日本共産党の宮川えみ子です。
アメリカ発の金融危機が日本経済に重大な影響を及ぼし、今後どれほどの事態になっていくのか誰もが大きな不安の思いを募らせております。
しかし、政治が重大な責任を果たさなければならない時、麻生首相が「政局より政策だ」として打ち出した「追加経済対策」は、その目玉の「給付金」や「地方への一兆円配分」をはじめとするあらゆる問題で迷走し行き詰まっています。
また、あの侵略戦争を美化する論文を書きそのことを開き直った田母神俊雄前空幕長の問題は、国民の批判の高まりの中で浜田防衛大臣も「適切であったといえない」と認めましたが、任命責任者である首相は、このことでもあいまいな対応で指導力を果たしていません。
今政治がなすべき最大の課題は雇用を守ることであり、そのことで国は指導力を発揮すべき時です。そして地方も雇用を守る先頭に立ち、大失業時代に地域住民の暮らしを守るセーフティ─ネットを憲法25条と住民の福祉の向上を図る地方自治の本来の目的に立って最大の役割を果す時と考えます。
1、質問の第一は、雇用問題です。
日本共産党は、「景気悪化から国民を守る緊急経済提言」を発表し、各界各層の皆さんと懇談を広げたり、自動車関連の大企業に対して非正規雇用者の雇用継続を求めたりしながら国民的運動で大失業に歯止めをかけることを呼びかけています。
今回のアメリカ発の金融危機は単なるバブルの崩壊ではありません。極端な金融自由化と規制緩和で投機マネーを異常に膨らませる、ばくちのようなことをやってきた結果です。同時に、日本の景気悪化をここまで深刻にさせている根本には、極端な輸出・外需だのみという日本経済が抱えている脆弱性があります。
こうしたもとで、政治の果たすべき役割は、国の経済政策のつけを国民に回さない、外需頼みから内需拡大に日本経済の体質改善を図る、つまりアメリカを手本にした金融自由化路線・カジノ資本主義からの追従から、「ルールある資本主義」への根本的転換を図ることと考えます。
7800人の雇い止め・解雇で大失業時代の先鞭を切ったトヨタ自動車は、大幅減収と言ってもなお6000億円の利益を見込んでいて、しかも13兆円の内部留保をため込んでいます。1400人解雇の方針を出した、いすゞ自動車は600億円の利益を見込み、しかも株主に増配当をしています。不況と言いながら大企業全体では、ITバブルを上回る規模で2008年度末に24兆円の収益を見込み、内部留保は資本金10億円以上の大企業だけで230兆円もあります。寒空にある労働者・若者の首を切らなくても対応ができる十分な体力を持っているのです。
労働者が簡単に首を切られるようになった原因に、労働法制の規制緩和で身分が不安定になった非正規雇用が広がったことにあります。政治が引き起こした「政治災害」です。
労働運動総合研究所の調べでは、正社員を希望する労働者と有期雇用労働者の正社員化で8兆円、サービス残業をなくし年休完全取得で13兆2千億円の所得が増え、国内総生産も24.3兆円増え、GDPを2.5%も押し上げる効果があるといいます。
経済政策については、アメリカだのみを転換させ、内需拡大の経済政策に軸足を置くことが求められていますが、政府も賃金の上昇がなかったことが内需低迷の最大の要因と認めています。日本経済を上向きにさせるには、雇用悪化と景気悪化の悪循環を断ち切ることであり、そのために雇用の安定と働く人の所得確保が重要です。
質問ですが、
(1)県は中小企業対策を発表し、銀行などにもその支援策を要請しているところですが、雇用対策については、具体的な対応策は見えません。
雇用問題の悪化が今後急激に進行するのではないかと心配されます。「福島県緊急経済・雇用対策本部」を強化させ、実効あるものにすべきと考えます。
県内の雇用状況に対する認識と実効ある雇用対策についてお示しください。
実態の把握と対応策についてです。
自動車関連などを中心に、期間工や派遣労働の雇い止めや首切りが急速に進行しています。11月28日に厚生労働省が企業から聞き取り調査の結果をまとめて発表しましたが、それによると、10月〜来年3月までの解雇などの人数が3万人以上とのことです。また内定取り消しも331人に上るとのことです。また労働組合などからは、このままでは、十万、十数万の規模に上るのではないかとの声も出ています。
日本共産党福島県緊急雇用問題対策本部の調査では、県内の派遣や期間工などの雇い止めや首切りは、12月1日現在、1000人を超えましたが、さらに、とどまるところを知らずに進んでいます。調査の中で、理不尽な解雇の実態、暮らしに対する不安、そしてすぐ生活が成り立たなくなってしまう状況が出されております。生身の人間がこんな形で解雇されていいのかと怒りを感じます。
