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2010年2月県議会 神山悦子県議一般質問

2010年3月4日
県議 神山悦子

一般質問

答弁

再質問

答弁

再々質問

答弁

 日本共産党の神山悦子です。
 最初に、原発・プルサーマル問題についてうかがいます。 
 知事は、今議会冒頭の所信で、必要不可欠な3つの前提条件をあげ、条件つきで福島第一原発3号機の「プルサーマルの受け入れ」を表明しました。この知事の表明に対し、立地4町、東京電力ともに知事の決断を"歓迎"する声があがっているように、推進派の意向に沿った表明です。知事の今回の判断は、広く県民の声を代表したものとはいえません。多くの県民の意見を置き去りにしているのではありませんか。
 まず、県民の意見を直接反映するための懇談会等を県内各方部に設けるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 また、3つの前提条件にあげている耐震安全性については、日本列島が地震の活動期に入ったとされている今、改定された耐震審査で600ガルに引き上げても安全は保障されるのかは疑問です。1978年〜2008年までに地震をきっかけにした事故やトラブルは福島原発で8件も発生しているのです。しかも第一原発3号機は、運転開始からすでに34年もたつ老朽原発であり、MOX燃料も10年以上もプールに入れられたままです。
 耐震安全性、老朽化、MOX燃料の品質評価について、県はどのように確認し、それをどのように判断していくのかお聞かせ下さい。
 また、原子力安全・保安院の分離問題を、なぜ前提条件に含めなかったのかお尋ねします。
 プルサーマルも"トイレなきマンション"ですすめられようとしていますが、行き場がないなどと、本県が最終処分場を引き受けることなどあってはなりません。
 県民の命と安全を最優先に、県は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の引き受けを明確に拒否し、国に対しても強く申し入れるべきと思いますが、県の見解を求めます。
 ところで、知事は、プルサーマルについての科学的な知見を得た上での「受け入れ」表明でしょうか。もちろん、学者や専門家のような詳しい専門知識まで求めているのではありませんが、就任以来、知事自身が、科学的な知見を得るために専門家から意見を聴取した場面は大変少なかったという印象です。「県民の命や安全安心を大切に」というのであれば、学者、専門家、加えて県民の意見を広く聴取してから判断しても遅くはないはずです。
 原発は、もともと核兵器のために開発した軍事技術を「原子力の平和利用」として転用させたもので、技術的には未確立なものです。プルサーマル発電は、プルトニウムを燃料に使用しますが、プルトニウムは、自然界にほとんど存在しない物質です。放射能が極めて強く、体内に入り込むと骨の表面に蓄積する傾向があり、ごく微量でも晩発性の骨肉腫や肺がんといったがん発生の原因となる非常に危険な物質です。
 それは、人類で初めて広島と長崎に投下された原爆による被ばく者の苦しみをみても明らかです。広島に投下されたのはウラン爆弾、長崎に投下されたのはプルトニウム爆弾でした。ウラン燃料からプルトニウムを取り出す技術を、アメリカはこの時すでに開発していたわけで、残念ながらそれは軍事目的のためでした。広島で自らも被ばくした医師の肥田舜太郎氏は、長年にわたり原爆被ばく者の治療にあたり内部被ばくに関する研究をまとめています。また昨年、長崎大学の七条和子助教らの研究グループは、長崎の被ばくから60年あまり過ぎた現在も死亡した人体の細胞の中で放射線を出し続ける様子を世界で初めて撮影し、この放射能の成分は原爆の原料のプルトニウムであると確認したことが報道されています。
 軍事利用と平和利用との違いはあっても、人体に危険な放射性物質を扱っている点では同じです。放射能被害は人体への影響ばかりでなく、最大の環境汚染を引き起こすことを忘れているのではありませんか。ところが、民主党政権になっても、原発は環境によいなどと詭弁を弄し、むしろこれまで以上に原発依存に傾き、プルサーマル計画は国策だといわんばかりに全国の既存の原発で16〜18基の計画を一気におしすすめようとしています。しかし、日本が使用済み燃料からプルトニウムをわざわざ取り出す技術をもつことは、核兵器への転用が容易に可能になることでもあります。
 原発政策に莫大な予算をつぎ込み過大な投資を続けるのをやめて、再生可能な自然エネルギーや分散型・小エネルギー開発・利用へ転換すること。そこに予算も技術も振り向けるべきです。それが、CO2を25%削減する確かな方向であり、人類で初めて原子爆弾による放射能被ばくを受けたわが国がとるべき道ではないでしょうか。
