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2012年6月定例県議会一般質問
2012年6月26日 神山悦子

 日本共産党の神山悦子です。

一 原発事故への対応について

 最初に、原発事故への対応についてうかがいます。
 原発事故の検証作業を政府、国会、民間それぞれですすめていますが、東京電力が今月20日にまとめた最終報告書なるものは、私たち福島県民が受けたこの1年以上に渡る苛酷な被災の実態とはかけ離れた、事故を起こした当時者としての認識も反省もみえない、全くひどいものです。
 ところで、去る5月29日に福島市で開かれた国会の事故調査委員会で、知事の参考人聴取の際、委員から2010年に知事が第一原発3号機でプルサーマル導入を容認する過程における耐震安全性に関する中間報告に関して、原子力安全・保安院が津波に言及しないことを「副知事には確認したが強い要望はなかった」のでプルサーマルを進めたとし、それに対し知事は「そのような議論がなされたことは分からなかった」と述べたと報道(民友、2012年5月30日)されています。
 プルサーマル実施にあたって、県が確認を求めた技術的3条件の国における評価手続について、県は国とどのような調整を行い、それをどこまで承知していたのか、その事実関係について副知事にお尋ねします。

 今回の原発事故に至る原因はいろいろありますが、そもそも福島県に第一原発を建設する時から問題があります。海面から30mあった敷地をわざわざ10mにまで引き下げたこと。非常用電源もアメリカの原子炉を導入したため地下においたこと。さらに、2002年には土木学会から地震・津波の危険性を指摘され、わが党も国会や県議会で地震・津波対策を求め、東電にも申し入れをしましたが、国も東電も私たちの警告を無視し対策をとってこなかったのです。
 一方、知事は、プルトニウムを使う危険なプルサーマル計画の受け入れ中止を求めたわが党県議団の申し入れに耳を貸さず、2010年8月6日に同意を表明。大震災・原発事故はそのわずか半年後でした。
 30年以上もたつ老朽原発を長期に運転し続ける維持基準の導入や、危険なプルサーマルの導入を決断したのは知事なのです。
 知事として、原発との共生をうたい推進してきたことはまぎれもない事実であり、今回の原発事故が県民にもたらした塗炭の苦しみをみれば、県民に対する原発事故の真摯な反省を表明すべきです。知事の見解をうかがいます。
 また、事故を起こした原発のサイト内がどうなっているのか、事故そのものの解明はまだ進んでいません。野田首相は大飯原発再稼働をすることを表明しましたが、4号機の使用済み燃料プールの問題、2号機の損傷も未解明です。汚染水の水漏れのトラブルは今も続出しており、全基廃炉の国の姿勢もみえていません。県民の避難が今も止まらないのは、これら事故原発への不安があるからです。
 事故原発で多発しているトラブルに対する県の厳しい対応を求めます。また、「原発事故収束宣言」の撤回を国へ求めるべきですが、県の考えをうかがいます。

二 医療・福祉・教育について

 震災・原発事故から1年3ヶ月がすぎましたが、ここにきて避難指定区域の避難者の自殺者があいついでいます。
 阪神大震災においてもストレスの影響が数年後に出てきたといわれています。せっかく助かった命が、孤独死や自殺によって命を落とすようなことがあってはなりません。
 いつまで続くのかわからない避難生活、ふるさとに戻れるのか戻れないのか、今後の生活と生業はどうなるのか、家族もバラバラにされ、先がみえない不安が避難者を相当追いつめていると思います。
 この原因をつくったのは、まぎれもなく国と東京電力です。除染・賠償・健康支援を国と東電の責任できちんと実行させるとともに、県は、県民の命とくらしを最優先に被災者1人ひとりに寄り添い、スピード感をもって被災者支援にあたることです。

 子どもたちへの心のケアがこれまで以上に求められます。福島大学が行った子どもに関する調査では、ストレスの質が変化していると指摘されています。昨年度の県内の児童相談所への相談件数は速報値で約6000件、虐待相談件数は262件とここ数年よりもやや増えている傾向ですが、数字に表れてくるのはむしろこれからではないでしょうか。
 県は、今年度「県民健康管理調査」の中で、「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を面接調査などで実施する方針とのことですが、子ども、成人、県内・県外への自主避難者など、被災者の心のケアをどのようにすすめていくのかお尋ねします。

 さて、今国会では、与野党で共同提案した「子ども・被災者支援法」が21日に衆議院で可決成立しました。この支援法は、子どもや妊婦の医療費の減免、汚染状況の調査・除染、被災者の生活支援などを国の責任で実施させるものです。県もこの観点で具体化が求められます。
 まず、県立子ども病院の設置についてです。私もこれまで何度も取り上げてきましたが、この法案に照らしても、低線量被ばくを受けた子どもたちの健康の調査研究、人材養成などは、わが県でこそ取組むべき課題です。すでに、全国では25県に設置されています。
 知事の所信にあった小児・周産期医療の充実をするというのであれば、県立子ども病院の設置に向けた検討を始めるべきです。県の考えをお尋ねします。

 この1年3か月、除染がなかなかすすまず、子どもたちの屋外活動が制限されています。エアコン導入のネックになっている電気代の維持管理費を補助対象に加えること。学校の教室、保育所・幼稚園、学童保育所など子どもたちが過ごす場所へのエアコンの設置を求めますが、県の考えをうかがいます。

