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2011年12月27日
2011年12月定例県議会を終えて
日本共産党福島県議会議員団
団 長  神山 悦子
副団長  宮川えみ子
副団長  阿部裕美子
幹事長  宮本しづえ
政調会長 長谷部 淳

はじめに

 東日本大震災・原発事故で延期された県議会議員選挙が、11月20日投票で施行され、日本共産党福島県議団は改選前の3議席から5議席に前進し、1999年以来の交渉会派入りを実現しました。
 これは、党県議団が一貫して原発の危険性を指摘し、厳しく国と東電を追及し安全性の確保を求めてきたこと、3・11以降、被災者の思いに寄り添い、ボランティアなどの支援活動と全面賠償を求めてきたこと、徹底した除染を国と東電の責任ですすめるよう求めてきたこと、「原発ゼロ」の世論と運動を前に進めるなど、「オール福島」の願い実現に力を尽くしてきたことが県民の大きな支持を得た結果です。
 12月24日、民主党政権が来年度の政府予算案を決めました。社会保障は冷たく切り捨てる一方で大企業・大資産家向けには巨額の減税を続け、軍事費を聖域扱いにし、大型公共事業の浪費を広げています。「生活が第一」という政権公約を完全に裏切って、財界とアメリカの要求を忠実に実行しようとする予算です。
 政府は2000年度からの3年間に物価下落分を年金額に反映させなかったことで1.7%分、10、11年度にも「本来水準」との差が拡大して2.5%分の「特例水準」になったとして年金の切り下げを強行します。
 生活必需品とともに、医療費も保険料も値上がりしています。それにもかかわらず、政府は老齢年金に連動して障害年金や児童扶養手当まで削減しようとしています。血も涙もないやり方です。
 軍事費や大型開発にメスを入れ、大企業・大資産家への新たな減税をやめてゆきすぎた減税を見直し、暮らしに軸足を置いた予算に抜本的に切り替えることが必要です。

 さて、11月29日、党県議団は県の来年度予算編成と12月県議会に関する知事申し入れを、県議選で訴えてきた公約を軸に申し入れました。
 知事は、わが党が県議選で公約に掲げた「18才までの県民の医療費無料化」を11月24日、野田首相へ要望しました。

 さらに、11月30日には、知事が定例記者会見で、「復興計画」素案の中に福島県の原発全10基の廃炉を国と事業者に求めることを明記すると発表し、12月15日の日本共産党の代表質問に明確にこのことを答弁しました。県民の声が県政を大きく前進させたことを示しています。
 一方、県議会においては、開会前から議会構成をめぐって、最大会派で改選時1議席増の自民党(28議席)は、公明党と組んで正・副議長と常任委員会の正・副委員長を独占するという議会ルールを破壊する横暴な態度をとりました。党県議団は、11月29日、世話人会座長に対して議長は第1会派、副議長は第2会派から選出すること、常任委員会の正副委員長は各会派の比例配分とすることを議会ルールとして確立することを申し入れました。交渉会派の人数についても見直しを求めていましたが、世話人会では、これまでどおり「5人以上」とすることを多数で確認しました。
 12月定例県議会は、12月9日に開会し、会期は27日までの19日間でした。党県議団、民主・県民連合、ふくしま未来ネットワークの3会派は共同して議会ルールの確立を求め自民党と公明党に申し入れを行いましたが、自民党・公明党の全ポストを独占する動きは改まらず、独占を強行しました。
 12月補正予算(第10号)は約6千億円で、これにより今年度予算の累計額は、2兆2,122億円(前年同期比141.2%)となります。補正は主に、県「復興計画」の第一歩となる予算という考え方の下、国の3次補正も活用し、震災と原発災害からの再生・復興、除染対策、風評被害対策などを中心に計上しました。
 12月16日、東京電力福島第1原発事故について野田佳彦首相が記者会見し、原子炉は「冷温停止状態」に達し、事故そのものは「収束」に至ったと宣言し、県民、専門家からきびしい批判と反発の声が上がりました。
 東日本大震災にともなう原発事故から9ヶ月、福島原発はいまだに炉心の状態さえつかめず、汚染水など放射性物質の放出も止まりません。避難した住民は故郷に帰る展望さえ示されていないのに、口先だけの「収束」宣言で安心させることはできません。この収束宣言は、原発事故を少しでも小さく見せることで、経費や賠償額を少なくしようとすることが狙いです。12月20日、党県議団は、「ステップ2」完了をもって原発事故収束とする宣言の撤回を国へ求めるよう、知事に要請しました。
 党県議団は、代表質問に神山悦子県議(15日)、一般質問には宮本しづえ県議(19日)が立ちました。また、最終本会議の討論には、阿部裕美子県議が立ち、職員や市町村学校職員の月例給を平均△0.23%引き下げる条例案、県の行う建設事業等に市町村負担を求める議案に反対の立場で討論しました。また、人事案件では収用委員会の予備委員の再任案に反対しました。
 請願の提出は、党県議団が紹介議員になったものは、高まる県民の要求を反映して県民生活の各分野におよぶ38件とかつてない件数となりました。
 党県議の所属委員会は、総務:宮川えみ子県議、商労文教:神山悦子県議、農林水産:阿部裕美子県議、企画環境:長谷部淳県議、土木:宮本しづえ県議となりました。なお、福祉・公安を希望しましたが、実現しませんでした。
 また、2つの特別委員会が設置され、「子育て・健康・医療対策」特別委員会には長谷部県議と阿部県議、「産業振興・雇用・県土再生対策」特別委員会には宮川県議と神山県議が入り、長谷部・宮川両県議はそれぞれの理事になりました。

