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2008年6月定例県議会 神山一般質問
2008年7月2日 県議会議員 神山悦子

 日本共産党の神山悦子です。

 最初に、中国四川省と岩手・宮城内陸大地震で被災された方々と、小名浜の漁船転覆事故の関係者の方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。

 さて、2001年に登場した小泉政権は、竹中平蔵氏を中心とした「新自由主義」的論理、具体的には「構造改革」の名で政治、経済、社会体制あらゆる分野に市場原理をもちこみました。効率一辺倒の競争社会は、多くの「貧困と格差」を生み出し、今や大きな社会問題になっています。福祉・雇用・環境についても根本から問われてきていることを最初に申し上げ、質問に入ります。

1、県立学校の予算の在り方について

 まず、教育予算のあり方についてですが、

 5月12日にM8.0を記録した中国四川省の大地震では、学校の建物が崩壊して多数の子どもたちが犠牲になり、6月14日にはM7.2を記録した「岩手・宮城内陸地震」が発生し多くの犠牲者がでました。

 今度の地震災害を受けてあらためて浮き彫りになった学校の耐震化対策ですが、他県より立ち遅れている本県は、小中学校では55.3%で全国29位、高校は54.9%で全国32位となっています。文科省は、小中学校への耐震化国庫補助を3分の2まで引き上げるようですが、県においても、県立学校の耐震化に関する予算の大幅な増額が必要であると考えますが、県教育委員会の考えをお尋ねします。

 さて、県民生活は、給与収入者では、最近5年間各種控除等を差し引いた課税ベースでの推移をみると、平均年収では417万円から394万円へと23万円も減少し、年収200万円以下は31,052人、年収300万円以下は38,830人も増加しました。県民所得は確実に下がっています。そこへ原油や穀物価格の高騰による諸物価の値上げが加わり、県民の生活は苦しくなる一方です。

 ところが、県教育委員会は、今年度も県立学校への維持管理経費の予算配分を削減したため、その削減分をPTAに肩代わりさせようとして、保護者から批判の声があがっています。今年4月には高校授業料が引き上げされたばかりであり、PTAに肩代わりさせるなど本末転倒です。ムダな道路や港づくりをやめて、教育予算へ回すべきです。

 県立学校の維持管理経費の削減分を元に戻すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお伺いします。

2、後期高齢者医療制度と医療について

 次に、医療問題に関してですが、今年4月にスタートした75歳以上の後期高齢者医療制度へのお年寄りの怒りは、とどまるところを知りません。福島市医師会も「この制度は医師としておすすめできない」とはっきり述べています。福田内閣は、中曽根元首相など自民党長老議員からも批判が相次ぎ、一部手直しするようですが、しくみそのものはかえません。それどころか、今後の社会保障費を消費税増税でまかなう計画です。

 しかし、GDP比に占める政府や企業の社会保障負担割合は、ヨーロッパ諸国と比べて6割程度です。バブル時代の2倍近い儲けをあげているトヨタやキャノンなど大企業の法人税率を元に戻すことや無駄な道路づくりを中止したり、聖域扱している年間5兆円もの軍事費にメスを入るなどすれば、消費税を増税しなくても財源は確保できます。

 知事は、県民のいのちと健康を守る立場にあります。4月にスタートしたばかりで批判続出するなど、制度のしくみに問題が多い後期高齢者医療制度は、一部手直しでなく、廃止以外に解決の道はないと考えますが、県の見解をお尋ねします。

 また、福島市をはじめ県内市町村から要望がでているように、制度が廃止されるまでは、後期高齢者医療広域連合に対し、保険料の軽減や高齢者の健診事業を支援する県独自の財政支援を行う必要があると考えますが、県の考えを伺います。

 後期高齢者医療制度は、国民皆保険制度の根幹を掘り崩す第一歩にすぎないといわれています。今年10月には政府管掌健康保健が解体され、公益法人の全国健康保険に移管されるとされています。また、後期高齢者支援金が増えるとの理由で国保税の便乗値上げの動きがでているようです。県内市町村の国保税について、後期高齢者医療制度施行後の動向をお示し下さい。