 そもそも、現在の原子力発電所は、放射能の毒性が強く危険なプルトニウムを燃料に使用することなどをはじめから想定していません。ウランにプルトニウムを混ぜたMOX燃料は、原子炉のブレーキともいうべき制御棒の利きを悪くします。また、プルサーマル計画は「ウランの節約になる」といいますが、節約は約10%程度であり、使用済み燃料の再処理、MOX燃料の製造・輸送・使用・処分に関わる危険性と莫大な予算をみれば、節約とはほど遠いものです。
 六ヶ所村での核燃料サイクルの要ともいうべき再処理工場は、トラブル続きで建設費用は当初の3倍近くの約2兆2千億円に達し、高レベル放射能廃棄物を再処理しガラス固化する日本独自の方法もことごとく失敗しています。しかも、高レベル廃棄物には、きわめて強い放射能物質が含まれ、放射能が自然界のレベルまで低下するのに何万年もかかるとされています。国は、地下に埋設する方針をとっていますが、世界有数の地震国、火山国で、何万年もの間安全に保管される保証などあるでしょうか。こうしたさまざまな問題を解決しないままプルサーマル計画を推進するのは、見切り発車以外の何ものでもありません。
 今回、民主党政権は、自公政権のもとでいったん廃止された原発交付金について、今年7月までにプルサーマルに同意する自治体に30億円交付することとし、さらに、95年にナトリウム火災の重大事故を起こし、中止していた"もんじゅ"を急ぎ稼動させようとしています。こうした中で、知事が、「プルサーマル受け入れ」を表明したことは、30億円のカネと引き換えに県民の命を売り渡すようなものです。知事は、未来の子どもたちへ禍根を残すようなことをすべきではありません。
 危険で問題だらけのプルサーマルの受け入れの撤回を求めますが、知事の見解をお尋ねします。
 次に、原発で働く労働者に関してですが、今年2月3日、日本は原発1基あたりの作業員の被ばく総線量=集団線量がフランスやフィンランドの3倍も高いとして、国の原子力安全・保安院は、被ばく低減対策の強化に乗り出す方針を明らかにしました。東京電力福島第一、第二原発、特に第一原発については、労働者被ばく線量が国内の原子力発電所の中で高い数値を示しています。現在のウラン燃料でさえ被ばく線量が多い福島の原発で、プルトニウムを混ぜたMOX燃料を扱うことになれば、原発労働者に何倍もの放射能被ばくと危険をもたらします。
 福島第一原発の労働者被ばく線量が多いという実態について、どう受け止めているのか県の認識をお尋ねします。
 08年6月には、東京電力、東北電力から請け負った3ヵ所の原発の定期検査において、東芝の下請け会社が18歳未満の作業員を年齢を偽って放射線管理区域内で就労させていた事件が発覚しています。
 一方、原子力発電所の現場で働く労働者は、何次下請けで働いているのかわからないくらいの重層構造のもとで働いていますが、下請け労働者が社会保険にも加入させられないでいることが常態化しているようです。下請け会社へ法令遵守させることはもちろんのこと、発注者である東京電力の責任も問われます。
 県は、国と東京電力に対し、関係法令遵守の指導を行うよう求めるべきと思いますが、見解をうかがいます。
 2点目は、市町村支援についてですが、県は1995(H7)年に「全県域下水道化構想」を策定し、旧厚生省、農林水産省、旧建設省の縦割り行政のもと、下水道、農業集落排水事業、合併処理浄化槽などを市町村をリードして進めてきました。しかし、3省合同の汚水処理施設整備の経済比較を行なうための統一的基準が示されこと、浄化槽法の改正に伴い合併処理浄化槽も義務付けられたこと、下水道と農業集落排水の接続による連携が可能になったこと、などから2004(H16)年にこの「構想」を見直しました。この背景には、大規模な下水道事業による住民負担や市町村財政への重い負担が、全国的にも問題になったからだと思います。
 今回、県は県の新総合計画に合わせて見直しするとのことですが、従来の方法や考え方にとらわれず、経済の低迷、人口減少、市町村の財政状況などを考慮し、建設費や維持管理経費についても過大にならないようにすべきです。
 こうした観点から、下水道事業、農業集落排水事業については全体計画を縮小し、維持管理経費の軽減が図られるよう、全県域下水道化構想を見直すべきと思いますが、県の考えをうかがいます。
 次に、県が管理している流域下水道事業に関してですが、現在、流域下水道事業は県内に4つあります。そのうち大滝根川流域の「田村処理区」と阿武隈川あだたら流域の「二本松処理区」は、平成の合併で2005年3月に田村市が、2005年12月に二本松市が誕生したことから、流域下水道の要件である「2市町村以上の区域の下水道で県が管理するもの」という下水道法の要件を欠くこととなりました。しかし、02年の合併特例法の改正の際、流域下水道に関する特例規定(第14条)が加えられ、市への移管は合併後10年先に延伸できることになりました。
