることは、躊躇なく殺人できる意識改革であった。」と述べており、戦争を遂行している国の軍隊のどう猛さを垣間見る思いがしました。
米軍基地があるがゆえの、日本国民の被害は、小手先だけの再発防止策などでは解決しないものです。日米地位協定の見直しと米軍基地縮小・撤去をつよく求めなければならないと考えますが、沖縄米軍兵士による少女暴行事件について、知事の所見をお尋ねいたします。
2、経済政策について
昨年を振り返り痛感するのは、「構造改革」の名ですすめられてきた、新自由主義の経済路線が深刻な問題に直面しているということです。
日本経済は、国民の所得と消費が伸びず、内需が低迷し続けています。「内需主導の力強い経済成長」どころか輸出頼みで、外需依存に大きく傾き、きわめて脆弱なものになっています。しかも、投機マネーによる原油高騰や穀物高騰による生活必需品の値上がりが、県内産業や県民生活に深刻な影響を及ぼしています。
国境を越えて瞬時に動き回る投機マネーの監視や規制をすすめる動きが、世界銀行・IMF総会をはじめ国際社会に大きく広がっています。
投機マネーの暴走に規制をかけ、地域経済と家計を暖める経済政策が求められると思います。ご見解をお聞かせいただきたいと思います。
新自由主義の経済政策のもと格差と貧困が、かつてない勢いで広がっています。県民の命と人権、とりわけ生存権や生活権を尊重する県政が求められます。
県は、福島県長期総合計画「うつくしま21」において、人権・人格を尊重する県政を謳い、男女平等の理念に立つ条例制定をはじめ、人権尊重の行政で積極的な役割を果たしてきました。この流れに期待していたところですが、新年度予算編成では、財源不足を最大限に誇張し、歳出削減を迫る圧縮予算編成のなかで、地方自治体として最も意を尽くさなければならない住民福祉の増進が後景に追いやられています。格差の広がりと貧困問題が、国民的課題となっているとき、県の圧縮予算は、障害者や高齢者、低所得者に重大な影響を与えます。人権尊重の県政をつくる立場で以下お伺いいたします。
3、福祉灯油について
はじめに、福祉灯油にかかわりお尋ねいたします。
石油情報センター「灯油消費実態調査」によると、家庭の灯油代は、昨年比3割ないし4割増であり、庶民のくらしを直撃しています。県は、東北初の「福祉灯油」を実施し、補助額も引き上げましたが、生活保護世帯を除外しています。このことから、市町村において冬季加算があることを理由に、生活保護世帯を「福祉灯油」から除外する状況がひろがってしまいました。
福田首相は、参議院予算委員会において、福祉灯油を実施している自治体に対し、生活保護世帯も対象にするよう周知徹底する考えを示しています。
生活保護基準は、憲法が定めた「健康で文化的な生活」を保障した基準であり、課税最低限や、各種制度の適用の判断基準にもされています。その基準で暮らす世帯を、福祉施策から除外することは、地域の福祉水準を切り下げることにつながり、生存権に触れる重大問題です。県は、生活保護基準のもつ意味についてどのようにとらえているのでしょうか。ご見解をお聞かせください。
生活保護基準という、ナショナルミニマムを守るためにも、福祉灯油の対象に、生活保護世帯を加えるべきと考えます。ご見解をお聞かせください。
福祉灯油の補助対象自治体を豪雪地域のみとせず、全市町村を対象とすべきです。ご見解をお聞かせください。
4、障がい者にかかわって
次に、障がい者にかかわりお尋ねいたします。
障がい者自立支援法が施行され、2年近くたちます。この法のもたらす悲劇は今もって絶えません。
11月に広島県で重度障がいのある57歳男性と80歳の母親の無理心中事件がありました。母親は男性の通う作業所のグループホーム建設に希望を託していましたが、障がい者自立支援法導入により作業所の経営が厳しくなりホーム建設が遠ざかっていたといいます。自立支援法以来こうした痛ましい事件は報道されているだけでも約20件に及んでいます。
この事態を受け、国は障がい者自立支援法円滑施行特別対策を実施し、利用料軽減や事業所の減収対策を行っていますが不十分なものです。
一方、国連では、障がい者権利条約が採択され、日本政府も署名しました。障がいを理由とした差別を、世界からなくす取り組みが緒につきました。条約は、障がいを理由とした不合理や不利益を社会全体で改善しようとするものです。この新しい物差しにあて、障がい者自立支援法をみると、問題点がよくわかります。
