1、県の道路行政の在り方について
神山悦子県議
日本共産党の神山悦子です。まず、県の道路行政についてうかがいます。
国会では、「道路特定財源」の暫定税率の期限切れをめぐってまだ方向が見えませんが、政府与党が、ガソリン税などの税収を、今後10年間で59兆円も道路のためにだけ使い切ろうとしているのだけは明らかです。この中には大変なムダな高速道路や6つの長大橋も含まれています。
私は先月、東京アクアラインを通る機会がありましたが、通行量が大変少なく通行料金も高い。東京湾を渡る海上橋は風速20.5mになると通行止めになるそうですが、この日20mの強風でしたがからくも通過できました。このアクアラインは全長約15km、1兆4,400億円、1mあたり1億円もかけた高規格道路です。今度の「道路中期計画」では並行してもう1本長大橋をかけるそうです。
では、本県はどうでしょうか。この地図をご覧いただきたいと思います。これは、県土木部発行の「福島県の道路2007」にありますが、縦軸3本、横軸3本、計6本の高速道や広域連携軸です。私は、これらすべてがムダな道路だといっているのではありません。しかし、宮川議員が本会議でただしたように、優先すべきは生活道路だと思います。
ところが、県が優先しているのは、縦軸の東北自動車道、横軸の磐越自動車道を中心に、縦軸の常磐道と会津縦貫道、横軸は相馬〜山形を結ぶあぶくま東道路、南会津・勿来を結ぶ南部軸、この計6本の広域連携軸です。ここに、もう一つトラハイも含まれています。
トラハイは、東北自動車道の矢吹ICから福島空港、磐越自動車道の小野ICをつなげる延長36kmの高規格道路ですが、総額1,312億円、1キロあたり36億4,000万円もかけて建設中していますが、マスコミも、トラハイを全国でもムダな道路として注目しています。
私たち共産党県議団も、先月25日、ここを通ってまいりましたが、対向車がわずかに3台というガラガラ状態でした。そこで伺いたいと思いますが、あぶくま高原道路・トラハイの有料道路区間の2007年度1日平均の交通量と、そもそも当初計画で予測した交通量は何台と見込んでいたのか、お尋ねしたいと思います。
土木部長
お答えいたします。あぶくま高原道路の有料区間における平成19年度の1日の平均交通量は、653台であり、全線供用した場合の計画交通量は、3400台であります。
神山悦子県議
計画量に比べて極端に少ない5分の1程度ですね。では、一方、一般県道の整備はどうなっているのでしょうか。今議会でも狭隘でカーブが多い国道114号線の質問がありましたけれど、わずか約2.6kmのバイパス整備に何年もかかっています。
阿武隈山系にある私の地元中田町の県道小野郡山線は、これまでも歩道の整備やがけ崩れの危険箇所改修、凍結防止対策などをそのつど要望してまいりましたが、道路予算が少ないからといって、なかなか整備が進みません。
この県道は、通勤道路であり、高校生の自転車通学路です。中田町には、3つの小学校、2つの中学校、そして県立高校の分校、そして郡山市保育所がありますが、歩道の整備されていないために、小学生がランドセルをひっかけられてる交通事故が起きておりますし、冬場は、急勾配で凍結するために、ここに通う教員は異動してとわざわざ4WDの車に買い替えるほどなんです。県職員も認めていますよ。この道路は県内で1番悪い道路だと。そして、高倉地区の石切坂もこの路線の難所の1つで、92年(H4)にようやくバイパス計画が始まりましたけれども、今年で16年目、最後の用地買収もお金がないという状態です。県道小野郡山線石切坂のバイパス計画の概要と全体予算、交通量、今後の見通しをお聞かせ下さい。
土木部長
お答えいたします。石切坂のバイパス計画の概要は、全体計画延長約1.2km、復員12mで、平成4年度から事業に着手し、全体事業費は、約11億円を予定しております。
また、平日12時間交通量は、平成17年度の道路センサスで、5225台となっております。
今後の見通しについては、残された用地の取得をすすめるなど、計画的に実施してまいる考えであります。
神山悦子県議
同じく、御舘小・中学校近くの五百目坂の整備についても急ぐべきと思いますが、見解をお聞かせ下さい。
土木部長
お答えいたします。五百目坂を含む郡山市中田町地内の道路状況については、地元の区長のみなさま方などで構成されている中田地域振興協議会の方々とともに、現地調査を実施したところであり、この調査結果を踏まえ、今後検討してまいる考えであります。
神山悦子県議
