「ステップ2」完了をもって原発事故収束とする宣言の撤回を求めることについての要請
野田佳彦首相は12月16日、燃料が溶融して深刻な事態を引き起こしている福島第一原発1〜3号機について、事故収束に向けた工程表の「ステップ2」が完了し、「事故そのものが収束に至ったと確認された」と宣言しました。
しかし実態は、原子炉内の状況もわからず、汚染水処理システムからの漏水もたびたび起き、再臨界発生の可能性も否定できず、事故拡大の危険性をはらんでおり、収束にはほど遠いといわなければなりません。
この宣言は、原発事故そのものばかりでなく、東京電力と国の責任をも小さく見せようとするものです。そして、原発のない福島県をめざすこと、これからも拡大する被害を全面賠償させること、放射能汚染の実態を徹底して測定し除染を進めることなどを強く求めている福島県民の願いに応えることすらも、「収束」させようとする意図を疑わざるを得ません。
18日、枝野幸男経産相はじめ政府の原発事故担当3大臣が知事への説明に来県した際、知事が強い不快感を示し、県民にとって原発事故は収束していないと発言されたことは、県民の気持ちを代弁したもので、当然の対応だったと考えます。
県として、国と東京電力が全責任を持って最後まで対応することを求める姿勢をくずさず、引き続きとりくみを強めるよう要請します。
- 「ステップ2」完了をもって、原発事故の収束とすることの宣言の撤回を国に求めること。
- 国と東電の責任で、福島第一原発がどうなっているのか全体像を明らかにし、必要な対策をとることを求めること。
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