・一般質問
・答弁
・再質問
・答弁
・再々質問
日本共産党の宮川えみ子です。質問の第一は
一、地域医療問題についてです。
知事は、今議会の提案要旨説明で「安全・安心が支える住み心地の良い県づくり」を県政の柱のひとつとしましたが、そのもっとも基本になる地域医療が脅かされています。国の新自由主義「構造改革」のもとで、大企業の国際競争力の強化を理由に、人件費・税・社会保障費の極端な負担減が行われ、一方国民には、福祉予算の大幅削減や負担増などの政治が続けられてきた結果です。
地域医療問題は全国いたるところでその矛盾が噴出し、「医療を守れ」の運動も全国各地でおきているところです。
1、国の示す「公立病院改革ガイドライン」についてお伺いします。
2007年12月24日、総務省に設置された公立病院改革懇談会は、自治体病院が行っている病院事業の経営効率化を求める「公立病院改革ガイドライン」を取りまとめました。同時に総務省は各自治体に対し、08年度中に「ガイドライン」を活用した「公立病院改革プラン」の策定を求める通知を出しました。「改革プラン」は「ガイドライン」が提起している、○経営効率化○病院機能の再編とネットワーク化○経営形態の見直しの「三つの視点」で、具体的計画、または、どのように計画を策定していくかの検討・協議にかかるスケジュール・方向性を提示させるものです。この「ガイドライン」は、都道府県立、自治体組合立の自治体病院の再編・縮小・廃止を推進して、国と地方の財政支出を減らすことを目指すものです。
総務省は、この「改革プラン」を、今年3月までに策定することを求めていますが、さる、2月20日、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が予算委員会で、ガイドラインの押し付けは歴史的・地理的・経済的条件がそれぞれ違う自治体が無理な計画を作ることになるとして質問したところ、鳩山総務大臣は「ガイドラインは地方自治法上は、技術的な助言。単なる指針」とのべています。
「公立病院改革ガイドライン」の策定・推進は「構造改革」路線を推進する「骨太方針」・国と地方で毎年2200億円の社会保障費削減の一環で、国民からすでにノーの審判を受けているものです。
改革プラン作成に当たり、国が示す「ガイドライン」については、無理に当てはめることのないようにすべきと思いますがいかがですかお伺いします。
自治体が病院を開設している理由は、一言でいえば「憲法25条に規定される国民の生存権や医療におけるナショナルミニマムの保障」ということになると思います。全国自治体病院協議会は、自治体病院の果たさなければならない役割を、民間では取り組むことが困難な不採算医療、へき地・救急・特殊・政策的医療などとしています。
今、自治体病院は社会保障費の抑制・地方交付税の削減・医師不足という三重苦を押し付けられ、その存在を維持することさえ困難な状況に陥っています。
特に医師不足は国の医療費抑制政策により、削減に転じた20年間で1万5000人の養成が見送られました。OECD・経済協力開発機構加盟国の人口10万人当たりの医師数は30か国中27番目です。日本で一番医師の多い東京でさえOECDの平均に達していません。加えて、地域偏在・診療科偏在・勤務形態偏在が問題を一層深刻にしています。
国は、医学部入学定員の若干の増を認めたもの、根本的問題に手を触れず、県内の地域医療を深刻にしています。県内の病院に対する対応について以下質問します。
2、県立大野病院を双葉厚生病院に移譲する問題についてです。
浜通りの医療は阿武隈山系があり、山越えより南北で支えあう医療連携が基本になっています。しかし、浜通りの医療は危機的状況で、いわき市の共立病院もいつ破たんしてもおかしくない状況ですし、南相馬市立病院も緊急事態宣言です。
日本全体の医師数はそれでも、ここ10年で10%増えていて、福島県でも少しは増えています。ところが、いわき・相馬・南会津地区は逆に減っていて、その中でも双葉郡は、4〜6割程度しか地元の医療機関にかかれないという深刻な事態です。
(1)双葉郡の医療が危機的状況になった要因をどのように見ていますか。
(2)県立大野病院を双葉厚生病院に移譲する事を検討しているようですが、この事によって医師不足問題は改善するのか、また、医大からの医師派遣が今までのようにできるのかお伺いします。
(3)被ばく医療が後退することがないか、お伺いします。