質問ですが、
(2)アメリカ発金融危機で県内の、派遣・期間工・パートなど非正規雇用の雇い止め、就職内定者の取り消し状況をどのように把握していますか。今後どのように進行すると見ているでしょうか。
(3)県として知事を先頭に企業に対し、派遣や期間工などの「雇い止め」を中止するよう求め、少なくとも契約期間が来ないのに雇い止めをするようなことがないように、要請していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(4)11月26日に設置された、福島労働局緊急雇用対策本部の通達では「相当規模の離職者が出た場合は、福島県と協力して雇用の維持の努力を行う」としています。県としても国と協力して臨時の就労の場を作るべきと思いますが、お伺いします。
(5)離職者支援の貸付制度がありますが極めて利用しにくく、ほとんど利用されていません。どのような理由で利用できないのでしょうか。使いやすくなるように対策を講じるべきと思いますがいかがですか、
(6)失業により、住宅の確保のため、民間アパートの家賃補助などを行うこと、
(7)雇用問題に関するさまざまな相談ができる窓口も充実すべきと思いますが、以上お伺いします。
2、質問の第二は、県民の暮らしを守ることについてです。
近年、所得の減少が続いています。そこに、金融危機で若い人を中心にした失業が広がっています。このような中、弱者、特に子どもの貧困が問題になっています。授業料や給食費や修学旅行のお金が払えないなどの声が寄せられています。子育て世代が不況の嵐の中で失業や、いっそうの不安定・変則・長時間勤務そして減収という状況が進み、子どもたちの健康面も脅かされています。子どもの貧困は見えにくいものですが、未来をになう、どの子も良い環境で育つことができるように最善を尽くす時と考えます。
質問ですが、
(1)子どものいる家庭の国民健康保険証取り上げ(資格証)の中止を求めることについてです。
親など保護者が国民健康保険税を滞納したため保険証を返還させられ無保険状態になっている子どもたちが、県内で667人いることが厚生労働省の調べで分かりました。
病院にも行けない、修学旅行に行くから保険証を持ってきなさい、といわれても持って行けないなど精神的にも健康面でも打撃を受けている子供たちのことを考えると胸が痛みます。
厚生労働省の発表後、是正したところもあると聞きますが、「児童福祉法第1条、児童は心身共に健やかに生れ、かつ育成されるよう努めなければならない、ひとしく生活を保障され愛護されなければならない」という法に照らしても、子どものいる世帯に対する資格証明書の交付はやめるよう、市町村に求めるべきと思いますがいかがですかお伺いします。
県の教育費の予算削減で父母負担が増えています。県立高校司書研究会の調査によりますと、ある県立高校の図書購入予算は、01年度比では86万円から13万円にと6分の1以下に激減しています。トイレが壊れても直せない、電気が切れても取り替えられない、また、光熱費・消耗品費・備品購入費・実験費なども含めて、不足分の一部はPTA費でまかなっているなど保護者負担が増えております。
(2)県立高校における需用費、備品購入費、実験実習費の予算を増額すべきと思いますがお伺いします。
児童生徒の就学援助制度ですが、本来無償であるべき義務教育ですが、保護者負担が大きくなっています。
(3)給食費・文房具代にも事欠く児童生徒に対し、就学援助制度があることを保護者や教職員に広く知らせる必要があると思いますがいかがですか。
(4)福島市では就学援助・準要保護の認定にあったて、生活保護基準の1.5倍という基準を設けています。県としても認定の目安となる基準を示して受けやすいようにすべきと思いますが、いかがでしょうかお伺いします。
暮らしを守る対応についてですが、まず子育て支援についてです。先ほど申し上げましたが、子育て世代が経済的に厳しい状況になってきて、子供を産んで育てることに困難を生じています。
(5)お金がなくて検診をせず、飛び込みお産になって対応ができない状況を防ぐためにも、県が実施している妊婦健康診査の対象を第3子以降でなく第1子から無料化にすべきと思いますがいかがですかお伺いします。
(6)子どもの医療費無料化の年齢引き上げについてですが、