障がい者自立支援法の一番の問題点は、障がいが重度の人ほど負担が重くなる応益負担にあります。応益負担を廃止すること、施設の報酬を月額払いに戻すこと、地域生活支援事業に国による財政責任強化を図ることがひつようです。
利用者負担や事業所報酬など障害者自立支援法の問題点への対応について、ご見解をお聞かせください。
障がい者自立支援法で障がい者が地域で自立し生きていくための保障である小規模作業所が全国で激減しています。市町村の地域活動支援センターに移行しても十分な運営費が作れず、個別給付事業に移行するにも定員要件が厳しく容易ではありません。
県は小規模作業所の利用者数に応じ、補助を実施していますが、年次的に縮小・廃止の方向であり、関係者に不安を広げています。小規模作業所は、障がい者の働き場であると同時に、居場所であり、よりどころとしての役割を果たしています。
小規模作業所が存在する限り、県独自の補助を継続すべきと考えます。小規模作業所に対する支援について、ご見解をお聞かせください。
特別支援教育の本格化によって、障がい児教育は大きな転機を迎えます。
政府の施策はあらゆる障がい児への支援を掲げているものの、教員増などの条件整備なしに、数十万人の子供らへの特別支援教育を立ち上げようとするものですから、今後さまざまな矛盾が起きることは必至です。
県内で支援を必要とする児童生徒数約7800人。養護学校の在籍人数は約2000人です。
すでに、県立の特別支援学校において、児童生徒数の増加により教室不足が深刻化しています。新年度に大笹生養護学校校舎増築予算が計上されましたが、特別支援学校の教室不足に対する増改築を計画的にすすめるべきです。ご見解をお聞かせください。
また、あぶくま養護学校の教室不足については、県中の特別支援学校不足が表面化したものです。県中地域に、もう一か所、特別支援学校を配置することが求められます。ご見解をお聞かせください。
5、後期高齢者医療制度について
4月から後期高齢者医療制度が始まります。この制度は後期高齢者に保険料負担を迫るだけではなく、年齢によって診療報酬や医療内容を変える、世界に例を見ない差別的な医療制度です。
ゆえに、県議会において、制度実施の凍結を求める意見書が政府に提出されました。全国では、500を超す地方議会から同様の意見書が可決され、抗議の署名は200万筆を超えています。
2月25日の福島民報の投書欄に、がんで入院中の高齢者から次のような投書がありました。「私は4月で75歳になります。75歳以上は医療の検査が制限されることを知りました。抗がん剤投与中で大事な検査を多くやらなければなりません。制限されるとなれば、金の切れ目が命の切れ目・・・生きることは皆平等のはずです。命の尊厳をゼロにしないでください。」というものです。年齢によって人としての存在が否定されることへの憤りの投書です。
県議会同様、県においても後期高齢者医療制度の導入中止または凍結を政府に求めるべきではないでしょうか。ご見解をお聞かせください。
県内で後期高齢者医療の対象となる27万人のうち23万人が年収100万円未満です。年金天引きによらない保険料徴収である普通徴収は9万人を超えています。保険料を払えない高齢者は、過酷な取り立てにさらされることとなります。
払えなければ、短期保険証や資格証明書が発行され、窓口全額自己負担しなければなりません。このことから、保険料減免制度をもとめる声は、県内市町村や議会に広がっています。法令の規定に基づく対応のみでは、県内高齢者の生存権は守れません。県として、保険料軽減をおこなうため独自の財政支援を後期高齢者医療広域連合に行うべきと思いますが、ご見解をお聞かせください。
後期高齢者医療制度導入に伴い、県は、高齢障がい者に重度心身障がい者医療費補助を1割上限とし、これにより、窓口負担が増える障がい者がでます。年齢により補助割合に上限を設けることは、公的補助の公平性に欠けます。重度心身障がい者医療費補助事業については、高齢障がい者の医療費自己負担を全額補助対象とすべきです。見解をお聞かせください。
6、肝炎対策について
次に、肝炎対策についてお尋ねします。
薬害肝炎救済法が、1月16日に施行されました。これに伴い、全体の肝炎患者に対する対策が動き始めました。検討されている内容は、肝がんへの進行予防、肝炎治療の効果的推進のための患者の経済的負担軽減策です。県も新年度予算措置を図りました。