 さらに、政府は今後医療費を年間4千億円削減しようと、都道府県に医療費適正化計画や医療計画をつくらせました。本県が3月にまとめた計画では、老人医療費がかさむなどとして療養病床の削減や在院日数を制限し、在宅へシフトようとしています。在宅医療の環境が整っていない本県で、介護難民や医療難民は出ないといえるでしょうか。

 県が策定した第五次医療計画では、どのような方向性が示されたのか、また、県医療費適正化計画では療養病床、平均在院日数をどこまで削減する考えなのかお尋ねします。

 本県は、国の公立病院改革ガイドラインを待つまでもなく、07年3月に県立病院が統廃合され、9県立病院1診療所が6県立病院になりました。今後も (仮称)会津統合病院や、大野病院も他へ委譲となれば、わずか3県立病院になってしまいます。赤字を理由に、公的病院の役割を投げ捨てよいはずがありません。むしろ、充実・強化こそ地域住民の願いです。 

 そこで伺いますが、(仮称)会津統合病院の県立医大の附属病院化により、会津地方の地域医療の中核を担ってきた公的病院の役割は後退しないのかどうか、県の見解をお尋ねします。

3、公契約制度、雇用・入札のあり方について

 今年6月8日、東京秋葉原での殺傷事件は大変ショッキングな事件でした。わずかの間に7人も殺害し10人に傷害を与えた行為は、社会的に決して許されない犯罪です。しかし、事件を起こした青年が派遣労働者だったことから波紋をよんでいます。

 就職氷河期に増えたフリーターや派遣社員などの非正規雇用への対策をとらず、潜在的な貧困問題を放置したまま高齢化に突入すれば、将来の財政を圧迫することになるという、今年4月に発表されたシンクタンク(NIRA総合研究開発機構)の試算もあります。

 青年の雇用環境を守り、県民の生活を安定させることは、県政にとって喫緊の課題であり、真剣に検討すべきと思いますが、知事の見解をお尋ねします。

 また、企業誘致を積極的に進めている県としては、誘致した後にも地元正規雇用の拡大を把握する何らかの手だてを検討する必要があると思いますが、見解をお尋ねします。

 ところで、「ワーキングプア(働く貧困層)」は、民間に限ったことではありません。

自治体で働く非正規職員は「官制ワーキングプア」と呼ばれていますが、小泉政権での「官から民へ」のかけ声のもと、自治体リストラが次々とすすめられ、本県も職員定数の削減と業務のアウトソーシングで民間移譲と外部委託、さらに公共工事の低入札価格競争が行われています。

 県の場合、正規職員と同様にフルタイムで勤務している臨時職員は、雇用期間6ヶ月、通算11ヶ月を超えない範囲で日々雇用です。これで計算すると、1ヶ月の賃金は、14万円台で、年収は約150万円程度、まさにワーキングプアそのものです。

 まず、知事部局における一般職の職員に占める臨時職員の割合及びその割合の高い部局名について、同様に病院局についてもお示し下さい。

 また、市町村立学校及び県立学校の正規教員、常勤講師及び非常勤講師のそれぞれの人数についてお尋ねします。

 国際労働機関ILOは、1949年第94号で「公契約における労働条項に関する条約」を採択し、第84号で同勧告を行っていますが、日本はいまだに批准していません。しかし、世界58カ国が制定しており、アメリカでは国が決めた最低賃金が低いため、各自治体では「リビングウエイジ(生活できる賃金)」の条例制定が増えています。日本では建設労働団体から出された意見書が全国で549件(07年10月)採択され、わが県議会は05年6月県議会で全会一致で採択、県内では28市町村で採択しています。

 「公契約」とは、公共工事や公共サービスについて、発注する自治体など公的機関と受託する事業者との間で結ばれる契約のことです。公正な労働条件や最低賃金を時給1,000円以上に引き上げて賃金の確保を図り、質の高いサービスを提供すれば、県民の安全と利益にもつながり、結果として県の財政健全化にも貢献します。

 県発注の公共工事は、旧国土交通省と農林水産省との2省で決める毎年の県別の公共工事設計労務単価を基に工事費の積算をしていますが、この単価ではワーキングプアは解消できません。