1、わが党の代表質問・一般質問、他会派の質問の特徴

(1)わが党の代表質問、一般質問について

◆代表質問:神山悦子県議

 15日、党県議団を代表して30分間の代表質問に立ちました。本県の復興と国政との関わりでは、TPP交渉参加と「社会保障・税一体改革」の明確な反対表明を求めました。県復興計画の素案が示されたことから、緊急的被災者支援を含めて具体的に県の考えを質しました。
 1人1人の復興を基本に、被災者支援については、仮設住宅や民間借り上げ住宅などへの具体的支援を求めたほか、南相馬市などの被災した子どもたちや学校現場の深刻な実態を示して、子どもたちの心のケアや学力・体力の向上、教職員の負担軽減、教員増などを強く求めました。
この中で、知事は、あらためて今議会で「全10基廃炉」を表明し、原発のない「新生ふくしま」を創造していく覚悟を述べました。さらに、民間借り上げ住宅について、いったん打ち切りとした県の方針を撤回し、県外の新規受付と県内の家賃遡及についても「継続する」と答弁。県外・県内被災者への朗報となりました。
 また、県外に避難している6万人のうち、0〜18才までの子どもの避難者は、11月1日現在で14,485人(市町村の推計)にのぼることが再質問で明らかになりました。
 原発事故に関しては、事故が収束していないのに、国は「ステップ2」終了をもって収束宣言を図ろうとしていること、賠償対象についても23市町村だけとする「線引き」を批判。県は、「ステップ2」終了について、「事故の収束への通過点にすぎず、今後解決すべき多くの中期的課題がある」との見解を表明しました。
 また、原発災害は国の現行法では対処できない問題が多々あり、国に「特別措置法」を制定させること、その中身についても幅広く県民を支援していくものになるよう国に求めるべきと提案しました。

◆一般質問:宮本しづえ県議

 19日に初めての質問に立ちました。県民要求で最も切実で具体的な除染、健康管理、食品検査体制の問題を取り上げました。これは、他党派からも共通した質問が集中した問題でした。
 除染については、県が示した除染実施要領の基準「住宅は1戸70万円、農地は1ha当たり100万円」は目安とし、かかった経費は全額国が負担すべきとの質問に対して、県は、「原発を国策として推進してきた国の責任において、そのすべてを負担すべきもの」と答弁。県民負担が生じないよう基本的に市町村から請求される経費は全額交付する考え方が表明されました。
 この間、除染を実施した3つの市や村の除染に要した経費は総額17億円で、1戸平均130万円に上ることも明らかになり、国が目安とした1戸当たり70万円はあくまで目安でしかないことを裏付けています。
 市町村が除染に全面的に責任を負う立場で除染計画を策定し、実施すれば、住宅も農地も経費は県が負担するもので、今後の市町村の除染推進の一助になったのではないかと思われます。
 県民の健康管理については、年齢を問わず全県民を対象に全身の健康管理体制をつくることを求めたが、全国一の長寿県つくると言いつつ、県の答弁は現在行われている健康調査の範囲から出るものではありませんでした。復興計画案の本気度が問われます。
 食品検査体制について小学校区に1台程度の検査機器の配備を求めたが、公民館等を中心に1台、全県で400台配備しそこに職員一人を配置する方針が示されました。職員と一体で配備する方針が示されたのは初めてでした。
 学校給食食材検査の実施状況は、12月16日現在33市町村と報告されました。
 母乳の検査については、市町村の意向や医療機関の意見を参考に今後検討していくと答弁するにとどまりました。

