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2012年7月4日
2012年6月定例県議会を終えて
日本共産党福島県議会議員団
団 長  神山 悦子
副団長  宮川えみ子
副団長  阿部裕美子
幹事長  宮本しづえ
政調会長 長谷部 淳

はじめに

 野田内閣は、政治判断で大飯原発の再稼働強行を決めました。東京電力の事故調査委員会の最終報告は、「想定外の天災によって過酷事故に至った」とする自己弁護に終始するものであり、断じて認めるわけにはいきません。
 民主、自民、公明の3党は密室談合を繰り返し、国会会期を9月8日まで大幅延長し、6月26日、まともな審議を尽くさずに「消費税増税・社会保障一体改悪」関連法案の衆院での採決を強行しました。その「修正」・関連法案では、社会保障「改革」の全体像を方向づける「社会保障制度改革推進法案」という、まったく新しい法案を突然持ち出してきました。財界が長年要求してきた、社会保障の公的責任とは根本的に相いれない考え方を3党が法案に書き込み、突然持ち出したことは、きわめて異常です。国民の負担は増やす一方、大企業の負担は減らすことになります。
 社会保障全体の改悪にかかわる法案を“火事場泥棒”的に強行することは許されません。法案を廃案にし、消費税に頼らない社会保障充実・財政危機打開の道に転換することこそが急がれます。
 6月定例県議会に先立ち、6月1日には6月定例県議会にかかる知事申し入れを行いました。また、5月14日には全県の党地方議員との懇談、6月7日には民主団体との懇談を行い、県政の課題と要望について認識を深めました。
 4月11〜12日には、県外避難者受け入れで2番目に多い新潟県に避難者の声を直接聞くために訪れました。また、5月11日には、4月16日に警戒区域の見直しで避難指示解除準備区域となった南相馬市小高区の調査と仮設住宅での避難者との懇談を行いました。
 6月定例県議会は、6月19日から7月4日までの会期16日間で開催されました。この県議会で代表質問には宮本しづえ県議、一般質問には神山悦子県議が立ちました。
 議会前の国会事故調査委員会での知事の答弁に多くの会派から批判が出されました。大震災・原発事故から1年3ヶ月を経過して、事故を「人災」と認識するかは、被災者に寄り添い、国・東電に徹底して責任を迫るうえで決定的問題ですが、知事は最後までその立場での答弁はしませんでした。
 また、野田内閣の大飯原発再稼働決定に対して、被災県の議会として撤回を求める意見書を冒頭に上げるよう議長に申し入れ、その後、議員提出議案として未来ネットと共同で提出しましたが、他会派との協議を重ね最終的には委員会提出議案として「原子力発電所の再稼働について住民の安全・安心の確保を最優先に対応することを求める意見書」を全会一致で採択しました。
 また、最終本会議の討論は長谷部淳県議が行い、議案第10号・県の行う建設事業等に対する市町村負担の追加及び一部変更について、議員提出議案第65号・尖閣諸島の実効支配を推進するための法整備を求める意見書の2件に反対、議員提出議案7件を可決すべき、請願7件を採択とすべきとの立場で討論しました。また、人事案件では公安委員に再任の提案がありましたが、反対しました。
 新規請願の提出で党県議団が紹介議員になったものは22件で、「福島県内自主避難者に早急かつ公平な支援をするための意見書の提出について」(福島県に県内自主避難者の権利を求める会)が採択され、「会津若松市背炙り山風力発電施設の建設を認めないよう求めることについて」(風の谷委員会)は不採択とされました。
 消費税増税反対の意見書案には、共産党と社民党の議員だけが賛成、TPP参加反対の意見書案は、共産党と、社民党の議員、県民連合の一人が賛成しましたが、いずれも反対多数で否決となりました。

1、わが党の代表質問・一般質問、他会派の質問の特徴
(1)わが党の代表質問、一般質問について
◆代表質問:宮本しづえ県議(30分)

