HOME BACK ご意見・ご要望をお寄せ下さい
TOPICS
議員団紹介
政策・提案・見解
県議会報告
県政の資料
議員かけある記

2005年度予算編成に関する申し入れ(第一次)
2004年11月11日

福島県知事
佐藤 栄佐久 様

日本共産党福島県議会議員団
団  長 神山  悦子
               長谷部 淳

はじめに

 県民のくらしは、県税収入の大幅な減収と個人消費の伸び悩みにはっきり表れているように、経済・雇用問題に加え、米価の暴落、あいつぐ台風や地震による被害によって、大変厳しくなっています。
 こうした中で、小泉内閣は社会保障制度の連続切り下げを行い、年金・介護保険などの負担増、さらに社会保障の財源と称して定率減税の廃止による増税、さらには消費税の大増税まで計画しています。このままでは県民の負担が増えるばかりで、地域経済に与える悪影響は大きなものがあります。
 また、小泉内閣の偽りの「三位一体改革」によって、今年度当初で地方交付税が大幅に削減されました。しかし、今年8月に全国知事会は、義務教育の国庫負担費削減案を含む3.2兆円の国庫負担金・補助金の削減案をまとめましたが、これは、地方自治体の自殺行為といわざるをえません。政府は、交付税を含めた国から地方への財政支出を大幅に削る方針を大前提としており、この立場の「構造改革」をやめさせない限り、県も市町村も来年度以降の財政運営が一層厳しくなるのは必至です。本来、国が責任もつべき国民生活、福祉、教育などの財源保障がなければ、自治体間の格差が広がり、住民サービスの低下をもたらすだけです。
 ところが、国からの交付税削減を理由に、県はムダな大型開発優先で自ら作った借金のツケを県民に回そうと今後2年間を「緊急対応期間」と位置づけ、「官から民へ」を前面に、広域自治体としての役割をいっそう後退させ、全国的にみても大変遅れている福祉・医療・教育をさらに切り込み、県民負担増の新税も企図して、短期間で「財政再建」を図るとしています。しかし、これでは県民サービスは後退するばかりか、知事が5期目スタートで自ら述べた「県の役割は地域住民と市町村を守る」ことという基本姿勢を自ら踏みにじるものといわざるをえません。
 今週にも県内の自衛隊員がイラクに派兵されようとしていますが、非常事態宣言が発令されたイラクへの派兵は、直接県民の命が危険にさらされる憂慮すべき事態です。小泉政権の下で、戦争をする国づくりに地方自治体も協力させられようとしていますが、知事は、自衛隊の派兵中止はもとより、憲法9条を中心とした改定の動きと教育基本法の改悪に反対し、国に強く申し入れるべきです。
 以上のことから、来年度予算編成にあたっては、県民のくらしを最優先にした県民にあたたかい県政、憲法を生かし平和を守ることを基本にした県政運営と予算編成を要望します。

1、「県民のくらし応援」を最優先にした予算の使い方を

(1)県政の基本を、医療・福祉・教育を充実させることにおき、雇用・農業・商業・中小企業を活性化させ「県民のくらし応援の県政」に転換すること
(2)来年度からの予算編成では「枠配分方式」をとるとしていますが、県民に対する切実な施策が切捨てられかねません。県民のくらしを応援する施策には重点配分すること
(3)小名浜東港(人工島)やトラハイ、首都機能移転などのムダな大型開発事業は完全に中止すること。ムダなダムづくり、大規模林道も見直すこと
(4)安心して学び続けることができる環境をつくるために、「高校授業料3ヶ月滞納で出席停止」というマニュアルを撤回すること。また、経済的に困難な家庭に対する授業料減免基準の枠を拡充すること。就学援助制度を児童・生徒の保護者に周知し、活用をはかること
(5)財政難を理由に、県民への増税をはじめ、使用料・手数料などの安易な負担増を
強いることはやめること。特に、「産廃税」や「森林環境税」などの新税の創設がもくろまれていますが、弱い立場の県民に対し課税強化とならないようにすること
(6) コスト縮減を目的にした「官から民へ」の手法は、広域自治体としての県の役