08年度の健康保険法の一部改正・施行で、国が2歳までだった8割給付を入学前までに拡大したことから、県も市町村も負担が減りました。現在やっている県の乳幼児医療費助制度の県負担は、07年度決算ベースで13億8千万円で、08年度の予算は12億1千万円ですから1億7千万円分の負担減です。これを原資の一部として対象年齢の引き上げを求めるものですがいかがですかお伺いします。
県営住宅問題ですが、国土交通省は、失業者の増大、所得の低迷などの中、来年4月から公営住宅の入居基準の引き下げや家賃値上げを図ろうとしています。国の指導とはいえ、入居をさらに制限したり、家賃の値上げをするようなことは大きな問題です。
若い人が入りにくくなることや、ひとり親・高齢者・多子家庭の滞納がさらにひどくなる事が心配されます。
(7)県営住宅の家賃に対しては、減免を実効あるものにして失業者や低所得者が住居をなくす事のないようにすべきと思いますがいかがでしょうか。
(8)県営住宅家賃の生活保護世帯の納入については、市の福祉事務所と連携して進めることで滞納による退去を防ぐことになると思いますが、いかがでしょうかお伺いします。
3、質問の第三は、小名浜東港問題にかかわってです。
県が進めている小名浜東港人工島建設は、今議会でさらに2億5千万円が追加されて、今年度事業費は45億9千7百万円、県費負担は23億6千100万です。ありとあらゆる予算を削りながら追加補正までつけて進めています。
まず、管理運営の検討についてです。日本の地方港湾の行く末が全国で問題になっています。今日、存続が問題になっている地方空港もそうですが、右肩上がりの人口を想定し将来の見込みを過大に見て、しかも世界や日本全体の動きに目をつぶり、互いに競争し合って建設されてきました。全国1千ある港湾のうち建設補助金がかさ上げされる重要港湾だけでも、128もあります。特に、多額の税金を使って進められる建設費も問題ですが、その後の維持管理も採算のあう所はほとんどなく大きな問題になっています。
現在建設が進められている小名浜港東港についても、同じことが言えると思います。先の9月議会で、土木部長は「荷主企業や港湾荷役(にやく)業者等物流関係者への制度の周知に努め、民間事業者による効率的な埠頭の管理運営について検討していく」と答弁されていますが、
(1)このことは、完成後に管理運営を民間事業者に委託する事を想定しているようですが、民間事業者による管理運営について、想定する民間事業者の範囲及び、検討スケジュールはどのようになりますか。
(2)公的利用を確保しつつ管理運営を民間に委託するといいますが、大型クレーンを据え付けられるような企業は大手に限定され、長期間埠頭を独占することになると思います。県民の公共財産である埠頭の公共性が担保できなくなる恐れがあると思いますがいかがですか、お伺いします。
(3)(仮称)東港大橋についてですが、
25mの高さで計画されている橋の高さが、豪華客船の寄港や海外巻き網冷凍漁船の航行などに支障をきたすと報道(12月4日・民報)されています。
国土交通省東北地方整備局小名浜港湾事務所によると「変更はすべての計画の見直しにつながり、橋を高くすることはできない」とのことです。
海外巻き網冷凍漁船や今後地元で地域活性化を目指し豪華客船の寄港誘致など、橋の高さ以上の船の寄港に問題が出ることについては、どのように考えていますかお伺いします。
建設目的にかかわってです。石炭の輸入増に対応するということですが、国も県も待ったなしの温暖化に対する厳しい対応が求められているとき、CO2排出量をこれ以上増やす、石炭輸入増加の一途をたどることを主要な理由にした東港の建設は時代に逆行しています。
二酸化炭素の排出量で、福島県の増加率が全国一となったのは、90年以降の6基の石炭燃料火発の増設が最大の原因ですが、それに加えて、柏崎刈羽原発の地震被災停止が大きな要因であり、不安定電力の原発に頼ってきた結果です。
それなのにさらに、広野火発の6号機建設・小名浜火力発電所の新設と一層石炭使発電が進められています。こんなことがいつまでも許されるわけがありません。
11月27日の日経新聞の一面トップに、太陽電池を現地生産するためにシャープがイタリアに世界最大級の太陽電池工場を作ると報道されていましたが、世界は新エネルギーにまい進し、しかも国全体の産業の活性化も図っているのです。
質問ですが、
(4)これまで東港建設の理由を船舶の大型化と石炭鉱産物輸入の増加を主要な理由にしていますが、待ったなしの地球温暖化対策を求められる中で、事業そのものが無駄になるのではではないかと考えますがいかがですか。