 原発事故から1年3か月が経過し、各種事故調査委員会の報告が出される下での、知事の事故認識を聞きましたが、人災事故とは認めませんでした。国と東電が安全対策の必要性を認識しながら、対策を怠った経過が明らかにされており、明確な人災ではないかと何度質しても知事の答弁は変わりません。原発を推進してきた真摯な反省がなければ、被災県民の立場に立って、国と東電に県民が求める対応を要求する足場ができないことを改めて指摘しました。
 復興計画で明記する全ての被災県民を支援する方針を、本当に活かす立場があるのかという点でも、県内外に避難している人で、未だ住宅家賃支援すら受けられない被災者が残されているにもかかわらず、具体的な支援には言及しませんでした。
 県民健康管理を市町村の管理に移し、ひとり一人の健康を管理する仕組みを作ること、全ての県民の医療費無料化を求めたのに対して、放射能に起因する疾病にかかる医療費助成を国に求めていることを明らかにしました。
 除染推進のため、個人が業者依頼して実施したものも費用負担すべきと求めたのに対して、県は、個人が負担すべきものではないとの見解を示しましたが、具体的支払方法は、今後の協議でと述べるにとどまりました。
 コメの全袋検査の取り組みは、県の管理の下で行われるものにふさわしく、必要な経費は県が全額負担すべきと求めたのに対しては、検査スペース確保に要する経費、運搬経費は賠償で対応するとの答弁でしたが、その後賠償されるまでは、貸付で対応する方針が示されました。

◆一般質問:神山悦子県議(20分)
 今回は、原発事故への対応、医療・福祉・教育、産業復興・再建の3項目について質問。原発事故への対応については、国へ「原発事故収束宣言」の撤回を求めるべきと質し、また、知事に対しては、プルサーマル導入を決断するなど原発との共生をうたい推進してきたことへの真摯な反省を求めました。知事は、「原発事故がもたらした重大な被害を重く受け止める」とだけ答弁し、「反省」は口にしませんでした。
 また、医療・福祉・教育については、子どもや県民の心のケア対策、県立子ども病院の設置を求めたほか、学校の教室などへのエアコン設置、ふくしまっ子体験事業の拡充、医療・福祉・教育分野の職員の増員、国保税や生活保護行政について県の考えを質しました。障がい者支援については、災害時や避難先での支援、しゃべる線量計の無料配布、点字試験の導入についても求めました。
 県は、10月から実施する小4〜18歳以下の子ども医療費無料化に関して、国保の国庫負担金の減額措置(ペナルティ)を今国会で廃止する方向が示されたと答弁。これは従来の国の大きな方針転換だと指摘し、市町村負担のペナルティ部分については県が独自に支援すべきとただしました。
 再生可能ネルギーの推進については、市民団体などの地域の取り組みは有効であり支援していくと答弁。また、会津背炙り山の風力発電建設問題と国のアセス法改正(風力を国のアセス対象に加えられた)に伴い、県の環境アセス条例を改正すること。県は、出力7000kW以上の風力発電所については、県のアセスを義務化する規則の改正を今年10月までに行うことを明らかにしました。

(2)他会派の質問の特徴について
(1)県内に自主避難している世帯に対する住宅家賃の支援について、自民党、民主党議員も質問しましたが、当局の答弁は、市町村と協議する、賠償のからみもあるとして、直ちに支援するとは言いません。被災者に寄り添わない県の姿勢には、県民連合からも再質問が出されました。
(2)コメの全袋検査についても、他会派からも共通した質問が出されました。県の答弁も、最初は、検査機器を配備する場所の確保、運搬費用は賠償で対応するとしていましたが、後半の質問には、県が貸付する方向で考えたいとの答弁に変化。方法は貸付でも、県がお金を出すことになったことは前進と言えます。
(3)国会の事故調査委員会の、県知事からの聞き取り調査に対する、知事の回答について責任を問う質問、知事のリーダーシップ不足への批判が各会派から出されました。しかし、他党派の質問は、原発政策を推進してきた責任を問うものではないことが特徴です。知事は、事故が起きたことは重く受け止めるという発言に留まっています。
(4)地域医療体制の確立、とりわけ心のケアに関する質問は、自殺対策と関わってほぼすべての会派が質問で取り上げました。県は、医大に設置した心のケアセンターに加えて、県内6か所に支所を設置し、訪問ケアも含めた対策を取る方針を明らかにしました。
(5)自民党新人議員は、仮のまち構想や、被災者支援で県や市町村が国待ちで、何も決められない状況に乗じて、道州制を導入すべきとする意見開陳を行い、知事の答弁を求めました。知事は、道州制には懸念があるので、慎重に対応すべき問題とする答弁を行いました。
 また、別の新人議員は、あぶくま高原道路の延長を求める質問を行うなど、災害復旧の口実で、旧来の大型公共事業のムダ使いを復活させる提案を行いました。
 これらの動きは、震災復興を名目に、財界要求に応えようとするもので、注視する必要があります。