 模範的な労働条件を地域に示すため、県発注工事等において受注者の責任と義務を明記した公契約条例を制定すべきと考えますが、県の見解をお尋ねします。

4、原発問題について

 本県にとって、2002年8月に発覚した東京電力の原発検査記録の改ざん・事故隠しは、県民の信頼を根底から覆す大変な不正事件でした。それに加え、東電など電気事業者を監督するはずの原子力安全・保安院もまた「同じ穴のムジナ」と前知事が指摘したように、県民、国民の原子力行政に対する信頼は地に落ちました。02年9月県議会は、そうした当時の県民の思いを10項目にまとめ、全会一致で意見書を採択し国に提出したものでした。

 今回、原発所在町の双葉地方から「維持基準」導入の議論再開を求める要請があり、6月20日のエネ協で保安院と東電から説明を聴取しました。エネ協は、各会派の議論が尽くされたとはいえないとしても、この間、特に06年〜07年にかけて、温排水の温度データの改ざんや、02年以前の臨界事故隠しなど重要な事故隠しが発覚したこと。さらに、中越沖地震では、活断層を確認していながら保安院とともに、長さを小さく見せていたことなど、およそ東電の隠ぺい体質が変わったといえません。また、保安院も、電力会社が行ったひびの検査についてバックチェックするに過ぎず、定期検査の間隔延長も検討しています。

 本県の原発がとりわけ心配なのは、運転開始から30年以上もたつ老朽原発が10基中5基もあることです。老朽原発を酷使し、多少のひびがあっても運転を続けるという「維持基準」の導入によって、県民の命・安全を守れると考えているのか、県の考えをお尋ねします。

 また、原発の放射線管理区域内で18歳未満の作業員を働かせていた問題が発覚しましたが、県はこの問題にどう対応されたのかお尋ねします。

 さらに、定期検査間隔の延長を含む省令改正については、実施すべきでないと国に強く申し入れるべきと思いますが、県の見解を伺います。

5、農業・食料問題について

 日本は、これまで「食料は安い外国から買えばいい」という政府や財界主導で、農産物の自由化、国内農業の切りすてがすすめられ、食料自給率は世界最低水準に低下していますが、世界では食糧不足問題で暴動が起きるほど、深刻な事態になっています。その一方で、WTOでは、単なる輸入機会の提供とされているミニマム・アクセス米を「義務」だとして全量を輸入し、米余り、米価下落の原因を作ってきました。日本が水田の4割も減反しながら、今後も毎年77万トンもの米を輸入し続ければ、世界の食糧不足と飢餓に拍車をかけることになります。

 ミニマム・アクセス米の輸入を直ちに中止するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 農家の経営安定のため、県として価格保障や所得補償に取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。 

 また、畜産農家の飼料高騰対策にも貢献する稲発酵飼料など、飼料用稲の生産を拡大するため、飼料用稲の生産から利用までのしくみを構築すべきと考えますが、県の見解をお尋ねします。

6、県の温暖化対策について

 洞爺湖サミットが目前となり、温暖化対策は焦眉の課題となっています。そうした中で、気象庁は、本県の小名浜測候所を含む全国8道県10測候所を今年10月に廃止するとしています。しかし、災害対策はもちろん、県民生活に関わる桜の開花情報など地道な自然観察記録の蓄積などの人的役割をなくし機械だけとなれば、本県にとっては大きな損失です。小名浜測候所を廃止しないよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 ところで、今年6月にドイツのボンで開かれた国際会議中に、政府の「福田ビジョン」が発表されましたが、国際社会からは失望を買い、環境NGO団体からは「化石賞」という不名誉な賞を受賞するなどひどい内容でした。基準年を1990年として削減目標を出すという国際的ルールさえ無視し、中期削減目標の設定を棚上げしているからです。

 EUで効果をあげているドイツや、東京都が企業との排出協定を結ぶことを盛り込んだ「環境確保条例」が全会一致で可決されたことに本県も学んで、最大のCO2排出源となっている火力発電所をはじめ、県内の事業所と削減協定を結び、産業界の温室効果ガスの削減に真剣に取り組む必要があると思いますが、県の見解をお尋ねします。

 また、政府が、原発を温暖化の切り札だとしていますが、地球環境の保全と将来の人類の安全面から考えても技術的には未確立であり、事故やデータ捏造などで停止を繰り返す原発は、安定的な電源とはいえません。原発依存をやめるためにも、新エネルギーの導入促進に力を入れるとともに、原発立地町の地域振興、地域産業興しを推進すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 また、太陽光発電などによる電力を電力会社に買い取らせる仕組みを国に求めるとともに、家庭用太陽光発電等新エネルギー設備導入の初期投資への支援を県に求めますが、見解をお尋ねします。

