◆神山悦子県議
日本共産党の神山悦子です。共産党10分の持ち時間を宮川議員と2人で行います。
まず、3月11日の地震・津波発生、加えて原発事故によって犠牲になられた全ての方々に心からのお見舞いとお悔やみを申し上げます。
さて、未曾有の大震災と福島第一原発の事故発生からすでに1ヶ月半が過ぎようとしています。今回の福島原発事故については、これまで原発・プルサーマルを推進してきた全ての政党・政治家、そして知事にも言いたいことは山ほどありますが、まずは、あらゆる知恵と能力を総結集して原発事故の収束を図ることが最優先課題です。この追及は別の機会にしたいと思います。
今回の原発事故に関して、まず知事にお尋ねいたします。知事は4月22日、事故後初めて東電の清水社長と会った際に、清水社長は今回の原発事故を「想定外」だったと繰り返しているのはとんでもないことです。れまで私たちは、地震と津波対策を指摘してきましたが、その対策は何もとらず、初動体制も遅れた二重の「人災」そのものではありませんか。しかも、知事が第一原発は当然、第二原発を含めて再稼働はありえず10機全ての「廃炉」をと言及したにもかかわらず、清水社長は1〜4号機の廃炉しか明言していません。まず、知事に「人災」と「廃炉」についての見解をお尋ねします。
◆知事
清水社長との話の中で私が申し上げたのは、清水社長がこれまでの間に何度か「想定外」という言葉を使っていて、最初に「想定外」という言葉を使ってから、様々な人の評論、またいろんな方から彼自身にも、想定外を想定することが、原子力政策の最も大事なところだと言われているにもかかわらず、この間の参議院の予算委員会の債にもそんな話があったので、改めて私自身から申し上げた。
収束をしない今の原子力発電所を見て、県民のみなさんが、毎日線量を気にしながら不安の中に47日間いる、1ヶ月以上過ごしている中で、私自身はとても再開など考えられないということを申し上げた。
◆神山悦子県議
今後においても、福島原発の10機廃炉を明言できるか。
◆知事
今申し上げたとおりである。
◆神山悦子県議
そのことを全てのみなさんが忘れないようにしたい。私も忘れない。
ところで、4月3日に知事が菅総理宛へ提出した原発事故・大震災に係る「緊急要望」は、私たち共産党県議団も高く評価しています。
原発事故に起因する全面的な損害賠償の実施と、災害救助法にしても、現行法を拡大して、柔軟な運用、弾力的な運用、全額国庫負担を求める、この点では非常に大切なことを言っているからです。このスキームも私は非常に高く評価している。これについて、どんな背景、意思でつくったのか説明をお願いします。
◆総務部長
総理大臣に特別立法の制定等を要求しているが、そのスキームとして、いま議員がお持ちの図をつくった。原子力災害の状況を考えると、これは現在、想定を完全に超えている。県内全域あらゆる分野に深刻な影響を及ぼしている状況である。また、遠視力災害は継続中であり、これからどんな被害、影響が出てくるのか見当もつかない。
縦割りの中で様々な対応がされているので、原子力災害の応急対策、復旧対策、復興対策を一元的に所管する組織をまずつくってほしい。それから、原子力政策は国策で進められているので、風評被害を含めてあらゆる分野に出てきた被害を、国が全責任を持って対応するようにという二本柱を入れた特別立法をして、対応してほしいと要請した。
◆神山悦子県議
私はこれは非常に大切で、知事を先頭に、県議会も県内の市町村、市町村議会も、この立場で国に攻め上がっていくべきだと思う。その点でも、ここに30kmで切らないということをちゃんと明言していることは、非常に大切なことである。改めて、原発の特別立法を求めること、30kmで線引きしないこと、これについての考えをお伺いします。
◆総務部長
今ほど申し上げましたとおりである。実際に30kmを超える方々が自主避難をするような状況がでている。避難に伴って生じた様々な影響等については、国が責任を持って補償していただくような要求、要望を強力にやっていきたい。
◆神山悦子県議
知事に聞くが、国だけではなく、東電にも同じように求めるべきだと思うがいかがか。