本県には、住民健診により肝炎検査を受けた人のうち28%の住民が肝炎に感染している自治体があります。長野県では、感染者が多く医療費がかさんでいる市町村の国保に対する補助や、インターフェロンなど抗ウイルス療法への独自補助を行っています。感染者が多い市町村には、県として特別な対策を検討すべきと思います。県の肝炎対策についてのご見解をお聞かせください。
7、県立高校にかかわって
県立高等学校にかかわりお尋ねします。
私は、これまで県立高等学校普通科の全県一学区制に異議を唱えてまいりましたが、一学区制の導入は見送るものの、隣接学区からの通学枠を20%に拡大する方向が進められています。学区の問題では議会の意見を聴取しつつ検討すると教育長は一貫して答弁されてきましたが、通学区枠拡大を求める意見は議会の議論にはないものです。一律20%への拡大はこれまでの志願状況を大きく変化させ、事実上の一学区制と変わらないものとなってしまいます。隣接学区からの入学定員枠20%拡大の影響をどのようにとらえているのか、ご見解をお聞かせください。
新年度予算案では、県立高等学校の授業料引き上げ案がだされています。格差と貧困が広がり、年収二百万円未満の労働者が1022万人という社会の現状を見れば、授業料の引き上げは取りやめるべきです。ご見解をお聞かせください。
授業料滞納により、中途退学する状況をなくすためにも、授業料免除制度を充実させることが重要です。授業料免除の基準収入額の算定に、生活保護基準を用い、基準の1.5倍程度に引き上げるべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
8、廃棄物行政について
最後に、廃棄物行政についてお尋ねいたします。
平成10年3月に、県が設置許可をした、南相馬市大みか地区に建設予定の産業廃棄物処分場は、予定地が農地や民家に隣接していること、地盤沈下地帯であることなどから、周辺住民や市議会、旧原町市から、設置許可の取り消しを求める要望が出されています。
設置許可から10年が過ぎようとしていますが、住民による工事差し止め訴訟などにより工事が止まっています。
住民は「安全な農作物を作りたい」「子孫に良好な環境を残したい」という当たり前の要望を掲げ、この10年間、県に設置許可の取り消しを求め続けています。
県議会においても、許可取り消しを求める質問が繰り返され、その中で、設置事業者が、水質汚濁防止法や大気汚染防止法、環境保全条例などに違反していることも明らかとされ、廃棄物事業にかかわる企業として信頼性が問われるに至っています。事業者の欠格要件についての調査はどのように進められているのでしょうか。
また、廃棄物処理法第18条に基づく、設置許可後の状況変化などの調査について、直近の具体的なやり取りをお聞かせください。
住民は設置事業者が国税を滞納していることを理由に訴訟を起こしていますが、事業者が国税を滞納しているということは、事業者の順法精神が問われると同時に経理的基礎が問われる事由です。国税を滞納していることについての調査は、いかがされているのでしょうか。お示しください。
廃棄物処理法では、事業者が処分場の設置や維持管理を的確かつ、継続して行うに足りる経理的基礎がない場合は、設置許可の取り消しができることとなっていますので、設置許可の取り消しを決断すべきと思いますが、ご見解をお聞かせください。
次に、福島市の産廃処分場クリーンテックの2期工事についてお伺いします。
2期工事により、処分場の規模は3倍の大きさになります。また、2期工事概要では、大量の廃棄物埋め立てに伴う地盤沈下は最大35センチと予測され、近くには福島盆地西縁活断層があります。一つの河川流域に2つの処分場が環境に与える影響も心配されています。
県廃棄物処理計画では、県の産廃処分場の残余年数は、安定型で11年、管理型で9年ですから、大型の処分場は必要ないと思います。
将来の環境保全を考慮すれば、設置許可を出すべきでないと考えます。ご見解をお尋ねし、私の質問といたします。
答弁
一、沖縄米軍兵士による少女暴行事件について
知事
沖縄米軍兵士によるこのたびの事件につきましては、あってはならないことであり、誠に遺憾であります。
国会においても議論されておりますが、こうしたことが二度とおきないよう万全の対策がとられるべきものと考えております。
二、経済政策について
商工労働部長
