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2012年2月定例県議会総括審査会質問

2012年3月15日 神山悦子県議

神山悦子県議
 日本共産党の神山悦子です。
 原発事故から1年がたちました。いま、福島県の避難者は16万人以上となり、そのうち県外への避難者は約6万3千人にも迫っています。うち子どもの数は1万6千人にものぼり、避難者はいまも増え続けています。しかも、これから新学期を前に大幅に増加するとも言われています。
 その大きな要因は、なんといっても原発事故による放射能の不安です。外部被ばくだけでなく内部被曝があるからです。そして、放射能を徹底してメッシュで測り、見えないものを「見える化」していくこと。安心して子育てできる環境をスピード感を持ってやるべきだと思っています。ところがその除染が一向に進んでいません。
 除染は、警戒区域などの避難指定区域の空間線量が20ミリシーベルト以上のところは国が直接行い、20ミリシーベルト以下は、県と市町村が行うことになります。
 その除染の予算がこのままでは不足するのではないかと思います。県は、国に対して除染予算の枠を大幅に増やすように求めるべきです。また、人がいる地域の除染をまず優先して行うべきだと思いますが、県の見解をお伺いたします。

生活環境部長
 これまで国から交付を受けた約3150億円を基金に積み立て、市町村における所要額を勘案し約2900億円を予算化したところであり、当面の除染費用は確保されている状況にあります。
 今後は除染の進捗状況を踏まえ、適時適切に増額補正を行うとともに必要に応じて追加措置するよう、国に求めてまいります。
 次に、放射性物質汚染対策特措法の基本方針においては、生活圏を優先的に除染することにより、平成25年8月末までに追加被ばく線量の約50%の削減を目指すこととされており、引き続き国市町村と連携して市町村除染計画に基づいて面的除染を着実に進めてまいります。

神山悦子県議
 いま、報道によりますと、除染なんですけれども、放射能がだんだん表面よりもっと沈んでですね、10センチくらいまで剥がないと除去できない、こういう状況になっていますので、私は、さきほどの目標が50%と言いますが、2年間でですよね。だから今年が本当にがんばらなければならないと思うんですけれども、そういう意味では除染の業者の選定もいろいろ言われておりますが、私は地元の中小業者やNPOなどの市民団体も入札に入れるようなしくみにすべきだと思います。そして、市町村の除染が早く進むように、仮置き場の確保から県がかかわっていくべきだと思いますが、県の考えをお伺いいたします。

生活環境部長
 市町村が発注する大規模な除染業務の受け皿の確保にむけて、多様な専門分野からなる地元事業者の組織化を促すとともに、地元事業者の技術力の向上に向けて講習会を大幅に充実させて、地元業者に優先的に受講機会を提供するなどいたしまして、のべ1万人の人材を養成してまいりたいと考えております。
 次に、仮置き場の確保について、県におきましてはこれまでも仮置き場の計画策定段階から適時適切に技術的な支援を行うとともに、市町村の主催する住民説明会等に参加して、仮置き場の安全な設置や維持管理の方法などを住民に直接丁寧に説明するなど、住民理解の促進に努めているところであります。
 今後は、除染情報プラザにおける先進事例の発信や各種講習会、フォーラム等における事例発表、住民参加による現地視察などを通して、更なる住民の不安の解消に努め、地域の実情に応じた仮置き場の確保に市町村と一体となって取り組んでまいる考えであります。

神山悦子県議
 市町村の業者選定なんですけれども、この公募型の随意契約の例示は、あくまでも事例として示したということですが、市町村の方では混乱しているようです。具体的にこうしなければならない、こういう業者が必要だということを県が具体的に示しているかどうか、確認させていただきたいと思いますが、どうお考えでしょうか。

生活環境部長
 今回の契約手続例につきましては、公募型の随意契約を契約の手続例として定めまして、そこには地元の事業者についても応募可能なしくみとしているということでございまして、事業者をリスト化したようなものは現段階においては、事業者の事業実績、契約実績などが蓄積されていないことから実施しておりません。今後、そうした契約の事例、事業者の事業成果なども踏まえて、そうしたことについても検討してまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 結局はなにも示していないし、義務づけてもいないというお答えだと思いますけれども、では、まったく選定基準がないというのもちょっと心配なんですけれども。なぜ心配かというと、ここにもありますけれども、暴力団などの不当な行為を防止するとか、本当に除染は初めてですし、そのあたりが地元の業者にもうまく回るようなしくみで県がやっぱり一緒に考えていく例を示すべきだと思いますが、いかがですか。

生活環境部長
 契約手続例につきましては、現在は公募型随意契約の手続例を示しているというところでございます。ただ、他県の例や全国的な例などを見ますと、地元事業者からなる共同企業体を構成することを義務づける契約の例であるとか、地元事業者、共同企業体そのものを評価項目の一つ、いわゆる技術提案型随意契約の評価項目の一つのとする契約の例などもありますことから、こうした例も参考にしながら契約例の見直しについても引き続き検討してまいりたいと思っております。

神山悦子県議
 次に、外部被曝とあわせて今後は食物から受ける内部被曝をできるだけ低減していくことが求められていると思います。そこで子どもたちが毎日食べる主食の福島の米を安心して食べられるようにするために対策が必要だと思います。
 米の作付けの時期がやってまいりました。国はようやく県や農家からの要望に応えて100〜500ベクレルの所でも作付を認めましたけれども、基準を超えた米の全量買い上げにつきましては明言していません。県もその点では非常に消極的だと思います。
 もともとこの原発事故がなかったらこんな事態にはならなかったはずであり、米の全量買い上げについても責任を持つべきだと思いますが、県は基準値を超えた2012年産米について言わば福島型食管制度を創設するなどして、この体制を国に求め、国の責任で全量買い上げを求めるべきだと思いますがいかがでしょうか。