(5)また、県の地球温暖化防止戦略と逆行するものであると考えますが、お伺いします。
以上で質問と致します。
答 弁
一、雇用問題について
知事
雇用対策につきましては、知事就任以来、雇用機会の増大等による地域経済の活性化を目的に、私自らが営業本部長として積極的な企業誘致に取り組み、一定の成果があったものと考えております。
しかしながら、現在の雇用情勢は、アメリカ発金融不安に端を発する経済不況により、輸出関連企業を中心に大きな影響を受け、非正規労働者の大量雇い止めなど、非常に厳しい情勢であり、今後、いっそう厳しさが増すものと懸念しております。
このような状況の中、11月末に私を本部長とする「緊急経済・雇用対策本部会議」を開催し、中小企業や離職者・新規高卒者に対する支援など全庁的に取り組んでいるところであります。
今後とも、離職者に対する再就職支援対策と未内定者ゼロをめざす新規高卒者対策を柱に、企業や商工団体に対する雇用維持や求人の要請など、国や関係機関との連携のもと、雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
商工労働部長
非正規雇用者の雇い止め等につきましては、厚生労働省調査によれば、11月25日現在で、来年3月までに全国で3万67人、県内で790人となっております。
また、就職内定取り消しについては、全国で331人、県内で3人となっております。
今後の見通しとしては、雇用情勢が一段と厳しさが増すものと考えております。
次に、企業に対する雇用維持の要請につきましては、雇用情勢が一段と厳しさを増していることから、企業の雇用調整の動向を注視し、国と連携しながら、知事をはじめ、あらゆる機会をとらえて関係団体や企業に対する要請を行うなど雇い止め等の動きに速やかに対応し、雇用の維持に努めてまいりたいと考えております。
次に、離職者のための臨時の就労の場の確保につきましては、雇用情勢が厳しさが増す中、国において、離職者の再就職支援対策が検討されていることから、県といたしましても、その対策が実効あるものとなるよう、国に対して、要望してまいりたいと考えております。
次に、離職者支援貸付制度につきましては、「求職者緊急支援資金」を設けておりますが、ここ数年、比較的雇用情勢が安定していたこともあって、利用率が低くなっているものと思われます。
現下の厳しい雇用情勢にあって、今後は、利用者も増加するものと考えておりますが、より利用しやすい資金となるよう金融機関と協議をするとともに、さらなる周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、離職者の住宅確保支援につきましては、国において、いわゆるフリーター等不安定就労者に対する民間住宅入居の初期費用等を貸与する制度が設けられております。
また、県といたしましては、金銭支援制度として求職者緊急支援資金がありますので、これらの制度を十分周知するとともに、その活用により、離職者の生活支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、雇用問題に関する相談窓口につきましては、中小企業労働相談所を県庁内に設置し、フリーダイヤルによる電話相談に応じているところでありますが、雇用情勢が一段と厳しくなることをふまえ、窓口の周知広報による利用促進を図るとともに、国や市町村、関係団体と連携することにより、相談窓口の充実に努めてまいりたいと考えております。
二、県民のくらしを守ることについて
保健福祉部長
子どものいる世帯に対する資格証明書の交付につきましては、これまでも市町村に対して機械的に交付することなく、保険料滞納者との接触の機会を確保し納付相談を行うなど、きめ細かな対応を行うよう助言してまいりました。
今般、子どもが医療を受ける必要が生じた場合、緊急的に短期被保険証を交付することなどについて国から通知があり、県といたしましては、この通知の趣旨を市町村に改めて徹底してまいりたいと考えております。
教育長
県立高等学校の需用費、備品購入費、実験実習費につきましては、平成20年度予算において、極めて厳しい財政状況をふまえ、これまで以上に、前例にとらわれることなく歳出を見直し、年度間の見通しに立った予算編成を行ったところでありますが、燃料費については、原油高騰に対応するため、今議会において、増額するための補正予算をお願いしているところであります。
