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2011年2月定例県議会一般質問

2011年3月3日 神山悦子

 日本共産党の神山悦子です。
 県民のくらしも雇用も依然として厳しさが続いています。円高不況、昨年12月の大雪による被害、原油高騰による灯油や重油・ガソリンの値上がりが県民をさらに直撃しています。
 雇用状況も、今期卒業予定の大学生の1月末の就職内定率は68.8%、県内高校生の就職内定率は県調査で82.9%、約1,000人が未内定という状況です。
 生活困窮者の増加で生活保護世帯も急増しています。昨年1年間の自殺者数は540人、前年比で86人減少しているとはいえ交通事故死の約5倍とは異常です。
 郡山市内では野鳥の強毒性の鳥インフルエンザが発生しました。ニュージーランドの大地震による日本人留学生などの多くの犠牲者が出たことに対しては、深い悲しみとともに心からのお見舞いを申し上げます。安全・安心への国や県の対応が急がれます。
 さらに、本県原発についても、老朽原発と定検期間の延長問題、知事が受け入れを決めたプルサーマルの危険、トラブルの続出、そして本日の報道では、東京電力の第一原発、第二原発で新たに計54機器の自主検査漏れが発覚し、中には11年間も試用期間を過ぎて使用されていた機器があったと報道されています。県民の東京電力への不信は高まるばかりです。

 さて、私たちが昨年12月に実施した市民アンケートには、今の政冶への不満や怒り、苦しい生活の訴えが多数寄せられました。
 「国保税、高齢者医療保険、介護保険、市・県民税が年金から天引き。これが痛みを伴う政冶なのか」、「妻は解雇され、一緒に住む母は認知症に、父はリンパ種。両親とも無年金、貯金もなくなり状況を良くする方法はないでしょうか」、「月収が12万円、母子家庭の児童扶養手当が減らされると家賃が払えません、助けて下さい」、「一生懸命やっても資金繰りが大変。でも融資が受けにくい。大きい企業のみが生き残れるような気がする」など、どれも切実です。

 今ほど、国政や県政がこうした切実な声にどれだけ真剣に応えていくのかが問われている時はありません。
 ところが、政権交代した民主党は、「国民の生活第一」という公約をわずか1年半で次々と破り、労働者派遣法の抜本改正も行わず、医療・介護、年金制度のすべてで改悪する計画を打ち出しています。
 その一方で、大企業の内部留保は244兆円までふくれあがっているのに、法人税5%減税のバラマキで1兆5千億円、証券優遇税制の2年延長と合わせて国家予算に2兆円もの穴をあけようとしています。その穴埋めは、またもや庶民大増税です。
 菅政権は、6月頃までに消費税増税とTPP交渉参加を決めるとしていますが、こんなことをすすめたら、国民のくらしも日本経済も破壊されてしまいます。
 実は、消費税増税とTPPへの参加は、財界とアメリカの要求から出たものです。民主党政権の“自民党返り”が指摘されていますが、自民・民主に共通している「財界・アメリカ中心」が土台の政治では、国民のくらしも雇用も守れないことは明らかです。
 私たち日本共産党は、「財界中心、アメリカいいなり」という2つの異常から抜け出し、ルールある経済で雇用の確保と安定を図ること、内需の振興と日本経済の健全な成長をめざすことが、日本経済と国民のくらしを立て直す確かな道だと考えます。
 県政においては、地方自治の本旨である「住民福祉の機関」としての役割を大いに発揮し、国の悪政の防波堤となって、県民のくらしと市町村を応援するあたたかい県政を実現することを強く求め、以下質問致します。

(TPPについて)
 県内各地で上映され、感動を与えている映画「アンダンテ〜稲の旋律〜」をご覧になった方も多いのはないでしょうか。この映画は、ひきこもりになった女性が、1年間の稲作の農作業を通して立ち直っていく物語です。競争社会に生きる現代の若者の苦悩や、日本の農業と食料問題など、さまざまなテーマが内包された作品です。この映画のラストは黄金色に輝く田園風景です。この美しい農村風景が、菅政権がすすめるTPPへの参加で、大きく変わってしまいかねません。

 菅首相が「平成の開国」、「バスに乗り遅れるな」といいますが、東アジアでは13国のうちTPPに参加しているのはわずか4カ国にすぎず、中国、韓国、タイ、インドネシアは参加していません。「バスはガラガラ」です。前原外務大臣は「日本のGDPにおける第一次産業の割合は1.5%にすぎない。1.5%を守るために98・5%が犠牲になっている」などといいますが、農業分野に占める割合は、アメリカ、イギリス、EU全体でも日本と変わらず1%前後なのです。また、本県出身の玄葉国家戦略大臣は「守りの部分と同時に輸出も含めてその対象を6月までにまとめる」と述べていますが、本当にそれでよいのでしょうか。
 1月に政府がまとめた「TPPに関する各国との協議」という報告書には、すべての交渉国との同意が必要。アメリカについてはアメリカ議会の同意を取り付けることが必要であると明記されています。わが国の経済主権はなくなり、一方的にアメリカの要求をのむしかなくなります。これでは、開国どころか亡国・売国そのものではないでしょうか。
 知事は、今議会の所信で「懸念」を表明したものの、その影響額も明確な反対も述べていません。北海道・東北の中で、影響額すら試算していないのはわが県だけです。
 あらためて、本県農業に与える影響額について、県の試算額をお示し下さい。