 原発事故とそれによる環境破壊や、原子炉から出る放射性廃棄物を考えれば、原発は「クリーン」どころか危険であり、原発の切り札論は国際的には通用しないことを指摘しまして、私の質問を終わります。

答 弁

一、県立学校の予算の在り方について

教育長

 県立学校の耐震化につきましては、県立学校が、児童生徒にとって安全で安心して学習・生活する場であるとともに、一部は、非常災害時に、地域住民の応急的な避難場所の役割を果たす子施設ともなっており、その耐震化が、喫緊の課題となっております。

 本年度は、13億7千万円を予算化し、「県有建築物の耐震改修計画」に基づき、事業実施に当たっているところでありますが、今後、早期に耐震化を実現できるよう関係部局と調整を図ってまいりたいと考えております。

 次に、県立学校の維持管理費につきましては、厳しい財政状況の下で、予算を編成したところであり、各学校においても効率的な予算の執行、経費の節約などに努めております。

 今後とも、教育活動に影響を及ぼすことのないよう十分に配慮しながら、効果的・効率的な予算の執行に取り組んでまいる考えであります。

二、後期高齢者医療制度と医療について

保健福祉部長

 後期高齢者医療制度につきましては、国民皆保険制度を堅持するために創設されたものと認識しております。

 このたび、国において、高齢者の方々の様々な意見を踏まえ、保険料の軽減措置を柱とする特別対策を実施することが決定されましたが、県といたしましては、福島後期高齢者医療広域連合や市町村に対し、その円滑な実施により高齢者の方々の不安を取り除いて制度の定着が図られるよう、適切な助言を行ってまいりたいと考えております。

 次に、広域連合への財政支援につきましては、低所得者等の保険料軽減分に対する補填など県として、本年度総額約180億円の支援を行うこととしており、更なる負担は困難であります。

 なお、このたびの国の特別対策として低所得者に対する更なる保険料軽減のほか、普通徴収対象者の拡大や広域連合や市町村の創意工夫による健診事業を含めた健康増進への取り組みの促進などが実施されることとなり、広域連合に対する財源措置も併せて行われることとなっております。

 次に、国民健康保険税の動向につきましては、後期高齢者医療制度の施行により、県全体の国民健康保険の被保険者数は、対前年度比で約75%と大きく減少しております。

 また、市町村国民健康保険特別会計においては、歳出面で見ますとこれまでの老人保健拠出金と比較し、新たな後期高齢者支援金の負担割合が減少することや、退職被保険者が一般保険者へ移行したことによる医療給付費の増加等があること、歳入面では、65歳から74歳の前期高齢者加入率に応じた財政調整制度として新たに交付金が交付されることなど様々な要因により変化することとなります。

 市町村においては、これらの状況を踏まえ、本年度の国民健康保険税が適性に算定されるものと考えております。

 次に、医療計画につきましては、医療に対する住民のニーズの高度化や多様化、急速な高齢化による疾病構造の変化等を踏まえ、小児医療や救急医療などの確保のほか、ガンや脳卒中等の疾病について、限られた医療資源を有効に活用し安全で質の高い医療を提供するために、地域における各医療機関が役割分担と連携を深めながら、地域完結型の医療をめざすものであります。

 次に、医療適正化計画につきましては、今回の医療制度改革の考え方に基づき、平成18年10月時点で、4572床の両用病床を平成24年度末に2200床とすることを目標としております。

 また、平均在院日数については、平成18年時点で31.7日とすることを目標としております。

病院局長

 (仮称)会津統合病院につきましては、これまで会津総合病院と北方病院が担ってきた地域医療や政策医療等の役割を引き続き果たしていくとともに、医療機能のいっそうの充実を図るために両病院を統合し、整備することとしたものであり、統合病院がこれらの役割を安定的・継続的に果たしていくためには、県立医科大学の付属病院課が最も適していると判断し、現在、医科大学と協議を進めているところであります。