 田村市は2015(H27)年に、二本松市は2016(H28)年に合併10年を迎えます。県はその時点で流域下水道事業を田村市と二本松市に移管し、その際関連施設だけでなく、県が負担してきた償還金の残金など一切の負担を2市に引き継がせようとしています。
 しかし、合併後10年といえば、合併特例債や交付税の算定特例などの財政上の優遇措置がなくなり、市の財政規模は急激に縮小します。交付金も、合併10年から5年間の緩和措置がなくなります。
 国も県も、平成の大合併と称して市町村合併をあおってきたはずです。合併したとたんに下水道法の要件を満たさなくなったからとして、県の流域下水道事業を単純に両市へおしつけることは、広域自治体である県が取るべき態度ではありません。
 そもそも、大滝根川流域下水道事業は、三春ダムの水質浄化という県の命題で始まった事業なのです。阿武隈山系にある「田村処理区」は、面積が広いわりには人口が少ないため他の処理区と比べて事業効率が悪く、処理人口1人当たりの建設事業費は、県中処理区の5倍、二本松処理区の2倍です。幹線管渠の延長に至っては、事業認可ベースで県中処理区の約13倍、二本松処理区の約8倍という大変な施設量です。この要因は、汚水処理センターが三春町境の船引にあるため、反対側の滝根から逆送させる配管がもう1本必要になったからです。
 全国には、合併による同様の事態が生じている自治体が12市ありますが、これらの事情を鑑みて県事業として継続する方針を打ち出してとろうとしている県もあるのです。
 県は、田村市と二本松市に流域下水道事業を移管し、県が事業着手以来発行してきた建設債の未償還分の元利償還金と維持管理負担金の県立替分、そこに県自身負担してきた資本費まで回収するとしています。田村市には元利償還残金32億円、資本費4億5千万円を含めると約36億5千万円、二本松市には同じく11億円、資本費約4億5千万円を含めると約15億5千万円にもなります。
 しかし、両市は、流域下水道にともなう市の公共下水道事業も行っているので、その市起債分と県から転嫁される分まで合算することになれば、両市の財政は破綻しかねません。
 田村処理区も二本松処理区も県北や県中流域下水道事業と比べて人口や財政規模は小さいのです。流域下水道事業の田村処理区と二本松処理区の資本費の回収をすべきではないと考えますが、県の考えをうかがいます。
 また、下流域の水質浄化と市町村支援という立場で、流域下水道事業の田村処理区と二本松処理区については、合併特例措置期間後においても県事業として継続していくべきと思いますが、県の見解をうかがいます。
 3点目は、教育行政についてうかがいます。昨年9月議会では県立高校の教育費負担の問題を質問しましたが、今回は、特に厳しい私立高校の教育費負担の軽減と国の高校授業料無償化制度に関わって質問致します。
 日本は、小学校から高校までの初等中等教育への公的財政支出は、対GDP比でOECD加盟の29カ国中27位(2009年版)と最下位クラスです。そのため、教育支出の中で私費負担割合が高いのが特徴で、高等教育では27%平均に対して日本は68%と2倍以上になっています。
 民主党政権は、新年度から高校生の授業料を無償化し、私立高校へは高等学校等就学支援金を創設し同様の措置をとるとしたことを歓迎するものですが、課題もあります。無償化というのであれば、ヨーロッパのように小学校から大学まで国の予算で全て無料にしていくべきです。
 民主党は、公約では年収500万円未満の世帯に2倍支給としていたのを大幅に後退させ、年収250万円を基準に低所得者世帯については1.5倍〜2倍まで助成しますが、私立高校の授業料は県立の2〜3倍の年間約30万円前後です。県立高校を基準にした授業料の無償化だけでは、公私格差の解消にもなりません。
 県が、これまでの減免基準を下げないよう独自の上乗せすることを一定評価します。授業料減免制度の基準を引き下げないとした、県の考え方をおうかがいします。
 また、授業料減免制度における授業料に、教材費などの学校納付金を含めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
 ところで、今年2月12日付で、今年卒業予定の高校生が授業料滞納によって卒業できなくなることがないよう、厚労省が生活福祉資金の教育支援資金を貸付し、滞納時までに遡及できる通知をだしました。この特例措置を受けて、私立高校や県立高校に対してどのように対応したのかお尋ねします。
 最後に、今議会の自民党の斎藤議員の代表質問で、給食費の滞納実態が明らかになりましたが、就学援助制度の活用が不充分ではないでしょうか。生活保護基準の1.5倍程度までの世帯は活用できる制度であることを含め、就学援助制度について、学校関係者と保護者に周知徹底し、積極的な活用を図るよう市町村に促すべきと思います。県教育委員会の考えをおうかがいしまして、以上で、私の質問を終わります。