 「ふくしまっ子体験活動応援事業」は、一部見直しされこのほど交通費の補助を加えましたが、これだけでは不十分です。対象事業を拡げ、週末にも利用できるようにし、県内だけと限定せず、県外にも適用させること。また、乳幼児から高校生まで18歳以下全ての子どもを対象にすること。子どもたちが制限なく屋外で安心して活動できるようになるまで、事業を継続すること。これら県教育委員会の考えをうかがいます。

 次に、障がい者支援についてうかがいます。
 いわき養護学校では1つの教室をついたて等で仕切っての授業をしています。子どもたちのバスの遠距離・長時間通学の問題も解消されていません。
 特別支援学校のあり方については、地域分散型、小規模化、障がい児教育の質の向上などの観点で見直すべきです。県教育委員会の考えをお示し下さい。

 今回の大震災・原発事故で、市町村も役場ごと避難を余儀なくされたことから、災害弱者といわれる障がい者、高齢者、病人が現地に置き去りにされてしまったようです。
 障がい者関係団体の調査では、避難所にも居場所がなく、連絡がとれずにいた障がい者が、結局自宅に戻っていたことが判明。NPO団体などの支援で生活していたとのことです。
 県は、震災・原発事故事後に、障がい者と障がい施設等の実態調査をされたのかどうか。また、再開にあたっては医療・福祉・教育機関との一体回復が求められますが、団体まかせにせず、県が支援すべきと思います。考えをうかがいます。

 また、障がい者に対し、原発事故の損害賠償請求書提出の支援、仮設・民間借り上げの住環境の整備、住まいや施設周辺の除染、減収した仕事への支援や新たな仕事興し、震災後の障がい者を支援しているJDF被災者支援センターなどへの支援事業の継続を求めますが、県の考えをうかがいます。
 放射線量を音声で知らせる「しゃべる線量計」は、県内の中小企業が開発したものです。この線量計は視覚障がい者だけでなく、高齢者にも喜ばれています。「しゃべる線量計」を視覚障がい者へ無料で給付すべきと思いますが、県の考えを求めます。

 ところで、避難指定区域が今度は放射線量で変更されました。仮の町構想などを含め今後の展望がみえていません。県は組織を改編し、避難地域復興局を新設しましたが、避難地域の障がい者や医療・福祉の充実など、住民一人ひとりに寄り添った多様な課題解決に向け、どのように取り組んでいるのか、担当局長の考えをお尋ねします。

 これまで行財政改革で職員・公務員削減をしてきたことの弊害が、震災・原発事故で鮮明になりました。本県は、震災以前から医療・福祉・教育は全国最下位クラスだったため、特に、この分野の職員不足が深刻です。
県立病院の医師・看護師の医療スタッフ、児童相談所や福祉施設、介護・高齢者分野の職員及び正教員の増員が必要ですが、どう増員を図るのかうかがいます。
 一方、障がい者も積極的に採用すべきです。また県がこれまで実施してこなかった点字試験の採用を導入すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 日本の相対的貧困率は、震災前年の2010年で16%、6人に1人が貧困ライン(年125万円)以下で、先進国の中で高い位置にあります。
今年3月介護保険料の改定で年間平均約5000円の負担増となりました。年金も増えず県民には重い負担です。さらに、6月の市町村議会でも国保税値上げが提案されましたが、県は市町村国保について「低所得の被保険者や高齢者が多く加入していること」から非常に厳しい状況になっていると現状分析しています。震災前からすでにこの実態です。
 県は、被災県民の命を守る立場で、生活困窮者への資格証明書の交付による国保証の取り上げをやめさせるべきです。滞納者へ14.6%というサラ金なみの延滞金を適用させないこと。
 さらに、18歳以下の医療費無料化について国のペナルティをなくすように国へ求めるとともに、県がそのペナルティ分の補てんを含めた県独自の助成を市町村へ行うこと。
 市町村国保への国庫支出金の割合を増やすよう国に求めるべきです。以上、県の考えをお聞かせ下さい。

 次に、生活保護についてですが、芸能人の母親のケースに乗じて生活保護への攻撃が相次いでいますが、この芸能人の事例は不正受給ではありません。扶養義務者からの扶養がなくても保護は受けられると小宮山厚労大臣も認めています。しかし、このような特異な例に乗じて扶養義務強化をする方向も明らかにしています。日本は、もともと生活保護の捕捉率が世界に比べて低く15%(厚労省07年公表)程度ですが、EUでは公的扶助を受けるのは当たり前で、イギリス、フランスの捕捉率は約90%です。北海道や東京都内でも餓死事件が起きていますが、本県でこのような犠牲者を出してはなりません。
 生活保護については、扶養義務の履行を県が強要しないこと。国に対しても生活保護制度の改悪や扶養義務強要をしないよう求めるべきです。
 また、最低賃金を時給1000円以上に引き上げれば内需も拡大し、生活保護費も減ると労働総研が試算しています。本県の最低賃金は658円、これを時給1000円以上に引き上げるよう国へ求めるべきと思いますが、以上、生活保護行政に関してうかがいます。