三、公契約制度、雇用・入札の在り方について

知事

 青年の雇用につきましては、新規学卒者の就職が好調に推移している一方で、就職氷河期に就職時期を迎えた多くの青年が、依然としてフリーターなどの非正規雇用に従事しているという状況となっております。

 これは、経済のグローバル化を背景として終身雇用などを柱とする日本的雇用慣行から多様な雇用形態へ変化してきたことが主な要因であると考えております。

 こうしたことは、中長期的には産業活力の低下、社会保障制度への影響、税収の減や少子化のいっそうの進行などが懸念されるものと認識しております。

 このため、県では、地域産業の振興や企業誘致による雇用の確保を推進するとともに、就職情報センターの機能充実による就職相談から職業紹介までのワンストップサービスの提供、県内企業への非正規雇用の正規化の要請、新規学卒者を対象とした職場定着サポートカードの配布など、きめ細かな支援をしてまいりました。

 今後とも、国との連携を図りながら、青年の就労支援や雇用の安定に積極的に取り組んでまいる考えであります。

商工労働部長

 企業誘致後の地元正規雇用の把握につきましては、誘致企業を含めた県内事業所を対象に、県単独の労働条件等実態調査を実施し雇用形態の把握を行っております。

 県といたしましては、安定した就業の場の確保が、重要でありますことから、県内の主要企業に対する非正規雇用者の正規雇用化への要請など、機会をとらえてその促進に取り組んでいるところであります。

総務部長

 知事部局における臨時職員につきましては、平成20年4月1日現在、全体で324人であり、一般職の職員に占める割合は、5.5%となっております。

 また、部局部別の割合につきましては、高い順に知事直轄、農林水産部、生活環境部となっております。

病院局長

 病院局における臨時職員につきましては、平成20年4月1日現在、164人であり、一般職員に占める割合は、17.3%となっております。

教育長

 次に、市町村立学校及び県立学校の教員数につきましては、平成20年5月1日現在、市町村立学校は、正規教員が、11,856名、常勤講師が、1,441名、非常勤講師が、161名、県立学校は、正規教員が、5,142名、常勤講師が、720名、非常勤講師が、381名となっております。

総務部長

 公契約条例の制定につきましては、わが国においては、すでに労働基準法や最低賃金法を始め、労働条件確保のための法整備が図られておりますので、適正な労働条件や賃金水準は、基本的には、これらの労働者保護のための法制度によって規定されております。

 また、県発注工事においては、福島県元請・下請関係適性化指導要綱により適正な下請契約の締結や下請代金の支払いがなされるよう指導しているところであり、今後も、入札契約制度の適切な運用を図る中で適正な労働条件の確保に努めてまいりたいと考えております。

四、原発問題について

生活環境部長

 原子力発電所における維持基準につきましては、国及び事業者は、その前提となる原子炉再循環系配管における超音波探勝検査の精度を高めるなど、安全性・信頼性確保に責任を持って取り組むことが、何よりも重要であります。

 県といたしましては、国及び事業者は、引き続き、慎重に対応するとともに県民への説明責任を十分に果たしていくことが必要であると考えております。

 次に、原子力発電所の作業員の問題につきましては、このような事態が生じたことは誠に遺憾であり、県といたしましては、この問題が判明した後、直ちに、電力事業者に対して徹底した調査と再発防止を求めたところであります。

 その後、電力事業者から、現在の放射線業務従事者全員について、運転免許証などの公的証明書の原本により確認を行い、今後も同様の確認をしていくとの報告を受けておりますが、引き続き、電力事業者に対し再発防止に万全を期すなど、厳格な放射線業務の管理の徹底を求めてまいる考えであります。

 次に、定期検査間隔の延長につきましては、高経年化する原子力発電施設の安全確保が課題とされている中、国は技術力の向上や検討中の制度の内容について、手負い婦負に説明を行い、立地地域をはじめとする国民の理解を得ていくことが重要であります。

 県といたしましては、国に対して、慎重かつ丁寧な対応を求めていくなど、県民の安全・安心の確保を基本にしっかりと対応してまいる考えであります。

五、農業・食糧問題について

農林水産部長

 ミニマム・アクセス米の輸入につきましては、農産物の貿易に関する国際ルールを定めたガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づき行われているものであり、その取り扱いについては、国際的な需給事情等を踏まえながら、国が判断するものと考えております。