来年度につきましては、さらに厳しい財政状況が見込まれますが、学校の実情を的確に把握し、事業の必要性、緊急性等を十分に検討し、必要な予算の確保に努めてまいる考えであります。
次に、就学援助制度につきましては、学校教育法に基づき、市町村が、経済的理由によって就学困難と認められる児童・生徒の保護者への支援を行うものであることから、保護者や教職員に対して十分な周知が図られているものであると考えております。
なお、県教育委員会といたしましても、教職員への研修等の機会を通じてさらに制度の理解を深めるよう努めてまいる考えであります。
次に、準要保護者の認定基準につきましては、学校教育法に基づき、援助の実施主体である市町村が定めるものであり、それぞれの市町村が、国の技術的な助言を参考にしながら、保護者の経済的状況のほか、児童生徒の日常の生活状況や家庭の諸事情等に応じて、判断できる基準を定めているところであります。
なお、具体的認定に当たっては、より実情に即し、適切に行うよう努めているものと考えております。
保健福祉部長
妊婦健康診査促進事業につきましては、多子世帯の経済的負担の軽減を図る目的で第3子以降を対象に実施しておりますが、本年10月に決定された国の追加経済対策において、全妊婦を対象に妊婦健康診査で望ましいとされる回数、14回程度を公費負担とすることが盛り込まれました。
このため、県といたしましては、今後の国の動向等を注視してまいりたいと考えております。
次に、乳幼児医療費助成事業につきましては、現在就学前まで助成する制度を設けておりますが、対象年齢を引き上げ、さらなる医療費負担の軽減を全市町村で実施するためには、県負担減少分に加えて十分な財源措置が必要であると考えております。
このため、医療保険制度において、給付割合及び対象年齢のさらなる拡充を行うとともに、自己負担については、国が助成を行う制度を創設するよう各県等と連携しながら引き続き国に対し、要望してまいる考えであります。
土木部長
県営住宅家賃の減免につきましては、収入が著しく低額であるときや病気にかかっているときなど、収入が基準額を下回った場合に入居者の家賃負担の軽減を図っているところであります。
今後とも、入居時の説明会や毎年の家賃更新時等において制度の周知に努め、低額所得者の居住の安定を図ってまいる考えであります。
次に、生活保護世帯の県営住宅家賃の納入につきましては、住宅扶助費が支給されていることから、県営住宅が所在する市の福祉事務所と連携して家賃の滞納防止に努めているところであります。
特に、福祉事務所が被保護者に代わり家賃を納付する代理納付制度は、家賃滞納防止に有効であることから、その実施について引き続き関係市へ働きかけてまいる考えであります。
三、小名浜港東港について
土木部長
小名浜港東港の管理運営につきましては、本年6月の港湾法の改正にともない、公共埠頭の民間事業者への貸付制度と整備に対する補助制度が創設されたところであり、県といたしましては、効率的な埠頭運営の観点から、想定する民間事業者や制度の周知の範囲について国や市など関係機関と協議を行い、スケジュールも含め検討をすすめているところであります。
次に、民間事業者による埠頭の管理運営につきましては、港湾管理者が港湾法第54条の3の規定に基づき、公共性の確保などの認定要件に該当する場合に国の同意を受けるなどして貸し付けを行うものであり、その要件を欠くに至ったと認められるときには認定を取り消すことができることから、公共性が担保されるものと考えております。
次に、(仮称)東港大橋につきましては、橋りょうの桁下が海面から25メートルの高さとなっており、これを超える船舶の接岸場所や航路については、平成15年策定の港湾計画において、既存埠頭への接岸や航路の改良により航路等に影響のないよう計画しております。
今後とも、利便性が向上するよう、関係機関等と十分協議をしてまいる考えであります。
次に、小名浜港東港につきましては、経済のグローバル化が進む中、活力ある産業の育成と県内企業の競争力向上を図るため、鉱産品等工業原材料はもとより、外貿コンテナ等の多様な貨物需要に対応した国際物流拠点としての機能強化に向けて、今後とも、国と連携しながら、整備を推進してまいる考えであります。
次に、小名浜港東港建設につきましては、船舶の大型化や石炭等鉱産品を中心に取扱貨物量の増加が見込まれ、既存埠頭では対応が困難になることから、国と調整を図りながら、国際物流拠点として整備を進めてまいる考えであります。
再質問