 医療・介護・福祉施設が、避難指定区域でも、受け入れ側の市町村でも不足しており、マンパワーも足りません。
 仮設住宅地域での医療・介護・福祉施設を県の責任で緊急に設置すること。また、県が独自に介護職員や医療スタッフの待遇改善を行ない、雇用につなげるべきです。県の考えをうかがいます。

三 本県の産業復興・再建についてですが、

 野田政権は、本日消費税10%以上への増税をはじめ、さらに、TPP参加も決めようとしていますが、本県の産業の復興・再建に冷水を浴びせることばかりです。
 TPPは、あらゆる産業と分野、特に農林水産業への影響は甚大であり、県は明確に反対を表明すべきです。県の考えをお示し下さい。

 被災地の復旧・整備に対する補助や、中小企業グループ補助が好評です。しかし、岩手・宮城の被災県と違い、本県は原発事故の影響もあって本格的な申請はむしろこれからです。グループ補助金制度の申請の現状と予算不足への対応、国へ継続と十分な予算の拡充を求めるべきです。また、二重ローン対策についても債権の買い取りが2件だけの適用という現状に、県はどう対応する考えなのでしょうか。
 一方、再建に向かえず廃業の道を選択せざるをえない被災中小企業は、借金だけが残ることになります。何らかの支援策が必要と思いますが、県の考えをお尋ねします。

 本県の産業復興というと、すぐ企業誘致という発想になりがちですが、実際に多く雇用しているのは中小企業です。
 再生可能エネルギー分野や、除染作業、先に述べた「しゃべる線量計」のような放射能測定器や検査機器の開発・販売、復興公営住宅の建設や住宅修繕など、今県民に必要で役に立つ産業に関わる県内中小企業に対し、予算を確保し、重点的に支援すべきです。県の考えをうかがいます。

 次に、再生可能エネルギーの推進についてです。
 本県は、「原発ゼロ」を決断した立場から、県は改定した再生可能エネルギー推進ビジョンで、2040年頃を目途に県内のエネルギー需要量を100%以上にするとしたこと自体は当然ですが、スピード感が足りません。
 ゼネコンが開発するメガソーラーや大型洋上風力発電ばかりが目立っていますが、無秩序に増やせばよいというものではなく、県が関与し戦略を持って推進すべきです。
 本県はもともと自然豊かで自然エネルギーの宝庫です。既存の水力発電15%程度の設備利用率を引き上げるとともに、中小水力発電、太陽光、風力、バイオマス、熱利用など積極的に活用すべきです。

 風力発電が会津・県南などで次々と計画されていますが、周辺住民との合意形成の上ですすめるべきです。会津背炙り(あぶり)山への風力発電建設については、湊地区の地下水、環境面、考古学的観点から建設見直しを求める声が住民から上がっています。
 まず、会津背炙り山の環境アセスの手続きが、どのような段階にあるのかうかがいます。
一方、昨年の国の環境影響評価法施行令改正により風力発電設置事業が法の対象になることに伴い、県の環境アセス条例対象規模の見直しをどのように行うのか、さらに条例改正の内容とスケジュールもお示し下さい。

 県民個人が導入する太陽光発電の導入補助金を大幅に引き上げること。太陽光発電に限らず、他の自然エネルギーへの補助も増やし、導入しやすい制度を創設すること。
また、ドイツのように、地域の市民団体などが固定価格買取り制度を活用し発電する取組みを支援していくことを求めます。
 さらに、再生可能エネルギーの推進にあたっては、秩序あるものとなるよう調整を図るべきと思いますが、以上県の考えをうかがいます。

 ところで、猪苗代湖の水利権は、東京電力が持っています。十六橋水門管理はかつて郡山の安積疎水が行っていたのが、水門開閉の電化に伴い東電へ委託され、その後戦時中に国と県が東電に水利権を与えたというのが歴史的経緯です。
 猪苗代湖は県民の宝、郡山市民と会津地方にも重要な役割を果しています。今後地産地消型の地域の自然エネルギーを推進するためにも、今回の原発事故を契機に、東電へ水利権の返上を求めるべきと思いますが、県の見解をうかがいます。

 以上で私の質問を終わります。

答弁

一 原子力発電所事故への対応について

内堀副知事
 プルサーマル実施に係る手続きにつきましては、3号機のプルサーマル受け入れを検討していた当時、県独自の取り組みとして、平成22年3月末に国に対して、3号機の耐震安全性など、技術的3条件の確認などを求めております。
 国においては、耐震安全性について、東京電力福島第1原発では、既に5号機を代表号機として確認を行っていたため、3号機で改めて実施することについて、難色を示していましたが、知事が経済産業大臣に対し、3号機についても5号機と同等の確認を強く求めたところであります。
 県といたしましては、原子力発電所の安全対策については、安全規制を一元的に担っている国の責任で対応すべきものと認識しており、確認にあたって、両副知事が国とのやりとりを行ったり、また、特定の手法を用いるよう国に求めた経緯はありません。

知事
 原発事故についてであります。
 私は、これまで、新潟県中越沖地震を教訓とした原子力発電所の耐震安全性確保や運転開始後30年を超える原子炉の高経年化対策等に関する国及び東京電力の取り組み状況を、立地自治体の立場から、厳しい目線で確認するとともに、国及び東京電力に対し、申し上げるべきことは繰り返し申し上げてまいりました。
 しかしながら、結果として、今回の原子力発電所の事故が発生したことにより、県内全域のあらゆる分野において重大な被害がもたらされていることを重く受け止めているところであります。