 TPPへの参加は、事実上の日米FTA(自由貿易協定)となり、コメなど食料だけでなく、金融や保険、医療、食品の安全基準などの規制の撤廃・廃止、公共事業への参入、労働者の自由移動まで、アメリカの戦略にいっそう深く組み込まれることになります。
 日本医師会は混合診療の導入など国民皆保険制度が崩れると懸念を表明し、福島県保険医協会も明確に反対を表明しています。北海道では、JAなど農林漁業者、消費者、労働者、経済界あげて反対を表明しています。
 昨年11月県議会で本議会が国に提出した意見書は、TPPへの参加を前提とした文言が入っていたため私たち共産党県議団は退席し採決には加わりませんでしたが、県内の市町村議会の7割を超える議会が反対・慎重の意見書を採択しています。また、県内の8割を超える市町村長が反対を表明しています。
 本県にとっても基幹産業の農業と各分野に大きな影響を及ぼすことになるTPP・環太平洋戦略的経済連携協定交渉への参加に対し、知事は明確に反対を表明すべきと思いますが、見解をお尋ねします。

(来年度県予算編成について)
 次に、本県の来年度予算編成についてですが、
菅政権が初めて編成した2011年度地方財政計画では、社会保障関係費の自然増の経費が増大する割にはそれに見合う財源保障はなされていません。
 ただし、昨年秋の臨時国会で成立した補正予算が県や市町村に配分されています。本県でもこれを活用して基金の積み増し、基金づくりがなされ、県の公共事業費も来年度当初予算と合わせれば、ほぼ前年並みの規模となっています。
 県民向けのくらしと内需をあたため、地域を元気にする財源は十分あることを指摘するものです。

 さて、来年度の予算規模は、知事の2期目スタートの予算ということもあり、何とか9,000億円台にのせたといえます。しかし、切実な県民の願いに具体的に応えた目新しい事業はほとんどみあたりません。本県の財政力指数は、07年度で全国25番目となっており、決してお金がない県ではありません。ところが、医療・福祉はおしなべて全国最下位クラスです。財政が厳しいといいながら、大型公共事業の無駄づかいをいまだに推進しているからではないでしょうか。
 まず、小名浜東港ですが、国・県合わせた2011年度の事業費は61億円余、東港関連の三崎航路しゅんせつ事業費の3億円を加えると64億円、そのうち県費は30億円も投入する予定です。今年度比で約2倍の予算です。橋梁の予算が含まれるからとのことですが、小名浜港東港地区に架かる橋梁の全体事業費をお示し下さい。

 ところで、県の財政構造改革プログラムでは、大規模プロジェクトの見直しを掲げています。しかし、東港建設は推進しています。
 県の財政構造改革プログラムの方針とも矛盾する不要不急の東港建設は、『聖域扱い』をやめて中止すべきと思いますが、県の考えをうかがいます。
 一方、福島空港は、ここ数年は7億円もの赤字を県民の血税を使って穴埋めしながらの運営です。来年度に県は有識者による懇談会を設置するようですが、来年度こそ、「閉鎖」を視野に今後のあり方を検討すべきと思います。県はどのような観点で検討を進めていくのか、県の考えをうかがいます。
 さて、全体事業費ベースで1,300億円もかけたあぶくま高原道路は、車が通らないムダな道路づくりとしてすっかり有名になりましたが、今月26日に全線開通となります。
 その一方で、私たちが一貫して求めてきた生活に密着した県道や歩道の整備、老朽対策などの県単予算と維持管理費は、来年度予算ではそれほど増えていません。毎年事業費ベースで50億円もの予算をつぎ込んできたあぶくま高原道路への予算を、生活関連の県道・歩道整備に振り向け、改修を急ぐべきです。県の考えをうかがいます。

 次に雇用対策についてうかがいます。
 知事は就任以来、企業誘致補助金をそれまでの5億円から一気に7倍の35億円にまで引き上げ、トップセールスですすめてきましたが、07年4月以降に、企業立地促進補助金の対象となった企業について、新規雇用の実態をお示し下さい。
 また、会津地方は富士通の撤退や関連工場の閉鎖などで雇用と経済の地盤沈下がおき、地域経済は大きな打撃をうけました。県の企業立地促進補助金の対象となった会津地方の関連工場で、解雇や退職に追い込まれた労働者の再就職状況についてもお示し下さい。