◆総務部長
当然ながら、東京電力は事業者であるので、第一義的には東電が補償すべきであり、東電に求めている。ただ、この損害賠償の費用がいくらになるか全然見当がつかない。一事業者で賄いきれるのかどうか、非常に不透明なところがあるので、われわれは、国策であるので、国が全責任を持って対応するように要求している。
◆神山悦子県議
どれくらい補償できるのかなんて心配する必要はないと思う。これは本当に生きるか死ぬか、わが県にとっては大変なことである。
ところで知事がそういう要望をしているのに、県が義援金の支給、罹災証とか30kmで切っているように私には映る。当該者の県がそう言っているのだから、これでやりますよという国会答弁もある。県の対応はいかがなのか、この辺の違いは。
◆会計管理者(兼)出納局長
義援金支給の要件としては、津波、地震による全壊、半壊、そして30kmという2つの要件で支給することにした。これはできるだけ速やかに被災者の方々に、当面のお金を手にしていただきたい、生活資金として支給したいということであったので、そういう意味で、できるだけ早く判断できる1つの基準ということで、第一次半分の基準として2つの基準を設けた。
◆神山悦子県議
第一次配分の最初の基準がこれでつくられてしまうと、すべてになってしまう。すでに須賀川市のキャベツ農家は自殺している。飯舘村の100歳を超える方は自殺している。これは30km以上ではないか。そういう県の基準をつくりつつあるみたいなことをやるのは混乱を招くと思うし、そうあってはならないと知事も言っているではないか。
◆会計管理者(兼)出納局長
この基準は、できるだけ早くということで、配分委員会で大至急ということで決定したものである。現在、まだ配分していない義援金もある。それらについては、第二次配分等において検討していきたい。
◆神山悦子県議
その基準は全県に広げるという理解でよいか。
◆会計管理者(兼)出納局長
配分委員会の決定なので、現在は何とも言えない。
◆神山悦子県議
その姿勢はちょっとおかしいのではないか。何でそうなのか。もう一度答えてほしい。
◆松本副知事
経過としては、今会計管理者が説明したように、速やかに、しかも一番困窮された方々に支給するという建前である。今後、保証金の動向あるいはみなさん方の意見、県民の意見等を踏まえて、配分委員会で議論していただくことにしたい。
◆神山悦子県議
東電の皷副社長でさえ、私たちの申し入れのときに、個人的見解とはいいながら30kmできるのは常識的でないと言っている。なぜ30kmで線引きすることに私がこだわるのか。今後の原発損害賠償紛争審査会にかかわるからである。茨城県のJCO事故で、だいぶ損害、被害額が縮小された。茨城県ではそういう意味では、いろんな教訓を踏まえて、全部訴訟できるように、県に協議会、窓口もつくっている。メンバーも地元から紛争審査会に入っていないではないか。農家、住民もいないこの2つについて答えてほしい。
◆松本副知事
制度として、広く国民の方々が、被災者に義援金という形でぜひお使いいただきたいというものと、補償という問題は厳然として違うと思う。義援金については、配分委員会の方で、県民の方々の意見、義援金をお寄せいただいた方々の意見、みなさん方の意見を踏まえて議論してほしいと思う。
審査会については、JCOとまったく異なった規模であるし、中身も違っているので、国でそういう専門家の人選をしたわけだが、私どもとしては、県の実情をつぶさに訴えるということで、私が明日審査会で意見を述べることになっているので、そういう背景にしながら、しっかりと意見を述べていきたい。
◆神山悦子県議
県に窓口を窓口を設けることについてはどうか。JA系統ではない個人のことについても、県がしっかりまとめ役にならなければならないと思うが、それについては答がなかった。
◆会計管理者(兼)出納局長
今後、どういうふうな形で個人、個人の方を支援できるか検討したい。
◆神山悦子県議
時間がないので、以上で私の質問を終わる。
◆宮川えみ子県議
