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第3回東日本大震災復旧・復興対策特別委員会

―― 復興ビジョン検討委員会に対する質問・答弁 ――

2011年6月22日 宮川えみ子県議

宮川えみ子県議
 日本共産党の宮川えみ子です。
 復興ビジョンの基本理念(基本方針)で「原子力に依存しない・・社会づくり」が加えられた事は当然で歓迎するものです。今委員会でもこもごも出されていますが、原発事故はひとたび重大事故が発生し放射性物質が外部に放出されれば、もはやそれを抑える手段はなく、空間的にどこまでも広がり、時間的にも将来にわたって広がり、地域社会の存続さえ危うくする「異質の危険」があります。放射能被害は現段階でも福島県以外10県に広がり、海洋汚染は世界に広がる危険性があります。県外に避難した1万人の子どもたちを含む3万人の方々、日本中のみならず世界中の人々が固唾をのんで、福島県の復興ビジョンに対する原発の扱いをみています。
 知事にお尋ねします。脱原発の基本理念を示してこそ、すべての人々の力の結集や誇りある故郷再生、産業の構築が進む道があると思いますが、知事の見解をお示し願います。

知事
 私自身途中の整理ですが、原子力発電の被災県として、途中の整理を重く受け止めて今後まいりたいと考えております。

宮川えみ子県議
 いわき市で6月15日、800人が集まって脱原発の統一集会とパレードがありました。私は、議員になって30年になり数々のこのような集会に参加してきましたが、沿道の方々とこれほど一体になった事はありませんでした。小さな子どもを連れたお母さんが手を振る・高校生が携帯で写真を撮る・お店のお客さんと店主が一緒に飛び出してくる、すれ違う車はみんな窓を開けるのです。
 11・12日の世論調査会の調査では82%が脱原発を支持し、電力不足による不便を受け入れると答えております。世界ではドイツ・スイスに続いてイタリアでも脱原発の方向で動いております。情勢の激変を感じております。
 知事にお尋ねします。「私自身、途中の整理を重く受け止める」ということです。だったら、私は、早く、はっきりと;脱原発の方向を示すべきです。方向が決まってこそ再生可能エネルギーの爆発的推進が進みます、一定の時間がかかりますが、可能な限りの安全性を確保しながら脱原発の方向に向かうことができます。東電の次期社長も県民の意思を踏まえれば受け入れざるを得ないと言ったといいます。まさに知事の決断がかかっています。県の復興計画は脱原発をはっきり示すべきです。キチンとお答えいただきたいと思います。

知事
 繰り返しになりますけれども、検討委員会の中間整理については、重く受け止めます。それから先ほども申し上げましたけれども、いまの世論調査については、私自身も承知しておりますし、そのような中で、また県議会のみなさんの御意見も聞き、そしてまた立地町村のご意見、さらにまた県内各方面からのコメントなどを聞かせていただきながら、判断していきたい。ついては、ロードマップ、雇用の問題、全体あつく、経済の問題もさまざまな角度から考えなければならないということもあり、この中で考えさせていただきたいと思います。

宮川えみ子県議
 山形県の知事と滋賀県の知事は先んじて脱原発の姿勢を打ち出しました。専門家は、福島県沖にまた動く可能性のある大きな断層があるとこういうことを指摘しています。知事は世界に類のない大惨事を受けたと言います、県外に行った子どもたちを取り戻したいと言いますが、だったら、「脱原発」のメッセージこそその確固たる保障になっていくと思います。雇用、経済、さまざまな角度から考えなければならないと言いますが、雇用も経済もめちゃめちゃにしたのが今度の事故じゃないんですか。私は、それを考えますと、ぜひとも明確に「脱原発」の方向を打ち出していただきたい、このように思います。繰り返しになりますので、知事が「うん、うん」と言っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次にいきます。
 復興ビジョン検討委員会の提案では、賠償問題は極めて弱くなっております。20日に開催されたJA福島5連の総会で庄條徳一会長は「先祖から受け継いだ土地が危機的状況にある。元の状態に戻す事が復興の第一歩、原子力賠償は直接的被害だけでなく田畑を手放し故郷を離れた苦痛についても被害請求をしていく」と話しております。
 200万県民すべてが放射能におびえ、多くの方々が職を故郷を追われ、子どもたちが歓声をあげて遊ぶ広場を追われ、思い切って空気を吸う事も制約された。この賠償を果たせないで何の復興があるのかと思います。失われた雇用、いわき市の北へのルートを分断され産業に重大な事態を招いたこの賠償をどうさせるのかです。
 質問です。原子力賠償問題を復興ビジョンの基本にし、原発事故がなかったなら、あったらあろう収入と、現実の収入との差をすべて賠償させることを明記すべき。このように思いますが、お尋ねします。(「いい質問だ。がんばれよ」の声)

原子力損害対策担当理事
 原子力損害につきましては、先生申し上げていますように、あまねく損害を受けた被害全体について全県、全県民を対象に賠償を請求するということは国の方に強く申し上げております。

宮川えみ子県議
 ホットスポットが次々に明らかになり、被害が拡大し続けております。健康調査をして、その結果を踏まえてどうするのか、漁業被害は2年間位の調査が必要と言い全体像がつかめておりません。賠償問題を全面的に取り組んでこそ、暮らしの復興ができると思います。
 あまねくと言います。それを明確なものにする。つまり、県のこの復興計画のメインとして明確に書き込む。このことが大事だと思いますが、再度質問いたします。

