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緊急経済・雇用対策に関する申し入れ(第6次)

 2010年4月15日

福島県知事
 佐藤 雄平 様

日本共産党福島県委員会
委員長 久保田 仁
同くらし・雇用対策本部
本部長 岩渕 友
日本共産党福島県議会議員団
団長  神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子

緊急経済・雇用対策に関する申し入れ(第6次)

 福島労働局が3月30日発表した、「最近の雇用失業情勢について」によると、県内の雇用失業情勢の概況は、「依然として厳しい状況にある」と結論づけています。有効求人倍率は、2月も0.36で、前年同月と比較して0.06ポイント下がっており、新規求人数は同6.8%も減少しています。昨年3月以降の最悪の状況を脱しておらず、東北6県の中でも2番目に大きな落ち込みです。求人数は毎年減少を続け、5年前の半分程度という状況です。雇用調整助成金等の休業計画を届けた企業は、1150事業所に及んでおり、雇用調整の対象となっている労働者は26,129人にのぼり、この中で3割近くが派遣労働者、期間社員、請負社員など非正規労働者です。一方、正規労働者の中でも解雇が広がっており、統計を開始した2008年10月から今年2月までの1年5ヶ月間に、「企業整備」(人員整理)という形で解雇された労働者が、9,510人、うち6割にあたる5,909人が正職員です。統計で集約されていない、従業員10人未満の会社も含めると、膨大な数の解雇の実態があるとみられます。その中で、特に高校生はじめ若者の雇用悪化が社会に深刻な影を落としています。

 2月定例県議会にあたっても申し入れたところですが、引き続き緊急になっている問題について対策の促進を要望致します。


1.若者の雇用と労働条件を守るために、緊急かつ系統的な施策をはかること。
(1)就職を希望しているすべての高校生が職につけるよう引き続き力をつくすこと。
 新規高校卒業者の就職内定率は、3月31日現在で95.5%で、就職が内定していない高校生は、関係機関のさまざまな努力にもかかわらずなお、251人にのぼっています。県も、1月の補正予算で、新規高卒者の就職を促進するため、2月以降に採用の内定をおこなった企業などに対して、1人あたり15万円の雇用助成金を6月まで継続してとりくんでいることは、関係者を励ましているところです。と同時に、求人の落ち込みが長引く中、企業に対する助成制度だけでは最後の1人まで保証することになりません。
 2月県議会前に提案したように、就職できなかった卒業生に対する資格取得や職業訓練のための支援(月10万円)をおこなうなど、直接的な支援へとふみ出すことを重ねてもとめるものです。

(2)政府に対し、生活支援金付き職業訓練の改善と拡充を求めること。
 厚労省が昨年、「第2のセーフティーネット」として創設した、生活支援金付きの職業訓練が始まりました。この制度は雇用をもとめる国民の声を一定反映したものですが、いくつか改善すべき点がでています。
 ①  様々な事情から高校を卒業できなかった若者に対し、職探しをしながら、単位制高校に入学して卒業資格をとれるように、訓練期間中の生活支援がもとめられています。若者たちに、県独自にでも生活支援をはかり卒業資格の取得を激励していくことを検討すべきです。
 ② 給付水準が、生活保護以下となっており、国に対して給付額を引き上げるようもとめるとともに、県としても助成措置を検討すべきです。
 ③ 以上の施策を拡充するうえでも、厚労省が現在計画している、地域職業訓練センター廃止計画については撤回するよう働きかけること。

(3)若者に、働く権利と相談窓口があることを伝える広報活動を徹底・強化すること。
 この間、派遣や期間社員として働く人たちが、労働法を踏みにじって解雇され、路上生活に陥る事例があいついでいます。こうした状況をもたらした要因の一つに、不当な人権侵害を受けても、労働者の権利や労働法が徹底されておらず、また相談する機関も周知されていないという問題があります。
 新潟県では「若者のための労働ハンドブック」を5万部作製し、県内すべての高校3年生全員とハローワークに配布しています。その中で、労働契約や就業規則、労働時間、休日・有給休暇、賃金、解雇、社会保険などの解説や、働く人の立場から労働関係法令、相談窓口を紹介しています。福島県においても同種のパンフレットをつくっていますが、規模の点でも、内容の面でも再考が必要です。職に就いてからも、困った時や、疑問に思ったときには活用できるものへと改善すべきです。

2.雇用とくらしをめぐる情勢が長期にわたり改善されず極めて深刻化する中、国による改善のための抜本的な対策がつよく求められています。県民のくらしを守る立場から、政府に対して、現状打開の抜本対策を要請すること。あわせて、県民生活の各分野を視野に入れた、総合的な県の経済対策をはかること。

(1)正規雇用があたり前となる雇用のルール確立を国に求めること。
 (1) 労働者派遣法の改正案が国会に提出されようとしていますが、その内容は、「常用型派遣」を例外扱いとし、登録型派遣でも専門26業種を例外としています。この、「2つの抜け穴」をきちんと規制する措置をとるよう政府に対して働きかけること。
 (2) あわせてこの間、派遣切りなどによって路上生活に転落させられた人たちを救援する活動が県内各地でとりくまれております。路上生活者の救出活動に対する緊急支援とともに、救出された人たちが仕事の確保を含めて生活を再建できるようにするための支援計画を県として確立すること。

(2)中小企業・業者の地域での仕事・産業づくりを支援すること。
 ① 日本共産党の志位委員長の国会質問において、現在の下請代金法や、下請振興法にもとづいて定められている「振興基準」がまったく実行されていないことが明らかになりました。県として、製品開発や、販路開拓、後継者育成などの総合的な振興策に本腰をいれてとりくむうえでも、政府に対して県内の実態にもとづいて、「振興基準」の実施を働きかけること。
 ② 先に議会でも指摘したところであるが、新年度から始まった新築住宅への補助制度をさらに前にすすめて、民間住宅リフォームへの助成制度(秋田県や、県内でもいわき市、広野町で実施)をおこなうこと。
 ③ 県内業者が請け負う事業について、積算原価割れや下請け労働者へのしわよせにならないように、入札予定価格を適正な水準に引き上げること。
 ④ 特別養護老人ホームの待機者解消、保育所の待機児童解消など、緊急に求められている福祉施設を整備し、生活基盤整備の事業を拡大すること。
 ⑤ 学校施設の耐震補強工事や太陽光発電などを推進すること。
 ⑥ 会津若松市は3月から、若者の就農を支援するために、部分的な支援にとどまらないで、農業研修から実際に農業に就くまでの体系的な支援策をスタートさせました。また、県内には民間の手による地域産業おこしのさまざまなとりくみが生まれています。こうしたとりくみに対して支援をつよめ、若者に希望を与えるとりくみを重ねて求めるものです。

以上



日本共産党福島県議団
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