答弁

一、原発・プルサーマル問題について

生活環境部長
 お答えいたします。プルサーマル実施受け入れに対する県民の意見につきましては、エネルギー政策検討会では、資料を含めすべて公開し、ホームページ上で公表するとともに、県民の方々からも多くの意見や要請を頂くなど県民に開かれた議論をしてまいりました。
 県といたしましては、今後とも県民の安全・安心の確保を最優先に慎重に対応してまいる考えであります。
 次に、耐震安全性、高経年化、MOX燃料の品質評価につきましては、事業者はもとより、法令等に基づき、原子力発電所の安全規制を一元的に担っている国が責任を持って対応し、説明責任を果たしていくことが何よりも重要であります。
 県といたしましては、専門家の意見も伺いながら県原子力発電所安全確保技術連絡会などにおいて、国、事業者の取り組みについて厳しい目線で確認するとともに、県民の安全・安心の確保を最優先に慎重に対応してまいる考えであります。
 次に、プルサーマル受け入れの条件につきましては、今回のエネルギー政策検討会を踏まえ、福島第一原子力発電所3号機の耐震安全性などの3つの技術的条件を必要不可欠なものとしたところであります。
 県といたしましては、国に対して、核燃料サイクルについて一層着実に取り組むこと、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離など客観性と信頼性を高めた安全規制体制の確立を図ることについて、強く要望してまいる考えであります。
 次に、福島第一原子力発電所につきましては、年間総線量は、他の発電所と比較して相対的に高くなっておりますが、近年は、減少傾向にあります。
 県といたしましては、これまでも立ち入り調査等において線量の提言を求めてまいりましたが、今後も、事業者に対し、さまざまな機会をとらえ、放射線管理の一層の取り組みが図られるよう求めてまいる考えであります。

企画調整部長
 お答えいたします。高レベル放射性廃棄物の最終処分につきましては、国及び事業者の責任において適切に行われるべきものであり、県といたしましては、最終処分場の候補地に選定されることはあり得ないものと考えております。

知事
 神山議員のご質問にお答えいたします。
 プルサーマルについてであります。
 私は、エネルギー政策検討会を再開し、国や事業者の取り組み状況を詳細に検証するとともに、さまざまな角度から検討を行い、熟慮してまいりましたが、福島第一原子力発電所3号機の耐震安全性の確認などの3つの技術的条件がすべて満たされることを必要不可欠条件として、本県におけるプルサーマルの実施について受け入れることとしたところであり、国、事業者は、安全・安心の観点からこれら条件について責任を持って対応し、的確に説明責任を果たしていくことが必要であると考えております。
 私は、今後も引き続き、プルサーマルを始めとした原子力政策に対しては、真剣に向き合い、立地自治体の立場を堅持し、国や事業者の取り組みについて厳しい目線で確認するとともに、県民の安全・安心の確保を最優先に、慎重に対応してまいります。