(4)県立大野病院と双葉厚生病院を合わせたからと言って問題が前進するとは限りません。ましてや、県立大野病院を双葉厚生病院に移譲する事になれば、県としてのこの地域の医療の責任を放棄することにつながりかねないと考えますがいかがでしょうか。
(5)県は、今後地元自治体や関係機関・団体等の意見も聞きながら進めるといいますが、双葉町の町長は大野病院を双葉厚生病院に移譲することに反対する意思を示し、また、「双葉厚生病院の存続を守る会」は、厚生病院の機能強化と地域医療の充実を求める署名4533人分を議会に提出しました。
地元との意見交換をどのように考えていますかお伺いします。
(6)方向性を今年度中に出す事に無理があると思いますがいかがですか、お伺いします。
3、社会保険二本松病院の公的機関としての存続問題についてです。
社会保険二本松病院は、1963年(昭和38年)に、当時の厚生省によって、中小企業で働く人や地域住民の拠点病院として設立され、二本松とその周辺地域の中核病院として役割を果たしています。100人を超える人工透析患者、二本松で唯一「出産できる」病院、研修医・助産学会の実習受け入れも行っています。ところが、昨年9月、厚生労働省は全国53の社会保険病院と10の厚生年金病院を、社会保険庁の分割・解体に際し、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構・RFO」に移管しました。RFOは「施設の売却」のために5年間の期限で設置されたもので、二本松病院も、民間への売却となれば、税の優遇措置もなくなり不採算部門の切り捨て、そして、地域医療に責任を持つ立場が困難になると考えます。
(1)地域医療としての、二本松病院の役割をどのように考えていますか。
(2)社会保険庁は2月2日、小池晃参議院議員に対して、社会保険病院と厚生年金 病院について、どの病院も地域医療に必要な病院であり、病院維持・存続の方向で検討している、との態度を明らかにしました。全国各地の切実な運動の反映です。
二本松病院も、国の公的医療機関として残してほしいと、地域全体を巻き込む運動になっており、2万人の署名を添えて、意見書が提出されています。
県も住民の立場に立って、公的機関としての存続を国に求めるべきと思いますがいかがですか、お伺いします。
4、次に、自治医大卒の医師の定着についてですが、
地域医療を守る基本は、何といっても医師の確保です。自治医大からの医師で義務年限終了後も県内で診療にあたっていただくことは大変重要です。ところが県内定着率は減ってきています。福島県の定着率が低い理由と、今後、定着率を向上させるための対策をどのように考えていますかお伺いします。
二、次に県の地球温暖化対策についてお伺いします。
一昨年のIPCC総会統合報告(07.11.17)では、「温暖化が広範囲にわたる回復不可能な結果をもたらす恐れがある」「今後20年〜30年の削減努力と投資が長期的なリスクの低減、回避、遅延をかなりの割合で決定づける」と地球温暖化への対応を強くせまっています。
地球温暖化対策は、人類の生存に直接かかわる課題であり、「やれるだけやればいい」というものではなく、「なんとしてもやり遂げる」課題であるとの認識が求められています。
こうした認識に立って、福島県の実態を見るとどうでしょうか。
今年の1月16日に発表された福島県の温室効果ガスの排出量は、06年で2,134万2千トン、90年比で23.5%の増加となっております。前年比で3.7%減少しましたが、日本全体の排出増6.2%の3.79倍という異常な数値を示しています。
福島県で温暖化対策を促進するためには、異常な増加となっている原因を明確にして対策をとることが必要です。
福島県は90年以降、6基の石炭火発を新設し、さらに昨年は広野火発の増設工事が開始されるなど、排出係数が液化天然ガスの約2倍の石炭火発を次々と増設しています。福島県の石炭火発を含む発電所全体の直接排出量は、3,934万トン(全国地球温暖化防止活動推進センターホームページより)で全国第3位、福島県の電力配分後の排出量(間接排出量)の約1.7倍にもなっています。
県の削減目標である8%をやりあげるには、県として電力業界に石炭から液化天然ガスへのエネルギー転換を図り、排出量総量で削減を迫るべきです。電力分野の排出削減対策つまり、排出係数の少ない燃料使用は、他分野の排出にも影響を与え、全体排出量の削減を左右するものです。このことなしに削減目標を達成する道は開けないと考えます。
質問ですが、