投棄マネーの規制につきましては、国の経済政策の一環として国際的な枠組みにより検討されるべきものと考えております。
県といたしましては、原油価格高騰による県民生活や中小企業等への影響を最小限に抑えるため、昨年12月、「福島県原油価格高騰対策推進本部」を設置して、全庁的な対応を行っているところであり、引き続き、石油製品等の価格調査や中小企業等への影響調査を実施するとともに、原油価格の推移や国の動向も注視しながら、適時適切に対応してまいる考えであります。
三、福祉灯油について
1 生活保護基準の持つ意味についてどのようにとらえているのか、県の考えを尋ねたい。
保健福祉部長
生活保護基準につきましては、要保護者の年齢、世帯構成、所在地域、その他必要な事情を考慮して定められており、最低限度の生活の需要を満たすものであると認識しております。
2 福祉灯油の対象に、生活保護世帯を加えるべきと思うが、県の考えを尋ねたい。
保健福祉部長
福祉灯油につきましては、生活保護世帯には、冬期間の暖房費等として投棄加算が策定されていることを考慮し、県の補助事業においては、対象外としたところであります。
なお、事業そのものの実施や対象者は、市町村が判断するものであります。
四、障がい者について
1 利用者負担や事業所報酬など障害者自立支援法の問題点について、県はどのように対応する考えか尋ねたい。
保健福祉部長
障害者自立支援法につきましては、現在、国において、利用者負担や事業所報酬などについて法施行3年後の見直しに向けて検討が行われておりますことから、県といたしましては、引き続き、利用者や事業者の声をお聴きしながら、制度が適切に運用され、必要かつ十分な財政措置が講じられるよう様々な機会を通じて、国に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。
2 小規模作業所に対する支援について、県の考えを尋ねたい。
保健福祉部長
小規模作業所に対する支援につきましては、平成18年度に交付税措置が一元化され、市町村事業となっておりますが、県におきましては、段階的緩和措置として、平成21年度まで補助を継続していくこととしております。
また、障がい福祉サービス事業所や地域活動支援センターへ円滑に移行できるよう、市町村と連携を図りながら研修会の開催やアドバイザーの派遣を行うなど、引き続き支援してまいりたいと考えております。
3 特別支援学校における教室不足に対する増改築を計画的に進めるべきと思うが、県教育委員会の考えを尋ねたい。
教育長
特別支援学校の教室不足につきましては、これまで普通教室の間仕切りや特別教室等の普通教室への転用などにより対応してまいりましたが、特に、現校舎が狭隘で今後も学級増が見込まれる大笹生養護学校については、増改築を行うこととしたところであります。
県教育委員会といたしましては、極めて厳しい財政状況を勘案しながら、特別支援学校の教育環境の改善について検討してまいる考えであります。
4 県中地域にもう1カ所特別支援学校を配置すべきと思うが、県教育委員会の考えを尋ねたい。
教育長
県中地域への新たな特別支援学校の配置につきましては、現在、あぶくま養護学校の通学圏内である田村地区の教育委員会や保健福祉関係者、保護者等からなる「共に学ぶたむら懇談会」において田村地区の特別支援教育のあり方について協議しております。
今後、この懇談会における協議の状況や本県における今後の特別支援教育のあり方について諮問した学校教育審議会の中での議論を踏まえ、財政状況にも配慮しながら、特別支援学校のあり方について全県的視野で総合的に検討してまいりたいと考えております。
五、後期高齢者医療制度について
1 県議会同様、県においても後期高齢者医療制度の導入中止又は凍結を政府に求めるべきと思うが、考えを尋ねたい。
保健福祉部長
後期高齢者医療制度につきましては、急速に少子高齢化が進行する中、誰もが安心して医療を受けることができる国民皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能なものとするため創設されたものと認識しております。
県といたしましては、福島県後期高齢者医療広域連合及び市町村に対し、制度が健全かつ円滑に運営されるよう支援及び助言してまいる考えであります。
2 県として、保険料軽減を行うための独自の財政支援を福島県後期高齢者医療広域連合に対し行うべきと思うが、考えを尋ねたい。