農林水産部長
 2012年産米につきましては、基準値を超えるような米が出ないよう全力で取り組んでまいりますほか、基準値を超えた場合には、国において出荷制限の措置が講じられ東京電力による損害賠償が行われることとなります。県としましてはこれまで東京電力に対しまして損害賠償の早期支払いを強く求めてきたところでございまして、今後とも損害賠償が速やかに行われるよう取り組んでまいります。

神山悦子県議
 基準値を超えない物についてはどうするんですか。県がそこのところが弱いと私は思うんです。
 基準値を超えなかった物についてもいろんな検査が求められているんですよね、田んぼを検査する管理もする。そして収穫したらその(米の)検査も義務づけられている。たいへんな負担があるでしょう。その時に国が認めた基準値超えた物だけ手当てするというのでは不十分ではないですか。(基準を超える超えない)どちらにしても福島県の米農家を守るという立場に県が立たなければ誰が守ってくれるんでしょうか。もう一度おこたえ下さい。

農林水産部長
 2012年産米につきましては厳しい条件のなかではありましたが、100〜500ベクレル以下の所につきましては作付は認められたわけでございます。これにつきましては話にございましたように、作付段階から最後の全袋検査に至るまでしっかりと管理をしてですね、安全な米だけを出荷するという体制を整えることとしておりますし、そうしたもの以外に、仮に基準値を超えるような米が出たという場合にはしっかりと隔離対策をして、正当な補償が得られるよう万全を尽くしてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 県の対応がよく見えません。国の対応は分かります。でも国にもっと求めなきゃいけないでしょう。(基準を超える超えない)どちらにしてもですね、その県の対応が見えないから市町村や農家が大変だと思います。
 主食を守って内部被曝を低減するという立場からも、農林水産部は頑張らなければならないのではないでしょうか。もう一度おこたえください。

農林水産部長
 2012年産米ではございませんが、現在2011年産米の100ベクレルを超えた物につきましては、その地区のすべての米について買い上げる特別隔離対策というものを国に要望してございます。国の方でもその線に沿ってですね、地区の全体を買い上げるという方向で調整しているという状況でございます。その辺の効果も見極めながらですね、2012年産米についてどうした対策をとるかについては、検討してまいりたいと考えてございます。

神山悦子県議
 私は子どもを守ると知事もおっしゃいますし、そうだと思います。でも、健康を・子どもたちを守るというのであれば、その親や家族・生活と生業も応援しなきゃいけないと思っています。そういうなかで東電の(賠償金の)本払いがなかなか進みません。
 請求に対して個人で54%、事業所で68%、こういう状態ですね。で、国の中間指針に従ってという、東電は国の後に隠れてそこから一歩も出ようとしません。そういうなかで、相談だけではなくて県には、市町村もそうですけれども直接代行請求を(東電に対して)するように求めてまいりました。迅速・十分な賠償を実現するために県による仮払いを行って、そして特別法の制定で国にも積極的に働きかけるべきだと思います。県の考えをお示しいただきたいと思います。さらに市町村や住民が集団賠償などを行う際の弁護士費用も補助すべきだと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。

原子力損害対策担当理事
 原子力損害賠償につきましてはすべての損害の真への速やかな反映と東京電力による迅速十分な本賠償が為されるよう今取り組んでいるところでありまして、また国の審査会においてもいま中間指針第二次追補を議論されているところではありまして、仮払い・それから特別法の制定による対応については、こうした状況を見極めてまいりたいと考えてございます。それから次に住民による集団申し立て等につきましてでございますが、これは県としましても地域の住民に広く共通する損害について原子力賠償紛争解決センターに和解の仲介を求める際にですね、公益的観点から市町村と連携のうえで専門的知識を有する弁護士に住民への相談対応や助言等を委託することとしておりまして、そうした観点から迅速・十分な賠償が為されるよう、今現在取り組んでいるところでございます。

神山悦子県議
 いま最後の部分で公益的な観点で、そうすると市町村や住民がやった場合にも弁護士を派遣するということでよろしいんですか。

原子力損害対策担当理事
 県が広域的・公益的観点からする事業でありますので、申し立ての内容が個別具体的というよりも申立人のみならずその地域全体が共通する部分、例えば本年度実施している例を申し上げると避難住民の方々の精神的費用が半年後二分の一になるケースについては、二分の一はけしからんということで集団申し立てをしまして、その弁護費用を県が支援しました。申し立て中に東京電力の方で自ら元にもどしたということもありまして仲裁までは至りませんでしたが、そうした幅広い住民の方々に影響する部分につきましては県としてしっかり支援をしてまいりたいと考えてございます。

神山悦子県議
 双葉町や小高地区などでも住民が集団申し立てなどをやっております。そこにも直接補助したらいいんじゃないですか。そういう視点が新たに求められていると私は思いますがいかがですか。

原子力損害対策担当理事
 繰り返しになりますがそういった幅広い観点で集団申し立てがされるということであれば県としても支援してまいりたいと思いますし、それから敷衍いたしますが昨日や今日も一部分報道もされておりますが、昨日国の紛争解決センターの方で総括基準というのがまた発表されましたが、その中で標準的な和解の際の弁護士費用3%は損害に入れるべきだというような解決センターの方の基準も出ておりますので、現実的には仲裁の場合に科学性も非常に高いということもありますので付け加えておきたいと思います。

神山悦子県議
 それも引き続きお願いしたいと思います。我が党の宮川(えみ子)県議も指摘してまいりましたが国の賠償金、収入と見なして所得税を課税すると国は言ってるんですね。さらに生活保護(世帯の受ける賠償金)も収入と見なして生活保護の打ち切りという方向も示しているようです。一律とは言っておりませんが。これはやめるべきだと国に強く求めていただきたいと私は思いますがいかがですか。さらに県はこの原発損害賠償金をそもそもどういう性格の物だと掴んでいるのか、その認識もお尋ねしたいと思います。