(住宅リフォーム助成制度について)
 秋田県に続いて、山形県、岩手県、宮城県では検討が始まり、そして青森県でも住宅リフォーム助成制度が始まります。東北で実施していないのは本県だけとなります。昨年全国初で実施した秋田県について、私も宮川議員とともに視察してきましたが、21億600万円の予算に対し経済波及効果は20倍以上の512億円と試算しているように、地域経済への波及効果は抜群で、利用する県民にも、仕事を請負う業者にも喜ばれています。
 一方、岩手県宮古市の場合は、トイレの水洗化まできわめて幅広い工事を対象にしています。申請手続きも簡単で「使い勝手の良さ」が評判となり、雇用も2倍に増えたことが報告されています。
 すでに、全国では180を超える自治体で実施され、県内でも15市町村が実施する方向へ急速に広がっています。
 本県も、地域を元気にする県内中小業者の仕事興しとして、緊急経済対策を主眼に、「住宅リフォーム助成制度」を早期に実施するよう求めますが、県の考えをお尋ねします。

(国保税について)
 県は、これまで厳しい市町村国保会計に対し1円も補助をしてきませんでしたが、昨年県内でも「無保険」の60歳の男性が、救急車で搬送されたものの手遅れとなり命を落とした痛ましい事例が発生しています。
 ところが、菅政権は、昨年5月に、国保の「広域化」を推進するために、市町村がおこなっている一般会計からの繰り入れをやめさせ、事実上の「保険料引き上げ」へ転換させる「通達」を全国に出しました。値上げを抑えようとしている市町村の努力も、高すぎて払えない世帯に対しても、血も涙もないやり方ではないでしょうか。
 国に対し、「広域化等支援方針策定要綱」を撤回するよう求めること。また、滞納世帯に対する資格証明書の交付など保険証の取り上げや、行過ぎた非道な取り立てや滞納処分などの制裁を直ちにやめさせること。高すぎる国保税を引き下げるために、国庫負担を元の2分の1に戻すこと。これらを国に求めるべきと思いますが、県の見解をうかがいます。
 また、県内の滞納世帯の割合が増え続けているのは、県民の担税能力を超える高い保険税となっているからです。滞納が増えると、また値上げするという悪循環を断ち切るためにも、厳しい市町村国保会計を県が支援すべきです。せめて、国保税を1世帯1万円引き下げるために、県が市町村に独自に補助すべきと思います。県の考えをうかがいます。
 また、国保の「広域化」は、もともと小泉自公政権時代に決めたものです。国の責任を後退させ、給付費を抑制することがねらいです。
 県は、国がすすめる国保の全年齢での広域化について、どのように考え、どう対応しようとしているのかお尋ねします。

(子育て支援)
 貧困と格差の広がりは、子育て世代に深刻な打撃をあたえています。国が責任をもって、保育所を増設すること、子どもの貧困を解消すること、子どもの医療費を無料化すること、仕事と家庭の両立支援など総合的な子育て支援が必要です。
 県は、来年度から新たに子ども担当理事を置いて子育て支援を総合的に行うとのことですが、提案を含めてお尋ねします。

 まず、子どもの医療費無料化助成制度ですが、この4年間で市町村の子どもの医療費無料化は大きくすすんでいます。07年10月から大玉村で始まった中学卒業までの子どもの医療費無料化は、来年度実施する市町村を含め県内の8割近く(76%)にまで広がっています。大玉村では、今年10月から高校生まで無料にする方針です。
 ところが、私たちは何度も県に中学校卒業までの対象年齢の引き上げを求めてきましたが、県の制度は未だに対象は就学前までです。東京都に続き、群馬県でも1昨年10月から実施しています。県があと10億円程度の予算をつければ中学校卒業までの医療費助成は可能です。10億円の財源は、小名浜東港など不要不急の事業を中止すればすぐに実施できますし、県の予算のわずか0.1%程度です。知事の決断を求めます。
 県の乳幼児医療費助成制度の対象年齢を中学卒業までに引き上げ、無料とするよう求めますが、県の考えをうかがいます。

 また、子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンの3ワクチンについて、国と市町村が2分の1ずつ公費助成することになりましたが、問題は、接種費用の9割分しかカバーされないことです。女性と子どもたちの命と健康を守るため、秋田県のように、3ワクチンの予防接種を自己負担なしの無料で接種できるよう県独自の支援を求めますが、県の考えをうかがいます。

 ところで、民主党政権の「子ども・子育て新システム」をすすめたらどうなるのか、これを先取りしたような事故が、昨年1月郡山市内の認可外保育園で起きました。
 郡山市の認可保育所は39園、認可外保育所は73園(事業所内施設を含む)で、保育園児の39.1%、4割近くが認可外保育施設に在園しています。全国平均の9.4%に比べて依存度はきわめて高いといえます。その認可外保育園で、育児休業明けの1歳の女の子が、うつぶせ寝にされて、預けてわずか2日目で死亡しました。事故の真相究明を求めて両親が裁判に訴えていますが、この認可外保育園では、過去に2回の死亡事故を起こしていたことも明らかになっています。
 民主党政権の「子ども・子育て新システム」は、営利企業の参入をすすめ、こども園と保護者の直接契約、利用料の応益負担など、公的責任を大きく後退させるものです。保育士の配置や園庭の有無など、最低基準の緩和で保育の質も低下しかねないとの問題点が指摘されています。子どもの命や安全、保育の質に行政が責任を持たなくなってよいのでしょうか。
 認可外保育施設における子どもの死亡事故の再発防止について、また「子ども・子育て新システム」では、子どもの安全や保育の質が担保できなくなると思いますが、県の考えをうかがいます。

