田村市と二本松市にかかる流域下水道事業を県が継続して管理することを求めます
福島県知事
佐藤 雄平 様
日本共産党福島県委員会
委員長 久保田 仁
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
田村市と二本松市にかかる流域下水道事業を県が継続して管理することを求めます
県が管理している4つの流域下水道事業のうち、田村処理区と二本松処理区の2つの流域下水道事業についてですが、県は田村市と二本松市が市町村合併したことから下水道法の要件を欠くことになるとして、両市に対し償還金の残金や県が負担した資本金まで含めた一切を負担させようとしています。
しかし、これを実施すれば、すでに流域下水道関連で市の負担で行っている公共下水道事業の負担もしていることから両市の財政は破綻しかねません。移管すれば、田村市には建設債未償還分の継承、資本費の回収、維持管理負担金の立替分の回収など36億5千万円、二本松市には同様に15億5千万円もの新たな負担が加わることになります。
県は広域自治体としての立場で以下の点から再考し、これまでどおり引き続き県の事業として継続する方向で検討されることを求めます。
田村処理区と二本松処理区は、合併前の単独事業ではおよそ経営できない事業であり、破綻の恐れがある事業として一般的には認可されなかった事業です。2002年の合併特例法の改正で、合併後10年間は都道府県の流域下水道事業とみなすという内容の第14条の規定が加えられたのは、国がこうした事例を想定していなかったことを自ら認めたといえます。
- 国に対し、流域下水道の移管により市が財政再建団体に転落することがないよう、特段の措置を講ずるよう求めるとともに、市町村合併による特例事項であることに鑑み、下水道法の改正など国として救済するよう求めること。
- 現時点における田村市と二本松市にかかる流域下水道事業の累積投資額、今後の投資予定額、引継ぎ予定時点での残債額の見込み、償還予定、維持管理費について、さらに、これらの経費のうち市に移管する予定額をあらためて示されたい。
- 県は、下流域の阿武隈川やその支流の大滝根川の水質浄化と水環境を守る、郡山市東部地域の水道水源にもなっている三春ダムの水質を守るという観点に立ち、広域的役割から県事業として継続すること。
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