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緊急経済・雇用対策に関する申し入れ(第7次)

2010年12月24日

福島県知事
 佐藤 雄平 様

日本共産党福島県委員会
委員長 久保田 仁
同雇用対策本部
本部長  宮本しづえ
副本部長 長谷部 淳
同   阿部裕美子
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子

緊急経済・雇用対策に関する申し入れ(第7次)

 11月30日に発表された総務省の「労働力調査」と、福島労働局の「雇用失業情勢」の2つの調査結果は、福島県の雇用情勢の厳しさをあらためて浮きぼりにするものとなっています。10月の本県の有効求人倍率は、前月と同率の0.45倍であり、全国ワースト5位。完全失業率は、5.1%で、全国12位。県内で雇用助成金の申請をした企業の労働者数は、17,203人を数え、前月と比べて1,224人も増えています。
 とりわけ高校生や大学生の就職問題は、いよいよ深刻になっています。高校生の就職内定率は、11月30日現在で67.2%で、私立高校生の場合は45.4%、専修学校生徒の場合は44.7%と極めて異常な状況です。日本高等学校教職員組合が発表した結果によれば、「求人状況の深刻さがいっそう増していること」、「新卒者の就職難が進行していること」が指摘されており、全国的に未就職者の3人に1人が就職試験にすらたどり着けず、その中でもさらに、都市部と郡部に大きな地域格差が生まれています。社会に巣立つ第一歩がふみだせない社会は何としても打開しなければなりません。
 県民生活も一段と困難を極めています。生活保護世帯の激増と所得が生活保護水準以下の世帯がふえています。各地で、国保税などを納めることができない状況が広がり、医療費を払えないために医者にかかるのを我慢した結果、手遅れになって病院に運び込まれ死亡した痛ましい事件すらおきています。
 民主党政権は、来年春を目途に、介護保険法の見直し、後期高齢者医療制度と同様に75歳以上の高齢者を差別する「新制度」の制定、国民健康保険の広域化、現行の保育制度に替わる「子ども・子育て新システム」の導入など、矢継ぎ早に社会保障の仕組みを変えようとしています。自公政権のもとで、小泉「構造改革」による社会保障の切り捨て、格差と貧困の広がりに対する国民の怒りの中で誕生した民主党政権でしたが、あらゆる分野で「自公政権と同じでないか」と失望と怒りが広がっています。加えて、地域経済を根底から崩壊させるTPPへの参加の問題が、県民に大きな不安を与えています。
 県民生活の現状を直視し、暮らしと地域経済をまもるために、知事が、以下の諸点について、対策をはかることを要望致します。

1.深刻になっている高校生や大学生の就職問題に全力をあげてとりくむこと。
(1)就職を希望する高校生全員が就職できるようにするために、地元の企業、なかでも大きな内部留保をもつ誘致企業に対して、高校生の採用を広げるよう働きかけていくこと。
(2)地元の企業が地元の高校生を採用した場合における、企業に対する人件費補助の誘導策をおこなうこと。
(3)就職できなかった新卒高校生に対して、資格取得や職業訓練のための支援(月10万円)をおこなうなど、直接的な支援に踏み出すこと。
(4)大学に入学した時から就職活動を考えなければならない異常な現状を改めるために、国に対して、企業、大学、国の3者で実効ある就職活動のルールづくりを協議するよう求めること。
 同時に、県としても、大学生の就職機会を確保するために、行政、経営者団体、労働団体が協議する仕組みを確立すること。

2.県民の雇用と賃金をまもる緊急対策をおこなうこと。
(1)年末、失業などで行き場を失った人たちに生活支援をおこなうために、相談窓口を設置し、ワンストップサービス(窓口で住まいや生活保護など必要な申請に対応できる体制をつくる)を、振興局単位に確立すること。
(2)福島県の最低賃金(時給657円)を大幅に引き上げること。そのために、事業者への必要な助成をはかること。
(3)失業者の仕事の確保のために、県として緊急の公的就労事業を創設すること。
(4)失業者の生活安定のために、国に対して、雇用保険給付期間の延長や対象の拡大を求めること。

3.「官製ワーキングプアー」をこれ以上生み出さないために、神奈川県川崎市や千葉県野田市などの条例を参考にして、「公契約条例」を県として制定すること。
 県行政が真っ先に、教育現場や福祉施設などの非正規職員を正職員として配置すること。

4.緊急経済対策として、市町村の国保会計に県として助成し、国保税を1世帯あたり1万円引き下げる緊急措置をおこなうこと。

5.住宅リフォームへの助成事業を、緊急経済対策として実施すること。すでに秋田県で大きな実績をあげ、山形県でも来年から実施するとしている。秋田県の場合、申請件数は11,697件、補助額は16億4769万円、工事費総額は252億2572万円にのぼり、全世帯の2・95%が利用していることになる。県は、リフォームによる経済効果を約512億円と推計しており、21億円の予算で、24倍の経済効果を生みだし、県税収入の増額にもつながっている。

6.生活保護世帯の自家用車の所有を一律に認めないなど、前近代的な実態にある生活保護行政を改め、憲法25条の基本的人権を保障するものに改善すること。
 低所得世帯に対して、「福祉灯油」の支給、小口の駆け込み融資などを手当すること。

7.農業と地域経済を崩壊させるTPPへの参加に対して、農業生産県の福島県として国に対して明確に「反対」の意思表示をおこなうこと。

以 上



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