 安心して子どもを生み育てるための医療体制についてですが、09年度の本県の周産期死亡率は高く全国41位、乳児死亡率も全国41位でした。分娩取り扱い医療機関数は、06年度80施設から10年度55施設へと25施設も減少しています。周産期医療の集約化によって、広範囲の医療をカバーしきれなくなっていると思います。
さらに、本県の産婦人科医師数は、06年度から08年度136人へと6人減少し全国43位、小児科医師数は215人、全国37位です。これでは、本県で安心してお産もできません。
 国に診療報酬などの引き上げを求めたり、県独自の産科・小児科医の賃金引上げなどで、産科・小児科医師の増員を図るべきと思いますが、県の考えをうかがいます。
 さらに、県立医大のMFICUやNICU病床のような高度専門医療機能の充実とあわせ、NICUの増床も必要と思います。周産期医療体制の充実に県はどう取り組んでいく考えなのかうかがいます。
 また、私は10年以上前から長野県や宮城県の県立子ども病院を視察するなどして本県への設置を求めてきましたが、周産期医療との関係からみても具体的に検討すべきではないでしょうか。
 国の補正予算の「地域医療再生臨時特例交付金」を活用するなどで、県立子ども病院の設置を検討すべきと思いますが、県の考えをおたずねします。

(児童養護施設)
 さて、昨年末のタイガーマスク現象は本県にも広がっているようですが、県中地域は、児童養護施設のない空白地域です。子どもたちを受け入れる施設がないため、兄弟をバラバラに入所させているケースも生まれています。
 また、最近は、入所児童の大半が児童虐待の経験を持っていたり、発達障がいなどの障がいを持っている児童が、4分の1近くを占めているといわれています。
 県中地区に児童養護施設を整備すると共に、正規職員の増員が図られるよう県の支援を求めますが、県の考えをうかがいます。

<県中児童相談所>
 一方、県中児童相談所は、分室から児童センターへ、そして2008年にようやく独立した児童相談所となりましたが、せっかく設置された一時保護所は、県立ろう学校に隣接する郡山光風学園との併用です。しかし、いつまでも併用のままでよいはずはありません。県中児童相談所は、一時保護所と一体の独立した児童相談所を新設すべきと思いますが、県の考えをうかがいます。

 ところで、特別支援教育についてはどうでしょうか。県立特別支援学校の教室不足と老朽化対策が問題となり、この間、県中地区のあぶくま養護学校の増設や大笹生養護学校の改築がようやくすすんだことは評価するものの、今後も生徒数増加が見込まれるうえ、障害のある子どもたちの通学範囲もあまりにも広範囲です。あと1校新設は必要と9月県議会でも質問しましたが、教育長は、「分校化」等で対応したいとの答弁でした。しかしこれでは安上がりの教育そのものではないでしょうか。
 県中地区に知的障がいのある児童・生徒のための県立特別支援学校を増やすべきと思いますが、県教育委員会の考えをうかがいます。

(旧農場試験場本場跡地の有効活用について)
 旧農業試験場本場跡地は、郡山の西北部にある富久山町、富田町、喜久田町の3町に接し、県の中心部にあります。この地区は、大学や高校、大型商業施設、医療機関があり、市の土地区画整理事業などで宅地化もすすんで人口も増加し発展している地域です。交通面でも市道の内環状線が開通し、東部地域と交差する県道整備もすすめられています。さらに、郡山市は、JR磐越西線の郡山・喜久田間に新駅を設置する構想を示しており、JRと協議に入る方針です。
 旧農業試験場本場跡地は、約16万8,000平方メートル(5万1千坪)もあるのですから、県の中心地という立地を生かし、災害などのレスキュー隊の基地や、患者の救急搬送のヘリポートなど安全・安心の総合基地として活用することや、県の児童相談所や児童養護施設、県立子ども病院、市の消防署や郵便局など、県民や市民に待たれている公共施設を設置してはいかがでしょうか。
 跡地に公共施設を設置するなどして有効活用を図るべきと思いますが、県の考えをうかがいます。

 ところで、市町村からの土地無償提供の問題はその後もなかなか解決されないでいます。県が郡山市から無償借り入れしている県有施設用地の取り扱いについて、県の考えをお聞かせ下さい。