知事に対してですが、雇用問題での企業に対しての申し入れですが、雇用期間がまだあるのに雇い止めをしていることで法律違反と裁判も起こされていますが、私どもが調査したところでは、雇用期間が残っていたところをむりやり自主的に辞めたよう、一筆書かされたというところもあります。
4日、私どもは私どもの緊急雇用対策本部で福島労働局と懇談をしました。労働局は「景気対策というのなら、まず雇用の確保こそ必要、派遣の中の中途解約は深刻であり、派遣元に対する指導が必要、県と協力してすすめたい」と答えました。知事自らが行動を起こすことは、大きなインパクトになり、働く人を励まし、支援することになると思います。地方から雇用悪化と景気悪化の悪循環を断ち切る行動につながって行くと思います。労働局もこのように言っておりますので、早急に知事の企業訪問を求めたいと思いますが、再度質問したいと思います。
商工労働部長に対してですが、聞き取りの実態でこのようなことがありました。20代の人です。派遣、期間工、派遣と同じ大手自動車会社の同じ職場で8年間働いて雇い止めになった人です。法の網の目をくぐるためにこのような形態がとられていました。その間、正社員になりたいと別の会社の正社員に受かって、派遣を辞めると言ったら、そのころは景気がよかったわけです。そしたら、「正社員にしてやるから辞めないでくれ」ということで働き続けた。そしたら結局、派遣のままで首を切られたとこういう話でした。仕事を失ったあと5、6社受けたが全部だめで、小さい子が2人いるので健康保険に入ろうと思っているが、国保は高いと聞いていて、保育料も高くて困った。
それから青年のみなさんが「カニコー署名」というのを集めて、738人分今議会に提出されました。雇用を守る緊急対策を求める意見書をあげてほしいということです。いのちまで脅かされるひどい労働条件で働かせられていた労働者が立ち上がることを書いた小説「蟹工船」に名前をとったようですが、ハローワークの前、それから街頭などで署名を集めて、様々な声を聞いたそうです。集め始めて3ヶ月といいますが、3ヶ月前と全然違うようになったと、2週間の間でも違うようになったと、刻々と声が変化しているというわけですね。いまは「今度は俺か」と正社員も不安になっているという、そういう声が出ているわけです。
県の対策本部は、こういう刻々と変わる雇用情勢、労働者の実態を具体的にどのようにつかもうとしているのか、おたずねしたいと思います。
同じく商工労働部長にですが、雇用問題で離職者支援貸付制度ですが、実績を見てみますと18年度6件で460万円、19年度1件で100万円、20年度1件で50万円。負債率30%以下というのが、私はネックになっているのではないかと思います。車のローンなどでこれくらいの借金は誰にでもありますから、使えないわけですね。年末になっておりますし、ぜひ実効あるものにしてほしいと思いますが、具体的にどのようにして借りやすいようにしようとしているのか、また、周知徹底は具体的にどのようにするのかお答えいただきたいと思います。
それから就学援助制度ですが、民生委員の助言を求めることができるという法律施行令は、2005年度にはずされましたが、まだ申請要件にしている市町村もあります。民生委員の方もいろいろでありまして、個人の主観で判断されて受けられないという声も出されてきています。基準を示すことで、このような問題もクリアできると思いますがいかがでしょうか。教育長にお答えいただきたいと思います。
知事
今回の雇用情勢については、私も厳しい状況であると認識をしております。そういうふうな中で、県としてもこの間、対策本部を設けて県のできる限りのことはしていこうと。それと同時に、いま国もこのような状況の中で様々な対策を考えておりますので、国とも連携をとりながら万全をつくしていきたいと思っております。
商工労働部長
刻々変わる雇用情勢について、どのようにどのように把握しているんだというおただしかと思いますが、まさしく議員おっしゃるように雇用情勢は刻々変わっていきます。そういう意味で現場の声をできるだけ把握する必要があるだろうということで、企業に対していろいろ聞き取りをしたり、関係団体から聞き取りをしたり、それから労働団体からいろいろ要望等もございますから、そういう中で把握したり、できるだけ生の情報を適宜適切に把握していきたいと考えております。
