HOME BACK ご意見・ご要望をお寄せ下さい
TOPICS
議員団紹介
政策・提案・見解
県議会報告
県政の資料
議員かけある記

2009年2月定例県議会・反対討論
2009年3月19日  宮川えみ子
 宮川えみ子です。日本共産党県議団を代表して、議案第1号、9号、20号、30号、31号、33号、34号、36号、41号、45号、以上の10件について反対の立場から討論いたします。

最初に
○議案第1号 2009年度(平成21)福島県一般会計予算
○議案第9号 2009年度(平成21)福島県港湾整備事業特別会計予算
○議案第41号 福島空港条例の一部を改正する条例
 について申し上げます。

 2009年度一般会計予算の総額は8、754億4千8百万円で、前年度に比べ347億円・伸び率について4.1%の増となりました。
 歳入においては、地方の財源を削り続けたことへの厳しい世論の反映と深刻な経済・雇用問題での緊急対応の中で、国から来る、地方交付税や臨時財政対策債が一定増額されました。県独自には、県債を増やす・基金を取り崩すなどの対応をした、やりくり予算です。
 予算の全体の中身では、経済・雇用対策関連、制度改正による社会保障関連予算の増があり、その一方、市町村への補助金カットやあらゆる分野への予算の削減が行われている内容です。また、大型事業の予算が見直しもなしに組まれた予算でもあります。
 この議会では何が問われたかと言えば、かつて経験したことのない未曾有の経済・雇用危機の中で、政治の矛盾が一挙に噴き出しその対応が迫られた議会であったと思います。それは構造改革路線の政治の矛盾を醜いまでにあらわにしました。相次ぐ労働法制の改悪のもとで、突き落されるように増え続けている失業者、連動する経済危機、ほんろうされる子ども・弱者など、県内においても重大な状況になりました。また、じわじわと進んだ農業の衰退・過疎なども深刻になっています。
 日本共産党は、県民の目線に沿って発想の大転換を図り、憲法25条と地方自治の観点に立った予算編成を求めてきました。
 8754億円の予算の中には、国の予算を先取りして直接雇用・新たな産業おこしに関する予算、中小企業支援のための融資予算を組むなど、全国に先駆けた施策も入っています。しかし、福島県が東北最大の、職を失う非正規労働者を出し、しかも、3月末には業界団体の発表で製造業だけでも40万人も失業すると言われる中で、企業に内部留保の一部を取り崩し雇用を確保せよ、そのための企業への要請を求めたことに対しては知事の前向きの答弁はありましたが、所得保障の充実など暮らせる保障が見えませんでした。
 県民の中に入れば、その厳しさ苦しさが訴えられます。仕事を失った方からは、何度ハローワークに行っても、仕事がない、住宅を追い出されそうだ、食べるものもないと相談が舞い込みます。正規雇用でも賃金が下がり、ボーナスもなくなり住宅ローンが払えない営業が苦しくなり高金利の借金をしてしまった、年金暮らしの親に送金ができなくなった、学校に持っていくお金がない、医療費がなく体調が悪いが我慢しているなどの相談が異常な数になって舞い込んできます。
 08年の県内の自殺者は595人で、その理由は経済・生活問題が昨年比29件増の190件です。「追い込まれた自殺を防げ」と、新聞の社説にもありましたが、今こそ、失業対策など、セーフテーネットを充実させなければならない時です。
 セーフテーネットの充実では、国の100%保証で妊婦健診の第1子からの無料化が実現するなどがありましたが、全会派の認識が一致してきた「子どもの医療費無料化の年齢引き上げ」に対しては従来と同じ答弁でした。
 私学助成の重要性が求められましたが、授業料滞納で卒業証書が貰えない・卒業式にも出られないということが県内でも発生しました。
 その一方で、小名浜東港では、今日の厳しい経済状況にも関わらず、補正予算に引き続き、事業費54億2千万円、県負担32億7千万円が組み込まれています。人工島を作っても使用目的が定かでなく、完成しても埠頭管理を民間に丸投げする内容です。多額の税金を使ってこれでいいのかと強い批判の声です。またこの事業は、経済・雇用対策とも銘打っていますが、常任委員会の審議では経済効果も雇用効果も示すことはできませんでした。同じ公共事業でも、12億円の道路維持補修費の場合、1か月間・約1000人の雇用が見込めるのとは大違いです。
 また、あぶくま高原道路に事業費総額1280億円、新年度は事業費48億円、県費負担26億円を使いますが、「立派な道路ができた、しかし、通ってもらえるのか、作る必要はあったのか」という嘆きまで出る深刻な事態です。
 空港費では、先行きの見えない中で、管理費と利活用費が7億3千6百万円組まれ、昨年より1億2千万円も増やしました。一方、使用料収入は条例改正にもありますが、福島空港の着陸料及び停留料の額を、国内航空機は、現在の2分の1から4分の1に、国際航空機は、2分の1から15分の1に引き下げるなど、離着陸料の減免と、路線の縮小で逆に1億円も減ってしまいます。管理費と利活用費から使用料収入を引くと、差し引き昨年より2億2千万円も税金投入が増えます。
 また、補助金の交付先が確定していない誘致企業のための補助金予算は削減し、中小企業支援に回すべきと考えます。
 安心・安全が最も求められている医療問題では、医師確保のための予算増額が入っていますが、「福島県立病院改革プラン概要」は、国が示す「ガイドライン」の方向を目指すとしており、医療費抑制政策が根本にあります。医療に責任を持つ県の施策を後退させる方向になっており、県民の不安を募らせています。さらに、県民に直接かかわる手数料等の値上げも問題です。新年度の予算案はこのような大きな問題と矛盾を持っているものです。
 次に、
○議案第20号 福島県行政財産使用料条例の一部を改正する条例、及び、
○議案第45号 福島県 長期継続契約を締結することができる契約を定める条例の一部を改正する条例、
は、県庁の駐車場を県庁に来た時以外は有料にする事、そのための機器を設置するというものであり、一括して申しあげます。
 一般的に市町村の役所の駐車場は広く住民に開放されていて、近隣の公共施設利用者、地域の集まり、買い物、などに利用されています。県民生活が厳しい中で何でも有料化して県民サービスを後退させるもので、すこぶる評判が悪いもので再考を求めるものです。

