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2009年11月13日

福島県知事
 佐藤 雄平 様

2009年12月定例県議会に関する申し入れ
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子

はじめに

 新政権のもと臨時国会が開催されています。
 「国民が第一の政治」を実現しようと訴え、政治を変えたいという熱烈な国民の支持をうけ発足した鳩山内閣は、公約した後期高齢者医療制度廃止や労働者派遣法抜本改正などを先送りし、国民から批判の声が高まっています。また、沖縄普天間基地の移設問題でも選挙公約から離れていく姿に「対米交渉を本格的に実施すべき」との声が大きくなっています。こうした、政府の動きに対し、私たちは、後期高齢者医療制度即時廃止を、労働者派遣法抜本改正を、普天間基地の無条件閉鎖と新基地反対の立場で働きかけを強めているところです。
 国会論戦が展開されているあいだも、県内の雇用・経済状況は、完全失業率が高水準で推移し、高校生の就職内定率は41.5%(10月中旬)と、前年と比べると14.2%もの過去最大の低下率を記録し、中小企業経営においても緊急保証制度充実の効果が若干出ているものの、受注回復が遅れ気味で、資金需要期の年末に向け「資金繰りが悪化する企業が増える恐れ」(東京商工リサーチ東北支社)との厳しい状況が続いています。
 政府は、雇用調整助成金要件緩和を緊急対策に盛り込む対応を明らかにしましたが、地方の実態を反映させた対策が急がれると同時に、県としては、未就職新卒者に対する新たな対策や失業者と中小零細事業者のくらしと経営を守る対策の強化が求められています。12月県議会にあたり、次の点についての取り組み強化を求めます。

1 雇用と暮らしを守るために

(1) 緊急雇用対策における雇用期間は6カ月しかなく、高校生枠が極めて少ない取り組みです。県として新卒高校生の就職先を確保するために、医療・福祉・介護・保育・教育など、公務分野で雇用拡大を図ること。
(2) 市町村及び事業主と協力し、高校生も含めた新規学卒者の正規雇用を図るため、資格や運転免許等の取得経費補助の制度および、未就職の新規学卒者に職業訓練手当の制度を創設すること。
(3) 県が発注する公共工事や委託契約による低賃金労働者を生まないことをルール化するため「公契約条例」を制定すること。
(4) 年末に「年越し派遣村」が必要となるような事態を生まないよう、市町村と協力し、総合窓口を強化し、年末年始も対応できるようにすること。生活保護の早期適用や臨時的住宅(シェルター)の確保を進めること。
(5) 民間団体が実施する支援活動への場所の提供や資金援助を検討すること。
(6) 中小零細事業者の年末資金繰りを応援する立場で金融機関等に対し、貸し渋り、貸しはがしをしないよう求めること。
(7) 国に対し、生活保護の老齢加算の復活および、後期高齢者医療制度廃止、障害者自立支援法の廃止、労働者派遣法の抜本改正を求めること。
(8) 介護保険料の滞納を理由とした利用制限をしないよう市町村を指導すること。

2 子どもの貧困に特別の対策を

(1) 本県の「就学援助制度」は利用率が他県に比してかなり低いことから、準要保護世帯の利用に対する市町村への財政的支援を行うこと。
(2) 国保税の資格証明書等のペナルテイは基本的に行うべきではない。社会問題となっている「保険証を持たない子」を解消するため、児童福祉法対象の18歳までの子ども全員に保険証がわたるよう市町村を指導すること。
(3) 不況の中、経済的理由で高校中退する事例もでている。公立高校授業料無償化の方向が出されていることから、私立高校授業料助成については、国とは別枠で現行水準を充実させること。
(4) 子どもの医療費助成年齢を義務教育終了まで拡大すること。

3 新型インフルエンザ対策

(1) 新型インフルエンザワクチンが、優先接種者にも不足している状況があるので、国に対しワクチンの緊急補充を求めること。
(2) 県内の新型インフルエンザ患者数は警報レベルに近づいており、他県では感染した小児が死亡する事態になっている。小児や高齢者へのワクチン接種費用独自助成をする市町村もあることから、県として新型インフルエンザワクチン接種費用の上乗せ助成を図ること。

4 エチゼンクラゲ大量発生による被害対策

 エチゼンクラゲが大量発生し、シラス漁などに深刻な影響を与えている。クラゲ発生と影響の実態を緊急に調査し、国などの関係機関と連携し抜本対策を図ること。クラゲによる魚網被害に対し、修繕費の補助をすること。

5 プルサーマルについて

 エネルギー政策検討会において、平成14年の「中間とりまとめ」に対する検討が進められているところであり、結論を急がず慎重な議論を続けること。
 国の核燃料サイクル計画は、もんじゅの大事故や六ヶ所村の再処理工場の見通しが立たないなど破たんは明確であり、「中間とりまとめ」の立場にたち、危険なプルサーマル計画導入は認めないこと。

以 上



日本共産党福島県議団
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