商工労働部長
 お答えいたします。県内の原子力発電所における下請労働者の社会保険加入につきましては、国において適切に指導・監督が行われるべきものと考えております。
 県といたしましては、労働者の生活の安定を図る観点から、関係法令の遵守に向けた指導について、国や東京電力に対し、要請してまいりたいと考えております。

二、市町村支援について

土木部長
 お答えいたします。全県下水道化構想につきましては、人口減少社会の本格的な到来、市町村の厳しい財政状況などの社会経済情勢の変化を踏まえ、市町村の意向を十分に確認しながら、汚水処理の施設整備や維持管理について、より経済的で効率的な計画になるよう、見直しを実施してまいる考えであります。
 次に、流域下水道事業につきましては、受益者負担で汚水処理経費を賄うことが下水道事業の原則であることや、市町村が実施する公共下水道事業との公平性を確保する観点から、県といたしましては、整備費や維持管理費のコスト縮減を図り負担軽減に努めるとともに、関係市町村に対し丁寧な説明を行うなど、制度への理解を得ながら資本費の負担を求めてまいる考えであります。
 次に、田村処理区及び二本松処理区につきましては、市町村の合併の特例等に関する法律により、10年間の合併特例措置期間後に、県が管理する流域下水道からそれぞれの市が管理する公共下水道に移行することとなるため、平成19年度に二本松市、田村市及び県で構成する「流域下水道の移行に関する協議会」を設置したところであり、引き続き、円滑な移行に向けて協議を進めてまいりたいと考えております。

三、教育行政について

総務部長
 お答えいたします。私立高等学校の授業料減免制度につきましては、これまで、学校法人が生活困窮世帯等の生徒の授業料を免除した場合にその全額を補助しておりますが、私立高校生の就学機会を確保するとともに経済的負担の軽減を図る観点から就学支援金制度が導入された後も、引き続きこれまでの授業料減免制度を継続することとしたところであります。
 次に、私立高等学校の授業料につきましては、授業を受けるために毎年、全生徒に共通に必要となる経費について、学校法人が独自に学則で定めており、県の授業料減免制度はこの学則に定められた授業料を対象に補助することとしております。
 次に、生活福祉資金を私立高校生の授業料滞納に活用するにつきましては、国から通知後、直ちに、経済的な理由で修学困難な生徒に対し、本措置の活用について周知を徹底し、きめ細やかな対応をされるよう各私立高等学校にお願いしたところであります。

教育長
 お答えいたします。生活福祉資金特例措置の県立高等学校への対応につきましては、貸し付けを行う福島県社会福祉協議会の通知を受け、直ちに各学校に周知したところであり、やむを得ない事情により授業料を滞納している生徒やその保護者に制度の概要を説明するとともに、利用を希望する場合には、相談・申請窓口の紹介や関係書類の交付を行うよう、各学校を指導したところであります。
 次に、就学援助制度につきましては、学校教育法に基づき、市町村が、経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者への支援を行うものであり、その実施に当たっては、市町村教育委員会を通じて、児童生徒の保護者や各学校の教職員に対する周知が図られているところであります。
 県教育委員会といたしましても、今後とも、保護者に対し、制度の趣旨や申請方法等を周知するよう市町村教育委員会に促すとともに、研修等の機会を通じて、教職員に制度の理解を深めさせるなどして、就学援助制度の周知に努めてまいる考えであります。