1、県の「地球温暖化防止の環境・エネルギー戦略」(以下「戦略」)との関係で、温暖化対策のためには、これ以上の石炭火発の新増設は認めず、既設の石炭火発の液化天然ガスへの燃料転換を図ることが不可欠と思いますが、県の見解を示してください。
2、東京都ではこの間、自主的な取り組みでは、温室効果ガスの削減はできないとの結論の中で、2010年度から削減の義務を課せる制度をスタートさせます。
8割を占める公共部門、産業部門での削減を成し遂げるために、ヨーロッパなどで効果を挙げている企業との間で、削減目標協定を結び義務化することが必要です。東京都に続き、県として事業所との温室効果ガスの削減協定を結ぶことに踏み切るべきと考えますが、県の考えをお示し下さい。
3、同時に、省エネ推進の県民運動とともに、代替エネルギーとなる再生可能な新エネルギーの普及を強力に進めることが必要です。今まで「原発評価論」が新エネルギー推進の真剣な努力を回避する口実にされてきました。地震頻発の時代、技術未確立の不安定な電源・原発とそれを補完する形の火力発電頼みでは、新エネルギー対策が進まないのは当然です。
県の「新エネルギービジョン」では、新エネルギーを2010年度で3.4%(県内最終エネルギー消費量比)を目標とするささやかなもので、2006年度の実績からみれば、わずか0、4%増やすだけです。
日本共産党は「地球温暖化の抑制に、日本の果たすべき国際的責任ついて」
を発表し、その中で、EUが2020年までに一次エネルギーの20%を自然エネルギーでまかなう目標であり、日本だけがわずか2%(大規模発電分3%を除く)であること、ヨーロッパ並みに目標を設定し取り組むことを求めています。
福島県の経済活性化・雇用対策としても注目されている、太陽光発電、風力発電、小水力発電などの新エネルギーの大胆な普及目標として、2030年までに目標値を20%とし、その実現を目指すための補助制度の創設などの経済的手法を県としてとることが必要です。
新エネルギー導入目標の積極的な見直しと普及促進のための経済的手法の具体化について、県の見解をお示し下さい。
4、本県の「戦略」の2010年までに達成すべき削減目標は90年比で8%です。06年の排出量からすると31.5%の温室効果ガス削減が必要となりますが、今の取り組みで達成の見込みはどうですか、お伺いします。
三、産業廃棄物最終処分場問題についてお伺いします。
1、いわき市の株式会社・山一商事(21世紀の森)の産業廃棄物最終処分場問題についてです。
いわき市内郷に山一商事が計画する管理型処分場(21世紀の森処分場)は計画面積が20万平方メートル・処分場面積が7万9千平方メートルで、住宅団地・病院・学校などのあるいわき市の真っただ中の山林です。環境汚染を心配する住民の反対運動が10数年前からあり、反対署名もいわき市の人口の半数を超える18万人に上っています。いわき市はこうした経過を受けて、騒音や交通障害の恐れ・地下に炭鉱の坑道跡があり、災害による被害の恐れ・温泉の汚染・貴重な動植物の生息が担保されない恐れなどを理由に処分場建設を不許可としています。県も市の不許可決定を追認しています。ところが環境省は2月2日に県の採決を取り消す判断を示しました。しかし、この決定は施設の排水について、市の下水道接続の同意を条件にしています。これは重大なことです。処分場の排水について、市は「下水道法で定めるケースに当たらない」として、接続を認める考えがないことを示しています。
今の処分場計画では、排水は市の下水道に接続することとされていましたが、これが認められないとなれば、反対側の滑津川に放流される恐れがあります。そうなれば、滑津川の汚染が心配され、さらには農作物への直接影響や風評被害が懸念されます。
(1)処分場の排水が、滑津川に流されることはないのでしょうか。
(2)国は、いわき市の下水道に接続の許可がなければ施設の使用は出来ないといいますが、県は採決にあたって、事業者の立場に立つのではなく、市民の反対の声を尊重すべきと思いますがいかがですかお伺いします。
2、南相馬市大みか地区の産業廃棄物最終処分場の許可取り消しについてです。
南相馬市、大みか地区に建設予定の産廃処分場は、平成10年3月31日に県が設置許可を出しました。
しかし、設置業者の国税滞納や度重なる役員変更の有効性などに疑問を抱く多くの市民や市議会から、設置許可の見直しをもとめる要請が出されています。
2007年9月には、産廃処分場の設置予定地域内の土地所有者から、土地の譲渡がないことから提訴され、このほど、訴訟代理人である設置業者の弁護士が脱税で逮捕されるに至りました。これを重くみた南相馬市からも、設置許可について厳正なる審査を求める要請が提出されているところです。