被害に遭われた多くの方々に、心からのお見舞いを申し上げながら質問する。
第一次、第二次避難所についての健康管理についてである。3時間しか持たない酸素ボンベを24時間使うしかなかった方、気力低下で健康を損なう方がおり、保健師の配置体制強化が必要と思うが、実態と対策を示してほしい。
◆保健福祉部長
避難所における医療と保健の支援についてだが、県では災害医療支援ネットワークをつくり、そこを窓口にして、全国から医療の支援チーム等を受け付けていた。これまでに、6自治体、7大学、8病院、13の日赤支部、15の日本医師会でつくっているJMAT等から51チームを受け入れて、それぞれの避難所で医療支援に当たった。
また、保健チームにより指導については、保健福祉事務所の保健師、県内関係機関の保健師、全国から応援をいただいた保健師でチームをつくり、4月25日現在、県内で13チーム、県外から24チームが、避難所で保健医療の支援をしている。
◆宮川えみ子県議
命にかかわる問題なので、更なる強化を求めたい。避難所では洗濯機の配置が求めらえている。洗濯機がなくコインランドリーを利用している方は、お金がとてもかかり大変である。全避難所に洗濯機配置を求めたいが、いかがか。
◆会計管理者(兼)出納局長
一次避難所、二次避難所ともに、生活環境の改善がたいへん大事だと考えている。関係市町村と連携のもと、取り組んでいきたい。
◆宮川えみ子県議
切実な問題なので、よろしくお願いする。
避難者住宅について質問する。すでに住宅を借りている人に家賃を出すという方向が出された。さかのぼって出すことが当然だと思う。様々な事情で、借金までして住宅を確保している方への支援も必要だと思うが、さかのぼっての支援はいかがか。
◆土木部長
原稿のフレームの中では、たいへん厳しいという確認をえている。ただそういう要望も強いということなので、引き続き要望していきたい。
◆宮川えみ子県議
引き続きお願いする。誰も好きこのんで原発から避難しているわけではない。そして津波、地震の被害にあった方々が、住宅を確保するのに負担をさせない、全員入居できる形でお願いしたい。平等の観点から、拡大的な適用を求めたいが、いかがか。
◆土木部長
いろんな個別の事案が発生している中で、できるだけ要望にそう形で、国に要望していきたい。
◆宮川えみ子県議
4月11日、12日にいわき南部と内陸をおそった強烈な余震で、直下型で、学校や道路、公共施設から一般住宅まで甚大な被害を及ぼしている。一般住宅の瓦、宅地の亀裂、塀などの被害で、二次被害が起きかねない状況である。何らかの救済対策が必要と考えるが、いかがか。
◆生活環境部長
どのような支援策を講じることができるか、検討したい。
◆宮川えみ子県議
瓦はお金があって直さないと、家そのものが住めなくなる。中越沖地震のときは、何らかの対応策をとった例があると聞くが、ぜひその辺の検討をお願いしたいが、いかがか。
◆生活環境部長
指摘の例も検証しながら、検討したい。
◆宮川えみ子県議
いわき市は、原発によって北に行く道が閉ざされた。そして、この前の地震で内陸に行く重要道路が通れなくなった。重大な事態である。いわき市から内部に通じる県道いわき石川線の田人地区と、上釜戸地区の開通見通しについて聞く。
◆土木部長
いわき石川線については、現地へ行って確認したが、暫定的な供用の工夫をして、約半年の期間で暫定的な再開通を図りたいということで、今いろんな調査方法を検討している。
◆宮川えみ子県議
それは田人地区内の話だと思うが、確認したい。渡辺町上釜戸地区の大規模崩落についても説明願う。
◆土木部長
規模的に同じようなものであるので、2ヶ所とも半年くらい時間がかかると考えている。できるだけ早く復旧対策を進めていきたい。
◆宮川えみ子県議
復旧については、くらしの支援、産業の支援が基本だと思う。そういう面においては、この問題も、道路の問題だけでなく、復興がどういうふうに進んでいくか、このことにかかわっていると思うので、どうぞ全力を挙げてお願いする。
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