 次に、農家の経営安定のための価格補償につきましては、現在、国が実施している水田経営所得安定対策や野菜価格安定事業による支援に加え、果実、野菜、きのこ類、花卉を対象とした本県独自の青果物価格補償制度を設けるなど、きめ細かに取り組んでいるところであります。

 今後とも、これら制度の積極的な活用により、農家の経営安定に努めてまいる考えであります。

 飼料用稲の生産から利用までの仕組みの耕畜につきましては、関係団体と連携し、稲作農家と畜産農家との生産・利用の調整を円滑にすすめることが重要であると考えております。

 このため、本年4月、県、総合農協、畜産専門農協等による耕畜連携推進会議を設立し、計画的な生産、組織的な流通体制の整備等を推進しているところであります。 今後とも、産地づくり交付金の活用や県単独事業による生産費の助成、また、利用マニュアルの作成等により、飼料用稲が生産から利用まで拡大できるよう支援してまいる考えであります。

六、県の温暖化対策について

生活環境部長

 小名浜測候所につきましては、科学技術の進展に伴う気象観測能力等の向上により、全国の測候所等を効率化するという国の計画に基づき無人化されるもので、これまで以上に機能アップした機器等により観測業務は継続され、地域における防災気象観測の提供が行われるものと聞いております。

 今後とも、気象台と連携の下、迅速かつ的確な防災対策に努めてまいる考えであります。

 産業界の温室効果ガスの削減につきましては、性根寝るギー法及び温暖化対策法による温室効果ガスの排出両報告の義務や、それぞれの所属する業界団体の自主行動計画において温室効果ガスの低減に努めることとされており、政府による厳格なフォローアップの下、所定の削減が図られるものと考えております。

 また、これら法律の報告対象とならない小規模事業所等につきましては、本年度から「福島議定書」事業の対象を拡大し、この事業への積極的な参加を呼びかけ、温室効果ガスの削減に向けた取り組みを強化してまいります。

企画調整部長

 新エネルギーにつきまして、地球温暖化対策やエネルギー源の多様化などの観点から、導入の意義はますます高まっており、これまでも、新エネビジョンの下、各種施策に取り組んできておりますが、今後は、本年2月に策定した環境・エネルギー戦略を踏まえ、新エネルギーの普及拡大に向けた環境・エネルギー産業の育成、支援にも取り組んでまいります。

 また、原子力発電所立地地域の振興につきましては、「原子力発電所との共生と原子力発電所からの自立」の視点に立ち、各種生活・産業基盤の整備や地域活性化のための事業を展開してきたところでありますが、引き続き、立地町との十分な連携の下、道路や観光拠点施設、産業基盤等の整備をすすめるとともに、企業誘致の推進や交流の拡大に向けた取り組みへの支援などにより、広域的かつ将来を見据えた地域振興を図ってまいりたいと考えております。

 次に、電力会社による新エネルギーの買取につきましては、いわゆるRPS法により、電気事業者にはすでに、その販売量に応じた新エネルギーによる電気の利用が義務づけられており、その義務量は、平成26年度までに段階的に160億キロワットアワーまで引き上げられることが決まっております。

 県といたしましては、地球温暖化防止の観点等から新エネルギーによる電気について買取価格の引き上げや買取量の拡大を、引き続き、国に要望してまいりたいと考えております。

 また、家庭用太陽光発電をはじめとする新エネルギー導入の初期投資への支援につきましては、県としてこれまで、市町村が住民等に対して行う小規模な設備導入補助への助成など国等の補助対象とされていないものへの助成を実施してきたところでありますが、現在、国において新たな支援策の検討がなされていると聞いておりますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。

