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臨時議会および12月定例会に関する要望書
2003年11月12日

福島県知事
佐藤 栄佐久 様

日本共産党福島県議会議員団
団  長 神山  悦子
長谷部  淳

はじめに
1.人事院勧告問題
2.雇用問題と中小企業支援策について
3.農業問題
4.原発問題について
5.県立病院と「新子どもプラン」見直しについて
6.教育行政について

はじめに

 県内の今年の自殺者が9月末現在で518人となり、すでに昨年1年間での自殺者数(523人)とほぼ並ぶ深刻な事態となっている。しかも自殺の動機別では、経済生活問題が163人で昨年同時期比57人増、家庭問題が72人で同じく43人増と激増している。
 倒産、失業者を増やす施策に手をつけず、なんらの規制もしないままでの「雇用・中小企業対策」では、いまの深刻な事態を解決することにはつながらない。大企業の一方的解雇を規制するルールづくり、サービス残業の解消、賃下げなしでの労働時間の短縮など、労働の分かち合いで雇用の拡大を図る方策への転換を政府に強く迫るよう求める。
 年末を迎えようとしているいま、失業と倒産に苦しんでいる人びとに心を寄せ、県民の暮らしと営業、雇用を守る立場から、全力をあげてとりくむことを中心に、当面している以下の事項を実施されるよう求める。
 

1.人事院勧告問題

 県人事委員会は10月6日、昨年の初めてのマイナス勧告に引き続き、県職員の給与の引き下げを勧告した。(1)基本給を平均1.09%引き下げ (2)期末手当を0.25か月分引き下げ (3)配偶者扶養手当の500円引き下げと住居手当の1,000円引き下げ (4)4月にさかのぼって民間較差率を適用し、12月期の期末手当で減額――となっている。
 行政職のモデル(41.6歳、配偶者・子2人)で月3,852円、年間176,197円の減額となる事態である。
 勧告が完全実施されれば、本年度予算の一般財源ベースで41億円が削減されることになる。それだけ地域経済を冷え込ませることにつながり、民間への影響でさらに賃金の切り下げ競争に拍車をかける。「不利益不遡及の原則」にも反するものでもあり、県としては県民生活防衛、地域経済の活性化の立場から、県人事委員会の勧告に従っての引き下げは実施しないよう求める。
 また、関係労組との合意がないままの提示は行なうべきではない。

2.雇用問題と中小企業支援策について

 うすい百貨店が自主再建を断念して産業再生機構による支援決定、ホテルはまつなども自力再建を断念して民事再生法の適用申請、同じく滝谷建設工業も民事再生法の適用を申請するなど、県内地域経済の景気はいっそう冷え込むばかりといわざるをえない。
こうしたもとで雇用情勢や中小企業の業況は全体として依然、きびしい状況であり、長引く不況は県民の暮らしを直撃している。あらためて県の雇用拡大と金融政策の抜本的な対策が求められる。
(1) 新規高卒者や若年労働者の雇用促進を図ること。
(2) 中小企業の仕事の確保、資金確保、販路開拓、新商品開発、従業員研修など総合的支援策を強めること。特に年末資金確保への対応に全力をあげること。

3.農業問題

 低温・日照不足による本県農作物への被害額が、10月20日現在で約240億円にものぼる。農業という産業が、たとえ技術が進歩しても、自然の影響から免れないことをあらためて認識しなければならない。
そのうえで本県の「基幹産業」と位置づけられる農業の多面的な振興策が求められる。県の農林水産予算の約7割が土木事業で占められてきている状況を改め、直接生産意欲につながり、農民の生きる権利でもあり、世界の流れとなっている価格保障や所得補償に重点を移すべきである。
(1) 青果物価格安定対策事業(県単)では県が1/2負担(現行1/4)するようにし、生産者負担(現行1/2)を軽減すること。
(2) BSEやコイヘルペスなど感染源が不明な事例が相次いでいる。農家や業界への影響が大きいことから、国に対して具体的対策を求めるとともに、県として検査体制や防疫体制、食の安全対策の抜本的強化をはかること。
(3) 南会津地方の国有保安林の違法伐採は、単に知事との協議をしなかったという手続き上のミスとしてすまされる問題ではない。国民の貴重な共有財産を守ることを通して森林の果たしている多面的機能を守る認識があるのかが根本的に問われる。県として、この事実経過の詳細を県民に明らかにし、政府への抗議を行なうこと。

4.原発問題について

東京電力によれば、9月中旬以降、原子炉内の冷却水が失われたときに作動する緊急炉心冷却装置の水源ともなる圧力抑制プールや、核燃料集合体のケース内に「異物」が次々と発見された。安全以前の問題であり、県民の信頼を完全に失墜する東電の体質をさらけ出したものである。
県民の信頼を得ようのない東電のこの体質問題は、原発立地県として、「東電内部の問題」として放っておける問題ではない。
(1) 国に対し、罰則を含めた「インシデント報告制度」の法定を求めること。
(2) 東電に対し、その法定をまたずとも、県民の信頼が得られるシステムとして、下請企業従事者を含めた「インシデント報告制度」を整備するよう求めること。
(3) 今後の再稼動要請に対しては、これまで以上に、下請企業を含めたこの体質の抜本改善がなされているかを判断の基本にすえること。体質改善の担保が得られなければ、第二原発3号機をはじめ残る号機の稼動は容認しないこと。

5.県立病院と「新子どもプラン」見直しについて

1) 県立病院の見直しについて
いうまでもなくこの見直しは、県民の視点に立ち、県民福祉の向上に県立病院が、より資する方向で進められるべきである。
(1) 県立病院が担っている過疎医療、へき地医療、特殊医療など、民間では担えない医療には県として万全の責務を果たすこと。
(2) 県立病院がそれぞれの地域での中核的役割をはたしていることからも、救急医療や高度医療、難病対策など地域医療の水準を高めることで地域により貢献したり、安心と信頼の医療を提供したりするために、県として積極的にとりくむこと。
(3) そのためにも県は、県立病院が医師にとって魅力ある職場となるような具体的対策を講ずるとともに、医師の確保に万全を期すること。
2)「新子どもプラン」見直しについて
安心して子どもを産み、健やかに育てる地域・環境づくり、多様なニーズに対応した子育て支援サービスの充実を県として責任をもって進めなければならない。
(1) 待機児童を解消するために保育所を増設すること。
(2) 学童保育(放課後児童クラブ)を増設すること。
(3) 小・中・高校生を対象とした地域の子どもの居場所づくりを積極的に行なうこと。
(4) 「子どもに対して特別の保護を与える」(子どもの権利条約)という立場から、子どもたちをとりまく文化・情報に注意を払うこと。こうした視点から青少年健全育成条例の改正を行なうこと。
 

6.教育行政について

 「30人学級を小中全学年で」は広く県民各層の強い要望である。
(1) 30人学級を全学年で実施すること。中学2年生はただちに実施すること。
(2) 正規教諭を「一人でも多く」採用し、配置をすすめること。

以 上



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