プルサーマル計画の受け入れのための議論をしないことの申し入れ
福島県議会
議長 遠藤 忠一 様
日本共産党福島県委員会
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子
プルサーマル計画の受け入れのための議論をしないことの申し入れ
昨日、原発立地4町がプルサーマル計画の受入を決定しました。今回の立地4町のプルサーマル計画受け入れ表明は、これまでの県議会及び県のとってきた姿勢とまったく反するものです。原発立地4町がプルサーマル計画受け入れを決定した背景には、双葉町など立地町の財政事情があると指摘されています。
MOX燃料の使用は、制御棒の効き目に影響を与えるなど運転時の危険や労働者の被ばくの危険性を増やすばかりでなく、使用済み核燃料の保存・処理技術も未確立です。しかも老朽化している炉に使うことは安全性を無視した無謀なものです。
立地町の思惑だけで、危険なプルサーマル計画を受け入れることは、県民全体の安全・安心を脅かすことにつながりかねません。
県議会として県民全体の安全・安心を確保するという立場に立ち、慎重な対応が求められます。
また、東電の情報公開と信頼回復のとりくみを評価する声もありますが、本県にとって、2002年(H14)8月に発覚した東京電力の検査記録の改ざん・事故隠しは、県民の信頼を根底からくつがえす重大な不正事件でした。また国においても、監督官庁である原子力安全・保安院が申告を受けていながら、一切地元に伝えないという背信行為を行っていたことは、二重に県民の信頼を損ねたものでした。
10項目の意見書を提出した2002年と2005年の2度にわたる意見書で求めた原子力安全・保安院を推進機関から分離することについては、なんら前進はみられず、さらに、05年の意見書で求めた高経年化対策についても進んでいません。
さらに、10項目の意見書が提出された02年以降も、06年2月の温排水のデーター改ざんや臨界事故隠し、さらに07年の柏崎刈羽原発震災では、活断層隠しや断層の過小評価問題が次々と発覚し、さらに昨年6月には、放射線管理区域で18歳未満の少年を働かせていたことも発覚しました。
こうした一連の出来事は、法令遵守と企業倫理という観点からみても、東電の体質が改善されたとはとうてい認め難いものです。
30年以上経過した老朽原発が、本県では10基中5基もある中で、機器の減肉や応力腐食割れ、放射線照射による劣化など、さまざまな問題が重大化しています。また、日本列島が地震の活動期に入り、地震による災害に加えて原発事故が重なる「原発震災」の発生が現実の問題になっています。
こうした老朽化問題や地震問題への対策・対応を事業者まかせにせず、県や立地町が全力をあげることが、最も求められています。
県議会及び県がとってきた「白紙撤回」「議論以前の問題」としてきたこれまでの姿勢を堅持し、プルサーマル計画の受け入れのための議論をしないよう強く申し入れます。
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