原子力損害対策担当理事
 私の方からは前段のうちの損害賠償金、それから損害賠償金の性格についてご答弁させていただきます。
 まず前段の原子力損害賠償金への課税につきましては、基本的に震災特例法等によって税の減免措置がとられておりますし、そういったことも考慮しながら、また被害者救済の視点も十分踏まえたうえで、国において税制上の優遇措置についてしっかりと検討為されるべき物と我々も考えてございます。それから原子力損害賠償金の性格でございますが、当然これはご承知の通り原子力発電所の事故により生じた損害に対して法律に基づきまして原子力事業者が被害者に支払う物でございまして避難に伴う費用をはじめとしまして、精神的損害や営業損害、就労不能等の損害、さらには財物・除染等にかかる損害などとにかく事故との相当因果関係がある損害が対象とされているものと認識をしております。

神山悦子県議
 それはあたりまえの認識ですよね。だけど国のほうは収入と見ていると。実は昨日私どもの国会議員の大門実紀史議員がこの問題で(課税を)中止するように求めたら安住財務大臣は、口蹄疫のような例もあるので、国にも今回の原発事故は責任もあるということも踏まえたのでしょう、この考え方を検討すると答弁してますよ。
 ですから県も国の言うとおりではなくて今理事がおっしゃったような立場で強く引き続き求めないと、せっかくこういう(安住大臣の)答弁があるわけですけれども議員立法でもという話もあるようですから、もう一度そこは国に強く求めていただきたいと思います。

原子力損害対策担当理事
 課税の取り扱いにつきましては私も税制全体で当然考えるべきだと申し上げましたものはですね、一つは同じ避難等区域のなかで休業している方の賠償金に課税しないという話になりますと、実際に避難区域のなかで再建を果たして自立を果たした方々の中でいわゆる営業利益が出た場合そちらは課税になるわけですよね、むしろ賠償金そのものの課税という観点ではなくて、避難地域全体の財政をどうするかという観点から考えていかないと、均衡上非常に問題が残る部分がございますので、敢えて税制上その全体の優遇措置を国として当然考えるべきだということで申し上げてございます。

神山悦子県議
 不公平になるからと言いますけれども、そのお金を稼ぐことができた人へも特別な手当、それからそうでない賠償金でとえりあえず精神的なものも含めて手当してもらった(人たち)これは別に両方やったらいいんじゃないですか。それはわが県として原発事故を受けなかったらそういうことはないんですから。理事はそういう立場でお願いしたいと思うんですけども、もう一度、お願いします。

原子力損害対策担当理事
 ですからあの、賠償金だけの非課税とか減免とかいう観点ではなくて、地域全体の課税の在り方をどうするかという観点での問題提起が私は必要かなと思っているという意味で私は答弁しているわけでございます。

保健福祉部長
 原子力損害賠償金の生活保護制度上の取り扱いは、例えば生活用品や家具・家電、住宅の補修のための費用、教育に係る費用、さらには技能習得にかかる費用等、被保護世帯の自立更生のために必要な費用分については収入としては認定しないこととして対応しているところであります。

神山悦子県議
 それをぜひ周知徹底していただきたいと思うんです。まだまだ分からない方がこの賠償金8万・40万出るけど、もらっちゃったら生活保護打ち切られるんじゃないかと心配の声が連日のように私どもの所にも届いていますから、もう一度周知徹底についてお聞かせいただきたいと思います。

保健福祉部長
 自立更生計画というものを出していただいてその費用の控除の認定をすることになりますので、その際にきちんと丁寧に分かりやすく説明をして対応をしてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 市町村を通じて県の関与するところは組織を通じて今のところを徹底していただきたいと思います。次に子どもの健康支援についてお尋ねいたします。知事が18歳以下の医療費無料化を支援することは大いに評価するものです。県民からも本当に歓迎されています。この制度をじゃあどうやって恒久的な制度としていくのかというところが手立てが問われていると思いますので県の考えをお尋ねします。

子育て支援担当理事
 18歳以下の医療費無料化につきましては、現在制度設計に取り組んでいるところではありますが、制度の継続性をできる限り探るなかで、具体的内容について検討を進めているところであります。

神山悦子県議
 県が負担するのは新たに負担するものや今までやっていたものに加えて47億円。国が全部やろうとすれば90億円ですよね。本当に国がそのお金を担保してくれるのかというね。私はせっかく作ったこの制度をずっと続けてほしいわけですよ。でもそこの答弁が(県としては)少し弱いんじゃないですかね。もう一度そこのところをお聞きしたいと思います。

子育て支援担当理事
 まずご理解いただきたいのはですね、今の状況はそのような制度化に向けて検討をしている最中でございます。そういう状況の中において制度の継続性をできるだけ探るかたちでですね、制度設計をいま進めているということでございます。

神山悦子県議
 制度は是非つくっていただきたい。財源はどうするのか、これは本当は国でやってもらうべき問題だったでしょ、知事が言ったとおり。国にも引き続き求めていただきたいとおもいますがいかがですか。財源が補償されるかどうかわかりませんので、国の制度としてできるように。もう一度お願いいたします。

子育て支援担当理事
 国にたいしてですね、医療費の問題はじめ子どもの健康の管理、あるいは子どもの健康の維持増進に必要な措置・支援等について引き続き必要に応じて、条件に応じて国に対して働きかけはしてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 さらにですね、子どもの健康を守っていくためには、先ほども言いましたが子どもだけでは生きられませんので、親や家族の健康を守らなければいけないと思うんですね。18歳以上の全ての県民に対して癌検診も含めた健康診査、これを無料にすべきだと思いますがいかがですか。

保健福祉部長
 健診の無料化につきましては、従来からの特定健診や癌検診につきましてはその実施主体である市町村や医療保険者等の判断によるものと考えておりますが、県が現在すすめている県民健康管理調査においてとりくむ特定健診への検査項目の上乗せや健診対象者の拡大については、すべて県の負担により県民の負担なしで実施してまいる考えであります。