(市町村下水道事業の支援について)
 最後に、市町村の下水道事業の支援についてですが、昨年2月県議会で、合併した市町村の県の流域下水道事業について、県の継続管理を求めたところですが、流域下水道事業の田村処理区と二本松処理区の移管について、田村市と二本松市との協議状況をお尋ねします。
 一方、郡山市湖南町の市公共下水道整備に対する県の補助率は、2.2%から2%、さらに1%へと引き下げられています。特定環境保全公共下水道事業という名称にもあるように、これは猪苗代湖の水質保全が目的で始まった事業です。年金ぐらしの高齢世帯が多いため下水道事業への接続はすすんでいないのが現状です。水利権をもっている東京電力にも協力を求めるなどして、水質保全という目的を達成するために、県の責任で下水道を整備すべきです。少なくとも県の補助率を引き上げるべきです。
 同様に、田村市の流域下水道事業も、もともと郡山市東部地域の飲み水となる三春ダムの水質保全という目的で始まったものでした。
広域自治体という立場で、ライフラインにかかわる事業は、県が責任をもつべきです。
水質保全にかかわる下水道事業に県が責任を持つこと、あわせて市町村の下水道事業を支援するための県費補助率を引き上げるべきと思いますが、県の考えをうかがいます。
 以上申し上げ、私の質問とします。


答弁

知事

 環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPについてであります。
 TPPへの参加は、農林水産業のみならず、地域経済や農村の多面的機能の維持など幅広い分野に影響を及ぼすことが懸念されるところであります。このため、国におけるTPPへの参加の検討に当たっては、農林水産業を初め影響が懸念されるさまざまな分野について詳細な検討を行い、国としてその全体像を示しながら、国民的議論を十分に尽くした上で慎重に対応すべきものであると考えております。
 私は、これまでもさまざまな場においてこうした考えを表明するとともに、国等に対しても強く訴えてきたところであり、今後とも地方の声が反映されるよう働きかけてまいる考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。

総務部長

 予算編成につきましては、小名浜港東港地区の建設を含め、すべての事業について、緊急性、費用対効果等の観点から、事業実施に係る優先度の判断を行っているところであります。
 今後とも、財政構造改革プログラムに基づき、各種事業の適切な見直しを行うとともに、予算の重点的かつ効率的な配分を徹底しながら、将来の福島県の発展につながる事業などに的確に対応してまいる考えであります。
 次に、旧農業試験場本場跡地につきましては、未利用地としての有効活用を進めるには、都市計画法上の規制等、解決しなければならない課題があることなどから、地元郡山市と跡地の土地利用のあり方等について定期的に協議をしているところであります。
 県といたしましては、まちづくりや地域の活性化等の観点から、跡地の有効活用が早期に図られるよう、引き続き郡山市と密接に連携・調整を行ってまいりたいと考えております。
 次に、県有施設用地につきましては、県が新たに施設を設置する場合には、用地の取得または有償借り入れを原則としておりますが、過去においては、郡山市の場合も含め、地元からの強い設置要望があり、用地貸し付けの申し出があった場合などは、関係市町村と十分協議を重ねて設置したものもあることから、県といたしましては、これらの経緯を踏まえ、対応しております。

保健福祉部長

 広域化等支援方針策定要領につきましては、国民健康保険法の規定に基づき、都道府県が策定することができるとされた広域化等支援方針について、国が地方自治法に基づく技術的助言として通知したものであり、それ自体が法的拘束力を持つものではなく、どのような方針を定めるかは都道府県の判断であることから、撤回を求める必要はないと考えております。
 次に、資格証明書の交付や滞納処分につきましては、市町村が滞納世帯に対して滞納の理由、収入状況等の調査や分納等の納付相談等をきめ細かく行った上で法令に基づき実施しているものであり、制度の運営上、必要なものと考えております。
 次に、国民健康保険財政に対する国庫負担につきましては、国民健康保険がさまざまな構造的な問題を抱え、厳しい財政運営となっていることから、この改善のため、十分な国庫負担が行われるよう、さまざまな機会をとらえて国に要望してきたところであり、今後も市町村と連携し、要望してまいる考えであります。
 次に、市町村国民健康保険に対する独自の補助につきましては、県は法令に基づく負担等を既に行っているところであり、他の医療保険加入者との公平性の観点や多額の財源を必要とすることなどから、実施は困難と考えております。
 次に、国が進める国民健康保険の全年齢での広域化につきましては、国の高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめが示されましたが、「低所得者が多い」、「保険料負担が重い」などの国保の構造的問題の解決につながる十分な論議が行われたとは言えないことから、今後行われる国と地方の協議等において、問題解決に向け議論が尽くされるよう、全国知事会等を通じ国に要望してまいりたいと考えております。
 次に、乳幼児医療費助成制度につきましては、現在就学前まで助成する制度を設けておりますが、対象年齢を中学校卒業まで拡大するには十分で継続的な財源措置が必要であります。
 このため、医療保険制度において給付割合及び対象年齢のさらなる拡充を図るとともに、自己負担については、国が助成を行う制度を創設するなどの対策が必要であると考えており、今後とも子供がひとしく早期に適切な医療が受けられるよう、引き続き全国知事会等と連携しながら国に対し要望してまいりたいと考えております。
 次に、子宮頸がん予防等ワクチンの接種につきましては、接種事業の実施主体は市町村となっており、自己負担についても市町村の裁量とした国の制度の趣旨を踏まえ、県といたしましては、国と市町村の連絡調整や速やかな情報提供に努めるなど、接種事業が円滑に実施されるよう支援してまいります。
 次に、認可外保育施設における事故防止につきましては、死亡事故の発生を受け、県内の保育施設等に対し、安全管理の徹底について改めて通知するとともに、今年度は保育士等を対象に保育施設における事故防止をテーマとした研修会を開催いたしました。
 今後とも、施設の指導監査や研修など、あらゆる機会を通じ再発防止の指導等に努めてまいる考えであります。
 次に、「子ども・子育て新システム」につきましては、現在国の検討会議において、幼保一体給付に係る多様な事業者の参入によるサービス基盤の整備や利用者と事業者間の公的な契約などが検討されているところであります。
 県といたしましては、国における検討状況を注視してまいりたいと考えております。
 次に、産婦人科・小児科医師の確保につきましては、これまでも県外から転任した医師に対し研究資金の貸与を行うとともに、医師の処遇改善を図る医療機関や医師の負担軽減のための病診連携を行う医療機関の支援などに取り組んできたところであり、今後とも積極的に医師の確保に努めてまいる考えであります。
 次に、周産期医療体制につきましては、総合周産期母子医療センターを中心に地域の周産期母子医療センター及び周産期医療協力施設が連携を図り、高度で専門的な医療システムを構築しております。
 さらに、NICU等の整備目標を含めた周産期医療体制整備計画を策定するなど、周産期医療の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県立子ども病院につきましては、小児医療の実態などを踏まえながら、引き続き研究してまいりたいと考えております。
 次に、県中地区における児童養護施設の整備につきましては、既存施設の入所率の緩和や親子の面会などの利便性向上を図る上でも意義があるものと認識しております。
 このため、県といたしましては、設置を希望する社会福祉法人等からの問い合わせに対して積極的に相談に応じており、開設から運営に至るまでの手順や運営の方法に関して助言するなど、できる限りの支援を行っているところであります。
 次に、児童養護施設の職員につきましては、国の配置基準を満たした上で施設設置者がその責任において配置をするものであります。
 県といたしましては、国の基準に基づき、職員の配置に要する経費を負担しているほか、国の基準を満たさず措置費加算の対象とならない心理療法職員の配置に対して県単独の加算を行うなど施設運営を支援しているところであります。
 次に、県中児童相談所につきましては、一時保護所を整備した平成20年8月以降、本所にある相談部門と一時保護部門との密接な連携のもとで運営してきたところであり、今後とも子供やその家庭を援助する専門機関として、児童相談所の機能が一体的に支障なく発揮できるよう適切な運営に努めてまいる考えであります。