(2)他会派の質問の特徴について

 大震災・原発事故の被害が深刻な中、各会派の質問にも除染、賠償、健康、原発に変わる再生可能エネルギーなど「オール福島」の願いを反映したものになってきています。
 代表質問で民主党・県民連合は、除染で出る放射性廃棄物の中間貯蔵施設を第一原発周辺に設置すべきと知事に判断を迫り、自民党も、一般質問で中間貯蔵施設を県内に置くことを決断すべきと知事に迫る質問をしました。しかし、国の責任で最終処分場の設置を求めることに言及していない点は共通しています。
 自民党の一般質問で、子どものがん専門病院の設置を求め、また、民主・県民連合の一般質問では、全県民を対象とする全面賠償を国と東電に求める県民総決起大会を開くことを求めました。
 雇用確保をめぐっては、従来の大型企業誘致だのみの質問が各会派から出され、内発型の地元産業を育成する立場に立った質問はありません。

2、各常任委員会審議の特徴

◆総務常任委員会:宮川えみ子県議

 ○総務部
 国の第3次補正予算での市町村復興支援交付金286億円は、除染や借金返済には使えないが、被災者の生活支援や地震による一部損壊家屋の支援など、市町村の判断で対応できる交付金と説明しました。これは、岩手県のように本県もこの交付金で一部損壊家屋への支援ができることを初めて明らかにしたものです。
 今回の給与削減は月例給平均0.23%減で50歳代に重点をおいた引き下げで、一般・教員・警察を含め年間約4億7700万円減額、影響を受ける対象は約19,000人。モデルケースでは行政職平均で年間14,605円(40歳〜45歳)の減額になるとの説明でした。
 私立学校支援では、除染や空調設備で個人負担なしに国が遡及して負担することになったこと、ゴルフ場利用税が2億2千万円の減額で県内62場のうち10場が休業中(内警戒区域内3)で、風評被害など韓国からのお客も激減とのことでした。
 ○知事直轄
 大震災を受けて県民の声をいかに聴いて届けるかの質問で、県は全戸配布の広報誌「うつくしまゆめだより」の発行を2倍にした、インターネット広報事業を充実してアクセスが540万件(2011年度4月〜11月)で、昨年比5.4倍になったと説明。この説明に対し委員より、大震災対応になっていない、メディア対応が不足、ツイッターなど進んでいる通信手段などあらゆることを駆使してもっとわかりやすく速やかに県民、特に県外避難者に対しての情報を根本的に強化する必要があるなどの意見が出ました。