生活環境部長
 原発でのトラブルへの対応につきましては、4号機燃料プール冷却設備の故障や処理水の漏えいが相次いで発生したことから、本年4月に、東京電力に対し、仮設設備のいっそうの信頼性向上を図るよう、文書で申し入れるとともに、5月以降2回にわたり、立地町とともに立ち入り調査を実施し、再発防止の取り組み状況等を確認したところであります。
 引き続き、国及び東京電力の安全確保に向けた取り組み状況を、立地自治体の立場から、厳しい目線で確認してまいります。
 次に、国の原発事故収束宣言につきましては、ステップ2の完了は、事故の完全収束に向けた通過点に過ぎないものと認識しております。
 県といたしましては、引き続き、国及び東京電力に対して廃炉に向けた中長期ロードマップに基づく取り組みを着実に進めるよう、強く求めてまいります。

二 医療・福祉・教育について

保健福祉部長
 被災者の心のケアにつきましては、避難が長期化・広域化する中で極めて重要かつ喫緊の課題であるため、心のケアの拠点である「ふくしま心のケアセンター」を全県的組織に拡充したほか、子どもや保護者を対象とした県内外での相談会・研修会の開催や母子の電話健康相談窓口の新設などにより、相談支援の充実・強化を図ってまいりました。
 さらに、県民健康管理調査における心の健康度等に関する調査の結果を生かし、個々の状況に応じたきめ細かい継続的な支援に取り組んでまいる考えであります。
 次に、県立子ども病院の設置につきましては、放射線の影響から将来にわたり県民の健康を守るため、県立医科大学において放射線医学に関する最先端の研究・診療拠点を整備することとしており、この中で、子どもの医療に特化した小児・周産期医療の充実についても、しっかりと検討してまいる考えであります。

総務部長
 私立学校のエアコンにつきましては、その維持管理経費を含めた、学校運営に要する管理経費等が私立学校運営補助金の対象とされていることから、新たな補助は考えておりません。
 次に、私立学校に対するエアコンの設置につきましては、「ふくしまの子どもを守る緊急プロジェクト」により、昨年度中に希望するすべての私立学校に対して補助を行い、設置したところであります。

子育て支援担当理事
 保育所等のエアコンにつきましては、施設の設置者である市町村や社会福祉法人などが、その維持管理費も含め、総合的に判断して設置したものと理解しており、維持管理費について新たに補助の対象とすることは考えておりません。
 次に、保育所等へのエアコンの設置につきましては、「ふくしまの子どもを守る緊急プロジェクト」により、昨年度中に希望するすべての保育所等に対して補助を行い、設置したところであります。

教育長
 市町村立学校に係るエアコンにつきましては、学校の設置者である市町村が、その維持管理費を含め、総合的に判断して、設置したものと理解しており、エアコンの維持管理費を補助の対象とすることは考えておりません。
 次に、市町村立学校の教室へのエアコン設置につきましては、市町村が主体的に判断すべきものと考えております。
 次に、ふくしまっ子体験活動応援事業の補助内容の拡充につきましては、今年度に入り、補助内容の一部見直しを行ったところであり、今年度は、現行制度により補助してまいる考えであります。
 次に、事業の継続につきましては、事業をとりまく状況を勘案しながら、検討してまいる考えであります。
 次に、県立特別支援学校の在り方につきましては、現在、県内の児童生徒数の推移、障がいの多様化や通学状況などの把握に努めているところであります。
 県教育委員会といたしましては、分校等の設置も含め、全県的な視野で県立特別支援学校の全体整備計画の策定に取り組んでまいる考えであります。

保健福祉部長
 障がい者の実態調査につきましては、障がい者関係団体と連携し、アンケート調査や戸別訪問等により、詳細な状況確認を実施いたしました。
 また、障がい者施設の被災状況等については、市町村や関係団等を通じて確認しております。
 さらに、県内・県外へ避難した施設については、継続的にその避難者数等を調査しており、引き続き状況把握に努めてまいる考えであります。
 次に、被災した障がい者施設の再開につきましては、医療や福祉、教育機関などとの連携が不可欠であることから、国や市町村などと情報の共有を図りながら一体的に再開できるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、被災した障がい者に対する支援事業につきましては、障害者自立支援対策臨時特例基金事業を活用して、避難先での相談支援や就労支援、日中活動の場の確保等を民間団体等への委託などにより実施しているところであります。
 来年度以降も事業が継続できるよう、今後とも、あらゆる機会を捉え、国に対し、基金の継続・積み増しを要望してまいる考えであります。
 次に、音声付き線量計、いわゆる「しゃべる線量計」につきましては、視覚障がい者個人の購入のほか、市町村等の貸出制度により利用されているところであり、今後の対応につきましては、関係団体と協議してまいりたいと考えております。

避難地域復興局長
 避難地域の課題の解決につきましては、関係自治体に駐在員を配置して、地方振興局と連携しながら、避難先での厳しい生活状況や住民説明会等での住民の切迫した課題を持ち寄り、各部局を交え、定期的に協議しながら、全庁一丸となって取り組んでおります。
 また、こうした現場での課題にしっかりと対応できるよう、国、県、関係自治体が一堂に会し協議する場を設置したところであり、今後とも、避難されている住民の方々に寄り添いながら、県の総力を挙げて取り組んでまいります。