神山悦子県議
 一部は評価できてもですね、癌になるかもしれないと言われているなかで、やっぱり大人だってこの福島県で健康にくらして行きたいですよね。癌検診の検診率は非常に悪いですね、それは自己負担があるからですよ。子宮癌検診であれ胃がん検診であれ、1,000円ないしそれくらいはかかるわけですよ。だから私はそういうことをもうしあげたんです。県の調べた検診率ですが22年度の数字で20〜30%ですよ、受診率は。これでどうやって大人の健康を守れるんですか。そういう意味で私は無料化するという検討を始めたらいいんじゃないかと思いますがいかがでしょうか、もう一度おこたえください。

保健福祉部長
 繰り返しになりますけれども、基本的には判断は市町村・医療保険者等の判断によるものだと考えております。ただご指摘のありました検診率の向上、これはまさに県民健康調査を長きにわたって取り組んでいくなかでも非常に重要なことでありますのでしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 その保険者、国保だと市町村、あとはその他の保険だとまあ社会保険などいろいろあるわけですが、そこの負担がたいへんなのでその検診も進まない。そうするとその検診費用は結局県民負担になるんですね。よくそこを見ていただいたうえで、あらためて検討をお願いしておきます。
 さて、今回警戒区域に線量計を配るということは評価できます。でもそれ以外の県民だってみんな線量計が欲しいのではないかと私は思っています。「見える化」ということで放射線を測るためにも全県民・全世帯に個人線量計を配付すべきだと考えますがお考えをお聞かせください。

保健福祉部長
 個人線量計につきましては、福島の子どもを守る緊急プロジェクトにより15歳未満の子どもと妊婦の方全員を対象として、個人線量計を整備する市町村に対してその所要経費の全額を補助しているところであり、これまですべての市町村において取り組んでいただいているところであります。この事業の運用にあたりましては機種の選定、あるいは県の基本は15歳未満・妊婦の方としておりますが、市町村の判断で配布対象者を拡大したいということがあれば、これはその地域の実情を踏まえた市町村の判断を尊重して弾力的に対応してきたところでございますので、新年度におきましても市町村の判断による柔軟な取り組み、これをしっかり支援してまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 15歳未満の子どもは分かりましたし、それはもう言ってまいりました。全県民にという話に対しましては具体的にお答えいただいていないように思いましたのでもう一度おこたえください。

保健福祉部長
 個人線量計に関しましての県の支援につきましては、県としては放射線の影響を受けやすいと言われている子どもそれから妊婦の方、その全員を対象としてやっているわけですけどもそれを受けてその中で市町村が例えば高校生あるいは一般の方まで拡大をする、実際にそれは59市町村のうち30市町村は拡大しておりますし、我々もその判断を尊重して有効に県からの支援を活用していただくようにこれからも取り組んでまいりたいと思います。

神山悦子県議
 市町村待ちではなくて本当は県から配るくらいにしていただきたいと思います。またホールボディカウンタ(以下WBC)も台数がまったく足りないと思います。今後どれだけ増やす考えなのか県として考えをお聞かせいただきたいと思います。またこのWBCは幼児がなかなか動くということで測定がされませんが、何らかの方法で測る方法を考えていただきたいと思いますが、考えをお聞かせください。

保健福祉部長
 WBCにつきましては本日現在で県有機器をはじめ市町村や医療機関、それから県外の検査機関との連携などあわせて19台体制で検査をすすめております。
 今後市町村や医療機関等においてさらに十数台の導入が見込まれておりますことから、これは実施機関と十分に連携した効果的な検査体制を構築するとともに、今現在他県との連携では新潟県に協力をいただいておりますけれども、ここも一層協力いただく県を拡大するということもいま協議をすすめておりますので、こういったことも含めましてできるだけ早期に多くの方に受けていただけるように取り組んでいきたいと考えております。
 もう一つ、乳幼児のWBC検査のおただしです。乳幼児につきましては、検査測定の時間中じっと動かずにいることがこれは難しいということになりますと検査精度確保上の問題があるというふうにされております。これまで4歳未満の乳幼児につきましては本人にかわってお母さんであるとかそういったほぼ同一の行動をしているという保護者の方を測定してまいりましたけれども、これからに向けましては現在その4歳未満の子どもにつきましても本人を測定する方法あるいはそれを評価する手法、これについて今現在専門機関において検討を進めているところでございます。

神山悦子県議
 どちらにしても検査機器が足りないので、引き続き沢山、急いで増やすように求めておきたいと思います。
 さて、子どもたちの基礎学力そして体力の低下が心配されております。まず学力の問題ですけれども、この一年、震災・津波・原発事故の発生で避難所を転々としたり、学校そのものが避難区域から移動したり、子どもたちが落ち着いて学習できる環境ではなかったと思います。
 県は今年度全国一斉学力テストを実施するとしていますけれども、他県と比較するための学力向上ではなくて、今問われているのはその学年で学ぶべき基礎学力をいかに保障していくかだと思っています。県教育委員会は子どもたちの学習の遅れに対してどう対応しているのかをまずお伺いいたします。

県教育長
 学習の遅れへの対応につきましては、各学校において夏休みや冬休みを短くするなど授業の遅れが生じないようすすめてきたところであり、県教育委員会といたしましては今後希望する学校に退職教職員等の支援員を派遣し放課後などに教科の個別指導を行うよう実施するなどして、市町村教育委員会と連携をしながら児童・生徒の学習に遅れが生じないように努めてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 ぜひそれは丁寧にやっていただきたいと思います。本来であれば学校の授業で完結できるようにしてやるというのが私は基本だと思います。もちろん遅れた部分をどこで取り戻すかはあります。そのためには教員が足りないと思います。私たちが何度も言ってまいりました。
 30人学級やったり、もう少しそういうかたちにしてるからいいと(おっしゃいますが)そういうものではないんですね。二人の教師に、複数担任制のようにして子どもたちの学習も心のケアも合わせてやるというくらいに配置しないと私は本当に子どもたちの支援にならないと思うんですね。そういう意味では教育長のお考えはお聞きしたいと思いますが、教員をもっと増やして本当に子どもたちに良い学習環境をつくるべきと思いますがいかがですか。