企画調整部長
 いま、検討をいただいております復興ビジョンの中でも、主要施策の1つとして原子力災害への対応、原子力災害の克服ということを掲げてございます。当然その中には、いまお話のありますような賠償の問題につきましても非常に大きな部分を占めると考えてございます。ご説明をしております施策例の中にも、原子力災害の克服の中で、その施策例として県民、事業者、各種団体等の原子力災害損害賠償支援というふうに入れてございます。当然、復興ビジョンの中でも、原子力損害賠償については、非常に大きなウェートを占めると思っておりますので、今後ビジョンを策定していく上で重視してまいりたいと考えております。

宮川えみ子県議
 私は示された報告を見たんですが、大きな部分を占めると言いますけれども、例として載っているだけなんですね。非常にこれは弱いと思います。ですから、これを受けて県の方が計画を作るわけですから、私は、ぜひですね、この部分を基本的な問題としてつかむべきだと、このように思いますが、もう一度答弁をお願いいたします。

企画調整部長
 そういうご意見も含めまして、県としての復興ビジョンを策定していく中で検討してまいりたいと考えております。

宮川えみ子県議
 ぜひ、よろしくお願いいたします。
 被災者支援は相当長期的になると考えられます。今回の災害は、災害のなかった時点でも、新自由主義路線の中で、高齢化、医師不足が問題になっていた地域でした。公共の再構築も緊急的で、はっきりとした形で進める事が重要だと思います。被災者が破壊された生活の基盤を回復し、自分の力で再出発できるように支援することが復興の最大の目的であり、エネルギーになっていくと思います。
 質問です。一人ひとりの被災者の生活再建が復興の土台であることを計画の基本として明記すべきと思いますが、お答えいただきたいと思います。

企画調整部長
 いま、お話がございましたように、当然、本県の復興を考える上では、今日もいろいろ議論がございましたが、被災をされた県民の方々の生活をともかく元にもどして、また、以前以上に本県に住んで良かったと言えるように、思っていただけるような、そういうような復興を果たして行かなければと考えております。当然、復興ビジョンの中でも、そういう議論を含め、これからもそういう議論をしていただくことも含め、県としてビジョンを考えていく上でも、そういうことを念頭に置きながら策定をしていきたいと考えております。

宮川えみ子県議
 先ほどもそういうお話がありまして、やはり、かなり、議員のみなさん、他党のみなさんんとも認識の同じ方向があるなと思いました。ただ、提案された復興ビジョン検討委員会の中では、地域というのは出てくるんですけれども、その被災者の生活再建というのはメインとはなっていないんですね。私はそこのところをちょっと、非常に心配をいたしました。
 ぜひ、何ごともこういうものは基本的にそのことを明記することによって、動きは始まると思いますので、そこのところはぜひ、受け止めていただきたいとこのように思います。
 それから、次なんですが、ビジョン策定での意見聴取なんですけれど、県民の声を聞くのにパブコメをやると言うんですけれど、これは相当限定になってしまうと思うんです。
 私は、一番意見を聞かなければならないのは、県内県外の一番大変な思いをしている原発の避難者もいます。津波、地震の避難者もいます。そういう人の声をどのように聞こうとしているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。

企画調整部長
 いま、復興ビジョン策定のための作業を進めておりますが、これまでもご説明申しましたが、やはり、いま緊急にこういう事態になった中で県民のみなさまに復興に向けた希望の旗を立てて、とにかくみんなで頑張っていこうということをお示しする必要がある。そういう意味で、復興ビジョンは基本的な理念、主要な施策をお示しをするということで、できるだけ早く策定をしたいと考えてございます。そのビジョンについても、先程来申し上げておりますように、県議会、それから市町村のみなさま、それから県民のみなさんのご意見をできるだけ幅広く聞くような手立てをやっていくつもりでございますが、実際に復興ビジョンができた後に、これから作る復興計画につきましては、やはり具体的な地域計画についても出てまいりますので、やはり、復興計画を策定する過程では、復興ビジョンでやる以上に県民のみなさまからのご意見、業界団体からのご意見、そういうことをお聞きする手段などさまざま講じていきたいというふうに考えてございます。

宮川えみ子県議
 なるべく早く旗を立てる必要があるというのは分かります。しかし、作って、その中での政策というと、やはり違うと思うんですね。やっぱり、いま私がいろいろと申し上げましたけれども、基本的なところで弱いものもありますし、抜けているところもあると思います。私は、何ごとも一番大変な思いをしているそういう人たちの声を聞くことが、その基本の中で何が不足しているのか、ということを見ることができると思うんですね。ですから、私は、7月までという期間を区切っていると思うんですけれど、そういうことではやはりちょっと難しいんではないかなと、大変な思いをしている被災者の意見をどのように聞くかという具体的なご答弁はなかったので、そこについてお示しいただきたいと思います。

企画調整部長
 これまでも知事が直接避難所に出向いていろんなお話を伺ったり、県にもいろんな声は寄せられております。復興ビジョンにつきましては先ほども申し上げましたが、確かにできるだけ早くという、遅いという声もありますので、県民のみなさまに明るい将来に向けた、とにかく福島はこういうふうに復興していくんだという、旗になるようなものをまずお示しすると、そういうことでいま進んでおりますので、復興ビジョンについて県民のみなさまのこれまで頂いたそういうご意見、知事、職員が避難所等で頂いたご意見、首長等から頂いたご意見、そしてパブリックコメントで頂くご意見、こういうものを踏まえて策定をする。そのあと作る復興計画につきましては、具体的にいろんな場で県民のみなさまから聞く場をどういうふうに設けていくかこれから検討して今後ともやっていきたいと思います。

宮川えみ子県議
 一番大変な人は声を出せないでいるんですね。その観点が大事だと思います。ぜひそのことを具体的にお願いしたいと思います。もう一度。

企画調整部長
 そういうご意見も踏まえながら、対応してまいりたいと思います。

以 上



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