病院局長
 県立病院における医師の増員につきましては、医療サービスの向上や経営の改善を図る上で極めて重要であることから、これまで、県立医科大学等との連携や医師紹介事業者の活用などにより、積極的に取り組んできたところであり、また、看護師につきましては、各病院の病床数や看護体制に応じた人員の配置を行ってきたところであります。
 今後とも、県立病院に求められる医療機能、規模等を考慮しながら適切に取り組んでまいる考えであります。

保健福祉部長
 児童相談所等の職員につきましては、利用者の動向や、専門性の確保に配慮しながら、職員の適性配置に努めてまいりたいと考えております。

教育長
 正規教員の増員につきましては、教員数は、いわゆる標準法により、決定されるものでありますが、今後の児童生徒数の推移や退職予定者数の動向等を見極めながら、正規教員を増員できるよう努めてまいる考えであります。

総務部長
 障がい者の採用につきましては、平成9年度から「身体障がい者を対象とした選考予備試験」を毎年実施し、採用してきたところであり、今後も、職域の拡大を図り、障がい者の採用を推進してまいります。
 また、点字による試験の導入につきましては、導入にあたっての課題や他県の実施状況について、調査を進めていく考えであります。

保健福祉部長
 資格証明書の交付につきましては、国民健康保険法において、1年以上国民健康保険税を滞納した世帯について、被保険者証の返還を求めるとともに資格証明書を交付するものとされておりますが、同法施行令に定める災害等の特別の事情について、きめ細かく配慮した上で交付するよう、今後とも市町村保険者に対し助言してまいりたいと考えております。
 次に、国民健康保険税の延滞金につきましては、地方税法の規定により納付が義務付けられております。
 なお、市町村長は、やむを得ない事由があると認める場合には、延滞金額を減免することができることとされておりますので、市町村の判断により適切に運用されるものと考えております。
 次に、国保の国庫負担金の減額措置につきましては、廃止を国に強く要望してきたところでありますが、このうち、18歳以下の医療費無料化について、先日の国会において、国の補助金等により造成した基金を活用して実施する場合には、減額措置を行わない旨の方向性が示されたところであります。
 また、県独自の助成については、ほかの医療保険加入者との公平性の観点などから、実施は困難と考えております。
 次に、市町村国保への国庫支出金の割合の増加につきましては、これまで、全国知事会を始め地方3団体として国に要望してきたところであり、今後も強く求めてまいる考えであります。
 次に、生活保護につきましては、生活保護法等に基づき扶養義務調査を実施しており、最後のセーフティネットとしての趣旨を踏まえた制度運用を図っているところです。
 また、国においては、国家戦略会議及び社会保障審議会の特別部会で国民の信頼に応えた制度の構築等について議論が進められているところであり、県といたしましては、その状況を見守ってまいりたいと考えております。

商工労働部長
 最低賃金の引き上げにつきましては、国が法律に基づき、労働者の生計費や賃金、さらには企業の経営動向や各種経済指標等を考慮して決定することから、県としてはこれを尊重すべきものと考えております。

保健福祉部長
 仮設住宅地域の医療・介護・福祉施設につきましては、仮設住宅入居者が健康で安心した生活が送れるよう、仮設診療所4ヶ所、高齢者等サポート拠点21ヶ所、認知症高齢者グループホーム6ヶ所を設置したところであります。
 今後も、被災市町村の要望に応じて、施設の更なる整備を図り、仮設住宅入居者に必要な医療・介護・福祉サービスの確保に取り組んでまいる考えであります。
 次に、介護職員の待遇改善につきましては、介護職員処遇改善加算による賃金改善や緊急雇用創出事業により、人材の確保や定着を図っているところであります。
 また、医療スタッフについては、緊急時避難準備区域であった地域内の医療機関などを対象として、医療従事者の子育て支援や住宅借り上げ等の就業環境改善の取り組みを支援することとしており、今後とも、介護職員や医療従事者の待遇改善に取り組み、雇用につなげてまいる考えであります。

三 本県の産業復興・再建について

農林水産部長
 環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPにつきましては、農業産出額の大幅な減少など本県農林水産業への影響が懸念されており、今般実施した国への提案要望活動においても被災地域の復興を最優先に取り組み、TPPの影響の詳細な分析と国民的議論を十分に尽くした上で、慎重に対応するよう国に求めてきたところであります。
 県といたしましては、引き続き、国に対して被災地の復興にいささかも影響のないよう、慎重な対応を強く訴えてまいる考えであります。