県教育長
 たしかに人が人を教えるという学校の現場を考えた場合に、教員果たすべき役割というのは他の行政分野とはまったく違うということは私も認識しておりまして、教職員のいわゆる数の確保というのは大切なことだと考えております。ということで今年度の加配を上回るような加配をいま国に強く求めております。
 ただもう一つ私が課題として思っているのは数だけではなくて(教員の)質の問題。その教職員の指導力をそれではどうするかというこれは研修の話。あるいは職場でのその研修の力をつけなければならない。あともう一つありますのは県教育委員会というのは全県的に人事権を一括して持っているという立場上やはりこれは機動的に人事配置をすると、この三つを組み合わせたなかで子どもたちの学校現場の教育力の向上に努めていきたいと考えております。

神山悦子県議
 教員の質とおっしゃいました。だったら余裕を持って授業に取り組めるような指導教員の配転も含めて、加配はやったのはわかってますけど私は足りないと思いますね。前にも言いましたけれども、今も言いましたけれども文科省に複数担任くらいになるようなまあ30人学級からさらにすすんで25人学級になるようなくらいの教員が欲しいんだって要求しましたか。私は求めて欲しいと思うんですがいかがですか。

県教育長
 当然のことながら30人学級あるいは30人程度学級といいますのは私もここに来るまでわからなかったんですが、いわゆる31人ですと15人と16人になるとこういう制度ですね。そういう意味では非常にある意味では少人数になっている、ただやり方につきましては本当にそのかたちでいいのかあるいは習熟度別あるいはその学校の実情に応じていろいろな組み合わせをしていくということで市町村教育委員会にお願いをしていると、ですからそれは学校の実態に合わせてまさに学校長・教育委員会が判断して行っていくというふうに考えています。ただ一方ではおっしゃるとおり絶対的な数というのは当然必要になるということでそれは鋭意国に対して求めていくということでございます。

神山悦子県議
 いま教育長がおっしゃったことは次につなげていただきたいし、やっぱりまだまだ足りませんので、本当に被災県の子どもたちの教育を守るという立場から特別の配慮を引き続き求めていただきたいということを要望しておきます。次にですね、子どもたちの体力の問題です。この一年間は放射能の影響で子どもたちは屋外で遊ぶことがほとんどできませんでした。この影響は本当に心配です。子どもたちの一年ブランクは非常に大きいと思います。脳の発達にも影響を与えるのではないかとも言われています。五感を使った外遊びができないということが今後の子どもたちにどんな影響が出てくるのかはまだわかっていませんし、そういう意味では深刻だと思います。
 ですからその立場からこの体力や子どもたちの成長発達を促すために専門家・小児科医こういう人たちの意見もちゃんと聞けて、そして0歳から18歳までかけて子どもたちの成長を見守る、その発達の変化を見守るという立場で子どもに関するところの一元的な横断的・総合的な施策が展開できるような体制が必要だと思っておりますけれども、子育て担当理事にお伺いいたします。

子育て支援担当理事
 子育て支援の体制につきまして今年度知事を本部長といたします「子育て支援推進本部」を新たに設置するとともに、全地方的な連携調整を図るため担当理事を配置しそのもとで関係課長等による会議を定期的に開催して本件の子ども達をめぐる課題や状況を共有化するなど横断的な事業展開を図っているところであります。今後はさらに部局連携を強化しながら子育て支援施策の総合的な推進に努めてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 私この間の対応を見てもそういう体制であったことがわからなかったくらいいろんな所で子どもに関する情報がつかめないでいました。こんど国の復興庁ができて知事も先頭にワンストップサービスって言ってますよね国に対しては。県だってワンストップサービスが必要じゃないですか子どもに対して。
 私はそういう立場で新年度からはもっと目に見えるような体制をつくるべきと思いますがいかがですか。

子育て支援担当理事
 知事部局・教育委員会、さらには警察本部等含めてですね、全地方的な連携体制をよりいっそう密にしながら総合的な推進にあたっていきたいと考えております。

神山悦子県議
 次に被災者支援についてお伺いいたします。
 自然災害においても原発災害においても今回問われたのは避難所の受け入れ体勢の問題でした。まず避難者に対して栄養に配慮したあたたかい食事が提供できるように調理場の設置や電気ポットやレンジも使えるような避難所となる公共施設や学校には太陽光発電を設置してもいいですから、ぜひこれを活用して使用電気容量を引き上げておくべきだと思います。
 また寝具の提供・洗濯場・選択干し場の設置、支援物資の提供のあり方、さらに障害者・高齢者・女性への特別な配慮、ボランティアの受け入れこういうあり方についても避難所の受け入れで改善すべき点は多々あったと思いますがどのように見直していくのかお伺いいたします。

生活環境部長
 東日本大震災の教訓を踏まえ、避難所となる公共施設への太陽光パネル・蓄電池等の導入支援や自家発電機の貸与などによる電源の確保、市町村への水や火を用いない発熱型非常食の備蓄の働きかけなど温かい食事の提供にむけて取り組んでまいります。
 次に避難所の受け入れ体制につきましては、広域・大規模避難にともない多くの施設で市町村にかわり経験に乏しい県が十分な準備も不十分なまま設置運営にあたったこと見ず知らずの複数市町村の住民が同一施設に入所せざるをえなかったことにより、設置当初は課題が少なくなかったところであります。
 今後は避難所の受け入れ体制に係る課題を検証し避難所における生活の質の改善に努めてまいる考えでございます。

神山悦子県議
 ぜひ次に活かしていただきたいと思いますけれども、私たち双葉町が避難している埼玉県加須市に行って避難所を見てまいりました。今でもお弁当でした。温かいものは何もありません。こういうところはずっとそのままですか。市町村任せなんですか。