なぜ、私がこんな質問をしたのか、私は、ここは一つの例に過ぎないのです。生活道路の整備状況がすすまないのは、2007年度(今年度)、県の基本計画別予算をみると明らかです。トラハイの県負担分24億円を含めた6本の広域連携軸は16%、90億円、直轄道路負担金が22%、126億円とこれだけで4割を占めています。これに地域連携軸が続くのです。
一方、県民に身近に必要な県道は、歩道は14%、76億円、維持管理費は21%、121億円、除雪は4%、21億円。これらは県道路予算の半分以下でやりくりしています。だから、すすまないのではないでしょうか。私は、優先順位が違うのだと思います。ですから、やはり、トラハイは中止し、他の広域連携軸についても「計画ありき」をやめて、生活に密着した身近な道路予算を抜本的に増やすべきと、私は思いますが、見解を求めます。
土木部長
お答えいたします。平成20年度当初予算案において、土木部の公共事業費は、今年度に比べ、4.8%減少しておりますが、危険箇所を解消するための局部的な道路改良や歩道設置、舗装補修など、生活道路を整備する予算については、今年度と同額以上を計上したところであります。
今後とも、地域住民の方々の要望を踏まえ、県民の安全で安心なくらしを支える道づくりを推進してまいる考えであります。
神山悦子県議
私は、生活道路の予算は、ほぼ同じくらい取ったと言われますけれども、こちらの方に予算を厚くすれば、地元建設業者の仕事も増えますし、ここで働く人の雇用も増えます。ひいては税収につながると私は思いますね。そういう意味では、「道路特定税源」というのは一般税源化して、必要な道路はつくる、または、福祉や教育にも回せるようにする。私たちはそういう立場で行きたいと思いますし、県もそういう考えになるべきだと思います。
2、林道及び農道について
神山悦子県議
次に、林道及び農道について伺います。緑資源機構は、談合事件発覚によって今年度で廃止されます。幹線林道整備については、新年度から県に移管されるとの方針が示されました。しかし、私は去る12月議会で県が引き受けないよう求めましたが、今までどおり、国からのお金は来るからとからという理由で移管を承諾しました。
ここでもう一度、先ほどの道路地図をご覧頂きたいと思います。この大規模な林道、緑資源幹線林道は、飯豊・桧枝岐線と米沢・下郷線の2本です。
土木部で建設する会津の縦貫道を挟むように、両側に林道が建設されます。しかも、環境保護団体からも希少野生動植物の保護の点から、中止してほしいと言う声も出ております。
さらに、同じ緑資源機構がらみの農用地総合整備事業は、独立行政法人森林総合研究所が引き継ぎますが、国道49号線沿いの田村町二瀬地区と私の地元中田町にかかる農道は、人家もない山あいを切り開いて幅員7mのりっぱな道路をつくっています。この農道へのとりつけ道路となる集落の生活道路は郡山市が整備しますけれども、幅員は5mです。逆さまではないではないですか。
周辺の住民の方に聞きますと「ここはごみの不法投棄場所にならないか」または、同じ農業予算なら「米価下落などで大変な今、生産不利地でも頑張っている農家に支援してほしい」、「生活道路を整備するのならまだしも、こんなお金があるなら介護で困っているなお年寄り、医療費や福祉に税金をまわしてほしい」そういう声でした。そこで、私は、まず、新年度の県農林水産部予算のうち、公共事業にかかる予算割合はいくらになるのかお示しいただきたいと思います。
農林水産部長
お答えいたします。農林水産部が所管する平成20年度当初予算のうち、公共事業予算は、約340億6300万円であり、その割合は、約49%となっております。
神山悦子県議
半分くらいはいわゆるこういう道路に使われているわけですね。私はもっとソフト面にお金をここでもシフトを変えるべきだと思います。先ほども地元の声を紹介しましたが、これら緑資源機構のがらみの林道、農道の今後の整備については、精査が必要と思います。これについての見解をお尋ねします。
農林水産部長
お答えいたします。林道につきましては、平成20年度に残工事区間について事業効果等の検討を行う考えであります。
また、農道につきましては、平成20年度に引き継がれる独立行政法人森林総合研究所へ、事業費の縮減について要望してまいる考えであります。
神山悦子県議
もう1点ですが、自然破壊につながるという声が林道整備についてありますが、県のすすめる森林吸収源対策と矛盾すると思うんですが、見解をお尋ねします。
農林水産部長
お答えいたします。緑資源幹線林道の整備は、事前に希少動植物の確認や地質の把握などを行い、事業の実施にあたっては、希少動物の営巣期の工事制限や在来種による法面緑化などの自然環境に配慮した工事を実施していると認識しております。