再質問

 最初に企画調整部長にお尋ねいたします。先ほどのご答弁で、高レベル放射能廃棄物の最終処分場、あり得ないものと思うと、これ、思うだけでは観測に過ぎないですね。具体的に行動にあらわしていただかないと、本当に受け入れ先がなくなったら、受け入れかねなくなるということで、具体的な行動はどうするんですか。もう一度お答えください。
 それから、生環部長ですね。県民の意見を聴取するということが、私、非常に今回の決定では不十分だと思っております。インターネットや会議の様子を伝えただけでは、県民の直接の声は聞いていないんじゃないですか。私はここが非常に今回の決断をする上では、大きなカギを握ると思っています。ですから各方部で懇談会や直接意見を聞く場を設けるということをやってからでも、私、遅くないと思うんですね。まだ、時間は十分あると思いますので、この具体的な方策についてお伺いしたいと思います。
 それから、知事にお尋ねいたします。知事は先ほどいろいろやってきたと、それで最低条件というか、厳しい3つの条件をあげたとおっしゃいました。しかし、私は先ほどプルトニウムを扱うことがいかに危険かということを述べたつもりです。今までの原発とは全然違う物質を扱う、危険なものを扱うという点で知事の決断によって県民の命や健康や将来の子ども達に、もし万が一があったら、どう説明されるんですか。私は、知事の判断というのが、非常にこの場面にきて大切だと思いますので、知事の判断の重み、どう考えているのかお聞かせいただきたいと思います。
 それから、土木部長、お尋ねいたします。先ほどの流域下水道事業は、法律上そうなったから、合併したところに県の事業を移管すると、こともなげにおっしゃいましたけれども、これは県中処理区とか県北処理区とは大きさも人口も違うでしょ。今度の問題は、合併によってこういう問題が起きたんですね。全国にも同じようなところがありまして、12市ありますが、滋賀県はこういうことを回避してすでに1つの県が流域になっているとしてはずしたんですね。群馬県は今年夏頃にはそういう方向で、県が継続するような方法で進めているとも聞いております。合併したところが、合併しなければよかったということにならないように。しかもこの財政的な負担の問題と併せて、もともとなぜこの流域下水道になったのかそこをよく見ていただきたいと思うんです。田村市の処理区については、三春ダムをつくったためにその上流地域にあるから下水道整備が必要だと、県もそこをリードしたはずですよね。私の住む郡山市の東部地域は、この三春ダムの水を飲んでいます。これは県が広域的にやるべきじゃないですか。私は、県がやる方法は法律をこえてもいろいろあると思います。いったんこの流域下水道をはずしてですね、例えば県中につなげるとか、こういう形で継続させる。私は、それくらいの県の市町村応援があってもいいし、水質浄化についてはそういう命題があるわけですから、もう一度、お答えいただきたいと思います。
 最後に、総務部長にお尋ねいたします。私学に通う子ども達の授業料は県立の2倍くらいになります。今回の支援金は県立高校の分しか来ないので、授業料の半分くらいしか手当てされないんですよ。私はそこに1つ問題がある。加えて授業料の問題は教材費を加えるかどうかは学則で決められるとおっしゃいました。だから、もし、学則で決めればそこもみるんですか。もう一度、そこをお答えください。


答弁

知事
 神山議員の再質問にお答えいたします。原子力政策については、何よりも安全・安心の確保が最優先であるという認識をしております。まさに、同じ認識であると思います。そういうふうな中で、プルサーマルについては、国、事業者との信頼関係はもちろんでありますが、3つの科学的な条件、失礼、3つの技術的条件、耐震、高経年、MOX燃料の健全性、この条件が必要不可欠としたところであります。それらのことを福島県といたしましても国、事業者の取り組みをしっかりと確認していかなければならないと思っております。
 さらに、電源立地県として国の政策に単に追従することなく、今後も言うべきことはきちっと申し上げていきたいと思っております。

総務部長
 再質問にお答えいたします。国の私学支援金制度が導入された場合、県が独自にどのような対策を講ずるべきか。こういった観点からさまざまな制度を検討した結果、現在の授業料減免制度を維持すべきであると、こういう結論に達したわけであります。
 次に、授業料減免の対象でありますけれども、対象につきましては、学則に定められた授業料ということになっておりまして、この授業料の定義につきましては、各学校法人が独自に学則で定めるものであります。

企画調整部長
 再質問にお答えいたします。本県が高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地に選定されるということは、私どもいっさい考えておりません。この考え方につきまして、今後、国に対して核燃料サイクルに一層着実にとりくむよう要望する際にしっかりと明確に伝えてまいりたいと考えております。

生活環境部長
 エネルギー政策検討会におきまして、詳細な検証、そしてさまざまな角度から検討を行いまして方針を決めたところでありますが、先ほど申し上げましたとおり、県民の方々から多くの意見や要請もいただいておりまして、それも含めまして、また、副知事もいろんな意見をお聞きいたしまして、その上で総合的に検証、検討いたしましてこのような方針を決めたわけであります。ご理解のほどお願いいたします。