◆企画環境常任委員会:長谷部淳県議

 ○企画調整部
 新たに「原子力災害等復興基金」造成に3994億円、国の「新しい公共支援事業交付金」活用による「県民活動支援基金積立」に3億6000万円余り、アクアマリンや県営漕艇場の災害復旧事業に17億円余りなど、総額4025億円余りの増額補正です。
 委員会では、今年中に策定予定の県復興計画素案も審議となり、応急的復旧・生活再建支援・市町村の復興支援が位置づけられていることを評価しつつ、その前提が「ふるさとに戻る」ことであり、現実問題として「帰れない」「帰りたくない」県民への支援、避難自治体と避難先自治体との協力関係構築への支援、計画の進行管理の柔軟な対応が必要なことを提起しました。
 他の委員から「民間活力の活用が薄い」という意見がありました。
 また、30年程度先を見越し、昨年度から始まっている5ヶ年計画である「県総合計画」は、「原子力に依存しない社会」「原発10基廃炉」を前提に一部改定されました。総合計画について、自民党委員からは、大震災・原発震災前後ではがらりと状況が変わり、全面的見直しが必要との提起がありました。
 ○生活環境部
 市町村が行う除染事業への支援や除染対策基金積立事業など除染推進費に230億円余り、災害救助費210億円余り、放射能簡易分析装置400台ほど整備するために14億円、福島臨海鉄道復旧事業など、総額460億円余りの増額補正です。
 生環部は災害対策本部を所管しているため、放射線モニタリング、放射線と健康影響のわかりやすい広報、除染対策など活発な質疑でした。
 そのなかで、厚労省が新たに食品の放射能基準を示したことに関し、用意しようとしている簡易分析装置では測定できない問題も明らかになり、県が対応することになりました。
 政府による「原発事故収束」宣言も話題となり、私からは、事故原子炉内の状況が分からないままの「冷温停止」そのものに疑念があること、県は事故原発の実態と全体像を明らかにさせる姿勢をくずさないよう、強く要望しました。
 意見書の議案審議は、原発事故賠償にかかわる意見書5本を1本化し、原発事故収束宣言にかかわる2本の意見書も「撤回」の言葉を入れることで1本化し、委員会総意で修正案を提出しました。
 県内全域の除染を求める請願と、TPP反対を求める意見書は継続。TPPは前回県議会で決議されていることは重い、という理由は腑に落ちません。

◆商労文教常任委員会:神山悦子県議

 ○教育庁
 県立高校のサテライト校を集約し、小高工業は南相馬市サッカー場に、小高商業は原町高校に、それぞれ仮設校舎(賃貸)を設置する。通学が困難な生徒に対しては、宿泊施設をいわき市、南相馬市、福島市、郡山市に旅館等を確保すると説明。集約化についての疑問をなげかけ、また生徒が親元を離れて暮らすことの経済的・心身の負担などについて質したが、監督者を配置していくこと、食費は徴収する方向で検討中と答弁。原発災害がなければ生じなかった事態であることを強調し、丁寧な対応と保護者と生徒の負担軽減を求めました。
 学校給食の放射能測定器を設置するとしたが、1台500万円ものを2台だけなので(財)学校給食会に整備するとしたこと。
 市町村立学校職員の月例給引き下げについては、大震災・原発事故以降の学校教職員の心身の負担をみれば、むしろ引き上げることや教職員増こそ必要と指摘し、議案に反対しました。
 ○商工労働部
 約440億8千万円の増額補正。県単の被災中小企業が再開・継続する場合の支援事業として30億円を計上します。これは、いったんしめ切ったが好評のため継続することになったもの。中小企業の二重債務対策も計上され、5億円の限度で新たに設立する福島産業復興機構(仮称)へ出資するもので、そのうち1億円を12月補正で、4億円を15年間の債務負担行為で計上。
 国の3次補正を活用し、広野町と楢葉町の海上に国内初の洋上風力発電の実証実験を行なうため、基本構想を県が策定し、実証実験は国が公募して行なうとしています。合わせて、医療機器関連産業の集積を行なうため、これも基本構想を県が策定し、国が研究施設を整備する計画です。医薬品の創薬産業の集積を図るため、中核拠点の基本構想策定経費を医大に補助する債務負担行為1,121万円の限度額を設定。
 原発に代わる雇用と産業創出に関しては、県内の地元中小企業を活用する内発型・地域循環型にし、例示として原発事故の除染対策や住宅リフォーム事業などの被災家屋の修繕事業をあげ、災害復旧と被災者支援にも役立ち、雇用と地元企業の仕事づくりにつなげるべきと提案。再生可能エネルギーの推進もこの観点で行なうよう求めました。
 また、浜通りの被災地全体に、元々どれだけの事業所数と雇用数があったのかの実態を示すよう求めたが、未だに把握されていないのは問題だと指摘し、実態をつかむ努力を求めました。

