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2008年11月臨時県議会 反対討論
2008年11月25日  神山悦子

 日本共産党の神山悦子です。日本共産党県議団を代表し、「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」等、4件の議案について反対の立場から意見を述べます。
 今回、県人事委員会が勧告した職員給与改定内容は、大きく3点あります。民間給与との較差を埋めるため月例給を0.18%引き上げること。期末・勤勉手当(ボーナス)を0.02月分引き下げること。さらには、国の人事院勧告を受けて、医師の給与の特別改善として来年4月から初任給調整手当を改定しようとすることです。
 今回の改定で、「職員の給与に関する条例」の適用を受ける職員は、本年4月1日現在で14,543人とされ、それぞれ行政職、公安職、教育職、研究職、医療職の各給料表の適用を受けます。また、「福島県市町村立学校職員の給与に関する条例」の適用を受ける職員は、本年4月1日現在で11,856人とされ、それぞれ教育職、事務職、医療職の各給料表の適用を受けます。
 今回は、人事院勧告に基づき、病院等に勤務する医師の確保のための改定など評価すべきものも含まれていますが、私は、以下の2つの角度から問題を指摘したいと思います。
 人事院勧告は、労働基本権制約の代償措置として設けられた制度です。人事院は、民間事業所との比較で勧告していますが、2006年(H18)に、民間企業の調査対象規模を「100人以上」から「50人以上」規模に広げました。しかし、歴史的にみれば、1964年までは「50人以上」だったものを、労働組合の「官民一体」のたたかいで「100人」以上に勝ち取ったものでした。それを、政府の公務員人件費抑制政策に従い、2006年に人事院が逆戻りさせてしまったのです。
 大企業と中小企業とでは、賃金や労働条件に大きな開きがあります。2004年の厚生労働省の「毎月の勤労統計調査」では、100人〜499人規模に比べ30人〜99人規模の賃金が、現金総額で64万6,000円も低いという数字が出ていますから、2006年度以降は、総体として職員給与は大幅引き下げとなっているのです。
 今回の改定で、月例給を引き上げるといいますが、民間との較差分わずか702円(0.18%)の引き上げです。まして、特別給・ボーナスは、民間が給与月額の4.43月分、職員が4.45月分となり、そのわずか0.02月分上回ったため、その差額分を引き下げるというもので、今日の諸物価高騰などから、高まる生活改善への期待にも背くものです。
 しかも、県職員の給与改定は、県の外郭団体の職員給与や市町村職員の給与だけでなく、中小企業など多くの民間労働者にも影響を与えるものです。
 中小企業が圧倒的に多い本県では、原油高騰によるガソリン代の高騰や諸物価の高騰、さらには、この秋アメリカ発の金融危機のあおりを受け、下請け単価の引き下げ、銀行の貸し渋り・貸しはがしも強まるなど、中小企業は大変厳しい状況に置かれています。また、県が戦略にかかげている自動車関連やIT産業などの輸出関連の事業所では、リストラ計画が次々と発表され、特に、派遣労働者や期間工などの非正規労働者は真っ先にリストラの対象とされて、県内でも大量の失業者があふれかねない切迫した状況になっています。県としてこの対策も当然求められるところですが、県職員のボーナス引き下げ勧告は、さらなる人件費抑制の悪循環を招き、ひいては県内の地域経済がいっそう冷え込むことにつながります。

 一方、今回の改定による必要経費は、月例給で3億8,000万円の増額、ボーナス分で2億5,000万円の減額で、差引総額は1億3,000万円の増額とされています。本来であれば、市町村職員や地域経済にも影響を与えるものですから、ボーナス分も引き上げ、県内景気の刺激策を図るべきです。このようなわずかな改定にとどまったのは、県の財政が厳しいからだといいますが、それは2つの要因によるものです。1つは、国の三位一体改革による地方交付税の大幅削減であり、もう1つは、県自身が90年代以降すすめた大型開発事業による借金の増大です。県は、来年度以降もさらなる財源不足が見込まれるとしていますが、これらのツケを県民や職員にしわ寄せしようとするのはとんでもないことです。財政が厳しいというのであれば、多額の予算が必要となる小名東港整備や、一般道に比べてほとんど車の通らないあぶくま高原道路を整備したり、自然を破壊し林業活性化とは程遠い大規模林道開発事業などこそメスを入れるべきではないでしょうか。まず、これら県民に不要不急の大型事業を中止すべきです。
 公務や公共サービスは、憲法に保障されている生存権、福祉、教育などの人権を保障するために国や地方自治体が責任をもって行なうものです。ところが、小泉内閣以降、「構造改革」の名で地方自治体のリストラが次々とすすめられ、公務のアウトソーシングと財政難によって、公共サービスの質の低下と住民の安全・安心を脅かす事故等が各地で指摘されています。そもそも公務・公共サービスは、民間ではできない不採算部門であっても、地方自治体の本旨である福祉・医療・教育を住民に等しく提供するべきものです。県民サービスの質を高め、それを担う質の高い人材を確保するためにも、また、公務・公共労働者の専門性が充分発揮されるためにも、それにふさわしい賃金として、地域のモデルとなるような職員給与水準の引き上げが必要であると考えます。

 以上の理由から、議案第1号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第2号「一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第3号「一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第4号「福島県市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」に反対を表明し、討論を終わります。

以 上



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