再質問

 保健福祉部長も農林水産部長も、また生環部長にもなんですけれども、緊迫感がないと私は思うんですね。今の状況に対して。保健福祉部長にまずお聞きしたいのは、後期高齢者医療制度を含めてですね、どんな事態になっているかと言うことはご存じだと思うんですよ。そのことと加えて、先ほどご説明がありましたが、国保税の、実際には減るといいながら、市町村では国保税の税率がぐんと上がってしまった市町村が県内にはあるはずなんです。それをつかんでいらっしゃいませんか。私は2つほど聞いておりますけれども、分かりましたらお知らせ下さい。
 それから、農林水産部長。国の問題だから、ミニマムアクセス米については言えないということでしょうかね。私は、減反してこれだけコメ不足、食料不足、日本以外は大変な事態になって、もう目の前に来ているじゃないですかね。そういうことを考えたら、国にもキチンと農業県として言わなければならないんじゃないでしょうか。そういう立場に立っていただきたいし、飼料用稲の方はやるといってもですね、農家経営の安定のためにという価格補償、所得保障については果物とか、青果物のものはあるのは知っていますよ。しかし、コメについては何もふれませんよね。やっていることしか言わない。もっと真剣に考えていただきたいと思います。農家をどうやって支援していくのか、そういう立場でもう一度御答弁をお願いいたします。
 それから、生環部長ですけれども、1つは維持基準導入についてこれだけ関心があるんですけれども、維持基準導入前の前提条件が整わないというふうに私はお聞きしました。その前提は、信頼が揺らいでいると言うことは私も共通なんですけれども、もっと明確に国に対して、本県の老朽原発の酷使ということを言っていただきたいと思います。それから、火力発電所の問題も含めて温暖化の対策ですね、ここは本県は本当に弱いと思います。国のいうとおりに産業界の自主規制(自主行動計画)で進むとお考えですか。自主規制(自主行動計画)にまかせて、削減、本県の8%達成できるとお考えですか、私はとてもそう思えませんが。もう一度具体的にドイツや東京の例をご存じでしょう、そのへんを踏まえて産業界やそういうところとキチンと結ぶ必要があると思いますが、もう一度お尋ねいたします。
 知事にお尋ね致したいと思います。青年の雇用の問題は私は本当に深刻だと思います。先ほど派遣労働者の件も私は申し上げましたが、本県でも私どもの事務所にですね、手紙がまいりました。深刻な状況を切々と訴えています。決してよそ事ではないということを知事にもう一度考えていただきたいと思いますが、いかがですか。

知事
 雇用問題については、私自身、また担当部長もさまざまな機会を捉えながら、派遣社員はもちろんでございますが、正規社員の雇用ということでいろんなところで、私も今言っております。今後もそういう話もとらまえながら、それぞれ関係機関のところで、正規雇用ということで強く求めていきたいと考えております。

生活環境部長
 まず、維持基準についてでありますが、維持基準については、国及び事業者が、責任を持って取り組むことが、何よりも重要であると考えております。
 県といたしましては、国、事業者は、引き続き慎重に対応し、県民への説明責任を十分に果たしていくことが必要であると思っております。
 それから火力発電所の問題でありますが、産業界における温室効果ガスの削減につきましては、排出量の報告義務を課しているという1つのやり方。それからそれぞれの業界団体が、自主行動計画をもってそれの低減に努めていることがありまして、それらを政府が厳格なフォローアップをしているということでありますので、そういう対応を見ておるところであります。
 また、東京都の例が出ましたけれども、東京都は排出量の取引制度を導入するということですすんでおりますが、今後その削減義務率の設定の調整などがなされていくということでありますので、そのような動向を注視してまいりたいと考えております。

保健福祉部長
 今年度の国民健康保険税の税率についてでありますが、引き上げを予定している市町村が36、据え置きが14、引き下げが10となっております。ただし、引き上げをする36市町村のうち13市町村につきましては、所得割、資産割、均等割、平等割、こういった賦課割合の見直しを行った結果、1人あたり税額が上がったものでありまして、見かけ上の引き上げであり、実質的税率引き上げではありません。

農林水産部長
 ミニマムアクセス米の関係でございますが、ご答弁申し上げましたように、これにつきましては国際的な合意というようなことで決まったものでございますので、国が判断するものと考えております。
 価格補償、所得補償でございますが、水田経営所得安定対策のなかで、所得補償と価格補償をあわせておるわけでございますが、こうした制度の積極的な活用をはかっていくというような考えでございます。

