佐藤祐二被告が04年の知事選で、佐藤栄佐久前知事の票の取りまとめのためにウラ金を県議らに渡して選挙買収をしたことによる、佐藤祐二被告および飛田新一県議ら8人の公職選挙法による起訴は、当然のことである。そしてウラ金を受け取ったとされた議員の辞職は論を待たない。
しかし、これが佐藤前知事陣営の選挙買収の全容ではないことは明らかである。報道によれば04年の知事選で使われたウラ金は2億円とも言われ、過去3回の知事選で6億円にものぼると報じられている。東京地検の捜査では佐藤栄佐久前知事の選対幹部にとどまらず、佐藤前知事と遠いといわれた県議も含めて、元県議、市町村議会議員など、県議などを通じて票のとりまとめを依頼されてウラ金を受け取ったと見られる相当数の関係者が聴取を受けている。
今回、起訴にいたったのは氷山の一角に過ぎない。佐藤被告らからウラ金を受け取ったのは今回起訴された者だけなのか、そしてウラ金を受け取った県議らが、その金をどうしたのか、だれに渡したのか、末端まで含めて徹底的に調査し、県民の前に明らかにする必要がある。
県議会では10月11日に「公共事業の適正な執行の在り方に関する調査特別委員会」の開催に際して、渡辺敬夫議長が全会派をまわり、ウラ金を受け取った県議の有無を確認し、議長としてウラ金を受け取った県議がいないと「潔白宣言」をした。にもかかわらず今回の県議起訴という結果は、県議会議長の権威を失墜させたと言わざるを得ない。
あわせて、起訴された県議を出した会派の責任は極めて重大である。会派としての「潔白宣言」は、単に「起訴された県議がウソをついていた」というだけではすまされない問題であり、会派としての責任が問われる。自民党はその責任を明確にし、今回起訴された県議以外にウラ金を受け取った県議がいないのか、あらためて調査して県民に明らかにするべきである。
日本共産党と「みんなで新しい県政をつくる会」は、先の県知事選でも福島県政汚職を最大の争点とし、佐藤栄佐久前県政を支えた「オール与党」が2つに分かれた陣営とたたかった。その経過からも、福島県政汚職を唯一真正面から追及できる勢力としての役割を発揮し、選挙買収も含めた福島汚職事件について、その全容を解明するために引き続き全力を尽くしていく。
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