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2011年4月25日

福島県知事
 佐藤 雄平 様

日本共産党福島県東日本大震災・原発事故対策本部
本部長  久保田 仁
神山 悦子
宮川えみこ
藤川 淑子

東日本大震災・原発事故に関する申し入れ(第15次)

東日本大地震、及び福島原発事故から1カ月半が経過しました。国において、被災者支援、被災地復興、原発事故賠償のための枠組み作りに向けた具体化が始まっている下で、避難所生活の疲労蓄積、どこまで生活支援が行われるのかなど、これからの生活への不安が一層深刻さを増しつつあります。県民の不安解消に最善を尽くされるよう以下の点について申し入れるものです。

1、借り上げ住宅に係わる以下の点について実態に即して適切に対応すること
○三世代、4世代の大家族が避難する場合、子どもとその親だけが先に避難し、追っておじいさん、おばあさんが避難のため別の借り上げ住宅を借りたいという世帯には、二世帯としての家賃を認めること。また、同時避難であっても、借り上げ住宅が狭いために、別々に住宅を確保せざるを得ない世帯に対して、二世帯として家賃助成を行うこと。
○大家族の避難世帯が一緒に生活するために大きな間取りで家賃が6万円の限度を超えた場合も全額家賃補助の対象にすること。
○健康上の理由などで、市町村の借り上げ住宅入居募集以前に独自に住宅を借りて住んでいる場合も、家賃補助の対象にすること。岩手県や宮城県では、既に家賃助成を行う方針を明らかにしており、福島県も同様の扱いをすること
○市町村が指定した地域以外の地区でも本人の希望に基づき、借り上げ住宅家賃補助対象にすること。

2、原発事故損害賠償紛争審査会に関して次の事項を国に求めること
○放射能汚染による被害は、原発からの距離や、放射能の数値にかかわらず県民生活の多面にわたって広がっている現状から、福島県が求めているように、原発事故によって生じたあらゆる損害を賠償させる立場から、損害賠償紛争審査会に地元福島県の住民代表、及び福島県の農業、漁業の代表者を参加させること。
○今回の原発事故に特化した特別立法の制定で、全ての被害者救済に道を開くよう県として審査会に求めること。
○審査会の審議内容を全面公開させるため、傍聴を認めるとともに、インターネット上に画像を公開すること。
○原発事故によって事業継続が困難になり、当面の生活に困窮している事業者や労働者などの被害者に対して、直ちに追加の仮払いを行うよう東電に指示するよう審査会に求めること。
○、福島県産の牛乳をメーカーが引き取らない問題が起きているのに加えて、県教委は学校給食にも使わない方針と伝えられ、酪農家は出荷規制が解除されても事実上出荷制限と同じ状態に置かれている。農、畜産物の出荷制限、及び同様の状態によって収入が途絶えた農家に対しては、減収額に相当する仮払いを直ちに行うことを東電に指示するよう審査会に求めること
○原発事故に起因する全ての損害について、県が窓口になって損害賠償請求を行うこと。
農業の被害の請求及び認定について、JAに出荷していない農家については県が窓口になって欲しいとの要望が出されている。茨城県では、JCO事故の教訓から既に県に協議会を立ち上げたとつたえられている。

3、一次避難所の以下の生活条件の改善を図ること
○県管理の大規模避難所では、食事の内容が朝食パン、昼食おにぎり、夕食パンで、炊き出しがあるときだけは温かい食事が提供されると言うように、たんぱく質や、野菜など、毎日必要な栄養が摂取できない状態になっている。一日の食費基準をせめて阪神大震災時の特別基準1200円に引き上げて、栄養状態を改善すること。
これは、小規模の避難所に比較すると、大規模避難所にはボランティアが入りにくいことも食事が辛いと感じさせる要因になっていると思われる。避難所生活が長期化している現状を踏まえて、味噌汁と簡単な副食程度は自炊できる施設にできるだけ分散化を図り、生活環境及び栄養状態の改善を図ることが求められる。
○体育館の床に段ボールを敷いた程度で寝ている避難所がある。マットレスを敷くなどの改善策を講じること。
○避難所に洗濯機が不足しているので増やすこと
○郡山市内に避難している人で、幼稚園にも保育園にも入れないで困っている避難者がいる。幼稚園は私立しかなく、保育所では5歳児以上は引き受けないと言われている。親が仕事を見つけられるためにも、避難しているという状況を鑑み、無料で幼稚園ないし保育園に通えるようにすること。

4、二次避難所に移った人が洗濯できずに一次避難所に持ってきて洗濯している状況がある。旅館等への支援を強化してこのような問題を解消すること。

5、原発事故被害に係わる中小企業への支援策は、30キロ圏内に限定しないで、希望者全員が受けられるようにすること。

6、放射能のモニタリング調査対象に学童保育所を加えること。
○小学校敷地以外で学童保育を実施している施設をモニタリング対象に加え、子どもと保護者の不安解消に努めること。福島市渡利地域にある学童保育所「きりん教室」には77人の児童が通っているが、屋外で遊ぶこともできず狭い部屋の中で放課後を送っている。学校に準じて活動の判断ができるように、モニタリング調査を行うこと。

7、原発から30キロ圏外の避難者に対する支援については、地元市町村が30キロ圏内と同様の支援を行う場合は、県としても同様の措置を取ること
○既に南相馬市のように30キロ圏外の市民に対しても市が独自で見舞金を支給する等の対策が始まっている。県が国に求めているように、原発被害は、距離や放射能の数値だけでは測れない問題があることは明らかである。よって、県としても自治体全ての住民を対象にして、見舞金支給、仮設住宅や借り上げ住宅の提供など現在行われている支援策を講じていくべきである。

8、国の特例措置を学校現場に徹底すること。福島県の教育現場で起きている特別の困難に対応する為、教員は減らさず新規採用も予定通り行うこと。
教育現場では、情報が正確に伝達されないために就学援助が受けられず、修学旅行に参加できなかった児童がいたなどの様々な混乱が生じている。



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