3、各常任委員会審議の特徴
 ◆総務常任委員会:宮川えみ子県議

 補正予算は私立幼稚園の給食食材放射能検査機器を配置(これで完了)する予算などです。条例では東日本大震災復興特別区域法の規定により、特区として事業所・不動産取得・固定資産の各税の減免で県内すべてにある工業団地などに適用される議案などです。
 今議会の補正予算の主なものとして、子どもの医療費無料化を実施するため、保育所・幼稚園などの給食の検査機器配備、屋内遊び場をさらに確保、画像診断装置の整備(MRI・PETを一体にしたもので国内初)、浜通り地域医療復興、農林水産業の再生やインフラ復旧、米の作付制限解除に向けた放射性物質の低減対策や警戒区域の一部見直しで実施可能となった災害復旧事業、応急仮設住宅の追加工事など災害救助に要する経費などの各予算を、また、中小企業のグループ補助の予算も追加計上したと説明しました。
 この結果、一般会計における補正予算の総額は、855億円増の1兆6922億円になり昨年同期比で1.34倍となると説明しました。

 ◆企画環境常任委員会:長谷部淳県議
○企画調整部

 6月補正では、国からの東日本大震災復興交付金の基金積み立て、太陽光発電導入促進策の調査拡充経費、被災時などの情報通信ネットワークの通信確保経費、泉崎サイクルスタジアムの復旧費助成など、総額34億円余りの増額補正です。
 質疑では、福島復興再生特別措置法に基づく政府の基本方針、復旧・復興へ向けた国による財源確保、除染・原発作業員などにかかわる「宿舎等確保対策プロジェクトチーム」の役割などをめぐり、他会派からも意見が出されました。
 県内原発全基廃炉について、国と東電に対しことあるごとに強調すべきこと、基本方針に政府が「放射線に起因する医療費は本人の負担にはしない」と盛り込むことの具体策を求めること、再生可能エネルギー普及のための各地域での市民中心のしくみづくり、避難市町村の「新たな生活拠点」を設置する際の県の主体性の発揮、などを提起しました。

○生活環境部
 6月補正では、警戒区域が「解除」された地域をはじめとした災害救助法による救助に要する費用、県外避難者への情報提供拡充などの帰還支援事業経費、情報通信ネットワーク整備事業、原子力被害応急対策基金積み立てなど、総額175億円弱の増額補正です。
 除染、東電による賠償、国会事故調での知事対応などで他会派の委員からも質疑。県内自主避難者の実態の把握と支援の具体化、東電事故調最終報告書の県としての受け止めと「免責」を許さない姿勢を貫くこと。事故原発での汚染水漏洩が続く仮設ホースの問題、事故作業員の多重下請けと社会保険未加入の労働条件構造の改善を求めるべきこと、双葉断層や井戸沢・湯ノ岳断層の県としての調査、住宅応急修理の受付について県の姿勢を質しました。