商工労働部長

 企業立地促進補助金の対象となった企業の新規雇用につきましては、初期投資額が一定規模以上の施設補助型において補助金の一部を交付した企業は三社で、新規正規雇用者数は181人となっており、また今後補助金の交付を予定している企業は三社で、新規正規雇用計画数は660人となっております。
 次に、企業立地促進補助金の対象となった会津地方の半導体関連工場における労働者の再就職につきましては、国や市町村等と連携し、支援してきたところであり、現在も再就職を希望している方はおおむね2割と聞いております。

農林水産部長

 環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPの影響額の試算につきましては、さまざまな仮定に基づく条件を設定した上でなければ行えないものであることから、県としての試算は考えておりません。

土木部長

 小名浜港東港地区に係る橋梁の全体事業費につきましては、約130億円が見込まれております。
 次に、道路整備につきましては、それぞれの道路に求められる役割や事業の目的、整備の優先性などを判断し、実施しているところであります。生活関連の道路や歩道については、今後とも地域の要望などを踏まえ、改良工事や歩道の新設、現道を有効に活用した対策など、地域の実情に応じた整備を着実に進め、安全・安心な県民生活の確保に努めてまいる考えであります。
 次に、住宅リフォームにつきましては、新築等の工事に比べ経済波及効果が限られることから、県といたしましては、より大きな効果が得られる新築木造住宅を対象とした「森を木づかうふくしま住まいる事業」を大幅に拡充することにより、県産材の利用拡大と良質な木造住宅の建設促進を通じて県内の製材所や工務店などを支援してまいる考えであります。
 次に、流域下水道事業の田村処理区及び二本松処理区の移管につきましては、現在国及び他府県の情報収集に努めながら、二本松市、田村市及び県で構成する流域下水道の移行に関する協議会において、移管に伴う両市への影響等について協議を行っております。
 次に、下水道事業につきましては、生活環境の改善と公共用水域の水質保全のため、住民に身近な行政主体である市町村が公共下水道事業を行い、県は二つ以上の市町村の区域における流域下水道事業と過疎市町村における代行事業を実施することとしており、市町村と県が適切な役割分担のもとに行うべきものと考えております。
 次に、下水道に係る県費補助につきましては、平成20年度の財政構造改革プログラムに基づき、見直しを行い、市町村が実施する下水道事業に対し、財政力指数に応じて一から3%の県費を補助しているものであり、引き続き実施してまいりたいと考えております。

