米英軍がイラク戦争を開始してから1年以上が経過しました。「大量破壊兵器の存在」を理由とした戦争の口実は、今や米国イラク調査団長の証言などから完全に破綻しています。世界をウソによって欺き、無法な戦争に乗り出した米英両国政府とそれに追随して無法な戦争を支持、加担した小泉内閣の責任は重大です。
こうした中で、日本人3人がイラクの武装組織にとらえられ、国民に衝撃を与えました。政府は「命より重いものはない」との立場で、3人の安全と解放のためにあらゆる努力をつくし、自衛隊をただちに撤退させるべきです。
この侵略戦争と軍事占領のもとで、イラクの民間人1万人以上が犠牲となっています。今、イラクでは米占領軍が、占領に反対するイラク国民の抵抗闘争を武力によって鎮圧しようとしており、米英を中心とする占領軍とイラク国民全体が大きな衝突に陥るという非常に深刻な事態になっています。また、サマワでも自衛隊宿営地や占領軍を目標とした砲弾が撃ち込まれるなど、イラク全体が戦争状態であることは明らかです。
すでに、陸上自衛隊東北方面隊からイラクへの派兵部隊(550人)が組織され準備に入っています。今年8月以降の派兵をめざして、東北方面隊第9師団が岩手県滝沢村で訓練に入っており、ここに福島県内の部隊からも一部参加していると伝えられており、11月以降は東北方面隊第6師団からの派兵が予定され、福島市の第44普通科連隊、郡山市の第6特科連隊からも派兵されるとされています。
大義のない米英の侵略戦争と軍事占領に加担する自衛隊の派兵はそれ自体が憲法違反であり、イラク特措法にも違反するものです。自衛隊には新年度も県内の高卒者が入隊しています。無法な戦争と占領に加担することによって県内出身者の青年の生命を危険にさらし、失うことは絶対にあってはならないことです。
以上の立場から、知事に以下の項目について対応することを強くもとめるものです。
1、知事として「大量破壊兵器の存在」という戦争の大義が破綻しているイラク戦争とその後の軍事占領に反対の態度を明確にし、自衛隊のサマワからのすみやかな撤退を求めること。
2、政府に対して、日本人3人の安全と解放のためにあらゆる努力をつくすことを求めること。
3、県内出身者が多数を占める東北方面隊からのイラク派兵に反対するとともに、派兵のための訓練の中止を求めること。
4、国際ルールを無視した米軍の軍事支援をすることが明らかな自衛隊への募集業務への協力は中止し、高校生などへの入隊勧誘はとりやめるなど慎重な進路指導をおこなうこと。
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