●関西電力大飯原発再稼働の政府決定に対する意見書提出をめぐる経過
 6月県議会開会前日の6月18日、県議団として議長に対し「原発再稼働に反対する意見書の提出を求める申し入れ」を行い、議長のイニシアチブにより、議会冒頭で県議会の意志を示すよう求めました。
 議長は開会後の21日に代表者会議を設定して協議するとしましたが、その代表者会議の場では各委員会に付託し最終日に採決にかける通常の手続きで進めると仕切ったのです。
 「再稼働撤回」については未来ネットからも同趣旨の意見書案が出ていたため、これの一本化を図りながら、全会一致で「再稼働撤回」を決議できるよう各会派に要請を行いました。自民・公明各派は「みんなが一致できるなら」ということでした。
 これに対して、民主は「再稼働撤回」には同意できないという姿勢を示し、その後、未来ネットに対して民主・自民・未来ネットの共同提案を打診したようです。
 未来ネットが民主の意向も受けながらも、わが党との共同提案を決断したため、25日に2会派共同で「再稼働撤回」決議案を提出しました。
 26日、民主から「被災県の意志として、全体でまとめたい」と申し入れがあり、県議団としても全会一致で県議会の意志を示すことを重視することを決め、調整を図ることとしました。
 民主の当初案は、前半部分こそ「再稼働撤回」決議案からの引用であったものの、「再稼働を決めた地元の決断は尊重すべきもの」との記述があり、その部分の削除を求めました。また、再稼働は「被災県として非常に残念である」という表現に対して、他会派から「容認できない」などにすべきという意見がつき、県議団としても強く賛同しましたが、「被災県として受け入れがたく、非常に残念である」の表現にとどまりました。
 最終的に未来ネット・共産の共同提案議案の修正ではなく、民主案を全ての会派で調整した上で新規に提出し、これを委員会提案で本会議にはかるという方針を委員長が手元で決めたため、これに同意しました。
 結果、「再稼働撤回」を求める2会派の共同提案議案及び新婦人と民青の請願に基づく意見書議案は、「継続」扱いとされました。
 47都道府県の中で、唯一福島県議会だけが原発再稼働に対し、全会派が一致した意志を示すことができたことは、今後にとって意味を持つものと考えます。

 ◆商労文教常任委員会:神山悦子県議
●商工労働部

 今議会開会中に、中小企業等グループ補助金67億6,500万円増額補正の追加議案が提案されました。これは、当初予算約150億円の枠を超える101グループ、350億円の申請応募があり予算不足が明らかになり、国へ財源確保の要請。
今回その一部が内示され、今回の追加補正となったものです。しかし、それでも応募者に対し133億円の不足となっていることから、国へ引き続きグループ補助金の財源確保と事業の継続要請を求めました。
 同様に、企業立地補助金についても応募数に対し半分にも達しない採択となり、他会派からは財源確保を求める意見が相次ぎました。一方、この採択を条件の1つに、県の3つの工業団地の未分譲地に、県内外10社が進出を計画していることが示されました。
 雇用状況については、4月の有効求人倍率が0.92倍と全国平均を上回っているものの、正規は0.45倍にとどまり、震災前に比べ依然として厳しい状況にあること。雇用保険については、2回にわたり特例的に延長されたものの、今年9月で終了することに伴い失業手当が切れる被災者は、約9,800人に上ることが明らかになりました。
 県は、371億円で25,000人の雇用創出をする計画で、被災者を雇用する企業へ1人あたり最大3年間で総額225万円を助成するなどの支援策を行うとしていますが、除染や検査機器の開発、再生可能エネルギーなどの新規分野でも雇用に結びつけるべきと指摘しました。

●教育庁
 県立高校の災害復旧事業の追加補正や放射線から子どもの健康を守るために医師やスポーツトレーナー等を学校へ派遣する事業、浜通り地方の文化財を保管するための補正など約15.7億円の増額補正予算が計上されました。
 子どもの県外・県内の全体避難者は約3万人ですが、幼稚園・小中高校生・特別支援学校で受け入れた子どもたちは、5/1現在、県外では12,316人、県内では6,031人となっていることが明らかにされました。
 今年度から中学校で武道が義務化されることに伴い、剣道、柔道、なぎなたの指導員を30校に派遣すますが、授業だけでなく部活動においても子どもたちの安全対策をとること。
 特別支援学校の見直し検討については、分校化での対応というよりも地域エリアごとに独立した養護学校となるよう求めたほか、子どもの心のケアを支援するスクールソーシャルワーカーの増員を求めました。