生活環境部長
 現在一次避難所などに入居されている方々に対しましては他の自治体・都道府県とも連携して避難者支援の充実に努めてまいるよう検討してまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 ぜひ検討に加えていただきたいと思います。それから、避難所となる施設・学校の耐震化なかなか進んでいないように聞いておりますけれども、耐震化の現状といつまでに何パーセント整備していく考えなのかお示しください。

土木部長
 避難施設となる県有建築物全体の耐震化率は平成22年4月1日現在70.7%、平成23年4月1日現在の推計値で約74%となっております。耐震化率の目標は福島県県有建築物の耐震改修計画に基づき平成27年度までに90%以上としており、県といたしましては部局連携のもと全庁的な進行管理を行いながら耐震化を進めてまいる考えであります。

神山悦子県議
 いまお示しいただいた70%台では…3年後ですよね、27年度。3年かかってるうちにまた地震や津波が来てという不安はまだまだあるわけですから、もっとスピード感・前倒しが必要だと思いますね。いかがですか。

土木部長
 建築物の耐震化につきましてはいわゆる既存施設ということになりますので、いま使っているものを使いながら耐震化を図るというふうなかたちの中で、非常に工事条件の制約があるということからなかなか進んでいないというのが現状でございますけれども、今までの実績でいきますと年3.5%くらいの上昇が見込めるということがございますので、この達成にむけて努力していきたいと考えております。

県教育長
 避難施設となる県立学校の耐震化率は、県教育委員会が独自に調査したところ平成23年4月1日現在で、72.3%となっております。福島県教育委員会といたしましては福島県県有建築物の耐震改修計画に基づき県立学校の耐震化率を平成27年度までに90%以上とすることを目標に計画的に耐震化を進めてまいる考えであります。

神山悦子県議
 どちらも急いでいただきたいと思います。
 さて、仮設住宅や民間借り上げ住宅の対応について伺います。国の避難区域解除の方向が示されまして帰還への動きも始まりましたけれども、それに伴ってさまざまな支援制度がもう締切という打ち切りの方向が示されています。
 賠償もそうです。でも帰還は強制して行うべきものでもありませんし、県民の避難する権利もあると思います。ですから、今回阿部県議も質問いたしましたけれども、県外の民間借り上げ住宅について4月以降は継続すると言いましたけれども文書でこれをぜひ出していただきたいと思いますけれどもどう対応されましたか。

生活環境部長
 各都道府県には国とも協議の上、昨年末に当面借り上げ住宅の新規申し込みを受け付けるよう文書で要請したところであり、それぞれ可能な限りの対応をしてもらっているものと考えております。

神山悦子県議
 可能な限りの対応を他県の善意に委ねるしかないみたいなことでしょうけど、本来であれば国が、全部47都道府県に避難しているわけですから、国がやってほしいと思いますけれど、実はこんなことが起きています。阿部議員も長野県の例を出しましたけれども、長野県知事は3月で打ち切るという方向を出している。しかし(福島)県が継続するという方向もわかったのでいま考えてはいるけれども、しかし撤回はしていないんです。そういう中でいま借りている人もですね、もう多分打ち切られるんではないかということで、じゃあ今から移っていくしかないということで中部電力の社宅が6月までは本当はあるんですけれども、途中では支援が受けられない、新規受け付けがなくなるということでいま動き始まっている。
 本当に被災者に何回もそんなことをさせている。私はそういう意味では文書で改めてぜひ対応をお願いしたいと、できれば国にも(県から)お願いしていただきたいと思うんです。

生活環境部長
 各都道府県においてはそれぞれ可能な限りの対応をしていただいているものと考えております。各都道府県におきましては例えば公営住宅の提供など民賃にかわる住宅の提供の制度がある。あるいは各自治体で自県の豪雨災害の被災者が民賃の適用対象にならないなどの様々な個別な事情がございます。
 こうした個別の事情に対応してしっかりと被災者支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 同様の県内の自主避難者に対する住まいの確保ですけれども、まずこの民間借り上げに入っている人の姿・実態がよくわからなくなっています。仮設(住宅)のひとはよく見えます。しかし(民間借り上げに入ってしまうと)見えないというところを実態をよくつかむ努力が必要だと思います。
 さらに、民間借り上げ住宅の避難者・自主避難者に対してもこれを適用できるようにすべきだと思いますけれどもお尋ねいたします。

生活環境部長
 県内の民間借り上げ住宅入居者につきましては壁新聞の配付による生活支援に関する情報の提供や県内大型小売店舗13か所に設置されているふるさと絆情報ステーションを通じた被災者の実態・ニーズの把握・生活相談窓口の紹介や交流の場の提供、NPOと連携した家電等の物資の提供などにより引き続ききめ細かな支援に努めてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 これは私の提案ですけれども、仮設住宅はどこにあるか大体各市町村の人たちは目に見えますので、たとえば仮設住宅に民間の借り上げに住んでいる被災者も何かの場所をつくって集まれる条件をつくるとか、カフェをつくるとかしておけばね、町一体としてお互いに住民だということもわかる、大型店やスーパーにやるのもいいですけれども、もう少しそういう柔軟な対応で見えるような、つながるような体制が必要だと思いますがいかがでしょうか。県のお考えをお聞かせください。

生活環境部長
 ふるさと絆情報ステーションなどの充実などによりまして、議員ご指摘の点につきましても考えてまいりたいと考えております。

土木部長
 民間賃貸住宅につきましては避難住民の住宅要望の多いいわき市においては新築着工戸数が前年対比で述びているところであり、県といたしましては不動産関係団体に対しまして活用できる基金等の税制優遇制度や融資制度等の周知をはかり民間賃貸住宅の供給促進に努めてまいる考えであります。

神山悦子県議
 わが党の阿部議員に対して、県内の自主避難者への民間借り上げ求めましたらこんな答弁をしてるんですね。本当は災害救助法では適用できるんだけれども住宅が足りない、民間アパートが足りないということで被災世帯を優先的に取り扱わざるを得なかったとおっしゃってます。私はそもそも公営住宅が国と県の政策で足りなかったと思います。こんな被災は未曽有の体験ではありますけれどもやっぱり住まいの確保をやる、自主避難者にも県外と同じように対応するという立場でもっと増やしていくべきだと思います。民間も含めて公営住宅も県営住宅も増やすべきだと思いますがいかがですか。