商工労働部長
 中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業につきましては、今年度は、5月に募集を行い、101グループから、予算額を超える約350億円の申請がありました。
 かねてから国に対し、予算の増額を要望してまいりましたが、今般、一定の追加措置が認められたことから、今定例会に増額補正を追加提案したところであります。
 今後も、被災企業の事業再開を支援するため、引き続き、様々な機会を捉え、更なる予算確保を国に対して求めてまいります。
 次に、二重債務問題につきましては、事業再開計画の作成や債権者間の調整などに一定の期間が必要であることに加え、原子力災害の影響により、事業の見通しが立てにくいなどの本県特有の事情があり、時間を要しているものと認識しております。
 県といたしましては、引き続き、相談に対して丁寧な対応が図られるよう、関係機関と連携しながら、被災中小企業の事業再開を支援してまいる考えであります。
 次に、被災中小企業への支援につきましては、商工会議所等による経営安定特別相談を通じ、個々の事情をきめ細かく確認した上で、それぞれの事業者の状況に応じた適切な助言等を行っているところであり、事業の再生が極めて困難である場合には、円滑な整理が図られるよう支援しております。
 次に、県内中小企業への支援につきましては、再生可能エネルギー関連産業や除染に携わる事業者等を育成するための制度資金を創設したことに加え、ハイテクプラザによる技術開発支援や、テクノアカデミー等における人材育成を実施するなど、引き続き必要な予算を確保しながら、復興に関わる県内中小企業の支援に努めてまいります。

生活環境部長
 会津背あぶり山の風力発電所の環境影響評価につきましては、平成20年12月に事業者が環境影響評価の手法を示す方法書の公告・縦覧等の手続きを開始し、その手法に基づく評価の結果を取りまとめた準備書の手続きを経て、現在は、最終段階である評価書の手続きを行っており、早ければ秋にはすべての手続きが終了する見込みであります。
 次に、風力発電所の環境影響評価対象規模の見直しにつきましては、これまで条例では、出力7千キロワット以上1万キロワット未満の規模の施設を環境影響評価の手続きの要否を個別に判定する第2区分事業としておりましたが、これを手続きを必ず行わなければならない第1区分事業とするための規制の改正を法の施行に合わせ本年10月までに行うこととしております。
 この結果、出力7千キロワット以上のすべての施設について、条例または法に基づく手続きが義務付けられることとなります。
 次に、環境影響評価条例改正につきましては、法の改正に準じて方法書の手続き段階における住民説明会の開催や、紙媒体により縦覧に供されていた方法書や評価書等の図書の電子縦覧を義務付けるなど、事業者による説明責任の明確化を図る方向で検討しているところであります。
 今後、外部有識者による審査会の審議や県民意見の募集等を実施し、本年12月議会に改正案を提出する予定であります。

企画調整部長
 住宅用太陽光導入補助金につきましては、今年度の新規事業として国等の補助と合わせ、初期投資の4分の1程度の支援により、太陽光発電の普及拡大を図るため、7億円の規模で導入したものであります。
 この補助制度は、他県と比べ非常に有利な制度になっていることから、県といたしましては、来月から開始される固定価格買取制度と併せて広報するなど、この導入補助制度を積極的に活用してまいる考えであります。
 次に、再生可能エネルギーに係る導入補助制度の創設につきましては、大震災の被災地を対象とした初期投資のおおむね10分の1の国庫補助制度や来月から開始される固定価格買取制度において高めに設定された買取価格の効果等を見極めてまいりたいと考えております。
 次に、地域の市民団体などによる発電への取り組みにつきましては、環境を守る活動の一環として県内で広く実践されることにより、再生可能エネルギーへの共感を得ることができるため、効果的であると認識しております。
 県といたしましては、産学民官が連携した推進組織や市民参加型ファンドの創設などにより、地域主導による取り組みを支援してまいる考えであります。
 次に、再生可能エネルギーの秩序ある推進につきましては、県のホームページにおいて、県内全域の日射量や風量、土地利用に係る法規制など、事業化の検討に適切な手続きがなされるよう配慮した取り組みを行っております。
 今後とも、事業者による導入計画等の把握や関係機関の連携による情報共有を十分図りつつ、地域の意向も踏まえながら、再生可能エネルギーの推進に努めてまいる考えであります。
 次に、東京電力の水利権につきましては、猪苗代湖に係る水力発電事業のために、国において許可されたものであります。
 水力発電は、再生可能エネルギーの1つの柱としても位置付けられていることから、猪苗代湖に係る水力発電事業については、引き続きノウハウを持つ電気事業者において適切に運営されるべきであると考えております。
 このことから、現状においては、東京電力へ水利権の返上を求めることは考えておりません。