○議案第30号 福島県 職業能力開発促進法 関係手数料条例の一部を改正する条例、
○議案第31号 福島県 県営農業用基幹水利施設 機能保全対策事業分担金徴収条例、
○議案第33号 福島県 建築基準法施行条例の一部を改正する条例、
○議案第34号 福島県 建築士法関係手数料条例の一部を改正する条例、
については一括して申し上げます。
 これらの条例は、技能検定に要する手数料の引き上げ、新たな農家への負担、確認申請手数料の引き上げなどであり、取れるところから取るという発想で、厳しい経済情勢の中で県民負担を増やすもので問題です。

○議案第36号 福島県 教育職員免許法関係 手数料条例の一部を改正する条例、は、教育職員免許法の改正に伴い、10年ごとに教員免許更新講習を受けることを義務付けられることによる所要の改正です。新たに免許を取得する人・及び更新する人だけでなく、産休などでやむなく試験延長する人にまで、あらゆる人から手数料を取るためのものです。これに加えて、文科省によれば受講料を1時間1000円程度と想定している大学が多く、計30時間分(ぶん)、3万円が、受講者負担となる見込みで、さらに、受講のための交通費や宿泊代も補助はなく全額自己負担です。免許はく奪の圧力で教員を委縮させるもので、一層、福島県の教育界を閉鎖的なものにさせかねません。教員のレベルアップに役立つどころか、百害あって一利なしです。

以上、反対の理由を申しあげて討論を終わります。



日本共産党福島県議団
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2番16号 TEL:024-521-7618/FAX:024-523-3256
jcpfskg@jcp-fukushima.gr.jp
Copyright(c)2004 fukushimakengidan All rights reserved.