 割を後退させるものです。安易な民間移譲はやめること
<1> 指定管理者制度の活用については慎重に検討すること。特に直営で管理している社会福祉施設や保健・医療施設では行わないこと
<2>情報管理業務の外部委託は、個人情報のろうえいにもつながる恐れがあることから慎重を期すこと。住基ネットは、廃止を求め、接続をやめること
<3>林業公社を除く公社等外郭団体の見直しをすすめること

2、広域自治体として県の役割を発揮し、市町村支援を強めること

(1)水道用水供給事業は水源を広域的に有効活用できるよう、県も参加してとりくむこと。今出ダムを水源とする県中広域水道用水供給事業については、ダム事業そのものを含め県の責任で見直すこと。木戸ダムについても同様の見直しをはかること
(2)地震や風水害など災害に強い県土をつくるために、学校や公的施設の耐震化、道路・橋梁、消防防災機材の整備、河川の整備を行うこと。また、緊急時に備えた県自身の体制を充実させること
(3)合併についてはおしつけをせず、国の圧力に対しては拒否する姿勢を貫くこと
(4)自立を選んだ市町村へも財政支援を行うこと
(5)過疎市町村への総合的支援をすすめ、事務事業によっては県の代行や一部事務組合への県の参加も検討すること
(6)住民合意の得られない県立病院の統廃合や民営化をせず、医師の配置と施設設備の改善・充実を図ること。県立こども病院、児童相談所の拡充・改修をさらにすすめること
(7)重度障がい者への医療費助成(県単)を後退させず、難病患者も含めるなど拡充すること
(8)市町村国保事業へ財政支援も含め高すぎて払いきれない加入者への保険税、一部負担金の減免を実施できるよう支援を行うこと
(9)保育所の運営費に対する国庫補助負担金の一般財源化により、運営費が削減されないよう県の支援を強化すること。また、市町村の保育料軽減や超過負担に対する財政支援を行うこと
(10)福島県広域まちづくり検討委員会で提言された方向で、地域のまちづくりをこわす大型店出店に歯止めをかけるための条例制定を急ぐこと。特に超大型店、24時間営業については認めないようにすること

3、「三位一体改革」による地方財政破壊をやめさせ、地方自治と県民のくらし・平和を守る防波堤の役割をはたすこと

(1) 財源移譲が不十分なままでの国庫補助負担金の削減には反対すること。特に、教育や福祉など県民生活と市町村に大きな影響を及ぼすものを削減することはやめること
(2) 小学校1・2年生、中学校1年生で実施され、子どもや親、教師から喜ばれている30人学級を全学年に広げること。また、複式学級の解消をすすめること
(3) 年金、介護、医療、支援費などの制度の見直しにおいて、応益負担とすることや公的責任の後退を許さず、国の責任で社会保障の充実を進めるよう求めること。
とりわけ、介護保険や支援費の見直しでの統合、サービスの低下や利用者の大幅負担増、20歳からの保険料徴収は行わないよう国に求めること
(4)「緊急地域雇用創出特別交付金」事業を継続するよう国に求めること。継続にあたっては、失業者の就労に役立ち、運用面での改善を求めること
(5) 戦争する国づくりに、地方自治体や民間業者を動員する有事法制の具体化を許さず、イラクへ自衛隊派兵をやめるよう国に求めること

4、原発の危険から県民の命を守り、安全を確保すること

(1)高経年化対策で原発の寿命30年を60年に延長するのは無謀です。欠陥が著しい第一世代の古い原発である、1F1,2,3,4,5号機の「廃炉」を国に求めること
(2)政府の原発推進政策と核燃サイクル政策の根本的見直しを求めること。プルサーマル計画は、絶対受け入れないこと
(3)苛酷事故(シビアアクシデント)は起こりえないとして、安全審査を事業者の自主点検にまかせておくのではなく、国が自ら審査を行うよう求めること。原子力防災指針においてもこれを想定したものとなっていません。この指針を改善するよう求めること
(4)耐震設計指針の見直しを求めること
(5)独立した原子力規制機関の設置を粘り強く求めていくこと
(6)ローカルな自然エネルギーの開発と普及にとりくむこと

以上



日本共産党福島県議団
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2番16号 TEL:024-521-7618/FAX:024-523-3256
jcpfskg@jcp-fukushima.gr.jp
Copyright(c)2004 fukushimakengidan All rights reserved.