また、林道は、二酸化炭素の吸収源対策として間伐などの計画的な森林整備を推進するために必要不可欠な基盤施設であり、矛盾するものではないと考えております。
神山悦子県議
私は、狭い普通の林道ならば、作業道路くらいならばいいですよ。7mの道路ですよ。そういう意味では自然破壊にならないという認識は納得できません。それでもやるとおっしゃるんですか。もう1度お尋ねいたします。
農林水産部長
お答えいたします。緑資源関係の林道につきましては、先ほどお答えいたしましたけれども、平成20年度に事業効果等の評価を行うことになっておりますけれども、今おただしの自然破壊関係につきましては、先ほど申し上げましたように、事前の調査なども行いましてそのようなことのないように努めてまいるということでございます。
3、入札制度の在り方について
神山悦子県議
次に、入札制度のあり方について、お尋ねいたします。
今年4月の入札から一部指名競争入札を復活させることになりました。前知事汚職事件からわずか1年半で「復活」させるということに、「ゆり戻し」ではないかと懸念の声があがっております。また、今月6日に、郡山市水道局発注の工事で談合が発覚したばかりです。これを他山の石として県の入札の見直しはいっそう気を引き締めてかかるべきと思いますが、まず、4月から指名競争入札の一部「復活」を行うことについて、知事の見解をお尋ねします。
知事
お答えいたします。入札制度につきましては、昨年4月の条件付一般競争入札を柱とする新たな制度の導入により、透明性、競争性、公正性が向上したものと認識をしております。
しかしながら、一方では、災害等緊急を要する工事で発注に時間がかかる事例や、応札者がなく県民生活への影響が生じている事例などがたくさん発生しており、県民の安全・安心を守るべき公共工事の品質の確保の懸念なども指摘されております。
したがいまして、全般的な見直しを行う中で、指名競争入札についても、本年4月から1000万円未満の工事の一部を抽出、試行し、その結果を検証するということにいたしました。
今後とも、この制度を運用していく中において、さまざまな状況を十分に見極め、地域の経済や産業の状況にも配慮しながら、よりよい入札制度の確立と活力ある地域社会の実現にしっかりととりくんでまいる考えでございます。
神山悦子県議
昨日、高橋秀樹議員が、ただした中で、今年度、談合情報が3件もあった。そのうち1件が入札参加業者間になんらかの形で疑義があったという形でこれは無効になりました。こういう事例が実はあったんです。10月から始まる前の段階、8月で、指名競争入札でした。こういう事態を受けて知事はどう思われますか。今度の「復活」を。もう一度お尋ねいたします。
知事
お答えいたします。その事例はもちろんでございますが、私は、この入札の執行について、本当に地域を回って、これは業界うんぬんではなく、地域が非常に困っている。応札がなかった例が28件もあった。緊急性があるにもかかわらず、1ヶ月以上、今の制度ではかかってしまう。そうするとまた2次災害が起こってしまうなどといういくつか私も耳にしまして、まあ、そういうふうな中で、1番は安全・安心の緊急性、これにやっぱり対応しなければならないということで、4月からとるということにさせていただきました。
神山悦子県議
確認しておきたいのですが、入札監視委員会が、今回一部指名競争入札を「復活」するにあたって、談合が1件でもあれば、すぐに元に戻す、中止するとされていますが、知事はそれに対してどう判断されるのですか。
知事
もちろんそれは確認された場合は、そのようにいたします。
神山悦子県議
私は、その立場が非常に大事だと思います。本県の入札改革の時に行われた教授が言っておられましたけれども、やっぱり知事のリーダーシップが大事だと、談合問題を2度と起こさないためにはと言っているんですね。だから、知事の覚悟というか決意がないとずるずるとまた戻ってしまうのでないかという危惧があるものですから、私は、知事にそこを確認させていただいたわけです。
1つ質問を飛ばしますが、指名競争入札復活に対し、入札制度等監視委員会の委員が辞任したことについて、見解をお尋ねしたいと思います。
総務部長
お答えいたします。入札制度等監視委員会は、大学教授、弁護士、公認会計士などの学識経験者、県内経済界や労働界の代表者、一般県民の代表者など、県内のさまざまな観点からの意見を反映し、全体として公正中立な立場で客観的に審議を行うことができるような構成としておりますが、委員の進退につきましては、委員個人の考えに基づくものであり、残念ではありますが、やむを得ないものと考えております。