質問ですが、
(1)「産業廃棄物処理施設設置予定地内に所在する賃借地(ちんしゃくち)の所有者が埋め立て終了後も処分場の設置者と連帯保証責任を負うこと等を記載した誓約書」が未提出ですが、このことは、設置許可の取り消し要件に該当しないのでしょうか。
(2)また、事業者の資金調達能力に疑問が出されています。国税滞納は解消されたのでしょうか。
(3)さらに、設置業者と深くかかわりあっている弁護士が東京地検特捜部に法人税法違反の疑いで逮捕されていますが、事業者の欠格要件に該当するものと考えますが、いかがでしょうか。
(4)住民も、市議会も県の許可について見直しを求めています。この声に、県は許可権者として真摯に対応すべきだと思います。ご見解をお聞かせくだい。
答弁
1.地域医療問題について
病院局長
改革プランにつきましては、医師不足の中、公立病院が今後も地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくための見直しを求める公立病院改革ガイドラインの趣旨を踏まえて策定することとされております。
県立病院の改革プランにつきましても、このような観点から策定することとしており、各地域の実情に応じて県立病院の在り方をあらためて明確にするとともに、経営改善に向けた収支目標と改善方策を盛り込むこととしております。
保健福祉部長
双葉郡の医療につきましては、救急搬送患者の約4割が管外の地域へ搬送されるなど医療機能を十分に発揮できない厳しい状況にありますが、その要因は、主として、医師の絶対数の不足や、県内における地域や診療科間の偏在によるものと考えております。
病院局長
県立大野病院と双葉厚生病院につきましては、双葉地域の安定的な医療確保に向けて、統合の方向で検討しておりますが、医師確保につきましては、県立医科大学との連携を一層強化するとともに、限られた医療資源を十分に活用し、診療体制の強化や勤務条件の改善など、医師にとって魅力的な環境整備を行うことにより、医師の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、被ばく医療につきましては、大野病院、双葉厚生病院ともに、初期被ばく医療機関として指定を受けておりますが、救急医療や感染症医療とともに、双葉地域において重要であることから、引き続き県が責任を持って確保していく考えであります。
次に、双葉地域の医療につきましては、全国的に医師が不足する中で、大野病院、双葉厚生病院ともに医師の確保が厳しい状況にあることから、医師の相互応援を行うなど、連携して診療機能の維持に努めておりますが、さらに、限られた医療資源を有効に活用し、双葉地域の安定的な医療確保を図るため、両病院の統合の方向で検討しており、今後、地元自治体や関係機関等の御意見をお聴きしながら、双葉地域の医療が安定的かつ継続的に提供できる体制の構築を図ってまいる考えであります。
次に、地元自治体等との意見交換につきましては、県と福島県厚生農業協同組合連合会との協議を踏まえ、双葉地域の医療の現状や課題及び検討内容について地元自治体等に説明し、御意見を伺っているところであり、今後も双葉地域の医療体制の確保に向けて、地元自治体や関係機関等と意見交換を行ってまいる考えであります。
次に、方向性につきましては、双葉地域において医療の安定的な確保が課題であることから、地元自治体や関係機関等に対して丁寧に説明を行い、御意見を伺いながら、検討を進めていくことが肝要であり、今後も意見交換を行い、整理してまいる考えであります。
保健福祉部長
二本松病院につきましては、救急病院の認定を受け、二次救急医療をになっているほか、産科医療が厳しい状況にある中で、出産を取り扱っている病院であるとともに、約100名の人工透析治療を行うなど、地域において大きな役割を果たしているものと認識しております。
次に、公的機関としての存続につきましては、これまでも、社会保険病院の見直しにあたっては、地域医療を確保する観点から、地域関係者に対する事前の情報提供と地域の実情を踏まえた十分な協議を行うとともに、地域の医療水準の低下を招かないよう国へ求めてきたところであり、今後とも、引き続き、国へ働きかけてまいりたいと考えております。
次に、自治医科大学卒医師の県内定着につきましては、同大学が隣県の栃木県にあり、従来から卒業後も研修等での結びつきが強く、義務年限終了後に同大学またはその付属病院に戻るなどにより、低い定着率になっているものと考えております。
