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12月定例県議会・反対討論
藤川淑子

 日本共産党の藤川淑子です。
 採決にさきだち、議案第1号 平成20年度福島県一般会計補正予算(第2号)、議案第10号福島県救護施設条例および福島県救護施設使用料条例を廃止する条例、議案第13号福島県総合社会福祉施設太陽の国の条例の一部を改正する条例、議案第15号福島県県営住宅等条例の一部を改正する条例、議案第18号職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、議案第20号福島県市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、議案第54号県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加及び一部変更についての各議案に、反対の立場で討論いたします。
 まず、はじめに、議案第1号、平成20年度福島県一般会計補正予算(第2号)についてです。この予算は、総額16億2200万円の減額予算です。
不足していた教育予算の中で、教員引率費や燃料費の増額補正および、福祉灯油事業に、実質的な生活保護世帯を加えるなど、評価できる補正がなされているものの、小名浜港東港地区整備事業の増額補正が含まれています。
 急激な失業の増大は、県内で3000人近くの雇い止めとの報道もあり、さらに、中小企業の営業不安が拡がり、各議員からも県民支援を求める意見が出されましたが、緊急に予算を確保する対応が急がれます。
 そんななか、小名浜港「東港地区」整備事業には、今年度当初予算で、昨年度の約2倍の予算がつぎ込まれ、9月議会で、1億2千6百万円の、今議会で、さらに2億5千万円の増額補正です。今年度事業費総額は、45億9千7百万円で、県費負担は23億6千100万円にものぼり、昨年度の2.5倍という突出した予算額です。
 これは、小名浜港「東港地区」整備事業を進めてきた、この15年間で、最大規模の単年度予算額となっています。
 私どもは、かねてから、この事業の採算性に疑問を持ち、無駄な大型事業であることを指摘してまいりました。日本の港湾の状況をみると、全国128ある「重要港湾」のうち、施設使用料などの収入で維持管理費を賄えない「赤字」の港が半分近くの58に及んでいます。
 港の収支は、施設利用料や水域占用料の収入に対し、人件費や維持管理補修費、災害復旧費などの支出がかかり、さらに防波堤建設やしゅんせつ費などを見込むと、収入で賄える港湾は一つもないという状況があります。差額はすべて税金で穴埋めをしているのが現状です。そんな中、国土交通省は今年度「臨海部産業エリアの形成制度」を立ち上げ、大型の公共埠頭を、民間事業者に、一体的に貸し付けることを可能にしました。

 小名浜港「東港地区」多目的国際ターミナルについても、民間企業による埠頭管理を推進する方向ですが、このことは、採算性の低い無駄な大型事業に県民の税金をつぎ込み、県民の公共財産である公共性の高い埠頭を、民間企業に専用させるという重大問題です。埠頭の完成前から民間委託方針を推進するなど、県民の理解を得ることはできないと考えます。
 さらに、この議案には、先の臨時議会で指摘した期末手当削減の職員給与改定が含まれています。県職員の給与改定は、市町村職員や民間労働者にも影響を与え地域経済への波及効果が大きいだけに、期末手当削減の実施を盛り込んだ予算には賛成できません。
 議案第10号と13号は、福島県喜多方しののめ荘と、福島県太陽の国「からまつ荘」を来年から、県の管理をやめて、民間移譲する条例です。これにより、県営の救護施設はすべて民間移譲になります。
 救護施設は、生活保護法による施設であり、身体的または精神的に著しい障害があり、日常生活に困難な要保護者にたいし、憲法の精神にもとづき、基本的人権と健康で文化的な生活を保障すると同時に、その人らしい生活を支援する目的でつくられています。
 民間移譲の理由として「公の役割を終えた」との説明がなされていますが、設置目的から考えれば、行政こそが責任を負うべき施設であり、極めて公共性の高い事業であり、県民から求められている施設です。
 しののめ荘には現在49人が入所しており、そのうち36人は60歳以上、最高齢は84歳です。からまつ荘には150人の入所者がいます。この不況の中、民間福祉施設の倒産もめずらしくありません。安易な民間移譲は利用者に大きな不安を与えるものであり、実施すべきではありません。
 次に、議案第15号福島県県営住宅等条例の一部を改正する条例についてです。この条例は、国土交通省が家賃の値上げ、入居制限の強化を盛り込んだ公営住宅法施行(しこう)令の改定に伴い、5年かけて段階的にそれを実施する条例改定です。
 県営住宅に入居申し込み可能な収入基準の上限を、現行の月額20万円から15万8000円に引き下げ、「高額所得者」などといいながら、住宅の明け渡しを迫るものです。県内では600世帯が、住宅の明け渡しを迫られることとなります。
 さらに、家賃改定で入居者の20%が、平均で月額2500円の家賃値上げになり、最も値上げになる人は月額8000円も上がります。不況が進む中、一層滞納者が増える心配があります。
 そもそも、公営住宅は、国と地方自治体が協力して健康で文化的な生活を営むための住宅を整備し、住宅に困窮する低所得者に対し、低廉な家賃で賃貸することを目的としています。今回の改定はこの目的から逸脱し、県民から公営住宅の入居を大幅に制限するとともに、家賃値上げの負担増を押し付け、滞納による住宅追い出しを加速させる条例改定であり、このような改定はやめるべきと考えます。
 教員給与の見直しについては、教員の引率旅費などの教員特殊手当の引き上げは評価できるものの、一方で、議案第18号、20号で、市町村立学校の義務教育教員などの特別手当を引き下げ、今年の10月に遡及する減額補正です。
 これは、教員に優れた人材を確保し、義務教育水準の向上を図るとする人材確保法の精神に反するものであり、賛成できません。
 また、議案第54号は、県が行う建設事業に対し市町村の追加負担を求めるものであるため、賛成できません。
 以上、反対の意見を申し述べ、私の討論といたします。



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