神山悦子県議
私は、抗議の意味を込めて辞任したと認識しております。そこをしっかりと受け止めていただきたいと思います。もう1つ、透明性・公正性を担保するために、発注者から入札業務を切り離して出納局へ移されました。農林水産部と土木部だけなんですけれども、他の部局等が発注する工事についても、入札業務を出納局に移管すべきと思いますが、どうお考えですか。
総務部長
お答えいたします。入札業務の移管につきましては、昨年10月に、発注件数の大部分を占める農林水産部と土木部が所管する工事の入札業務を出納局及び各地方振興局の出納室に移管したばかりであり、今後、入札制度改革の状況や体制整備の状況などを見極めながら、入札業務の段階的な移管について、検討してまいりたいと考えております。
4、子育て支援について
神山悦子県議
次に、子育て支援について伺いたいと思います。県の重点施策の子育て支援についてですが、妊婦健診等の事業について、第3子からの多子世帯からと、対象を限定しています。
貧富の格差も広がり、特に、今問題になっているのは、救急車で搬送されても、かかりつけ医がいないということで受付を拒否されています。母子の健康を守り、安全な出産を促すためにも県都福島市が全妊婦に対し15回助成しているように、県が実施している妊婦健康診査促進事業の対象を第1子からとすべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
保健福祉部長
お答えいたします。妊婦健診をはじめといたします母子保険事業につきましては、市町村の事務と位置づけられておりまして、その責任と判断で実施されております。
県の妊婦健康診査促進事業は、子育て支援の観点から、出産に係る経済的負担感がより大きい多子世帯に対し県として支援を行うものであり、対象を第3子以降としたところであります。
神山悦子県議
では、この妊婦健診促進事業を第1子からやった場合、どのようにお金はかかるのか、試算をお知らせください。
保健福祉部長
お答えいたします。妊婦健康診査促進事業の対象を第1子から5回を超えて10回分とした場合の県の負担額は、平成18年の出生数をもとに試算しますと、おおよそ7億円と見込んでおります。
神山悦子県議
7億円と言えばですね、前段で道路の問題をいろいろとただしましたけれども、トラハイでは24億円ですよ。まあ、こういうお金はあるわけですよ。だから、お金がないなんて、私はおかしいと思いますよ。誰が判断するのか、私は知事だと思いますね。子育て支援が大事だと言うんだったら、その位のお金をどうにかすべきだと私は思います。ここは、知事に求めておりませんでしたので指摘だけしておきたいと思います。
産科医不足、小児科医不足の問題も依然として改善されていません。ですから、医師の給与を2倍・3倍にするなどにする思い切って引き上げたり、看護師や医療スタッフの確保など、勤務医の労働条件を改善すべきだと思いますが、これについてはいかがですか。
保健福祉部長
お答えいたします。勤務医の給与等の労働条件の改善につきましては、それぞれの病院事業管理者が、主体的に実施していくものと考えております。
県といたしましては、勤務医の負担軽減を図るため、救急医療における病院と診療所の連携促進や、女性医師の再就業のための研修の実施などにより、就業環境の改善に向けた支援に努めてまいりたいと考えております。
神山悦子県議
支援するのは当然だと思いますけれども、お金の問題でどう判断するのかという問題は、県がするしかないんじゃないですか。これについて検討はされていないんですか。もう1度、お聞かせ下さい。
保健福祉部長
お答えいたします。給与等の処遇に関しましては、先ほど申しましたとおり、労働条件の1つの重要な要素でございますので、それぞれ医師を雇用している事業主が自らの経営等を考慮し、主体的に判断すべきものでございます。
神山悦子県議
この医師の確保は、やはり給与面の引き上げをやったり、1人の医師を確保すると1億円くらい、収入を生みだすと言われているでしょう。ですから、私はそういう質問をさせていただいたわけです。もっと深く今後も検討していただきたいと思います。
5、県の環境行政について
神山悦子県議
本年1月1日から京都議定書の第1約束期間が始まりました。本県も2月に「戦略」を策定いたしました。しかし、ここで観点が抜けていると思いますのは、1人ひとりの県民にそれを求めているにすぎないということ。しかし、全体としてやらなければ、なかなかきびしい目標だと思いますよ、8%削減というのは。そういう観点から質していきたいと思います。