貸付制度の借り手が使いやすくするためにどういう改正をするかという話でありますが、確かにいまの利用状況を見ますと議員のおっしゃるとおりであります。ただ、景気が落ち込んでいて雇用情勢が非常に厳しかった14年15年はそれなりに利用されていたという実績もあります。そういう意味でこれから非常に厳しい雇用情勢でありますから、先ほどいったように刻々変わるということもありますので、これから利用されていくと思いますが、いま議論されているのは、今1.2%の金利になっているわけですが、そういうものをできるだけ下げられないかというような議論をしているところであります。
それから広報についてでありますが、県の広報にはいろいろあります。そういうものを使ったり、企業等に対してもいろいろ話を聞いたりということもありますので、そういうものを通しながら、制度の広報をしていきたいと思っているところであります。
教育長
県内の市町村では、民生委員が全く関与していないというところもあるわけですが、ご指摘のように関与しているところもあるという実質は確認しておりますが、それぞれの市町村が、それぞれの事情に応じて設けている制度だと理解をしております。
再々質問
子どもの保険証の資格証の問題ですが、機械的な取り上げをしないように交付するように助言してきたということなんですが、助言してきたことが功を奏することなく6百数十人の子どもたちの保険証がなかったわけですね。功を奏さなかったわけですね。それから医療を受けることが生じた場合とありますから、だからなければ我慢する。よくよくじゃあないと行かないんですね。だからそういうふうなことを考えれば、県がリーダーシップをはかるということが必要だと思うんですよ。助言したことが功を奏しなかった。そして医療を受けることが生じた場合というふうなことをやっぱりクリアでるような対応をしてほしいと思いますが、保健福祉部長の答弁をお願いいたします。
東港問題なんですが、民間委託はスケジュール、あるいはどのくらいのところに周知徹底かということについても検討中ということなんですが、検討中が具体的になるのはいつ頃かお知らせ下さい。
橋の高さの問題ですが、影響がないように考慮するということなんですが、これも具体的にお示しいただきたいと思います。
それから教育長にですが、県が予算を削れば現場はやりくりをせざるを得ないくて、限界が来ているので結局、保護者負担になっていくという事態になっております。私が今回質問の流れとして、厳しい子育てをしている保護者の状態が景気の悪化で収入が減っていると、でも県が減ればやむにやまれぬ最低限のことは父母負担になっていく、こういう2重の問題が出てきていると。今の情勢の中で。だから、そこを考慮して最低限本当に今の教育予算の削減の状況ですね、問題にしているわけなので、今の父母をめぐるそういう状況との関係でぜひこれを考えていただきたいと思いますが、再度答弁をしていただきたいと思います。
保健福祉部長
資格証明書につきましては、県はあくまでも市町村に対して速やかなおかつ柔軟な対応をするようにと助言をしてまいったわけでありますが、その助言をふまえまして資格証明書を交付するかどうか、判断するのはそれぞれの世帯の特殊状況に応じまして保険者であります市町村が自らの判断で行うべきものであるというふうに考えております。
土木部長
小名浜港東港におきます民間管理についてのおただしでございますが、現在先ほど申し上げましたように民間業者の範囲、それから検討スケジュールといったことにつきまして国あるいは市含めまして検討をすすめているところでございますが、早期に方向性を出すようすすめていきたいと考えております。
小名浜港の上にかかります(仮称)東港大橋につきまして橋の高さが海面から25メートルということでございます。これにつきましては、これを超える船舶につきましても、接岸等につきましても、いま地元市でも動いているところがありますが、これにつきましても平成15年策定の港湾計画自体におきましても既存埠頭への接岸につきましても、あるいは航路の解除というのは漁船等が大型化して行った場合に漁港区の船舶に航路がございます。これの解除について検討していくということを考えておりまして、これらにつきましては、利用が予定されております船舶の諸現等(しょげんとう)を検証しながら関係機関と検討してまいりたいと考えております。
教育長
先ほどもお答え申し上げましたような考え方に基づきまして、必要な予算の確保を図った上で、負担区分を明確にしながら適切な予算執行に努めてまいりたいと考えております。
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