再質問

神山悦子県議
 再質問させていただきます。最初に内堀副知事にお尋ねいたします。先ほど事実関係についてお示しいただきましたが、国、原子力安全保安院は文書でそれを出したような報道もあったわけですけれども、このあたりについてはもう一度確認させていただきたいと思います。また、知事にお尋ねいたしますが、私たちの申し入れを受けて中越沖地震を契機に、地震、津波対策承知していたようですが、でもプルサーマルを実施したというのは知事になってからですよね。そして結果として本当に過酷な原発事故でこれだけの16万人もの避難者を生んでしまう結果になったり、重く受け止めるというご答弁でございましたけれども、重く受け止めたら反省も口にすべきではないでしょうか。やっぱり真摯に知事が反省してこそ、次にどうすべきかという、県民の皆さんの目が光っていると思います。知事は、もう少し真摯な反省を求めた私の質問に対してもう一度ていねいな答弁をお願いいたします。私はプルサーマルを実施するあの年の2月県議会、2010年のときに再質問でも言いました。今後、子どもや孫にもしものことがあったらどうするんですかと、知事は責任取れるんですかと、私質問させていただきました。そういうことも含めてもう一度、重く受け止めた内容と反省もぜひ示していただければと思います。
 さて、企画調整部長にお尋ねします。再生可能エネルギーの推進ですけれども、今年7月から買い取り制度が始まるんですけれども、個人の住宅用、これはないんですね。先ほど言った太陽光発電などそういうものについては4分の1補助なんですけれども、4分の1程度では(導入に)なかなか踏み切れないと私は思うんですよ。そこはやっぱり、国と協調でもいいですけど、県がまず導入しやすい仕組みをつくる。そして他の自然エネルギーも推進する。こういう決意に立たないと爆発的な推進は私はできないと思うんですけれども、もう一度お示しください。
 それから、水利権については、水力発電を推進するというんですけど、ノウハウは持ってる電力会社と言いますけれども、いま東京電力のこの実態と、今後どうなるのか分からない財産も処分していくという中にあっては、当然水利権どうするのかという問題になると思うんですね。国有化の話も出ておりますが、東京電力がこういう形で水利権を持っていること自体がいずれ問われてくると思うんです。今すぐじゃなくても。そういうつもりで県は腰を据えた対応が必要と思いますが、もう一度お答えください。
 さて、生活環境部長にお尋ねします。会津背あぶり山の風力発電についてですけれども、一応アセスはしたんです。しかし震災前なんですね、つまり原発と放射能の影響がどうなっているのかでアセスしたわけではないんですね、もう一度やってほしいという声もありますし、私はちょっと状況が変わったので、着々と進めるんじゃなくてもう一度住民の立場に立ってていねいなアセスが必要かと思いますが、もう一度お尋ねいたします。
 それから、教育長にお尋ねいたします。エアコンの設置は市町村の判断と冷たい答弁なんですけれども。私立学校とか他はね、教室にちゃんとやってるんですね。県は教室であろうとどこであろうと補助するっていうのは良いとしてもですね、郡山市などは全部の学校にやったと言ったら保健室なんですよ、全部やったのは。それは保健室も必要でしょう。しかし教室にどうかという、こういう判断は(県としては)してないんですね。だから維持管理費がやっぱり問題なんですよ。それを増やさないまま、その中で全部やってくれと言ったら市町村はどう考えますか。だから扇風機になってるんじゃないでしょうか。教育的立場から子どもたちがこの放射能で窓を閉め切った状態でいるという状況を考えれば、県がもっとイニシアをとってエアコンの設置を教室にやるべきだと、公立に対しては県教委が、教育長がちゃんと指示すべきじゃないでしょうか。もう一度お答えください。
 総務部長、点字試験の採用なんですけど、他県を調べてみると東北では福島以外はやってますよ、それは調べられてると思いますけど。ぜひそのあたりももう一度含めてお答えいただきたいと思います。

答弁

知事
 神山議員の再質問にお答えします。今回の原発事故は県内全域、そしてあらゆる分野に重大な被害をもたらされております。私は、このことについては大変重く受け止めておるところであります。

内堀副知事
 再質問にお答えいたします。県は技術的3条件の確認作業、これの内容、手法については安全規制を一元的に担っている国が判断すべきとの立場で臨んでおり、両副知事は国とのやり取りは行っておりません。

総務部長
 再質問にお答えいたします。他県の実施状況、十分私ども分かっている部分もございますが、試験の実施方法であるとか執務環境の整備、それから重度の視覚障害者の方々の職域の確保等々の課題について調査をすすめさせていただきたいと考えてございます。

企画調整部長
 再質問にお答えいたします。まず、住宅用太陽光発電についての導入推進策についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように今回の県の補助制度、これは1kWあたり5万円ということで設定をしております。今回の県の補助、それから国の補助制度、それから市町村でも独自に補助制度を持っておられるところもございます。そういうところとあわせて太陽光発電設備を設置していただくということになると基本的には、これまでもかなり手厚い制度になっていると考えております。実際に、各住宅設備関係の会社でいろんなローンを設定されると思いますが、こういう導入の補助金を利用いたしますと、長くかかっても十年で償還できるというお話も伺っておりますので、私どもといたしましてはこの制度を最大限活用して、県民の皆さんに広く周知をして導入促進を図ってまいりたいと考えております。
 それから猪苗代湖に係る東電の水利権の問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり水利権につきましては、これは国において許可されたものでございます。現在猪苗代湖に係る発電事業において東京電力でその事業について何か瑕疵があるというようなことは聞いておりません。私どもといたしましては、引き続き再生可能エネルギーの重要な柱の一つである水力発電事業については、先ほど申し上げましたとおり、ノウハウのある電気事業者において適切に運営されるべきであるというふうに考えております。

生活環境部長
 再質問にお答えいたします。背あぶり山のアセス手続きにつきましては、現在、法律あるいは条例に基づく手続きにおいては、放射性物質による影響の評価は手続きの対象とされていないところでございます。いずれにいたしましても、現在条例に基づく評価書の手続きが行われているところでございますので、事業者に対しても適正な手続きが行われるようにしっかりと指導してまいりたいと考えております。