保健福祉部長
保険料軽減のための財政支援につきましては、低所得者等の保険料軽減に伴う減収分の補填のほか、医療給付費に対する定率の負担や、広域連合の財政の安定化を図るための基金の設置など、様々な支援を行うこととしていることから、県独自の財政支援は困難であります。
3 重度心身障がい者医療費補助事業については、高齢障がい者の医療費自己負担分を全額補助対象とすべきと思うが、県の考えを尋ねたい。
保健福祉部長
重度心身障がい者医療費補助事業につきましては、後期高齢者医療制度が導入されるに当たり、加入者が保険料を支払った上で、医療費の1割に当たる自己負担分を公費助成を受けることとの公平性を保つため、非加入者についても医療費の1割までを補助対象としたところであります。
六、肝炎対策について
保健福祉部長
肝炎対策につきましては、来年度から、保健所における無料で実施している肝炎ウイルス検査を医療機関においても同様に実施することで受診機会の拡大を図るとともに、感染の原因、経路を問わずB型及びC型肝炎患者でインターフェロン治療を必要とする方の経済的負担の軽減を図るため、医療費の助成を実施してまいります。
さらに、肝疾患診療連携拠点病院や専門医療機関など医療提供体制の確保を図り、地域における肝炎対策の充実に努めてまいる考えであります。
七、県立高等学校について
1 隣接学区からの入学定員枠を20%に拡大することの影響をどのように考えているか尋ねたい。
教育長
隣接する通学区域からの入学定員枠の拡大につきましては、これまでの県議会での御議論や教育公聴会、アンケートの結果などから高等学校普通科の通学区域の県下一円化は時期尚早であると判断しつつも、現行制度が有する不公平感の緩和を図る必要があると考え、その方針をとりまとめたものであります。
これにより学校選択幅の拡大や隣接学区からの志願制限の縮小が図られるものと考えておりますが、学校教育審議会の答申にもあるように、各通学区域には、それぞれの地域において信頼されている高等学校普通科が存在するとともに、生徒の能力や適性、進路希望等に応じ、生活圏等を考慮して適切に学校が選択されていると考えられことから、特定の学校に志願者が集中することはないものと考えております。
今後とも、特色ある学校づくりに積極的に取り組むとともに、志願者の動向にも注意を払ってまいります。
2 県立高等学校の授業料は引き上げるべきでないと思うが、県教育委員会の考えを尋ねたい。
教育長
県立高等学校の授業料につきましては、地方財政計画の基準単価がすでに平成19年度から改定されていることや、多くの県において平成19年度又は平成20年度から改定又は改定予定であるという状況を踏まえ、高等学校の施設等の使用者がその管理運営に要する経費を負担するべきであるという受益者負担の原則や、県民負担の公平性の観点から改定しようとするものであります。
3 授業料免除の基準収入額を生活保護基準の1.5倍程度に引き上げるべきと思うが、県教育委員会の考えを尋ねたい。
教育長
授業料免除の基準収入額につきましては、本県では高校生がいる生活保護世帯に給付される生活保護費には高等学校の授業料相当額が含まれているため、生活保護世帯の生徒を授業料免除の対象としていないこととの均衡を図る上から、授業料免除の基準収入額と生活保護基準との間に大幅な乖離を生じさせることは、適切ではないと考えております。
八、廃棄物行政について
1 南相馬市大甕地区に建設予定の産業廃棄物処分場について
生活環境部長
南相馬市大甕地区に建設予定の産業廃棄物最終処分場につきましては、事業者の欠格要件の調査は、役員等の変更届が提出される都度、関係機関に照会し確認しているところであります。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」いわゆる廃棄物処理法第18条に基づく調査につきましては、昨年12月4日付の照会に対する事業者からの報告の内容に不明の点があり、再度、報告を求めているところであります。
次に、国税の調査につきましては、事業者に対し廃棄物処理法第18条に基づく報告を求めてきたところであります。
次に、産業廃棄物処理施設設置許可につきましては、廃棄物処置法の規定におり許可したものであり、この設置許可の取り消しについては、同法の規定に照らして厳正に審査の上、判断すべきものと考えております。