土木部長
 現在県内におきましては避難住民の方がかなり偏在しているような傾向もございます。そういった対応もございますので、民間住宅の部分もありますけれども速やかな対応といった時にはやはり仮設住宅といったかたちも含めて対応を考えてまいりたいと、そんなふうに考えております。

神山悦子県議
 知事が所信表明で住まいは大切だと述べています。ですから被災者のみなさんにとって住まいがちゃんとあるということは次の復興に必ずつながると思うし心のよりどころ、安定感が得られると思いますので、引き続き土木部長にも生活環境部長にも被災者の立場で住まいの確保をぜひ求めておきたいと思います。
 次に知事にお伺いいたします。今回の被災者とくに県外の被災者、私たちも山形市に行ってまいりましたけれども福島県民というメッセージが切れる、そういうことが私は本当に切れては救われないと思うんですね、ですから知事から県外に行ってる被災者も「あなたも県民ですよ」っていうメッセージを発信していただきたいと思いますがいかがですか。

知事
 先般、いわき市の仮設住宅において双葉だるま市が開催されました。県内外に避難している多くの町民が例年通り一同に会して無病息災を祈ったのであります。こうした長年にわたってその土地に根付いている、人々を結び付けてきた地域の伝統文化、これはふるさとの絆を維持していくためにも極めて大事なものであると思っております。
 私はこのような地域の情報をきめこまかく提供するほか、さまざまな交流会などを行うNPOへの活動の支援や、県外における巡回・生活相談また県内における交流の場づくりなどの取り組み、これらを引き続き県外避難者の支援充実に努めるとともに皆さんが一日も早く住みなれたふるさとに戻れるよう、生活圏における除染や将来にわたる健康管理の実施、さらには産業・経済の活性化による雇用の取り組みなどに全力をあげて行きたいと思っております。

神山悦子県議
 福島県から一番県外に避難している方が多いのが山形県ですね、1万3千人近い方が居られます。次に新潟県で7千人弱です。ですからせめてそういう多くが避難しているところに知事に行っていただいて直接被災者の思いを、また親子で子どもたちと一緒に避難しているその母親の思い、実際に行って聞かれましたか。もしまだ行っていらっしゃらないのであればぜひ現場に行って聞いていただきたい。これが知事からの大きなメッセージになると思うんです。そして現場主義という立場でそれを実行していただきたいと思いますがもう一度お答えいただけますか。

知事
 46都道府県にそれぞれ県民の方が避難している実態を重々承知し、また知事会またブロックのそれぞれの会議の中でそれぞれの知事さんとの意見交流をさせてもらっております。そういうふうな中で山形・新潟が一番多い避難者が行っている、これもそれぞれ知事等を通して話を聞いておりまして、私もできる限り早い機会にと思っておりましたがなかなかその機会を得ることができず、その時間をつくってそれぞれの話を聞く機会を設けたいなと思っております。

神山悦子県議
 ぜひ期待をしております。よろしくお願いします。
 次に地震や水害・原発事故の教訓についてお伺いいたします。事故から一年が過ぎましたけれどもわが県は原発事故被災が本当に続いております。こんなに被災の多い一年はなかったと思いますけれども地震につきましては先ほどもありましたが誘発地震が頻繁に起きている事を見て、今後も起きると、直下型も有りうるということがいま学者からも指摘されています。
 いわきでは(2011年)4月11日12日に3月11日と同じくらいの地震が起きて井戸沢断層と湯ノ岳断層が落ちました。これを見て東北大の研究グループがこれは今回の地震と大きく注目すべき点があるとも言っています。京都大学の研究グループも同じように言ってますね、ですから私は必ずこういう大きな地震がまたもやあってもおかしくないと思ってます。
 そういう中でまた地震・津波によって原発事故が起こりうるということも想定しておかなければならないと思っています。いま国は原発を再稼動すると言っておりますけれども、この原発事故の被災を受けた福島県はやっぱり県民の命を守るのは福島県がやらなければならない仕事だと思っています。当然原子力防災計画の見直しは国がやると思いますけれども、長谷部県議がただしましたように、原発事故が今後もあるということを前提に、今回の原発事故から教訓をどう引き出すのか、住民の命をどう守っていくのか、避難経路・避難対象自治体はこれでよかったのかなど、もう一度見直しが必要だと思います。そういう意味でも県の考えをお尋ねしたいと思います。

生活環境部長
 地域防災計画を見直すまでの間、万が一に備え関係市町村に迅速かつ確実に情報を伝達するための連絡体制の整備、円滑な広域避難に必要な避難先リストの作成や輸送車両の確保策などについて、国や関係市町村と連携しながら検討をすすめているところであります。

神山悦子県議
 防災計画の見直しはもう少し先になると思うんですね、じゃあその間の緊急対応はどうするのかって(いうことが)こちらも見えていないと、帰還するにせよしないにせよ大変心配です。
 原発サイト内も大変不安定です。そういう意味ではあらためて今からつくっておく必要があるのではないかと思いますがいかがですか。

生活環境部長
 原子力災害の対応として現在国は防災指針・防災計画の見直し作業を行っているところでございます。そうした見直し作業も踏まえたうえでの本件の防災計画の本格見直しということにつながっていくのでございますが、それまでの間であっても現在、今回の東日本大震災の教訓を踏まえて広域避難に必要な避難先リストの作成や輸送車両の確保策その他の諸課題について検討をすすめてまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 ヨウ素剤の配布の体制ですけども役場に一箇所という配備では今回対応できなかったのではないかと思います。これを見直して効果が期待できるような配備を求めたいと思いますが、県の考えをおたずねいたします。