再々質問

 商工労働部長にですね、知事もおっしゃいましたが、青年の雇用というお話しがあるんですけれども、企業誘致にがんばっている本県ですけれども、その後の実態を調べて、少なくとも本県が誘致した誘致企業に対しては、正規雇用がどれだけ増えたのか、そのくらい求めてもいいと思うんですよね。1年後に報告してもらうだけみたいな、そうじゃなくて、契約の時に盛りこんでもいいのではないか、これだけ正規雇用が大企業はじめ見直しが始まっている。もともとは労働法制の改悪によるものですけれども、労働法制を見直して、派遣法を見直して、本当に正規を増やすということが大事ですけれども、本県としてはせめてそこに力を入れるべきだと、知事のそういう意向もよく汲んでやるべきだと思いますが、お尋ねいたします。
 教育長にお尋ねしたいと思います。さきほど、教育予算にかかわってお尋ねいたしましたけれど、支障のないようにというお話しでしたね。しかし、私は実際に支障が出ていると思いますよ。すごい削減率で私もびっくりいたしましたが、端的に言いますと委託料の警備、人的警備のところ、これ半分になりましたよね。これがある高校では、半分に減らされた中の半分をPTAに負担にしてほしいという案が出されたそうですけれども、いくらになると思いますか。学校が負担するのは、63万5千円のうち、29万2千円。そしてPTAは34万3千円を負担してくれ、半分もってくれという話ですよ。これは委託のなかの部分ですけれども、しかし、その他の部分でも需用費、光熱費やもう削れないところがあるわけですよ。それから維持管理費もぐーんと減ってしまって30%台ですよね。こういうところもあるわけですから、私は削りすぎだと思いますよ。教育にこんなシーリングをかけてどうするんですか。私は知事部局にも言いたいんですけれども、道路1本削ってでも教育にお金を回すべきではないですか。それを教育長が言っていただきたい。それは学校の子ども達や先生やよい教育をするために役に立つはずだと私は思うんですけれども、この実態についてご答弁をもう一度お願いします。
 それから、温暖化対策ですね。生環部長にお尋ねいたしますけれど、私、自主規制(自主行動計画)という国の方針にとらわれているんじゃないでしょうかね。企業が自主規制でやってならない、といって国際的に日本の温暖化対策が批判されていて、まもなく始まる洞爺湖サミットでも、議長国としてどうなのかと言われているんですよね。そこをもう一度見ながら、やるべきではないでしょうか。本県としては8%どうやって削減するのか、しかも本県は火力発電所6つも増やして全国の排出量を増やした大きな要因をつくっているのが本県の立場なんですよね、ご存じですか。それをもっと電力会社にも、言わなくてはいけないし、産業界とも契約を結ぶなど東京都に学んだりすれば私はできると思いますよ。そのくらいの決意でやらなければ、かかげた目標を達成できないと思うんですけれども。本気になってとりくむその姿勢を示していただきたいと思います。人類の破滅だと言われていて、何となく数値目標こうこうだと言われてもね、ちょっと私は納得できませんね。もう一度ご答弁をお願いいたします。

答弁
生活環境部長
 産業界の温室効果ガスの削減の件についてでありますが、「福田ビジョン」におきましてですね、国は国内の排出量取引制度について、企業の自主参加型でありますが、これらについての試行をですね、現在、国が制度設計しているという新たな動きもございますので、そういう動きを注視しつつ、現在行われているのは自主行動計画において各業界団体が参加をしてやっているということを政府がフォローアップしてやっているということでありますから、それを見ながら、われわれとしてはわれわれができる小規模の事業所について「福島議定書」事業の対象に入れるなどしてしっかりと対応してまいりたいと思っています。

商工労働部長
 誘致企業のその後の雇用状況の把握、あるいは報告義務についてでありますが、安定した雇用の場の確保というのは非常に大事だと、そんなことで企業誘致をする際にですね、あるいは決定していただいた際等にですね、一生懸命その辺はご説明をして、地元の正規雇用をお願いしているところでございます。
 企業誘致もなかなか地域間競争がきびしいとこういうところもありますので、ご理解をいただければと思うところでございます。

教育長
 警備業務関連でございますけれども、機械による警備と人による管理補助業務に分けるということをいたしました経過のなかで、いろいろなやりとりがあったことだと思ってはおりますけれども、それらの結果4月より適正に解消されていると思っております。
 それから、削減率のことに関しましては、きわめて厳しい財政状況のなかで確保をした予算を優先順位を十分に勘案をした結果、削減率にいろいろと差が出たなかで、ご指摘のような状況も生まれてきているということであります。



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