土木部長
 再質問にお答えいたします。合併に伴います流域下水道から公共下水道に移行するという制度がございますが、これにつきましては、今後10年間の期間の間で2市と綿密にいろいろ協議さしていただきながら、詰めていきたいと思っております。


再々質問

 再々質問させていただきます。知事のご答弁ありましたけれど、私、3つの条件とおっしゃいましたけれども、これは本当に歯止めになるのかなと非常に疑問ですね。私は、いろんな方法で技術的なものクリアされてしまうんでないかと、じゃあ、その後どうするのかと。私は、いずれそうなると思います。やっぱり受け入れないとちゃんと決めるべきではないですか。いくら今後厳しくみるといっても今回の知事の所信では国の安全規制については一定の取り組みがされたと評価している。事業者については信頼回復の取り組みをやっていると、こういう認識から始まるんですね。おかしいじゃないですか。ここを評価しながらやったのでは、本当に厳しくみるんですか。私は、知事にだって自分のお子さんもいらっしゃるし、お孫さんもいらっしゃるでしょう。そういうことも考えてもう一度、知事という立場からいっても県民の命や健康を守るというのは、最大のあなたの立場じゃないんでしょうか。知事のそうした立場から、今度の問題は大きな決断を迫られているわけですが、重要な、慎重な判断が求められていると思います。まだ結論は出ていないんじゃないでしょうか。私は、そういう意味ではもう一度、今からでも遅くないと思うんですよ。撤回してはどうでしょうか。まだまだ時間はありますので、十分にそこを踏まえて、それから県民の意見もちゃんと聞くべきだと思います。まだまだ不十分です。知事はそういうことを代表している立場におありですから、これから十分なそういう対応も踏まえて県民の意見も聞いたりすればいいんじゃないでしょうか。もう一度お尋ねいたします。
 それから、井上企画調整部長にお尋ねいたします。その際に国にも言いますと言いましたけれども、明確に受け入れないと言うのかどうかを確かめさせてください。
 それから、土木部長ですが、合併の10年後まではあと5年くらいありますよね、どちらも。ですから、他の県の対応もみて本当にどういう方法がその地域にとっていいのか、私は、まだまだ時間がありますので、すぐに結論を出さない、少なくとも県自身が負担してきた資本費は負担させないくらいの、そういうことを示しながら協議すべきじゃないですか。私は、もう一度そこを求めたいと思います。
 それから、総務部長にお尋ねいたします。先ほど学則で決めていると言うだけで終わりました。もちろん学則で決めれば対応するということですね。しかし今回、この上乗せしたことを私は評価しています。そのお金の新年度は9300万円程度ですよね。これをわざわざ出したわけですよね。しかし、今年度当初、去年の4月の当初に出したときは、授業料減免には2億4千万円くらいだしているわけですよね。そして今回出したのは9000万くらいですから、その差額は浮いていると思っていいんじゃないでしょうか。少なくともそのお金を使って、私立高校は授業料全部無償にする、私立の授業料も2倍から3倍分まで県が上乗せしてやる。このくらいやってもいいんじゃないでしょうか。私は、公私格差をなくすと、教育の県立、私立を問わず条件はちゃんと整えるという立場でもう一度お答えいただきたいと思います。


答弁

知事
 神山議員の再々質問にお答えいたします。原子力政策につきましては、議員を含め県内にさまざまな意見があるということを真剣に受け止めさせていただきます。なお、そういうふうな中で、今後とも国、事業者と真剣に向き合い、安全・安心そして慎重、この基本的な姿勢を堅持してまいりたいと考えております。

総務部長
 再質問にお答えいたします。経済的な理由によりまして、就学が困難となる生徒に対する経済的な支援という観点に立ちまして、現在の制度を維持することといたしたところでございます。

企画調整部長
 お答えいたします。本県が高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地に選定されることは、選定されるということは、私はいっさい考えておりません。この点について明確に伝えてまいるという考えであります。

土木部長
 下水道の資本費の回収につきましては、下水道の仕組みといたしまして、受益者負担で汚水処理経費を賄うこと。それから市町村が実施する公共下水道との公平性を確保する観点から、関係市町村に対しまして丁寧な説明を行うなど、制度への理解を得ながら資本費への負担を求めていきたいなと思っております。

以 上



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