 ◆農林水産常任委員会:阿部裕美子県議
 補正予算134億9,573万3千円、の主なものは次の通り。甚大な影響を受けている本県農林水産業の復興にむけて、本県の課題を解決するための調査・研究を行う拠点「県農林水産再生研究センター(仮称)」を設置するための検討経費として、約4,300万円。除染の効果を確認するための試験栽培圃場設置経費GAP導入支援普及活動推進事業に約8,300万円。警戒区域の一部見直しに伴う海岸堤防や農業用施設の災害復旧経費約71億円。これらの一般会計補正予算には賛成しました。
 県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加及び一部変更については反対。特に「山のみち地域づくり交付金事業」についてはかつての大規模、スーパー林道の延長事業として行われているものであり、平成20年に見直しを行ったとしても必要性、緊急性に疑問あるものとして中止するべきものと意見を述べました。
 米の全袋検査については昨年、県が安全宣言を行ってから汚染米が見つかり、信用を失墜したようなことを繰り返してはならないと全会派が発言を行いました。運搬費用なども含めてかかりまし経費も農家や市町村に負担をさせないよう、当面県が負担し、市町村は東電から賠償金が支払われてから県に返すことにしました。
 再生可能エネルギーについては各課の重点として具体的推進に踏み出すことを確認。除染の効果がどのように表れるか今年の状況を見守っている中で風評被害を乗り越えていく積極的取り組みを県に求めることも各会派共通意見となりました。

 ◆土木常任委員会:宮本しづえ県議
 仮設住宅の風呂の追い炊き設備、物置設置(1戸当たり、0.9平方メートル)等の予算が計上されましたが、他会派からも仮設住宅の仕様が初めから必要な設備を取り入れるものになっていなかったことが問題と指摘する意見が出され、現在の取り組みを今後の仕様に活かすべきと求めました。
 木造の仮設住宅を被災者の復興住宅として民間に払い下げるための調査研究費も盛り込まれました。復興公営住宅を早く建設すべきとの意見について、県は、避難市町村の代行事業に留まらず、県営住宅も建設する方針を決定したと表明しましたが、いつまで、どこに作るのかは不明です。今年1000戸作るとしている避難市町村の代行事業の要請は現在のところ来ていないと述べました。仮のまち構想を含め、避難自治体のまちづくりは、課題が整理されていない状態にあることが浮き彫りになっています。
 住宅の一部損壊に対する助成制度の創設を求める請願は、また継続審査になりました。他会派も必要性を否定はできないものの、県が制度化すると市町村の仕組みを見直す必要があると理由にならない理由を述べて継続だと主張しました。

 ◆子育て・健康・医療対策特別委員会:阿部裕美子県議、長谷部淳県議
 2月議会後は、会期外の4月には「安心して子どもを生み、育てることができる環境の整備」などについて、同じく5月には「健康の保持・増進」「医療提供体制の再構築及び強化」などについて、それぞれ執行部から説明を受け、質疑しました。
 4月は執行部退席後に委員会の意見交換、5月には、委員会の調査テーマに関し、早急に取り組むべき課題を県の施策に反映させるために、中間とりまとめをし、6月議会には知事へ要望としてまとめることとしました。
 会期中に2回の理事会を開催し、全ての県民の医療費無料化を国に求めるなど、これまでの委員会で出された意見を基本に、委員会に提案する「中間報告書」を作成。この経過で、がん検診を含めた健康診断を無料にする文言も県議団の提案で入りました。
 放射線医学の医療提供体制については、理事会での検討となり、県民にとって受診しやすい環境の診療拠点の早期整備、医療従事者の育成が盛り込まれました。
 この「中間報告」を今議会会期中の委員会で確認し、閉会日の7月4日、議長に報告後、知事に申し入れました。

