福島県民のみなさん
水谷建設の脱税に端を発した談合事件「福島疑惑」は、ついに佐藤栄佐久福島県知事の実弟と元県土木部長が逮捕される事態となりました。このことは「福島疑惑」が知事の血縁者と関係者、県職員関係者、建設業界の政・官・財が一体となった官製談合としての、新しい段階に入ったことを意味しています。まさに知事の責任が問われています。
公共事業斡旋の見返りとして得た資金がどのように使われたのか、早急に全容を解明する必要がありますが、仮に佐藤知事本人がその資金の流れの中に組み込まれていなかったとしても、知事の権威を近親者が利用して県民の血税をかすめ取っていたということに、多くの県民のみなさんは、本当に正常で健全な県政運営をできる状態になっているのか、このまま佐藤知事が県政運営を続けてもよいのかと疑問に思っているのではないでしょうか。日本共産党にも多くの県民から不信と怒りの声が寄せられていますが、佐藤知事の政治的道義的責任は免れません。
県民のみなさん
日本共産党はこの事態を受けて、26日の朝から街頭宣伝などで県民のみなさんに報告するとともに、同日午後に開かれる県議会本会議で「説明」をするとしていた佐藤知事に対し申し入れをし、「説明」で終わることなく県民に対して自らの政治責任を明確にするとともに、政治家として出処進退を明らかにすることを求めました。
しかし、県議会で弁明した佐藤知事は、「兄弟というと一緒に行動してと思われがちですが、特に県政には関与させないようにしてきた」など、これまでの不十分な「説明」にとどまり、県民の思いに応え得る態度をとりませんでした。自らの政治責任にけじめをつけることができず、真正面から官製談合の不正をただし、県政を転換していくことができないのであるなら、佐藤知事は県政から退陣するべきです。
県民のみなさん
阿武隈流域下水道事業のほかにトラハイ(あぶくま高原道)や木戸ダムなどにも談合の疑惑が出ていますが、トラハイや木戸ダムは県民生活にとって不要不急の大規模開発のムダ使いであり、これが官製談合によってさらに県民の血税がかすめ取られていたということは、県民にとっては二重の裏切りです。木戸ダム発注の見返りとして三東スーツに利益供与があったという疑惑として取りざたされていますが、事実であればさらなる三重の裏切りです。
日本共産党は、一貫して談合の温床ともなる大型開発のムダ使いをやめて、県民のくらしと福祉優先の県政に切り替えることや、異常な高落札率を指摘して制度改善することを議会内外で訴えてきました。
しかし、佐藤県政はそれをせず、大型公共事業のムダ遣いを続けました。その影でしわ寄せが県民へと押し寄せました。記憶に新しいところでは、泉崎幼児虐待死事件がありますが、福島市にある児童相談所が中通り地方全域を管轄とせざるを得なかったことが重大な要因の1つでした。厚生労働省の基準でも福島県には最低5か所の児童相談所が必要ですが、実際には3か所しかなく、日本共産党がくり返し児童相談所の体制強化を訴えてきた中での事件でした。談合の温床となる大型事業のムダ遣いよりも県民のくらしと福祉を優先していれば、守れたいのちもあったのではないでしょうか。
不正を真正面からただして談合体質を一掃し、大型事業優先のゼネコン県政から県民のくらしと福祉優先の県政へ転換すれば、県民のみなさんの願いに応えることができます。
県民のみなさん
県知事周辺をめぐる疑惑がこれほどにも鋭く問われるなかで、県議会も対応が問われます。
日本共産党はこれまでも、公開質問状の提出や申し入れなどを行い県政で唯一の「たしかな野党」として役割を果たすことに努めてきました。そして、佐藤知事が自らの政治責任にけじめをつけることができず、不正が真正面からただされない状況となったいま、日本共産党は県議会が県民の代表として役割を果たし「福島疑惑」の全容解明と談合をさせないための改善に立ち上がるその先頭に立ち、佐藤知事に対して辞職勧告決議を上げることを他党・他会派にも呼びかけ、実現に全力を尽くしていきたいと思います。
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