県といたしましては、本県に勤務する義務年限内の同大学卒医師と意見交換を行い、その意向を十分に踏まえ、研修機会の充実や処遇の向上を図るとともに、義務年限終了後も引き続き県内の自治体病院等に勤務する場合に研修・研究資金を貸与する制度を創設するなど、県内定着の向上に向け取り組んでまいる考えであります。
2.県の地球温暖化対策について
生活環境部長
石炭火力発電所につきましては、電気事業連合会の自主行動計画である「電気事業における環境行動計画」において、火力発電の熱効率の更なる向上、再生可能エネルギーの利用拡大、京都メカニズムの活用などにより、平成20年度から24年度における二酸化炭素排出原単位を平成2年度の実績から、平均で20%低減するよう努めることとされており、国による厳格なフォローアップの下、適切な対応がなされるものと考えております。
次に、事業所との温室効果ガスの削減協定につきましては、一定規模以上の事業者は、省エネルギー法及び温暖化対策法による温室効果ガスの排出量報告の義務や、所属する業界団体の自主行動計画において、温室効果ガスの低減に努めることとされており、この中で、所定の削減が図られるものと考えております。
県といたしましては、実効ある温室効果ガス削減を推進するため、エネルギー事業者や、製造事業者、有識者等で構成する検討会を立ち上げ、本県の温室効果ガス削減のあり方について検討してまいる考えであります。
知事
新エネルギーの導入につきましては、地球温暖化対策としてはもちろん、地産地消型のエネルギーとしての地域貢献などの面でも意義あるものと考えております。
このため、県内への導入目標については、「うつくしま新エネビジョン」において、国の目標値3%程度よりも高い3.4%と設定し、その達成に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
これまで、民間事業者による風力発電など大規模な新エネルギー施設の立地が進んできておりますほか、市町村、NPO等による新エネルギー導入への積極的な支援などに努めてまいりました結果、全体としては目標を上回るペースで増加してきております。
今後も、新エネルギーの導入促進を図り、いっそうの普及拡大に努めてまいる考えであります。
生活環境部長
温室効果ガス削減の達成見込みにつきましては、京都議定書目標達成計画の見直しによる産業部門の自主行動計画の強化などの国の追加対策により、所定の削減が図られるものと考えております。
併せて、「地球温暖化の環境・エネルギー戦略」に基づく県民運動の推進や、吸収源である森林整備等の対策を集中的、戦略的に展開しながら、削減目標の達成に努めてまいる考えであります。
3.産業廃棄物最終処分場問題について
生活環境部長
株式会社山一商事が計画している産業廃棄物最終処分場の処理水につきましては、いわき市の下水道雨水幹線を経て新川に放流する計画となっております。
次に、審査請求の裁決にあたりましては、環境大臣の裁決の趣旨に従い、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」いわゆる廃棄物処理法及び行政不服審査法に基づき、判断することとなります。
次に、南相馬市大甕地区の産業廃棄物最終処分場につきましては、賃借地の土地所有者が処分場の設置者と連帯保証責任を負う旨を記載した誓約書は、福島県産業廃棄物指導要綱に基づき、行政指導として提出を求めているものであり、廃棄物処理法で必要としている書類ではないことから、同法に基づく設置許可の取り消し要件には該当しません。
次に、国税の滞納につきましては、本年2月4日付の事業者からの報告では、納税の事実は確認できません。
次に、事業者の欠格要件につきましては、御指摘の弁護士が、事業者の事業活動を実質的に支配する立場にあるかどうかについて、事業者から報告を求めるなど、調査を行っているところであります。
次に、住民や南相馬市議会から提出された要望等につきましては、その趣旨を承っております。
設置許可の取扱いについては、廃棄物処理法に照らして厳正に審査の上、判断すべきものと考えております。
再質問
病院局長にですが、相双地域全体だけではなくて双葉地区だけを見ると、10万人あたりの医師数は97人なんですよね。南会津に次いで最下位クラスです。一番多い県北が232人ですから、本当に大変な格差になっております。今、検討されているのは厚生病院を県立病院に移管するのではなくて、県立病院を厚生病院に移譲するということで、つまり県の直接的手からは離れることになってしまうと思うんです。医療環境がこのように厳しいところだからこそ、県立病院として県が責任を持って地域医療にあたることが必要だと思うんですが、ご見解をお聞かせください。