保健福祉部長
 安定ヨウ素剤の配備につきましては、現在国において今回の原発事故を踏まえ、緊急事態の際に直ちに予防的服用ができるようあらかじめ各家庭への事前配布あるいは公共性の高い施設への事前配布さらに配布要員の確保など配布の方法やその体制等について検討がすすめられております。県といたしましては今後の国の検討結果を踏まえて的確に対応してまいりたいと考えております。

神山悦子県議
 ヨウ素剤については防災計画の中にも入れて今後の見直しもしていただくように要望をしておきます。
 さて自然災害についておたずねいたします。昨年3月11日の大地震によって中通りの郡山そして郡山以南の須賀川・矢吹方面が大変な家屋の被害を受けました。そこに9月に阿武隈川沿いで台風15号に襲われると、大変な浸水被害もありました。その前の7月には会津地方での豪雨災害がありました。原因究明や被害軽減に必要な対策をとるべきだと思います。
 県は地域防災計画を10月までに見直すと言っておりますけれども、これで間に合うのでしょうか、遅いと思いますのでもっと前倒しでこの見直しを求めたいと思いますがいかがでしょうか。

生活環境部長
 東日本大震災における初動対応に関する市町村などへの調査を実施したところ、情報伝達や住民避難、物資の確保などさまざまな課題が指摘されています。今後こうした本県独自の課題や改定後の国の防災基本計画などをふまえてまずは初動対応にかかわる県地域防災計画の見直しを速やかにすすめてまいる考えであります。
 なおこうした課題の整理、防災関係機関からの意向の把握などある程度ていねいに対応してまいりたい、ていねいに聞いてもらいたいということから、速やかに策定する努力は続けてまいりたい、しかし現在のところ秋をめどに作成してまいりたいということでご理解いただきたいと思います。

神山悦子県議
 8・5水害のあとにたびたび繰り返されております阿武隈川周辺の浸水被害について伺います。郡山市の阿武隈川周辺における浸水被害が今回もありましたけれども、国・県・市は連携した情報連絡体制を構築すべきだと思います。また阿武隈川や流入する逢瀬川・南川など県管理の河川にも遊水地を整備すべきだと思います。そしてさらに雨水を貯留する施設の整備など、減災という視点から県も積極的にかかわっていくべきだと思いますが、その水害対策についてお尋ねいたします。

土木部長
 防災情報連絡体制の構築につきましては、住民が洪水時の浸水の危険を的確に認識するために重要であると考えており国・県および市からなる協議会において避難開始の目安となる河川の水位や阿武隈に排水するポンプ停止の事前連絡など必要な防災情報の迅速かつ確実な伝達が可能となる体制づくりを速やかに検討してまいる考えであります。また水害対策につきましては本川および支川の流域全体における対策が必要であると考えており、国が管理する阿武隈川本川においては遊水地の検討や狭窄部の河道掘削が予定されているところであります。また県が管理する支川流域においても県による河川改修に加え、ため池の活用や下水管増設などの浸水対策が郡山市により実施されているところであり、今後とも国や市との連携のもと既存施設を活用した雨水の貯留など浸水被害を軽減する総合的な水害対策を進めてまいる考えであります。

神山悦子県議
 時間がありませんので続けて何問か質問をいたします。
 会津の只見川、これにつながる支川、道路や橋梁の復旧を急ぎ、そして現況と復旧についての今後の見通しはどうなのか伺います。また、浸水被害を受けた只見町八木沢地区の今後の治水対策についてもお尋ね致します。
 それから被災した一部損壊家屋に対する県の独自の支援はまだおこなっておりませんけれどもぜひ求めたいと思いますがお考えをお聞かせください。

土木部長
 お答えいたします。只見川の河川及び道路等の復旧につきましては、浸水被害の拡大防止や冬期交通確保の応急工事を昨年末までに完了させたところであります。現在は本格的な復旧工事をすすめているところであり、改良復旧箇所を除き平成25年度までに復旧完了をはかり、県民の暮らしを支える公共施設の早期の回復に努めてまいる考えであります。また、只見町八木沢地区につきましては、家屋の浸水被害を軽減するため、支川、叶津川の改良・復旧工事を施工するとともに、只見川においても新たな築堤工事を計画しており、今後は地域の方々の合意を得たうえで、これらの対策をすみやかに実施してまいる考えであります。
 次に、一部損壊住宅に対する支援につきましては、県において社会資本整備総合交付金により事業が実施できるように調整しており、現在、豪雨災害に関しては5つの町が、大震災とあわせると28市町村において組んでいるところであり、同交付金の活用により引き続き支援してまいる考えであります。

神山悦子県議
 阿武隈川の狭窄部分の改修と、その八木沢地区の築堤、もう一度お聞かせください。

土木部長
 阿武隈川につきましては、谷田川合流の下流が川幅が狭いということで、掘削を要求しているところでございます。それから、只見川の八木沢の築堤につきましては、かなり浸水被害を受けまして、抜本的な河川改修をしなければならないということの中で、只見川の左岸側に築堤を致しまして浸水を防止する対策を計画しているということでございます。

神山悦子県議
 豪雨の時は、サイレンが聞こえないとか、届かない、情報伝達が問題になりました。緊急時の災害伝達方法の見直しが必要だとおもいますが県の考えをお尋ね致します。

生活環境部長
 お答えいたします。災害の発生時において住民への通信手段である市町村防災無線の整備を促進するほか、住民みずからが情報を入手できるよう携帯電話やパソコンなどの個人用情報端末に関わる活用方法の周知をはかるとともに、孤立する恐れのある集落における通常の通信手段の途絶に備え衛星携帯電話の導入促進に努めてまいる考えであります。

神山悦子県議
 最後に、今回の大震災は本当に大きな被害を受けましたが、日本学術会議が提言を何回もだしております。この知性・理性の集団からの提言をぜひお読みになっていただき、本当にこの福島県で住み続けられる、安心して住み続けられる福島県をとりもどすためにがんばっていただきたいと思います。以上で質問を終わります。



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