国や東電の体質が、一昨年の不正事件以降、抜本的に改善されたとは言えません。今年1月16日、原子力安全・保安院が「安全宣言」をしていたまさにそのさなかに、残留熱除去機器冷却系での水漏れが起こっていたのです。保安院は異常なのに「安全」と宣言したのです。
しかも水漏れの原因が「貝が付着したこと」とされていますが、これは運転19年目のこの号機の老朽化の兆候といえます。
そのうえ、この号機は、1989年正月早々に起こった再循環ポンプ大破損による金属片あるいは金属粉がすべて回収されず、安全面でも不安要因をかかえたまま今に至っています。
まして、ひび割れの原因やその進展のメカニズムが未解明です。隠していたシュラウドの傷を補修したから「安全」とはとても言えません。しかも13か所のひびのうち3か所しか補修せず、10か所はひびをそのままに運転するというのでは、県も県議会も受け入れていない「維持基準」を、東電と国が一体となって強行に導入する態度と言わざるをえません。
議会としての意思表示は、今まさに議会の会期中であり、拙速に結論を出すのではなく、こうした点について十分な議論をつくすことこそが大前提です。
「安全・安心の一体的確保」のためには、老朽化対策を明確にするために、徹底した再調査・再点検こそが必要であり、運転再開を認めるべきではありません。
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