◆産業振興・雇用・県土再生対策特別委員会:神山悦子県議、宮川えみ子県議
 4月27日の委員会では、企画・商労・観光分野での説明があり、再生可能エネルギーや中小企業へのグループ補助、観光復興問題などの説明がありました。被災中小企業の復旧整備に対するグループ補助の予算不足について一斉に要望が出され、県は、昨年は3回募集して来た、さらに国に求めていくと答弁しました。
5月25日の委員会では、生活環境・農林水産分野での説明がありました。農業分野では、今年度行われるコメの全袋検査体制について意見が続出し、検査の徹底や支援策など県の姿勢が問われました。県は、コメは自主流通の方も協力を求め全袋検査をやりたいと述べました。しいたけ農家への一層の支援策や、除染・塩害対策の強化が求められましたが、県は、除染の取り組みは仮置き場が喫緊の課題だと述べました。除染は、事業者・管理者・作業者と1万人を育成したいと述べました。森林除染では県土の70%あるが生活区域から20メートルしか予算が出ない、国に現状を見てもらわないとだめだ、コメや農産物の検査も昨年の2倍実施しているが全検査は難しいと述べました。
7月2日の委員会では、土木・原子力損害賠償・避難地域復興支援の問題です。応急仮設住宅のお風呂追い炊き・物置などの追加工事対策、県自ら県営住宅を整備する、県外避難者支援・賠償の確実迅速支援、市町村との協議の場などの復興支援などが説明されました。
 災害救助法の応急住宅修理の申請再開を行うことや県内自主避難者の支援策については相変わらず本会議と同じ答弁で前進はありませんでした。原子力損害賠償では県の市町村支援が弱いことや、賠償が中間指針の域を出ていない事などで国に意見を出すべき、国の審査会を早急に開く事などが求められました。民間借り上げ住宅支援の対応が不十分な問題や県外避難者が福島県に戻って来れない要因の把握ができていないなどの意見が出ました。
県は、制度的な面も広げつつあるが様々な事例が出てきている、実態や被災状況を東電にも把握してもらいあたらせたいと答えましたが、現状把握が弱く被災者に寄り添った支援策になっていない対応でした。

4、請願・意見書について
(1)採択された意見書〜16件

 国政上の大争点になっている、消費税増税、TPP参加、尖閣諸島領有をめぐる問題では、態度が大きく分かれました。
 消費税増税反対の意見書案には、共産党と社民党の議員だけが賛成、TPP参加反対の意見書案は、共産党と、社民党の議員、県民連合の一人が賛成しましたが、いずれも反対多数で否決となりました。
 TPP参加反対は、去年の9月議会で民主県民連合の一部議員が退席したものの、全員一致で決議しています。しかし、今議会では、共産党提案の意見書との理由だけで、自民、民主、公明がそろって否決の態度を取りました。県議会がオール福島で国に迫る立場は、見られなくなりました。
 党県議団は、尖閣諸島の問題では、わが国固有の領土であることは歴史上明白であるとした上で、あくまで外交努力で解決すべき問題だとして、自衛隊による警備の法整備を求める意見書には反対しました。

(1)尖閣諸島の実効支配を推進するための法整備を求める意見書
(2)参議院議員の福島選挙区定数を削減しないことを求める意見書
(3)「福島復興再生基本方針」に関する意見書
(4)原子力損害賠償の速やかな実施を求める意見書
(5)原子力損害賠償に係る税制上の優遇措置を含めた税制の抜本改革を求める意見書
(6)北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を求める意見書
(7)避難区域内の速やかなインフラ整備を求める意見書
(8)原発事故からの復旧・復興事業従事者の宿舎を早急に確保することを求める意見書
(9)再生可能エネルギーの導入促進に向けた環境整備を求める意見書
(10)福島県内自主避難者に早急かつ公正な支援を求める意見書
(11)地域医療の再生に関する意見書
(12)原発事故から県民の健康を守る制度の充実を求める意見書
(13)原発事故から県民の健康を守る制度の充実・強化を求める意見書
(14)ふくしま産業復興企業立地補助金の予算拡充を求める意見書
(15)「防災・減災ニューディール」による社会基盤構築を求める意見書
(16)原子力発電所の再稼働について住民の安全・安心の確保を最優先に対応することを求める意見書