それから、保健福祉部長にお尋ねいたします。自治医大卒の医師の定着についてですが、定着率を高めて2人でも3人でも毎年残っていただければ、へき地や医師不足地域に大きな貢献をしていただけると思います。緊急医師不足対策プログラムでも、自治医大卒医師定着のために優遇策を行うというようなことでいまご答弁もありましたけれど、給与の格差1つの原因とも聞きました。そういう点でもこのことも是正されるのかどうかお伺いしたいと思います。
それから、生活環境部長なんですが、県の目標達成できるのですかということに対してよく見えないようなご答弁だったんですが、はっきりと目標達成できるのかどうか、そのことをお示しいただきたいと思います。
それから、知事に質問ですが、新エネルギー導入の目標ですが、やっぱり目標値を設定するということは大事なんですが、国よりはちょっといい、ほんのちょっとですね。私は、前段申し上げましたように日本全体で見れば、もっとも多いレベルで温室効果ガスを福島県は出している県ですよね。だから、対策もトップクラスに推進することが重要になると思うんです。目標値の設定というのが、やはり何ごとも大事だと思いますので、目標値を設定していただきたい。そして施策の具体化を早急に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
それから、前後しまして恐縮ですが、生活環境部長になんですけれども、やっぱりこれだけの県が自ら決めた目標の差が実現できないような状況ですから、やはり産業界との連携が最大の有効なポイントではないかなと思うんですね。一応、懇談会の予算は今度の予算として入っているようでございますが、このことでの連携をめざすというふうなことで理解してよろしいのでしょうか。
答弁
知事
繰り返しになりますけれども、福島県といたしましては、国を超える新エネルギー導入の目標値を設定しており、しかも目標を上回るペースで県内への新エネルギー導入がすすんできております。また、新しい総合計画の中でも新エネルギーの普及促進についてはしっかりと整理をして取り組んでまいりたいと考えております。
生活環境部長
第一点目は、目標達成できるのかという再質問でございますが、まず、産業部門につきましては、申し上げましたように産業部門の自主行動計画の強化などによって、国も力を入れておりまして、国もさらに追加対策して厳しくやっておるところでありまして、1つにはそういう国の対応、産業部門の対応、それから併せて我々としては、県としては、環境エネルギー戦略に基づくいろんな取り組みをしています。大きなものは県民運動でありますが、その県民運動や量的には多いものでありますけれども、森林整備等によってその吸収源対策をすると。国の産業界のやり方と我々の県民運動と併せて削減目標の達成に努めてまいる考えであります。
それから二点目の産業界と連携してやっていくのかということでありますが、省エネルギー法、温暖化対策法によりまして国の方にそれぞれ数値を報告しております、産業界は。そういうやり方の中で所定の縮減がはかられていくものと思われますが、県といたしましても、先ほど申し上げました検討会を立ち上げまして、その中にエネルギー事業者、製造事業者などを含めて一緒に検討してまいりたいと考えております。
保健福祉部長
自治医科大学卒の医師の県内定着につきましてのご質問でございますが、義務年限が終了した自治医科大学卒の医師、これを1人でも多く県内にとどめて確保するということは、医師確保の即戦力になるという貴重な人材であると考えております。従って、現在、義務年限内の同大学卒の医師、彼ら、彼女らと率直に意見交換をしまして、県内に引き続き定着するためには、どういう課題を解決していったらいいのか、こういった問題について率直に意見を交換していきたいと考えておりまして、そうした経済的な基盤、処遇も含めまして率直に意見の交換をすすめていきたいと考えております。
病院局長
大野病院と双葉厚生病院につきましては、ただいまお答え申し上げましたように、統合の方向で検討しておりますが、現在その進め方、あり方等について地元と意見交換を行っているところでございます。今後、引き続き地元等と意見交換を行いまして、その方向性を整理するのにあわせまして、その後のことについても検討してまいりたいと考えておるところでございます。