観光交流局長

 福島空港につきましては、ソウル便の増便など一部に明るい兆しが見られるものの、引き続き厳しい状況が続いておりますが、本県にとって経済や産業の振興を初め多様で広域的な交流を支える重要なインフラであると認識いたしております。
 また、県内各層からも福島空港に対するさまざまな御意見をいただいていることから、来年度航空業界の有識者を交えた懇談会を設置し、専門的意見を踏まえつつ幅広く議論を進めながら、中長期的視点に立った利活用策について検討していく考えであります。

教育長

 県中地区に知的障がいのある児童生徒を受け入れる県立特別支援学校をふやすことについてでありますが、県中地区では、あぶくま養護学校の増築工事が今月末に完了し、新年度から同校の教育環境が改善されることとなります。
 県教育委員会といたしましては、こうした状況を踏まえながら、県中地区における障がいのある児童生徒数の今後の推移や通学の状況等を勘案して、分校等の設置も含め、特別支援学校のあり方について全県的な視野で総合的に検討してまいる考えであります。


再質問

 まず最初に、知事にお伺いしたいと思います。
 TPPの問題です。先ほど農林水産部長は、試算はしないと、こういう答弁がありました。私は、知事のその慎重という姿勢が県全体を支配しているんじゃないかと思います。このTPPの影響というのは、知事も言われるように、農業分野だけではもちろんないと思います。でも、今県内の県医師会からも懸念が表明されていますし、労働分野にも大変な影響が出ると言われているんです。知事は、本当にそういうふうに思っているのか。だったら、きちんと反対をすべきじゃないですか。これは、国の形にかかわる問題なんです。
 昨年10月に東京で大集会が行われました。この特別決議に非常に私は感銘を受けました。我が国は、確かに歴史の分水嶺に立っている。地球環境を破壊し、目先の経済的利益を追求し、格差を拡大し、世界じゅうから食料を買いあさってきたこれまでのこの国の生き方を反省しなければならないと呼びかけ、自然の恵みに感謝し、食べ物を大切にし、美しい農山漁村を守り、人々が支え合い、心豊かに暮らし続け、日本人として品格ある国家をつくっていくためにTPP反対の国民運動決議を決めたと言われているんです。どう思いますか。知事は、この福島県の代表ですから、農業やさまざまな産業に影響を与えること、その責任があると私は思うんです。ですから、きちんと明確に反対を表明してしかるべきだと思いますが、もう一度お聞かせください。
 それから、住宅リフォーム助成制度、土木部長、新築住宅なら経済波及効果があるけれども、住宅リフォームはそれほどないみたいなお話でしたけれども、他県の状況をちゃんと調べられましたか。新築は、やれば確かにそれはあるでしょうけれども、この厳しい経済状況で戸数は少ないんじゃないでしょうか。両方やったらいいんじゃないですか。私は、そういう意味では、他県の事例を見て、経済的な対策、緊急対策として商工労働部と一緒になってこの事業を進めたらいいと思うんですよ。国の国会でもこの交付金を使えると言っています。社会資本整備総合対策交付金、これが使えると国会でも答弁されていますね。住宅リフォームに使えるんですよ。もう一度御答弁をお願いいたします。
 それから、誘致企業の雇用状況が商工労働部からありました。この三社、これから交付金するところプラス三社、六社と言いましたけれども、この会社の名前なぜ言えないんでしょうか。この会社名、35億円も出す、県民の税金を使っての補助対象企業ですから、明らかにしてほしいと思います。そして、計画人数じゃなくて、何人雇用したかきちんと調べてほしいと思うんです。緊急雇用対策のお金を使った基金事業では、何人雇用しましたってちゃんと言っているじゃないですか。何で誘致企業にはそういうことが言えないのかなと思うんです。私は、そういう意味でもきちんとした数字を示していただきたい。内容も明らかにしていただきたいと思います。
 それから、保健福祉部長、県中の児童相談所、本当に大変な状況です。県立聾学校保護者と県との覚書にもいろいろありますね。児童相談所は、いろんな子供さんがいるのは確かですから、私は併用そのものが問題だと思うんです。郡山の保健所の跡地につくった本体と距離感が結局福島にあった中央児童相談所との関係と同じような状況になって、目が届かない。私は、一体型にすべきだと思うんです。ぜひこの辺で検討を進めていただきたいと思います。県立病院も研究すると言われましたけれども、もっとこれをほかの県の事例を見て検討したり、子供の重度医療を含めてきちんと診れるようにすべきだと思います。もう一度御答弁お願いいたします。


答弁

知事

 TPPへの参加の検討に当たっては、国は広く国民の意見を聞く、十分に議論を尽くす、慎重の上にも慎重を期した対応を行うべきであると考えております。

保健福祉部長

 県中の児童相談所でございますが、県中児童相談所は一時保護所の設置を早急な整備をしなきゃならないということで今のような形になったわけでありますが、所長を初めとする職員の努力と工夫とをしっかりして、支障のない業務運営に努め、当面は現体制で運営してまいる考えでございます。
 二点目の県立子ども病院の設置についてでございますが、この病院では産科や小児科の医師が必要になってきますので、担当するそのような医師の状況等、本県の小児医療の実態を踏まえながら引き続き研究してまいりたいと考えております。