まず抜けているのは、産業部門の自主行動計画の強化にだけ任せておいたのでは、エネルギー転換部門について県が具体策をとりませんと、本県の削減目標は達成できないと私は思いますが、お考えをお聞かせ下さい。
生活環境部長
お答えいたします。エネルギー転換部門につきましては、電気事業連合会の自主行動計画である「電気事業における環境行動計画」において、平成20年度から24年度における二酸化炭素排出原単位を平成2年度実績から平均で20%低減するように努めることとされており、また、現在見直しが行われております京都議定書目標達成計画においても政府による厳格なフォローアップが実施されることとなっておりまして、電気事業者及び国の努力により所定の削減が図られるものと考えております。
神山悦子県議
あとでそのことについては指摘したいと思いますが、ところで、小名浜東港の建設については、これは石炭船の沖待ち船の増加まで理由に上げていますが、新年度予算では昨年のほぼ2倍の予算、34億円このうち県費18億円を計上しています。県の財政が厳しい時に、なぜここにメスを入れないのでしょうか。私は小名浜東港建設を中止すべきだと思いますが、いかがですか。
土木部長
お答えいたします。小名浜港東港地区は、経済のグローバル化が進む中、活力ある産業の育成と県内企業の競争力向上を図るため、工業原材料はもとより、外貿コンテナ等の多用な貨物需要に対応した国際物流拠点としての機能強化に向けて、今後とも、国と連携を図りながら、着実に整備を推進してまいる考えであります。
神山悦子県議
もう1つですね。温暖化の原因の石炭の消費を増やすことにつながる小名浜東港整備について県はどう考えているのでしょうか、見解をお尋ねします。
土木部長
お答えいたします。小名浜港東港地区は、船舶の大型化や石炭等鉱産品を中心に取扱貨物量の大幅増加が見込まれ、既存ふ頭では対応が不可能となることから、国との役割の分担のもと、国際物流拠点として計画的に整備をすすめてまいる考えであります。
神山悦子県議
生活環境部長にお尋ねいたします。先ほどの火力発電所の関係ですが、これは規制を持たせた方がいいと思います。自主規制だけでは、達成できないと思うんですよ。それよりは天然ガス、水力発電へのシフトも含めてキチンと言うべきだと思いますが、いかがですか。
生活環境部長
お答えいたします。火力発電所の稼働の規制等につきましては、現在、先ほど申しました電気事業者が自主行動計画において、火力発電の熱効率の更なる向上、再生可能エネルギーの開発・普及、京都メカニズム等の活用などによって、二酸化炭素排出原単位の低減に取り組んでおりますので、その成果を見守ってまいりたいと考えております。
神山悦子県議
本県がこんなに温暖化の数値が上がったのは、火力発電のせいだと私は思いますね。ですからここが大事だと思うんです。それに「戦略」の中に石炭ガス化複合発電についても推進すると書いてあるんですけれども、天然ガス火力より1kwアワーあたりのCO2排出係数が大きいといわれています。これに対する見解をお聞かせ下さい。
生活環境部長
お答えいたします。石炭ガス化複合発電は、石炭をガス化し、そのガスを燃料としてガスタービンを回し、さらにその廃熱を利用し蒸気タービンも回すことで、高い効率の発電を行うシステムであります。
電力1キロワットアワーあたりの二酸化炭素の排出量は、従来の石炭火力と比べて少なく、石油火力とほぼ同等であると聞いております。
現在、常磐共同火力発電所の構内で民間の研究所による実証実験が行われておりますが、今後、更なる発電の高効率化の研究が進みまして、二酸化炭素の排出量を減らす技術として実用化されることを期待しているところでございます。
神山悦子県議
では、原発が、環境にクリーンなエネルギーだという意見がありますけれども、これについては県の考えはいかがですか。
企画調整部長
お答えいたします。原子力発電は、一般的にいわれておりますように、発電過程において二酸化炭素を排出しないとされる一方で、放射性物質を取り扱うことから安全確保に向けた万全の対策と不断の取り組みの下に、利用されていくべきものと考えております。
神山悦子県議
私は、環境政策は各部バラバラでなく、バランスを持って、整合性をもってすすめるべきだと思いますし、原発がクリーンなエネルギーなどとは決して言えないと言うことを指摘しまして、質問を終わります。
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