◆農林水産常任委員会:阿部裕美子県議

 震災・原発事故、放射能汚染で生産基盤に重大な打撃を受けた福島県の農林水産業。日本共産党、自民党、民主・県民連合、各会派の質問内容も福島県の農業をどう復興させるのかという立場で熱心な論議が行われました。まさにオールふくしまが実感できる内容でした。
 特に安全宣言が出された米に基準値以上の汚染が見つかり、福島県の信頼を大きく失っている中で、信頼を回復して、今後米の生産を続けるにはどうすればいいのか活発な論議が行われました。
 宮本議員の本会議一般質問の答弁を受けて、「安い、売れない米を売れると思っているのか、全量買い上げをすべきではないか」と質問。自民党からも米の買い上げをすべきではないかと同じ質問が出されました。土壌、田畑、森林の除染、賠償問題、きのこや原木の対応、浜通りの田畑の塩抜き、漁場の回復の見通しと多岐にわたる論議が行われました。
 しかし、来年の作付はどうしたらいいのか、果たしてこの地で農業を続けることができるのか、当面のやりくりをどうしたらいいのか、失望と怒りの中、自殺者まで出ている農民の苦しみに展望を与えるものとはなっておらず、今後の課題は重いものです。

◆土木常任委員会:宮本しづえ県議

  • 仮設住宅の環境改善について、わが党だけでなく他党の議員からも要望に賛同する意見が出されました。
     冬季の積雪対策として、駐車場の簡易舗装を行うべきとの質問に対し、当局は会津地方の仮設のみは駐車場も舗装しているとの答弁でした。民主党議員からも全部行うべきとの意見が出ました。仮設住宅の風呂の追い炊きができない件は、風呂釜を取り換える必要があるため、国が了解しないとの事でした。この点は、国会議員とも連携が必要と思われます。
  • 借り上げ住宅家賃の遡及については、実施の方向で間もなく方針を出すとしています。県が把握している件数は、問い合わせがあったもので20件でした。
     県外に避難している場合に、相手の県が支援制度を適用しない場合には、福島県が独自の支援を検討すべきと求めました。
     また、借り上げ住宅の契約について、定期借家契約としているために、契約期限切れで再契約するときに、家主が契約に応じない権利も保障されるが、その場合入居者が自力で借家を探すことにならないよう求めました。県は、公営住宅などで対応すると答弁しました。
  • 住宅の一部損壊に対する助成について、県の制度として実施するよう求めたのに対して、県は、県内に13万4千件の一部損壊があるが、20の実施市町村で救済されるのは、1万3千件で、1割しかないことを明らかにしました。しかし、県として実施するとはなりません。
     この件では、実施を求める請願が出されたが、継続して審査することになりました。
  • 下水道終末処理場から排出される汚泥の放射線量は、県北で300ベクレル、県中では1000ベクレルまで減少しています。県中でセシウム除去の実証実験が国の事業として、太平洋セメントが請け負って実施する予定です。県中には、溶融施設があり、約30分の1に減量化できるが、1日処理量が70トンで、県中の排出量80トンも処理できずに蓄積されています。匂い対策などを検討中です。

◇議会運営委員会:宮本しづえ県議

 意見書提出に係わる請願や議員提案の意見書案は、これまで交渉会派だけで扱いを決めていたものを、日本共産党も今議会で廃止を主張し、政務調査審査会が廃止されたことから、全て各常任委員会に付託されて議論されることになりました。
 ただし、県民から出された意見書提出を求める請願も紹介議員による議員提案の議案の形にして常任委員会付託としたために、議案作成の混乱も生じました。この点は引き続き検討を加えることで合意しました。

◇広報委員会:阿部裕美子県議

 12月12日第1回広報委員会開会。委員長(長尾トモ子)副委員長(石原信市郎)を選出。12月20日の新県議会特別号新聞掲載内容の確認。新議長、副議長、各委員会など新体制中心。各会派公正、公平な取り扱いを基本にすることを確認しました。
 12月26日 第2回広報委員会、新聞広報「県議会ふくしま」第48号の掲載事項を確認しました。
 質問、討論内容を農業問題、除染、健康問題の三点にまとめることを確認。(質疑を四点でなく三点にまとめることでいいのか論議になった。)なるべくわかりやすく、県民のみなさんによく見てもらえるデザインを考えるべき等の意見交換が行われました。