商工労働部長

 企業名につきましては、個々の企業の経営にかかわるということで御理解いただきたいと思います。
 企業立地促進補助金の雇用者数でありますが、先ほども申し上げましたように、既に操業している企業につきましては実際の雇用者数を申し上げましたし、あと計画数につきましては、今後操業ということで、現時点ですので、計画数を申し上げたということでございます。

土木部長

 住宅リフォーム助成制度につきましては、国においては既にエコポイント制度など、また県におきましては木造住宅耐震診断補助や金融機関との協定によります金利優遇制度などの助成支援制度を設けております。県といたしましては、これらの制度が効果的に活用されるよう支援してまいる考えであります。


再々質問

 住宅リフォーム助成制度は、交付金を本当に活用する気がおありなんですか。もう一度お聞かせください。
 それから、下水道事業についても、財政構造改革プログラムで見直しって下げちゃったんですね。お金がないんじゃなくて、やる気がないと私は思うんですけど、これで本当にいいんでしょうか。
 それから、田村市と二本松の協議状況も引き続きということだったんですけれども、私は県が引き続き管理すべきだと思うんです。水質保全を守るという立場に立てば、合併したからといってその事業を投げていいんですか。私は、市町村を本当に支援するというのであれば、市町村の財政状況も見ながら継続すべきだと思うんです。そういう意味では、その協議状況はお聞きしまして、今後ともやっていくということなんですけれども、その方向性がよくわかりませんので、もう一度お聞かせください。きちんと県が管理する方向で協議しているのかお聞かせください。
 それから、教育長にお尋ねします。
 あぶくま養護学校の改修が進みまして、ようやく4月からそこは改善したと思うんです。でも、広範囲に通っている子供のその状況は改善されないじゃないですか。やっぱり私は新しくつくるべきだと思うんです。どんな検討されているんですか。全県的にやるといっても、県中地区はどうするのかと、もう少し明らかにしていただきたいと思うんです。障がいのある子供たちにとって本当にこんな環境でいいのかと、私は涙が出る思いです。教育長が本当にその気になって御答弁いただければと思います。
 それから、商工労働部長にもう一度お尋ねいたしますが、企業名は明らかにできないということなんですけれども、35億円も出す企業の名前をどうして明らかにできないんですか。誘致企業でこれから来る企業は新聞情報で私たちもわかりますけれども、ここに入ってしまったら、どの企業が張りついて、35億円出したかわからないなんて、県民の税金使ってやっている、本当にそれでいいんですか。私は、そんなふうには思いませんよ。県民は、納得しないと思うんです。しかも、5億円から35億円に上げたわけでしょう。お金がないと言って、保健福祉部のいろんな事業がなかなか進まないじゃないですか。こういうところにはどんどんお金を出しながら、企業名も明らかにできないというのは私はおかしいと思います。税金をこれだけ投入しているのであれば、その費用対効果も見なきゃいけないんじゃないですか。そういう意味では、企業名も明らかにして、きちんとその実態を明らかにできるようにすべきだと思います。もう一度そこをお聞かせください。
 総務部長にお尋ねいたします。
 無償提供の土地の問題ですけれども、先ほどのお話ですと、市町村から要望があってつくったところはもうその対象にしないと。新しくやるところは有償でというお話でしたね。でも、私はそれは逆だと思います。市町村には、それぞれ県の施設があるんですけれども、いつもその上物はつくるけれども、土地代は提供させられてきたんです。それが経緯じゃないですか。私は、そういう意味では、そういう仕分けにしてしまって、市町村と県との間ではいいでしょう。しかし、市民から見れば、例えば郡山のビッグパレットのような大きなものをつくって、経済効果はあるだろうとは言うかもしれませんけれども、その土地代はやっぱり市民の税金じゃないですか。納得できませんけれども、もう一度その考えをお聞かせいただきたいと思います。

総務部長

 おただしの郡山市から借りている用地につきましては、県に対して強い設置要望がありました。また、用地貸し付けの申し出がありましたことから、郡山市と十分協議した上で対応したものでございまして、これらの経緯を踏まえて現在も対応しているものでございます。

商工労働部長

 誘致企業の個々の経営戦略にかかわることでございます。

土木部長

 住宅リフォームの助成につきましては、現行の制度が有効に効果的に活用されるように支援してまいりたいと考えております。
 それから、下水道の市町村の補助につきましては、財政構造改革プログラムに基づき見直したわけでございますので、その率で引き続き実施してまいりたいと考えております。
 それから、田村処理区及び二本松処理区につきましては、移行を前提とした協議を進めているということでございます。

教育長

 県中地区における県立特別支援学校についてでございます。先ほども御答弁申し上げましたが、この3月であくまでもあぶくま養護学校の増築工事が終わる。ですから、その学校の教育環境は確かに改善すると。その後のことにつきましては、議員おただしのとおり、障がいのある児童生徒の今後の推移とか、あるいは長い時間かかっている通学の状況とかということを当然のことながら考慮していかなければならないと、それは考えております。ただ、県内全体のことを考えた上で、その中での県中という形で検討を進めてまいりたいと考えております。

以 上



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