※党県議団は(1)の1件に反対しました。また、継続扱いとなっていた議員提出議案が採択に付され、党県議団が提出した「消費税増税をしないことを求める意見書」はじめ7件が不採択とされました。

(2)わが党が紹介議員となった請願の結果について
 6月定例県議会に提出され、党県議団が紹介議員となった請願は22件で、
◆「被災地の参議院議員定数削減をしないことを求める意見書の提出について」(国会議員定数削減に反対する福島県民の会)
◆「県職員の採用を増やすことを求めることについて」(日本民主青年同盟福島県委員会)
◆「医療・福祉分野の職員確保のための施策を求めることについて」(日本民主青年同盟福島県委員会)
◆「福島県内自主避難者に早急かつ公平な支援をするための意見書の提出について」(福島県に県内自主避難者の権利を求める会)
◆「子どもたちの明るい未来のために原子力推進政策を撤回し、再生可能エネルギー中心の社会への転換を求める意見書の提出について」(新日本婦人の会福島県本部)
◆「子どもたちの明るい未来のために原子力推進政策を撤回し、原発の再稼働をしないことを求める意見書の提出について」(新日本婦人の会福島県本部)
◆「原発を再稼働しないことを求める意見書の提出について」(日本民主青年同盟福島県委員会)
◆「県内全域の早急な除線と放射性廃棄物処理に関する責任ある対応を求める意見書の提出について」(放射能対策子どもチーム)
◆「県内自主避難者に対しての災害救助法運用等の支援を求めることについて」(福島県に県内自主避難者の権利を求める会)
◆「会津若松市背炙り山風力発電施設の建設を認めないよう求めることについて」(風の谷委員会)
◆「福島県民全員への自己負担なしのがん検診・定期健診制度の実施を求める意見書の提出について」(県保険医協会)
◆「福島県民全員への『患者窓口負担なし(ゼロ割)』の医療受診制度の実施を求める意見書の提出について」(県保険医協会)
◆「産業医科大学修学資金の返還免除対象となる指定医療機関に福島県内全ての医療機関を加えることを求める意見書の提出について」(県民医連)
◆「『社会保障と税の一体改革』の撤回と社会保障の充実を求める意見書の提出について」(県社会保障推進協議会)
◆「ふくしまの子どもたちの健やかな成長を保障するため、18歳以下の子どもたちが恒久的に無料で医療を受けられる制度の創設を求める意見書の提出について」(放射能対策子どもチーム)
◆「ふくしまの子どもたちの健やかな成長を保障するため、継続して無料の健康診断を受けられる制度の創設を求める意見書の提出について」(放射能対策子どもチーム)
◆「ふくしまの子どもたちの健やかな成長を保障するため、18歳以下の子どもたちが恒久的に無料で医療を受けられる制度の創設を求めることについて」(放射能対策子どもチーム)
◆「ふくしまの子どもたちの健やかな成長を保障するため、継続して無料の健康診断を受けられる制度の創設を求めることについて」(放射能対策子どもチーム)
◆「有給による『避難休暇制度』を創設し、その制度を導入した企業に対する補助事業を創設するなど、一時的な避難をしやすい環境を整備を求める意見書の提出について」(放射能対策子どもチーム)
◆「震災後の若者の雇用実態の調査の実施を求めることについて」(日本民主青年同盟福島県委員会)
◆「若者の雇用を福島県としてつくることを求めることについて」(日本民主青年同盟福島県委員会)
◆「教育分野で県の直接雇用を増やすことを求めることについて」(日本民主青年同盟福島県委員会)
でした。そのうち、「福島県内自主避難者に早急かつ公平な支援をするための意見書の提出について」(福島県に県内自主避難者の権利を求める会)が採択され、「会津若松市背炙り山風力発電施設の建設を認めないよう求めることについて」(風の谷委員会)は不採択とされました。ほかは継続となりました。



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