2 株式会社クリーンテックの二期工事について、将来の環境保全を考慮すれば、設置許可を出すべきではないと考えるが、県の考えを尋ねたい。
生活環境部長
株式会社クリーンテックの産業廃棄物最終処分場の設置許可につきましては、現在、環境影響評価を実施中であり、設置許可に当たりましては、廃棄物処理補とうに基づき厳正に対処してまいることとしております。
再質問
保健福祉部長に再度お尋ねいたします。まず第1点は、後期高齢者医療制度についてです。持続可能な制度との認識を示されましたけれども、その認識は甘い認識だと思います。この制度は欠陥の多い制度だと私は思います。75歳以上の方はほとんどの方が医療にかかっておりますので、医療給付費が膨大に増えることになります。それを担う高齢者の保険料の引き上げには、おのずと限界がありますので持続可能な制度にするには、医療給付費そのものを押さえることしかなくなってくるということになります。この制度の持つ根本的欠陥というのは、私はここにあると思います。高齢者の医療給付費を減らす、つまり、人間の尊厳を奪う制度だと思います。ここの問題点を私はもっと認識をし、行政に当たっていただかなければならないと思います。再度見解をただしたいと思います。
2点目は、重度医療の補助1割上限です。これは他県の状況を評価された上で、先ほどのような御答弁になったのでしょうか。再度お聞かせください。
生活環境部長にお尋ねいたします。国税の滞納の状況について、18条関連で報告を受けているという御答弁でした。18条関連というのは、事業者が県に報告を出すということでありますので、国税を滞納し、処分場予定地が差し押さえられているという信頼できる情報がありますので、そのことについて厳正な調査を求めたいと思います。再度お答えください。
生活環境部長
国税滞納の調査をするべきではないかというおただしでございますが、これは廃棄物処理法18条に基づく報告の中で求める形で調査をしているということでございます。
保健福祉部長
1件目の後期高齢者医療制度につきましては、この制度につきましては、昨年度、各界、各層からさまざまな意見をいただきまして、国において医療制度の負担のあり方について再度検討がされた結果、ある程度の凍結等一定の見直しが進められた上で現在の制度に至っていると認識しております。
次に第2点目の重度医療につきましては、他県の状況につきましては、予算編成の過程の中で東北近県、あるいは隣県の状況を見ながら、予算の決定、要求に至っております。
再々質問
保健福祉部長にお尋ねいたします。重度医療補助上限1割についてですが、隣県の様子を見ながらという答弁があったんですが、宮城県は実は福島と対応が異なっております。全国29の都府県におきまして、重度医療については、後期高齢者医療制度が導入されましても、現行通りすべて全額補助とすると判断をしているというのが直近の状況でありますので、これまで知事は何度も「思いやりが息づく県政をめざす」という表明をなされております。そうであれば、新年度予算において、高齢の、とりわけ重度の障害の方の制度でありますので、ここは隣県の状況や全国の状況を見て全額補助とすべきだと思います。再度お願いいたします。
それから生活環境部長にお尋ねいたします。国税の滞納については、報告のみ、しかも事業者からの報告のみでは、私はこれは調査にならないと思います。そういう調査の仕方をしているのは、行政の怠慢ではないでしょうか。各方面に当たってたとえば関東国税局に照会をするなど、そういう調査の仕方があると思いますので、厳正な調査を再度求めたいと思います。お答えください。
生活環境部長
国税滞納の調査についてでありますが、われわれ国税庁のような調査権を持っておるというようなことではありませんので、廃棄物処理法に基づく照会をして、その中で調査をしているということでございます。
保健福祉部長
重度心身障がい者の医療費助成に対する各県の対応でございますが、東北、それから近県の状況を見ますと、対応が分かれておりまして、全額補助をする県、反対に全額を対象外とする県など対応が分かれております。こうした中、福島県といたしましては、補助全体のスキームを維持しながら、非加入者に対しても1割の補助を継続するということで、できうる限りの配慮をして予算の編成にのぞんだということであります。
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