◇各派代表者会議:神山悦子県議

  • 改選後、社民党1人は民主・県民連合会派に所属し、みんなの党・無所属の県議ら6人はふくしま未来ネットワークを結成。会派届けの結果、自民党議員ら(28人)、民主・県民連合(16人)、ふくしま未来ネットワーク(6人)、共産党県議団(5人)、公明党県議団(3人)の5つの会派となり、そのうち公明党を除く4会派が交渉会派です。公明党からは、オブザーバー参加の要望があったものの、当面見送りとなりました。
  • 代表者会議には、党県議団を代表し神山団長が入りました。まず、代表者会議など議会内の協議会は「全て公開」を提案し、すぐに合意されました。
     代表者会議では「政審」のあり方、「エネルギー政策議員協議会」や「特別委員会の設置」、「議員報酬の引き下げ」等について協議。
     協議の結果、「政審」は廃止することで合意され、今議会から意見書は、議会運営委員会で各常任委員会への負託先を決め、請願と同様、常任委員会で審議することになりました。これは、改選直前の9月県議会で「TPP交渉参加反対」の意見書提出をめぐり自民・民主が決裂。ところが、自民党は政審での協議結果を反故にし、議会最終日に「決議」という形で本会議に議案を提出し採決したため、改選後に再検討することにしていたものです。わが党県議団は、元々政審の廃止を主張していたこともあり、ついに全会派が「政審廃止」で一致したものです。
     エネ協は存続させることを確認し、県議の月額報酬を来年1月1日より10%削減する方向で合意され、いずれも各派交渉会で決定されました。

3、請願・陳情について

(1)採択された意見書〜16件(全会一致)

 ◆不活性化ポリオワクチンの早期導入を求める意見書
 ◆米の放射性物質の緊急調査に関する意見書
 ◆福島県の再生に関する施策の充実を求める意見書
 ◆福島県産米の安全安心確保に関する意見書
 ◆福島県に小児がん拠点病院の整備を求める意見書
 ◆18歳以下の県民の医療費を無料化することを求める意見書
 ◆東京電力福島第一原子力発電所事故の収束宣言の撤回を求める意見書
 ◆原子力損害賠償の完全実施を求める意見書
 ◆防災会議に女性の視点を取り入れることを求める意見書
 ◆円高から中小企業を守る対策を求める意見書
 ◆国民生活の安心と向上を図る各種基金事業の継続を求める意見書
 ◆災害に強い日本の構築に向けた社会資本整備を求める意見書
 ◆視覚障がい者からテレビを遠ざけない地上デジタル放送を求める意見書
 ◆鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書
 ◆東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故の被災者の医療費一部負担金等の支払い免除の期間延長を求める意見書
 ◆パーキンソン病の特定疾患見直しの撤回を求める意見書

(2)わが党が紹介議員となった請願の結果について

 12月定例県議会に提出され、党県議団が紹介議員となった請願・陳情は、「公的年金の削減に反対する意見書の提出について」(年金者組合)をはじめとして、福島県商工団体連合会から2件(消費税増税反対、TPP反対)、パーキンソン病友の会県支部1件、消費税なくす会1件、須賀川・石川地域の医療を考える会1件、福島県復興共同センター2件、県民医連3件、県社保協1件、県農民連1件、県保険医協会3件、福島県復興共同センター子どもチーム10件、ゆきとどいた教育を求める署名運動実行委員会12件、合計38件もの県内各分野、各層からの切実な要求がよせられました。さらに、紹介議員についても、他会派と共同の請願提出となったことも改選後の大きな特徴です。

 38件のうち採択となったものは、
 ◆「パーキンソン病の特定疾患見直しの撤回を求める意見書の提出について」(パーキンソン病友の会県支部提出)
 ◆「原発事故による損害の全面賠償を求める意見書の提出について」(福島県復興共同センター提出)
 ◆「東日本大震災被災者の医療費の一部負担金等の支払い免除の延長を求める意見書の提出について」(県保険医協会提出)
 ◆「ふくしまの子どもたちを放射能被害から守るため、県内の18歳以下の子どもの医療費無料化を求めることについて」(福島県復興共同センター子どもチーム提出)
 ◆「原発事故から自主的避難者に対する財政的支援を求める意見書の提出について」(福島県復興共同センター子どもチーム提出)
 ◆「私学に対する運営費補助の増額を求めることについて」(ゆきとどいた教育を求める署名運動実行委員会提出)
 ◆「私学に対する放射線対策・施設・設備助成の実現を求めることについて」(ゆきとどいた教育を求める署名運動実行委員会提出)
の7件です。その他の31件は、継続審査となりました。

以 上



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