教育長
 再質問にお答えいたします。教室へのエアコンの設置については、学校の設置者が判断し実施すべきと考えております。

再々質問

神山悦子県議
 保健福祉部長にお尋ねしたいと思います。先ほどのご答弁で18才以下の医療費のペナルティ、いわゆる国の減額措置というのが基金活用の部分は、国は(ペナルティを)ないとしたとこれは本当に画期的ですね。私は窓口での無料化を本県がすすんでやったことは大きく評価できますが、これまで国は償還払いじゃないと駄目だと、窓口(無料化)をやるとペナルティを課すと、とんでもないことやってきたわけですから、この点では国の姿勢は少し変わったかなと思います。ただし、それは県がやる小学校4年生から18才までの医療費についてですよね。だからその以下の子どもたちの市町村がやってる部分など―県がやってる部分もありますが―この部分が残ってるじゃないですか。だからせめてその部分くらいは、私は県が独自に助成してもよろしいんじゃないですか。少なくとも国がそういう立場に変わった以上、県もそういう立場で市町村を支援したり、本当に子どもたちが、また母親が安心して医療にかかれるようにすべきと思いますがもう一度お聞かせください。
 それから、県立子ども病院についてですけれども、なんでも医療は医大に任せるという感じだからなかなかすすまないのかなと私は思うんですね。たとえば、県立子ども病院は何も医大に置くという発想ばかりじゃなくて、たとえば県中地区に置くとか、交通の便の良い所とか、旧農業試験場跡地―今は仮設でいっぱいですけれども、あそこだって広大な県の土地じゃないですか。いろんな方法で、福島県は遅れを取っているわけですから子ども病院については。その点についての検討をもう一度求めたいと思いますが、お聞かせください。
 それから企画調整部長、水利権の問題で何らかの瑕疵があったか、あんまり重大な瑕疵はなかったみたいなお話ですけど、大きく言えば東京電力は福島県に多大な、こんな原発事故を起したわけでしょう。水力発電では(瑕疵は)ないかもしれません、水利権との関わりでは。しかし、そういう立場から言うと東京電力は今後どうなるかも分かりませんからね。やっぱり水利権の問題は、国が決めるんじゃなくてもともと地元やそういうところにあった権利ですからね、県がまずは管理するとか、市町村に持たせるとか、まずはそこに置いたらどうでしょうか。水力発電を抜本的に推進するという立場に立てば、水利権の問題も当然視野に入ってくると思いますので、もう一度お聞かせください。
 さて、教育長は非常に冷たい答弁でしたね。なんでその市町村と分けるんでしょうか。教育問題はやっぱり県ががんばって措置しなきゃ。全県目配りしたらどうですか。ハード面とかそういうことになるとみんな市町村。しかしね、市町村はそういう判断しないで実態としては扇風機で我慢させてるんじゃないですか。室内で30℃以下が望ましいという子どもの学習環境基準があるんですよね、でも福島は35℃になるとか、まあいろいろあるじゃないですか。そういうところも全然管理されてないのはどうして目配りしないんですか。子どもたちの健康を守れると思いますか。学習環境をちゃんと整備することができると思いますか。私は県の教育長としてはそれはあまりにひどいと思いますが、やっぱり検討していくべきと思いますが。そして維持管理費も合わせて県が補助するくらいやったらどうですか。子どもたちの健康のためというのは、知事の大事な復興に対する大きな政策ですから、その観点からもぜひお願いいたします。

答弁

企画調整部長
 再質問にお答えいたします。猪苗代湖に係る東京電力の発電所というのは大小15あるわけです。それらの発電能力というのは大体30数万kWでございます。東京電力が水利権を返上するということになると、その再生可能エネルギーである水力発電の30数万kWが失われてしまうということになります。それから現在東京電力は県に対して流水占用使用量というのをだいたい4億8千万円払っております。それから猪苗代湖および裏磐梯の3つの湖の兼用工作物の維持管理費の負担、これも約4千万円県に払っているわけです。そういう収入も失われてしまいます。そういう中で猪苗代湖に係る水力発電事業について、東京電力がなんか問題があったというような話は聞いてございません。そういう中で、東京電力に猪苗代湖の水利権を返上させる、そういうことは今現在まったく考えておりません。

保健福祉部長
 再質問にお答えいたします。18才以下の医療費無料化の件で、従来の制度で市町村が負担している部分について、というご質問かと思いますけども、県の独自の助成につきましては先ほどもご答弁申し上げましたように、他の医療保険加入者との公平性の観点などから実施は困難であるというふうに考えております。
 それから、子ども病院の設置についてのおただしでございます。ご承知のように本県は震災の前から産婦人科医、小児科医が大幅に不足している、そういうような実態にございました。単独での設置は、非常に困難であるというふうに認識いたしております。今般県立医科大学に放射線医学健康管理センターという拠点の整備構想をすすめる中で、周産期医療センターあるいは小児医療センターも一緒に整備する構想となってございますので、この中で小児・周産期医療の充実強化を図ってまいりたいと考えてございます。

教育長
 再質問にお答えいたします。神山議員ご指摘のとおり、学校環境衛生基準において教室は30℃以下が望ましいというふうにあります。また、学校保健安全法というところでは、学校の設置者は学校環境衛生基準に照らして、その設置する学校の適切な環境の維持に努めなければならないというふうにも定められておるところから、先ほど私のほうでは設置者が判断し実施すべきというふうにお答えをいたしました。



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