わが党は、政府がいう「三位一体改革」の本質を、政府が出す補助負担金を8割程度に押さえ、地方交付税もいくらかの税源移譲と引き換えに削減することと指摘してきました。すなわち「三位一体の改革」は、(1)国庫補助負担金の廃止・削減 (2)地方交付税の削減 (3)地方への税源移譲 の3つを一体的に行うことで「地方分権」にもつながるかのようにいわれてきましたが、政府の借金のツケを地方におしつけることがねらいです。
「三位一体改革」については議会内でも意見が分かれている問題であり、議会は議会として対応すべきです。
この8月に全国知事会は、異例の採決までして「国庫補助負担金の3.2兆円削減」の内容として意見の分かれた義務教育費国庫負担金を含む削減案をまとめました。政府借金の地方への押しつけが明白なうえ、反対意見を押し切って多数決で決めること自体地方自治の自殺行為といえるものですが、小学校分を含め国庫負担を全廃した場合、税財源の移譲が行われても本県は121億円減少になります。「義務教育は誰が責任を持つのか」「税収の地域格差をどうするのか」と言う重大な基本問題を県民に説明せず、税源移譲により「地方が自由に使える」という<形>だけを求めるのは極めて無責任です。そのことは既に今年度の「三位一体改革」による保育所の扱いでも明らかであり、これによる市町村は大きな困難に直面しています。
補助金・負担金を削減する場合には、地方自治体の税財源を減らさずに確保することが原則です。
また、全国町村議長会は、全国知事会がまとめた補助金削減案に反対する意見書や決議などを採択しないようにと全国の町村議長に「適切な指導」を文書で要請までしています。これは、義務教育費削減などへの根強い反対論を「封殺」することにもつながりかねず、議会の自主性が問われることにもなります。
従って、県議会が、行政当局と自治体代表者会議及び地方分権推進連盟の設置を安易に一体となってすすめることのないよう申し入れます。
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