再々質問
CO2削減の問題ですが、前段質問の中でも申し上げましたけれども、東京都では自主目標ではダメだと、これは進まないというふうなことで、義務を課せる方向での、まあ、10年からすすむわけですね。だから、日本全体がなぜ進まないかというと国の姿勢が一番問題なんですけれど、自主的にやるという、まかせるところにやっぱり進まない問題があるわけですね。地球を滅ぼすのは宇宙人じゃなくて人類そのものだというふうな話もありましたけれども、私は温暖化の問題で本当に忍び寄ってきている今の気候変動を考えたら、本当に大変だと思うんです。若い人に話を聞きますと子どもを産んで自分の子どもの時代にいったい本当に生き残れるのかと、どうなるのかと、こういうことが実際に聞かれているわけです。だから私は、国も自主的なものじゃあなくて、削減目標に向かってやるというふうなことでいろいろ福島県のCO2の排出量が多いのは、電源地というところもありますけれども、やっぱりここはそういう状況であるからこそ、そういう自主行動でなくて削減目標に向かってやると、そこのところ目標を決めていくということを私はぜひやっていただきたいと思うんです。それは生環部長に聞きたいと思います。
それから、そういう中において知事も新エネルギーは、その問題だけでなくて、非常に今の情勢の中でも必要だということですので、これをぜひ数値目標を上げていただきたいと思いますので知事のご答弁、生環部長のご答弁をお願いしたいと思います。
それから、保健福祉部長は、双葉郡の医師の本当に深刻な事態ですね、これを本当にどうするのかという鬼気迫った形で住民の方がみんな心配しているわけですね。本当に県の手を離れてどうなんだと、いろいろと今お話しをしましたけれど最終的な責任をもっていただけるというふうにならないわけですね。県の手から離れれば。私はこれはやっぱり県立病院として県が責任を持つべきだと思います。これもご答弁を病院局長ですか、お願いします。
それから、産業廃棄物の問題では、大甕地区の産業廃棄物最終処分場問題なんですが、いろいろ問題があると、厳正に判断していくということなので、そのことを本当に守っていただきたいと思うんですが、この判断の時期的なものとそれから言ってきたところをどんなふうに考えているのかお聞かせいただきたいと思います。
知事
新エネルギーの導入につきましては、数値目標も含め新しい総合計画策定の中で取り組ませていただきたいと思っております。
生活委環境部長
一点目の産業界に対してキャップをはめてくれるか、調整して東京都のようにやったらどうかというお話でありますが、いま国では先ほど申し上げましたように省資源法及び温暖化対策法によりまして、温室効果ガスの排出量の報告の義務を課しておりますが、この義務の中には緩やかな誘導といいますか、制限も含まれておりますのでそういう形で一つはやっているということであります。それからもう一つ排出量の取引の国内市場の試行なども国としてはやっておりまして、こういうものを併せてですね、大きな企業につきましては、一定規模以上の事業者が報告しなければなりませんけれども、大きな事業につきましては全国的な視点でやっぱり展開していかなければならないんじゃないかなと思います。一方で、国でそういう展開をするのに併せて、県といたしましては、どのようなやり方がもう少し小さい事業者についてはよいのかということを検討会を立ち上げて検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
それから二点目の大甕地区の判断の時期ということですが、許可の取り消しの判断の時期ということでありましょうけれども、今の時期で判断の時期について言及できるような状況にはございません。
病院局長
今回、大野病院と双葉厚生病院を統合の方向性で考えておりますのは、先ほどご指摘いただきましたように、この地域の医師が不足している、併せて両病院とも医師不足によりまして十分に機能を発揮できない状況にあるということで、当地域の安定的な医療を確保するという観点から検討を進めているものでございます。また、政策医療のところでも申しのべましたとおり、医療が不足している地域にかかわる問題でありますので政策医療とあわせまして県が責任を持ってすすめられるように引き続き地元自治体等と意見交換を行いながら、検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
|